喧嘩稼業第94話感想



久し振りの喧嘩稼業だ!
このまま連載終了を危ぶんでいたので無事に再開して良かったですね。
いや、ホント。
でも、木多先生が生きている間に完結しないと思う(非情)

上杉は前回の金剛で強く打っただけでは金剛が入らないことを確認する。
適当に心臓を殴れば金剛完成だと思っていたようだ。
実際のところ、私もそれで金剛が完成するものだと思っていた。
メタルスライムことヤクザで経験値を稼がないと金剛を習得できないようだ。
シンプルな仕組みとは裏腹にぶっつけ本番でやっても失敗で終わるのであった。

芝原は金剛を受けた時に十兵衛の名前を挙げた。
陰陽トーナメントで金剛を一番最初に使ったのは梶原さんなのに……
つまり、金剛は富田流の技だと上杉は推理する。
実際、その通りなんだけど情報量的には大したことがないですな。
というか、無一に食らった時点で富田流の技だと推測できるような……

対して芝原は煉獄の解析を行う。
自身の煉獄は6手目の繋ぎが遅く脱出されたことと、一撃で倒すのではなく連打を続けることが重要だと理解する。
そして、芝原にとって煉獄はダメージを蓄積させるための技だと結論付けられた。
芝原の煉獄と上杉の金剛はお互いに窮余の一策であったがそこから得られた情報量の差がデカいのであった。

芝原は上杉を観察する上で息を切らしていないことに違和感を感じる。
陰と陽の呼吸を見切り上杉の動きを見切っていた芝原らしい着眼点である。
そこで疲労を隠すために荒い息づかいにならないようにしていると推測、そこから疲労していないのなら金剛を打つことがおかしいことに気付く。
金剛を打てるのなら煉獄も打てる状況だったのに、未完成だが一発で終わる可能性のある金剛を選んだ……
つまり、体力の限界が近いと芝原は結論づけるのだった。

結論に至った瞬間、芝原は横蹴りを出す。
アグレッシブな選択であり、ハイリスクな選択だったが上杉は読みながらもかわすだけに留まる。
これで消耗していることを確信した芝原は一気に攻める。
ジジイで合気道なのにホントアグレッシブですな。

「格闘家相手に合気の技を活かす『付属武術』が必要だ」
「それが合気拳法」


ゆう君は芝原の言葉を思い出す。
直後に芝原は殴りかかるがそこにカウンターを合わせられる。
が、それを合気の天秤投げで返しダウンを奪い、そこから統合のようにマウントを取って殴りまくる。
合気だけにこだわらず他の格闘技を組み込んだ見事な立ち回りであった。
芝原は里見の掲げる最強の格闘技、一つの流派にこだわらず様々な武術を組み込んだものを体現していたのだった。

(井の中の蛙が大海に出る事に備えていた)
「己を知り牙を研ぎ続ける達人」


この対格闘家用合気道は田島も認めるものだった。
あまり試合もしていないはずなのに芝原の技術は極めて磨き上げられている。
芝原は対山本陸用合気道、対進道塾用合気道と内心では思っているし、若い頃からこうした試合を想定してきたのかも。
合気道の魁として相当な名声を得た身だというのにそこに甘える気がない。
そりゃ強い。

誰もが上杉の敗北を確信する中で認めない人間が二人いた。
一人は一番弟子の橋口。
もう一人はアンダーグラウンドで試合をTVで観戦していたルーキーと呼ばれる人間……
上杉の師、山本陸であった。

ここでついに消息不明だった山本陸が登場した!
しかも、アンダーグラウンドにいるし!
ルーキー呼ばわりされているということは最近アンダーグラウンドに来たばかりのようだ。
表舞台から去ってから一体どんな生活をしていたのか。
わかることはアンダーグラウンドという戦いの場にいることから、山本陸も芝原同様に牙を研ぎ続けていたようだ。

芝原が圧倒的優勢の中で山本陸という爆弾が投げ込まれた。
これは逆転フラグ?
ここから負けたら普通にダサいぞ、上杉。
でも、芝原には金田の使った薬、通称魔人薬が残されている可能性もある。
お互いに逆転の手は残されている。
そして、木多先生にちゃんと書かせる手は残されていない。
もうワガママ言わないので3週間に1回ちゃんと掲載してくださいお願いします……