バキ道感想 第70話「あの子だッッ!!!」



タフではレーザーを放ちバキでは相撲と戦う。
バキの方がマシ!
……のはずだけど、原人と侍の後に戦うのが相撲なので何かどっちもどっちですな。
というわけで、花山と力士の戦いは続くぞ!


鯱鉾は大量の鼻血を流しながら地面に手を突く。
力士は倒れないという前提を完全に無視した霰のない姿である。
だが、続ける気である。
この辺の機微を金竜山や理事長に説明してもらいたいのだが……
残念ながら肝心なところで語ってくれない。お前は本部か。
「「打たれる覚悟」の力士に打ち込み――――」
「一撃でひっくり返す無類の火力ッッ」


鯱鉾は覚悟をしていた……とは言うけれど、鯱鉾は無抵抗で喰らった気がする。 それは置いておいて相変わらず力士のタフネスは高く評価されているようだ。
宿禰だってオリバの金剛力士パンチに耐えている。
刃牙のハイキックには一発でダウンしたけど。
……あれは覚悟ができていなかったということか?

花山の打撃力はスペックや武蔵に通じるくらいの破壊力はある。
覚悟をしただけの力士が耐えられる道理がない。
むしろ、一発で終わらなかったのが奇跡的とも言える。 力士は品種改良されたようだ。
その品種改良についてもうちょっと一言……
元から強いような空気を醸しているけど騙されないからな?

「あの子だッッ!!!」

その時、金竜山と理事長に電流走る。
4年前、元大関雷王、現在は浪速親方が理事長に報告に来ていた。
ある高校へ赴いた報告だった。

その高校には二人の怪物がいた。
一人はいまいちな怪物の沼尾武志、もう一人が浪速親方を投げた花山薫だった。
というわけで、創面のエピソードが本編に逆輸入された。 拳刃の佐部京一郎や虎殺しの輸入といい、最近は外伝からの輸入が多い。
佐部京一郎は最近では全然ないけど。

とりあえず、面倒臭いオタクとしては輸入されたのが創面で良かったです。
マスター国松を全力で貶めた疵面の方だったら勘弁してくれ!ってなっていたかもしれない。
花山の株を上げるためにマスター国松をただの格下の雑魚にしやがって!
いや、花山の株も言うほど上がってないよ! 全然戦ってないし!



この話を聞いた金竜山親方は首をかしげるしかなかった。
昨年までは現役大関だった雷王が高校生に投げられた。
金竜山自身、雷王の実力は横綱時代に散々味わっている。
そんな逸材がいるのならば是非欲しくなるのが親方の性であろう。
金竜山は驚愕と同時にリクルートに燃えるのであった。

………………
あの、金竜山さん。
4年前は最大トーナメントに出る前だし普通に横綱でしたよね?
バキ世界の時系列はやや不透明だ。
とりあえず、刃牙17歳の時に最大トーナメント開催、大擂台賽の時に18歳になっている。
それから時間の経過を示す具体的な描写としては武蔵のクローン体が成体になるまでの11ヶ月がある。
最大トーナメントから最低でも2年が経過していることになる。
が、さすがに4年は経過していないだろう。

そもそも最大トーナメント開催時で花山は19歳、つまりは高校卒業している。 留年した可能性も否定できないが、まぁ生真面目な花山ならそこはしっかりやるだろう。
最大限前向きに解釈すると、金竜山は現役引退して親方になる→横綱に復帰して最大トーナメント出場→引退して再び親方になるとアクロバチックな経歴を歩んでいることになる。
でも、4年前の金竜山は今の痩せている姿だ。
現役復帰と同時にちゃんこ食べまくって太ったのか?

実はこれで設定の矛盾がほとんどないバキシリーズにしては珍しく堂々とやった矛盾である。
でも、タフでやった10年前に我が子を失った悲しみに涙していた田代さんが、その10年前の回想で死んだことと比べればジャブなので気にしない方向で行きましょう。
あと設定の矛盾はなくとも描写の矛盾はあるのですが。
紅葉に握力で負ける勇次郎とか。

リクルートに動こうとする金竜山だったが理事長に静止される。
理由は顔面に傷があるから、そして、入れ墨を彫っているからだった。
至極、真っ当な理由で花山の角界入りは幕を閉じる。
品性が求められるのが角界。明らかなヤクザを力士にするわけにはいかないのだろう。

以上がツッコミどころ盛りだくさんの4年前の話だった。
金竜山も理事長も即座に思い出す辺り、よほど印象深い出来事だったのだろう。
金竜山は最大トーナメントに一緒に出ていたんだからその時点で何かを感じろ。
やはり、この力士がやたらと強いバキ道世界は次元や時空に歪みが生じているのではなかろうか……

花山と角界には意外な繋がりがあった。
地味なエピソードながらも本編に破綻をきたさない範囲で持ってきたのは嬉しいですね。
いや、破綻はきたしていないけど金竜山がおかしいことになった。 あの本部に勝つくらいにはおかしい奴だからおかしいことになるのは必然、か……?

そして、現代に戻る。
起き上がった鯱鉾に対して花山は構える。
その構えは花山お得意の両腕を掲げたタフネス任せのノーガードの構えである。
この花山の象徴とも言える構えに実況の人は驚く。
今更驚くのか……と感じるかもしれないけど、意外にも地下闘技場でこの構えを取ったのは初めてだ。

対して鯱鉾は落ち着きの表情になっていた。
……落ち着いているのか? 冷や汗ダラダラなんですけど?
ともあれ、試合はまだまだ続くようだ。

鯱鉾は(覚悟していたみたいだけど)油断から一発食らってしまった。
今度は警戒して得意の突っ張り連打を行うのだろうか。
花山はこの構えで無呼吸連打に耐えきってカウンターを行っている。
なので、鯱鉾はもう1回殴られてしまいそうだ。
この時が決着だろうか。
もし花山が突っ張り連打に反撃できなかったら笑う前に泣く。
試合の趨勢は決したように思える。
だが、鯱鉾がここから一波乱起こすのか。
あるいは花山が順当に勝つのか。
あと本部、そろそろ解説してくれ。
次回へ続く。