シンフォギアのサブタイトルにおいて戦姫も絶唱も冠しているものは存在しなかった。
その戦姫も絶唱も冠している! ワースゴイ!
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「ユグドラシルの稼働を確認ッ! 地球中心核域に向かって潜航中ッ!!」
時は遡る。
前回、締めで伸びていたユグドラシル、まさか潜っていた。
生えてきたかと思えば潜る……
君、忙しいヤツだなー。
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「みんなの頑張りでバラルの咒詛は死守できているのに……」
「何故、ユグドラシルが――」
「やっぱりこいつの仕業だろうな」
当然、シェム・ハの仕業。
アンタも地下にいたり地上にいたりで忙しいな。
よく見ると第10話のシェム・ハ緒戦において足場となっていたユグドラシルの中心部がなくなっている。
ボーリングの要領で掘り進んでいるのだろう。
ただの超常ではなくちゃんとメカニズムを考えているのがシンフォギアらしさでアリマス。
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「司令、どちらへッ!?」
「装者不在の今、あの神話級の超常に対抗できるのは――」
装者がいない。シェム・ハが動き出した。
ならば、人類最強の弦十郎の出番である。
だったらイケるぜ。
何せ完全聖遺物+融合症例という廃課金のフィーネを圧倒している。 もっとも、躊躇からフィーネにも訃堂にも敗れている。
弦十郎の強さとて絶対ではない。
だが、対抗できるのは弦十郎以外にいない!
行け行け弦十郎、負けるな弦十郎。これでシェム・ハを倒したら最高にシンフォギア。
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「待ってくださいッ!」
「対抗するって、どうするつもりですか」
「ボクに考えがありますッ!!」
しかし、それを止めるのは意外にもエルフナインだった。
成長しているのは装者だけではない。
エルフナインも幾多もの成長を経たことで弦十郎に真っ向意見を言えるようになったのだ。 本部で難しそうなことを言っているだけじゃないんだゼ……
XVにおける弦十郎は成長を見届ける意味での大人の役割が目立つでアリマス。
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「生々流転、間もなくである」
「この星の迷い子たちを我が力へと改造した後には彼方へと去った同胞の喉元へと攻め入ってやろうぞ」
シェム・ハァー! またワクワクするね☆なことを!
シェム・ハはその野望故にカストディアンという種と敵対していたことになる。
故に地球を去ったカストディアンと一戦を交え、支配することが最終目標ということか。 人類を怪物として改造するのもカストディアン本隊と交えるに当たっての兵力とするためだろうか。
そして、地球人類を怪物と変える必要のあるカストディアン本隊の戦力の凄まじさ……まさに神……
これは劇場版で交えるしかないな!
神と和解せよ(町で見かけるアレ)
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そして、劇場版が楽しみですねな悪巧みスマイル。
すまん、未来さん。メッチャ似合ってる。
喪服が似合う女、小日向未来。悪巧みも似合っていた。
生前よりも生き生きしていらっしゃる……
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「高鳴りが押さえられぬ」
「嗚呼、そうさな」
「ニンゲン共はこういう時に歌の一つでも口ずさむのであったな」
ガンガン計画が進んでハッピーなシェム・ハさん。
首の角度を微妙に変えながらウキウキ。
そして、シェム・ハは歌を知っている。 歌で戦っている装者たちに対する壮絶な皮肉である。
もっとも、言葉の力で全てを塗り潰せるシェム・ハにとっては歌など迂遠そのもの。
唄うことはないのだが……
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「……ん?」
「果ての荒野に独り立つ者がいようとは……」
そんなシェム・ハに対峙する人間が、エルフナインが果ての荒野に独り立っていた。
果ての荒野に独り立つ。
言うまでもなくWA5のキャッチコピーである。 金子彰史が前面に立ってシナリオを書いていないWA5においても、このキャッチコピーに関しては金子彰史が考えたものである。
伴ってWA5のテーマである「独立」に繋がってもいる。
WA5発売当時、金子彰史の信じる独立とは「他の誰かを支えられる状態」であり、WA5の作中においてもラストで語られている。
そして、今のエルフナインは自分ではなく他の誰かのために戦おうとしている。
そう、今のエルフナインは成長し独立したのだ。戦場に自分の意志で立つほどに……
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そんなエルフナインの元へとT字飛行。
さっきの首角度変えといい、ちょっとした挙動が面白い人だな、シェム・ハさん……
ところでシェム・ハさん、何でシェム・ハ様って言われないんでしょうね?
神だぞ、神! 10倍だぞ、10倍!
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「怖いか?」
「あまりの怖さに腰が抜けそうですッ!」
「だけど、あの時、未来さんは逃げなかった」
「だから、ボクも怖くたって逃げたくありません」
キャロル復活! コピペ完了で蘇った!
エルフナインの勝算はキャロルだった。
そして、エルフナインの勇気は未来の勇気に応えてのものだった。
助ける側も一生懸命なら助けられる側も一生懸命。
故にかつての助けられる側がいつか助ける側に回るのがシンフォギア。
そんなわけでエルフナインは戦場に立つのだった。
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「それに今のボクは独りじゃありませんッ!!」
キャロルはエルフナインの心意気を笑顔で受け止めている。 何せキャロルも響に助けられたことで生まれ変わった身。
エルフナインの心意気に共感できるのだろう。
そんなわけで二人の心は完全に一つだ。
……ホント、命題が解決したら完膚なきまでにいい子になったキャロルだ。
ツンデレなのであれこれ言わないけどな!
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「向こう見ずな」
「我に歯向かう鈍付くがまだいようとは」
「ボクもそう思います」
「――それでもオレの錬金術を舐めてくれるなッ!!」
キャロル再々降臨!
シェム・ハもこの変化には怪訝に感じるのだった。
表情だけじゃなく声優も変わったからね。そりゃそうなる。
神を前にしても積み重ねてきた錬金術に圧倒的な自負を抱いているキャロルが心強い。 さすがただの一人で世界と敵対しただけのことはある。
世界を恐れぬのだから神も恐れぬ。錬金術にかかれば神とて分解できる!
ヨッ! 絶唱70億! 一人称がオレ! ヘソ下辺り!
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そして、ダウルダブラを纏う!
ちゃんと白衣差分! 優遇!
AXZでちっとも出番がなかった分、この土壇場を務めると大躍進である。
ウェル博士並みの偉業だ。
……ウェル博士、愛され方がスゴかったなぁ。
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「腹立たしい不変の世を踏み躙る」
「戦姫はいらぬか、答えよ」
「スフォルツァンドの残響」と共に新旧ラスボス対決が勃発!
前作のボスキャラが力を貸すのがシンフォギアの恒例。
だが、ラスボスとラスボスの直接対決は初! さらにキャロルは弱体化パッチをほとんど受けていない。
唯一、70億の絶唱を凌駕するフォニックゲインを出すとフリーズすることが明確な弱体化要素。
強すぎたからね。仕方ないね。
というわけで、キャロルはまず弦を毛玉にまとめて投げつける。
しかし、全て外れる。
命中率、低!
弱体化パッチ、実は他にも受けていたでアリマスか……?
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「粗忽だぞ、どこを狙っている」
「……あ?」
クソAIMに呆れるシェム・ハであったが、土煙が張れる頃にはキャロルは消えていた。
不遜な台詞と共に喧嘩を売っていきなり消える……?
掲示板でやたらと喧嘩を売るけど、いざ喧嘩の段になったら雲隠れする人ですか……?
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「悪くない考えだ」
「我ではなく直接ユグドラシル主幹を狙うとは」
ここでキャロルの頭脳プレイが発動した。
シェム・ハとの殴り合いを挑むかと思いきや、ユグドラシルを狙った。
現状の最大脅威はシェム・ハ以上にユグドラシルだから実に的確である。
かつてチフォージュ・シャトーを破壊されて(破壊して)計画が潰えた経験が生きた策である。 XVのキャロルはそのパワーだけではなく、張り巡らせた策が光る。
さすが万全の計画で装者たちをコントロール、世界の壊そうとしただけのことはある……
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「神に挑むキャロルの錬金術……」
「だが、その力は想い出を焼却する以上……」
しかし、キャロルの力は絶大なれど有限。
何せ想い出を焼却するのだ。
……やっぱり、焼却しているんデスね。
第8話以降、眠っていたのは焼却した想い出のコピペに勤しんでいたためか。
しかし、GXと比べて絶唱70億一発でダウンすることから想い出のスタミナは大幅に減っている。
コピペで回復したとはいえ想い出の残量は心許なく、力勝負を挑めば間違いなく不利になる。
いつもの横綱相撲ではなく策を弄したのもそのためか。
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キャロルは追いかけてくるシェム・ハの斬撃をかわし、再び毛玉アタックを仕掛ける。
今度は目眩ましではなく足止め。
スプレー+クソAIMで外すことなくしっかりと当てて爆発させる。
一人で装者たちと渡り合うキャロルの攻撃が当たった!
勝ったな! シンフォギアXV完!
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「ばらまけばかわせぬとでも踏んだか」
すげえ……シェム・ハがダメージを受けている……
さすキャロ。いや、ホントさすキャロ。
想い出を焼却しているから時間制限の厳しさはあるが、出力だけなら十分。
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「なれど人の技では打ち落とせぬッ!!」
だが、ダメージの無効化!
神の力を持つ存在が備えるこの能力をシェム・ハも備えているのだった。
存在の不死なだけでなく、無敵も備えているとは……
盛りすぎなインフレの極みにキャロルも驚愕せざるをえない。
そして、この能力がある以上は想い出に限界のあるキャロルとの相性は最悪だ。 ユグドラシルの破壊を狙うワケダ。
なお、この力、エンキとの戦闘では発動していない。
神同士の戦いでは相殺されるトカ……?
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そして、今度はシェム・ハのターン。
お返しとばかりに爆裂魔光砲。
イグナイト二段励起の装者たちの攻撃を易々と受け止めるキャロルなら物ともしな……
メッチャ効いてる! 一発でダウン!
ぅゎょぅι゛ょょゎぃ……というか、シェム・ハっょぃ……
パワーバランスに繊細なシンフォギア世界だからこそ、シェム・ハのブッ飛びっぷりがわかる。
これで往時の万分の一……あれから時間を置いているから多少は回復しているとしても恐るべし……
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「無意味だ」
「だが、それ以上に――」
「目障りだッ!!」
さらにダウン追い打ち。
目障りなのは、まぁ、……メッチャ喧嘩腰だからか。
神を敬う気も恐れる気もまったくなし。
あと無効化したとはいえダメージは与えている。それだけの実力がキャロルにはある。 目障りになるワケダ。
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「高く付くぞ……」
「オレの歌はァアアァアアアアッ!!!」
だが、元ラスボスは伊達じゃない。やられるばかりではない。
外したと思われた毛玉から弦を展開!
強大な力に無敵の防御を持つシェム・ハ相手に真っ向勝負は分が悪いと見たか、不意打ちを試みた。
力で勝る相手には不動の横綱相撲、力で勝てない相手には搦め手……
キャロル、CoolCoolCool。
GXの頃は怨讐に囚われていたからムキになってばかりでホント冷静に立ち回れていなかったんデスね……
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だが、踏み込みが足りん!
切り払いLv9でダウルダブラの弦をなぎ払い続ける。
埒外物理だけじゃなくフィジカルも強い。
が、キャロルの毛玉でダメージを受けた身なので絶対ではない。
結果――
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「動けぬ……」
「鉄砲に緊縛するか……」
エッッッッッッ。
小日向シェム・ハ、濃厚なエロスを醸し出す。
さすが喪服が似合う女……未亡人……
シェム・ハは埒外物理は凄まじいがフィジカルに関しては付け入る隙がある。 能力は絶対だが肉体そのものは絶対ではなく、故に切り払いにも限界がありそこで遅れを取った。
それを裏付けるように毛玉アタックでダメージを与えている。
キャロルの得意技である弦による束縛を入念な仕掛けで不意打てば緊縛することも不可能ではないのであった。
力任せの脳筋ではなくクレバーに罠を仕掛けることもできる……
年の功! 老獪! ロリババア!
まぁ、ババアはどっちもか(失言)
ついでに鉄砲に緊縛は鉄砲縛りという縛り方が実際にあるからデース。
具体的には片腕を肩の上から、もう片腕を側面から回して縛る方法デス。
……そりゃエロいわ!
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「恐るべきは埒外の物理法則によるダメージの無効化」
「だが、拘束に対してはどうだッ!!」
ユグドラシルの打倒は囮。
真の狙いはシェム・ハの能力の穴を見切り、そこを突くことにあったのだ。
策に策を重ねた見事な立ち回りであった。
さすがイグナイトを上回る出力を手にできるから無対策という無策が一周回ってむしろ周到な策を実行しただけのことがある。
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「アルカヘストッ!!」
そして、拘束するだけでは終わらない。
さらに
アルカヘスト、GX第9話で八紘が言っていた万能の溶媒である。
つまり、何でも溶かす。こゎぃ。
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![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2019/09/xv12_071.jpg?resize=640%2C360)
「切り札はチフォージュ・シャトーに備えられた世界分解機能を限定的に再現し応用した錬金術です」
「たしか、キャロルの言っていた……」
「それで神に対抗できるとして……」
「まさか、君は響君に代わって友達殺しの罪を背負うつもりなのかッ!?」
エルフナインの勝算はこのアルカヘストにあるようだった。
チフォージュ・シャトーの機能を再現した錬金術……
つまりは世界殺しにして神殺し。
ならば、シェム・ハにも通じる! しかし、問題はある。
神殺しは即ち友達殺しでもあるのだが……
弦十郎の問いにエルフナインは決意の表情で答えるのみだった。
覚悟の準備はできている……?
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「ヒトの概念などとうに解析済み」
「ならば、それ以外の不純物を神と定めて分解するまでッ!!」
「オレの錬金術を舐めてくれるなッ!!!」
だが、キャロルはエルフナインの覚悟の先を行く!
す、すげえ……!
キャロルが数百年に渡って積み重ねてきた錬金術は恐るべきかな、神殺しだけでなく神だけ殺しにまで届いているのだった。
これはサンジェルマンには無理だった。
神の力を前に決定打を欠いていたワケダ。
もう全部キャロル一人でいいんじゃないかな。
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「だが、言うほどに感嘆を為すには膨大なエネルギーが必要なはず」
「一体どこから――」
「想い出の焼却ッ!」
「足りない分はボクの想い出も燃やしてェエエエエエッ!!」
しかし、相応の出力が求められる。
ここでキャロルだけでなくエルフナインが想い出を焼却する。
神殺しの呪いは友達殺しの罪ではなく想い出に降りかかるのだった。
夏祭りの想い出が! 流しソーメンの想い出が! カラオケの想い出が燃える!
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「分解したのか……」
「神を、錬金術で……」
想い出を焼却することを覚悟した捨て身だけありシェム・ハを追い詰める。
ただ力に任せるばかりでなく策を用いて翻弄、そして、覚悟と共に必勝の一撃にて分解……
これは勝ったな! さすキャロさすキャロ!
第13話は想い出を焼却した結果、命題を忘れたキャロルが暴走する方向で!
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「まさか……神獣鏡の凶祓でオレの錬金術を……」
神獣鏡、だとォ……!?
シェム・ハにとっては拘束具だったはずの神獣鏡のファウストローブだが、それを用いて危機を打開してみせた。
拘束していたダウルダブラを凶祓で無力化、アルカヘストから逃れたのだろうか。
完璧とも言えたキャロルとエルフナインの必勝の一打はイレギュラーである神獣鏡に阻まれた。 そして、アルカヘストの負荷は相当なものなのか、キャロルは力を使い果たしてしまうのだった。
それはつまり70億絶唱に匹敵する力を用いても、それでもなおシェム・ハには届かなかったということ……
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「トドメ……は刺さずに捨て置いてやろう」
「神に肉薄した褒美だ」
「星の命が改造される様を特等の席にてご覧じろ」
だが、無力だったわけではなくキャロルはシェム・ハを追い詰めていた。 何せ肉薄したのだ。
キャロルの敗北に終わったものの惨敗ではなく惜敗。
けれど確たる差のある紛うことなき敗北であった。
そして、トドメを刺さないボスキャラ特有の慢心ムーブ。フィーネさんかな?
立場としては宿敵だがいろいろと似通っているシェム・ハとフィーネだった。 フィーネをそそのかしたのはやっぱりシェム・ハさんだったりするんデスかねぇ?
……あと未来さんの意識は生きている。必死に抵抗した結果かも。
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「さっさと帰ってきやがれ……ッ!」
「シンフォギアァアアァアア……ッ!!」
キャロルは慟哭する。
それは万策尽きたことを証明する叫びであった。
あのキャロルが仇敵であるシンフォギアに頼らざるをえなくなるとは……
それにしても装者たちへの信頼がとんでもない。
復活してから精々通信くらいで面と向かって逢ってはいないのに……
キャロルにとってシンフォギアは
誰よりもシンフォギアを認めているのは、まさかシンフォギアを否定しようとしたキャロルとは……
それはつまりシンフォギアは奇跡ではなく軌跡と見ていることでありエモい。
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「――頃合いだ」
「いきり立てッ!!」
案外負けそうだったシェム・ハさん、危機を切り抜けてマジ嬉しそう。
まさか神殺しを自家製されるとは思わなんだか……
神獣鏡がなかったら危なかった。神獣鏡だからこそ助かったとも言える。
というわけで、ユグドラシルの林立へと繋がっていくのであった。
シンフォギア名物、わりと可愛いモブが映る! けっぱれ!
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「何があってももう逃げないッ!」
「約束するッ!!」
全世界にユグドラシルが立つ危機的状況に洸が動く。
家族たちの元へと赴くのだった。
相変わらずパッとしなかった洸だったが、GXで叫んだように父であることから、そして、家族であることからは逃げない。
普段は地雷を踏むけど土壇場における胆力は響と同じである。
そんな洸の本気を感じたのか、家族は笑みで返すのであった……
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「どうしたッ! 何が起きているッ!!」
「この大量反応は……」
「バラルの咒詛はまだ解かれていないというのに、どうしてッ!?」
「ほぼ同タイミングに風鳴邸地下電算室からのハッキングを確認ッ!」
「各地のコンピューター施設からの被害報告多数ッ!!」
「まさか、人類の脳を使わずともシェム・ハは現代の演算端末をネットワークシステム応用してッ!?」
人類の脳を使うのがユグドラシル。
そのためにはバラルの咒詛を止めることが必要。
だが、シェム・ハは人類の脳を現代のコンピューターで代用することでユグドラシルの起動を企てるのだった。 駆け足で計画を進めたのはバラルの咒詛が健在でも遂行できる算段があったからか。
シェム・ハは神獣鏡といい現代技術を漏れなく利用している。 シェム・ハ、有能。
インフレした力だけでなく使えるものは使う目ざとさが手強い……
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「攻略は失敗……ッ!」
「このままでは月にいる皆さんの救出どころか……ッ!!」
「胸躍る……ッ!」
「さあ、ユグドラシルにて全ての在り方を改造しようッ!!」
そして、キャロルの敗北を経て前回の締めへと繋がっていく。
翼とマリアが「不死鳥のフランメ」を唄ってミラアルクに勝利している間に、キャロルは「スフォルツァンドの残響」を唄ってシェム・ハに敗北していた……
あらまぁ時系列が濃い。シンフォギアらしい激動である。
この濃さは無印第10話の間に無印第11話の前半部が終わっている展開を彷彿とさせる。
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というわけで、ユグドラシルが枝分かれしていき地球が赤く包まれていく。
Nice Yggdrasill.
ユグドラシルのすぐ側をジャンボジェット機が飛んでいるのがちょっと面白い。 撃ち落とされなくて良かったね……
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「あれが……あんなのがヴァネッサさんの望んだみんなと仲良くなれる世界なんですかッ!?」
「人間に戻れない完全怪物になった今、この身を苛む孤独を埋めるには全てを怪物にして仲良くなるしかないじゃない」
「お前たちが言うわかり合うってッ!!」
「そうよッ! そのためにシェム・ハは星と命を作り替え、私たちは封じられたシェム・ハの力を取り戻すため、バラルの咒詛を解除するのッ!!」
そして、月の視点へと移ろう。
うーん、やっぱりヤケクソ気味なヴァネッサ。
何かマミさんみたいなやけっぱちである。
自分が不幸になっちゃったんだから、みんな不幸になっちゃーえ。
そして、ノーブルレッドが月へと赴いた目的も語られる。
バラルの咒詛を解除するのはシェム・ハの力を取り戻すため……ユグドラシルの稼働は二の次のようだ。
バラルの咒詛なしでもユグドラシルは動かせるのだからそうもなるか。
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「ヴァネッサ……戦うでアリマスか……」
「――戦うわ」
「だから、エルザちゃんは下がってなさい」
「お姉ちゃん判断よ」
ヤケクソなヴァネッサに対してエルザは……あまり戦意がない。
エルザは人を捨てようとしたらザババの双刃に人であることを肯定された身である。
怪物にこだわろうとするヴァネッサの考えには賛同しかねるのだろう。
マミさんはもう死んだでアリマス……諦めろでアリマス……
それでもヴァネッサは怪物であろうとする。
そして、お姉ちゃん判断、つまりは怪物ではなく人としての願いを受けて……大人しく引き下がるのであった。
アタッシュケースに乗って。……けっこう楽するでアリマス。
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そのエルザに微笑みを浮かべて、すぐに戦闘モードへと入る。
ヤケになったヴァネッサはメンタルはともかくフィジカルは強い。
メンタルは、その、オデノメンタルハボドボドダ!
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「だったらわたしは……わたしたちはッ!!」
「温もりと厳しさも、繋がりも――全部をくれた場所を守るためにッ!!」
ヴァネッサはヤケになっているとはいえ覚悟はしている。
殴り越えて行くしかなく、響もまた覚悟する。
クリスも「教室モノクローム」に込めた想いを叫ぶ。 ……「教室モノクローム」が唄われたG第4話のサブタイトルは「あたしの帰る場所」だった。
そうか、クリスの帰る場所はあの時、出来たのか……
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「Killter Ichaival tron――」
真の最後の変身バンクはイチイバル、だとォ!?
第11話で響とマリアで締めたと思ったら予想外デース。
やはり、バァーン!したいのか……
今回のでそれが良くわかったよSG-r02感謝。
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「Take this! “All loaded”」と共に勃発!
ひびクリユニゾンをやるかと思ったら意外、やらなかった。
何やかんやダインスレイフの喪失によるユニゾン難易度の上昇はけっこうな痛手らしい。
システムの壁を越えることもあるが、簡単には越えられないのがシンフォギアらしいというか金子彰史らしい。
そんなわけでハンドガン推しのXVクリスらしく初手ハンドガンで爆発。
勝ったな! 次はエルザにトドメだ!(外道)
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しかし、効いていない。
さすが完全怪物。メンタルはともかくフィジカルは本当に強い。
そして、ヴァネッサは脱ぐ。
あ、脱げばそうなるんだ……
第10話で途中から上着が戻ったのは単純に着たワケダ。
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そのフィジカルは相変わらず凄まじく、響と正面からぶつかり合っても押されない。
しかし、今回は(一方的な)タッグマッチ。
背後からクリスが仕掛ける!
挟み撃ちというシンプルながらも強力な連携である。
卑怯とは言うまいね?
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しかし、背中からのビームで迎撃される。 あ、これ、知ってる! リボーンズガンダムだ!
ヴァネッサはとかく汎用性の向上が著しい。近距離だけでなく背面にも対応している。
もっとも、死角となる背中を狙い撃つのは無理があるのか、メチャクチャな拡散で攻撃している。
トンチキが大好きなくせしてこの辺の描写は理に適っているのがムカつく(理不尽)
![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2019/09/xv12_126.jpg?resize=640%2C360)
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吹っ飛ばされるクリスのことを気にせず響は接近戦を仕掛ける。
仲間の危機となれば迷いなくかばうけど、大丈夫な場面ならガン無視。 これは決して薄情などではなく信頼の為せる戦いだろう。
以前からそうだったけど響もプロになったことがわかる一面である。
そんな信頼と共に挑んだ接近戦だが受け止められてしまう。
響得意の接近戦がまったくと言ってもいいくらい通じていない。 メンタルの怪しさが先行するけど実力は本物でアリマス。
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「奪われた未来を取り戻すためッ!」
「私たちは先に進むッ!!」
「元に戻るとか帰るとか、そういうのはもう必要としないのよッ!!!」
ヴァネッサにとって奪われた未来こそ元に戻ることだったはずだが……
ヤケクソさ極まって論理矛盾を起こしているような。
いや、ヤケクソだからこそ論理が成り立つわけもないか。
そんな自棄の拳でも威力は侮れない。響が為す術もない。 迷いなき拳に重さなど宿らない。
その言葉をヴァネッサも実践している気がする。
……わりと褒められない意味で。
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「正中線に……打たせてくれない……ッ!!」
そんなヴァネッサに対して急所を狙い撃つ気満々である。 正中線、身体のど真ん中である。
そこには人体急所の多くが存在する。わかりやすく言えば股間とか。
やる気満々だな、立花!
さすがは幼女でも遠慮なく殴るだけのことはある。
もっとも、それも対人における定石に過ぎず怪物に通じるかは怪しい。
響が圧倒されているのもヴァネッサのサブアームを用いた変則的な格闘戦に翻弄されているのもあるかも。
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ヴァネッサはただ圧倒するだけでは終わらない。
変形! MA化!
マザーだ、これ!!
いやぁ、マルドゥークに出てくるボスキャラにはピッタリデスね……
シンフォギア的には神の力を手にしたティキ、ディバインウェポンにも似た部分がある。
近いのはむしろそちらだろうか。
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とりあえず、不意打ちをかます雪音。
あ、無事だった。響が無視したのは無事だったから。
しかし、通じない。ノーガードでノーダメージ。ナンダァ?
マザー形態のヴァネッサは防御力は大きく上がっている。
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しかし、その真価は攻撃力。
メガ粒子砲で月遺跡の壁を何枚も砕きながら吹き飛ばす!
クリスのピンチだったのでこういう時は無視せずにちゃんとかばう。
そんな月遺跡破壊しまくりの攻撃だが幸運にも宇宙空間に吹き飛ばされずに済んだ。
少しでも加減を間違えれば宇宙空間一直線なのに火力を総動員させている辺りにもヤケクソが窺える。 そう考えると被害を無闇に広げないためにプロレスを仕掛けてきたミラアルクってわりと理に適っているのかもしれないゼ……
爆発したけどな!
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「へいき、へっちゃら……」
「この距離ならッ!!」
かばった響のダメージは大きいがかばわれたクリスは軽い。
距離が空いたのなら不発することに定評のある「RED HOT BLAZE」の出番だ!
い、いや、第3話ではきっちりと撃てたし……
月遺跡の被害を広げないため、狙い撃つ意図もありそうだ。
そういえば、クリスはミサイル系必殺技を使っていない。深海の竜宮の反省が生きている。
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「助太刀するゼぇッ!!」
「邪魔だッ!!」
だが、ここで月面に潜む珍生物がクリスの視界を塞ぐ。
お、お前、ミラアルクか!?
ノーブルレッド随一のエロさを誇っていたのに、すっかり
それでも生きているのは完全怪物の面目躍如か。
……面目躍如かぁ?
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「しまったッ!?」
「懐に――」
チビアルク、ハッキリ言って弱い。あっさりと振り払われる。
が、その隙に懐に潜り込まれてしまう。
あのビームなら距離を詰めずともやり合える気がするが……
いや、距離を詰めたことでRED HOT BLAZEを無力化するのが狙いか。
こうして再びRED HOT BLAZEは不発に終わった。
効く効かない以前に撃つことさえままならない……やっぱり、芋砂はダメなんやなって……
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「クリスちゃんッ! 一緒にッ!!」
「あたしに接近戦をかッ!?」
響はクリスのピンチを
そして、一緒に仕掛けることを打診する。
ここまでに単騎で仕掛けては通用していない。同時攻撃を考えるのは当然であろう。
しかし、二人の戦い方は連携するのなら問題ないが同時攻撃は厳しい。 何せ響に遠距離線はできない。
クリスが合わせる形、つまりは不得手とする接近戦になるのだ。
あ、RED HOT BLAZEで殴ってたから接近戦イケる。
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「「ヴァネッサッ!!!」」
ともあれ、できるできないではない。
息を合わせるか合わせられないか。
クリスは響の提案に迷わず乗って肉弾戦を仕掛ける。
そして――
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「――でッきらぁッ!!」
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す、すまない。
できらぁ!と言われるとこれを連想するからつい……
金子彰史作品における共通のテーマとして、力というものは使う者の意志次第であり使い方次第。
バリアだって対消滅させれば攻撃に使える。
ソロモンの杖だってノイズを出すだけでなくネフィリムを封印するのにも使える。
そんなわけで無敵の盾、アマルガム・コクーンをまさか攻撃に用いて状況を打開するのだった。
無敵の盾はそのまま絶対の矛となって状況を打開した。
そして、クリスと言えば卓越したバトルセンス。
無印においてネフシュタンの鎧のスペックに頼った側面はあるにしても、響と翼を相手に接近戦で渡り合えるほどのセンスを持ち合わせている。 なので徒手による接近戦もできる。できるのだ!
やらないだけ! あくまでやらないだけ! やろうと思えばできるし! やればできる子だったんだぁ!
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「どこで戦闘がッ!?」
「きっと近いデスよッ!!」
コクーンパンチとコクーンキック、凄まじい破壊力だったのか壁をブチ抜き管制室に踏み込む。
この突然の敵味方勢揃いに装者たちも驚く。
ミラアルクが邪魔できたわけだから管制室から近いのも道理……
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「泣いてなんかいねえ――まだ終わっちゃいねえ――」
「あったけえ――」
そして、イチイバルのアマルガム・イマージュはやはり弓!
AXZでは頻用した弓だがXVでは意外と使っていない。
あの頃は弓道の訓練をしていた影響か。
ハンドガン頻用のXVはリベリオンをたくさん見ていると思われる。
ともあれ、イチイバル本来の形とも言える弓が解放!
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「「ヴァネッサッ!!?」」
ヴァネッサはコクーンパンチとコクーンキックにより片腕と片脚が吹っ飛んでいた。
窮余の一策かと思われたコクーンの攻撃運用だが、その破壊力は苦し紛れを越えた必殺級であった。
コクーンは攻撃力と機動力を犠牲にして防御力を伸ばしているため、防御力だけを犠牲にしているイマージュよりもパラメーターをより極端に配分している。
その極端に向上した防御力を攻撃に転用すれば、イマージュにも引けを取らない破壊力を秘めるのか……
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「生き――足掻くッ!!!」
だが、ロボットは破損してからが本番。
ストライクフリーダムとかインフィニットジャスティスみたいにノーダメージはダメ。ワンセコンドトランザム重点。
おっぱいミサイルが進化したおっぱいビーム!
本人の言う通り、足掻きに等しい行為であるが、それでも全力であった。
全力おっぱい。
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「繋いで手を引っ張れるくらいにゃなった」
「まっすぐ選ぼうFuturism――」
おっぱいビームに対してイチイバルの一矢が放たれ、ビームと矢は激突する。
全力同士の激突はクリスに分があり押していく。
それにはカラクリがあった。
それは――
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「リフレクターを先端にッ!?」
マリアさんの完璧なタイミングでの解説ゥ!
最近は頼れるマリアさんだけど、まさか解説まで務めるとは思わなんだ。
いきなり部屋に飛び込んできた二人の戦いを即座に解説してのけるとは凄まじい。 対応力が高いというか、ノリがいいというか。
ともあれ、リフレクターを矢に装着することでビームを無力化するのだった。
シンプルながらも有効な工夫である。
コクーンで殴ったりと本来防御に用いる機構を攻撃に転用する描写が多い。 力は使い方次第というテーマが強調される話である……
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クリスの放った一矢をヴァネッサはかわすのだが……天井に激突。
結果、宇宙空間への穴が空いてしまう。
あ、やらかした……XVでは周辺環境への配慮が見て取れるはずのクリスがついにやらかした……!
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「それでも……私たちは……ッ!!」
結果、ヴァネッサは宇宙空間へと吸い込まれていく。
穴から離れているとは生身の装者たちは吸い込まれていない、堪えているというのに……
力が残されていないことが窺える。
片腕と片脚が吹っ飛んだからね。仕方ないね……
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「怪物なんかに……ッ!!」
さらにヴァネッサだけでなくノーブルレッドたちも吸い込まれていく。
ノーブルレッドはやることなすことが悉く裏目に回る。 そんな非業さを裏付けるような展開である。
家族一緒で良かったですね(ニコッ
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「解放ブッ飛べ――」
「全部乗せを――」
だが、クリスはさらに構える。
外道に慈悲はいらね~~~~!
地獄へ堕血髏おおおおお~~~~っ!!
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「なりたくなかった……ッ!!」
「食らいやがれ――ッ!!!」
帰る意味を知るキミが、捧げし一矢ともう一矢! 「∀∀デ・レ・メタリカ」!
ノーブルレッドたちに捧げるトドメの一撃が放たれるのであった。
ここでヴァネッサは……最後の最後に心からの叫びを口にする。
それは今までのように装者たちを惑わす言葉ではなく、ただの本心であり裸の心であった。
ノーブルレッドは怪物になりたくなかった。
それが全てだった……
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だが、許さん! ○ね!
そんな一矢を甘んじて受け入れようと覚悟を決めると――
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一射目で空いてしまった穴を二射目で塞ぎ、宇宙へと投げ出されるノーブルレッドたちを救うのだった。
リフレクターを付けるのはビームを無効化するだけではない。
ノーブルレッドたちを助けるための盾とするためでもあった。
それは全部×5否定してやることから始まったクリスが自分から手を差し伸べた瞬間であった。
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「どうして……助けたの……」
「助けたわけじゃねえ」
「ただ……本当に今よりここより先に進もうと願うのなら、なおのこと帰る場所は大切なんだって伝えたかった」
「あたしは考えすぎるからきっとまた迷ったりするかもしれない」
「だけど、帰る場所があるから立ち直って先に進んでいける」
クリスは装者の中でも特に不幸に翻弄されてきた。
バルベルデで両親を失い、
その不幸さはノーブルレッドにも勝るとも劣らない。
それでも今こうして真っ直ぐでいられるのは帰る場所を見つけられたから……
帰る場所を大切にするクリスだからこそ差し伸べることのできた手であった。 そう、クリスは帰る場所を大切にする人間なのだ。
一番格好いい仏壇買ったりな……
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「ヴァネッサッ!!」
「もう止めるでアリマスッ!」
「心まで怪物にしないためにも……ッ!」
「ウチも弱さを言い訳に自分の心を殺すのはたくさんだゼ……ッ!!」
「帰る場所……私の家族……」
かつてのノーブルレッドは身体は怪物でも心は人間。
だからこその気高き深紅を名乗っていたが、完全怪物になってからは心まで怪物になっていき卑しき錆色一直線。
それでも帰る場所を、家族を見つけることで人間として踏みとどまるのだった。 運命に翻弄されて定めることのできなかった心の在り方をやっと見つけるに至る。
……でも、ところでミラアルクさん。
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けっこうノリノリだったじゃねーか!
今回もノリノリでRED HOT BLAZEの邪魔をしたじゃねーか!
……もっとも、結局は家族を守りたいのがミラアルクの本音。
それを為すには弱い。弱いから恥ずかしくないと非道に手を染め続けたが……結果、なおさら怪物に染まって行ったのだろう。
実は一番メンタルが弱かったのはミラアルクかもしれない。 完全怪物となってからは葛藤もせずにいた、つまりは自分を捨てて大樹に寄り添うばかりだったから……
ミラアルクは弱さに甘えないと自分を保てない人間だったのだろう……
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「――だが、茶番は終わり」
「ここまでだ」
だが、ここでシェム・ハがBGM「星の支配者アヌンナキ」と共に
その言葉に従うように瀕死のヴァネッサが動き出す。 あ、あの、君、ノーブルレッドにフレンドリーでしたよね?
いろいろ教えてくれましたよね?
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「忌々しきネットワークジャマーは手ずから葬らせてもらう」
「まさか――シェム・ハかッ!?」
「この者を完全怪物と再生させた際に我の一部を滑り込ませていたのだ」
ヴァネッサはロボット……シェム・ハの断章をインストールすることも容易か。
シェム・ハの脅威、人類にシェム・ハが刻まれていることの片鱗を見せつけるのだった。 完全稼働すればこんな感じに倒しても倒してもポコジャカと身体を入れ替えられると。
当時のアヌンナキが手を焼いて地球を廃棄するのもわかる。
やたらフレンドリーかと思ったら道具扱いしていたからだったんですね……
そんなわけで使い捨てる気満々であった。
テレポートジェムの破損もヴァネッサが危惧した通り、元よりその退路を断つためだったのか……
あとAIエンキさん、いたんですね。
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「頼む……神殺し……ッ!!」
「その拳でシェム・ハを討て……ッ!!」
「そんなことしたら……ヴァネッサさんまでッ!?」
「私はもう……誰にも利用されたく……ない……ッ!!」
それでもシェム・ハの憑依は完璧ではないのか、意識だけでも持ち応える。
そして、望むのは神殺しであった。
パヴァリアに好きに使われ、訃堂に好きに使われ、シェム・ハにも好きに使われる。
せめて利用されないためには神殺ししかない。
それは繋ぐ手で殺すことであり、人助けを望む響が初めて望まれる人殺しであった。
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「頼むゼッ!!」
「頼むで――アリマスッ!!」
「神殺しッ!!」
「頼むッ!!!」
ミラアルクもエルザも神殺しを望む。
完全怪物になってからは特に卑しき錆色一直線だったが、ここで初めて気高さを見せるのだった。 弱さに甘えぬ覚悟であり決意だった。
でも、ミラアルクさん、そのナリでこういうことやられても面白さが先行するからズルい……
いつものフォルムだと憎たらしさが先行したかもしれぬから、見た目は大事でアリマス。
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「うおおぉおおぉおおおおおッ!!!」
ここから悠木碧の熱演が始まる。
ミスターシンフォギアがミスターシンフォギアたる所以である。
立花響の熱演こそシンフォギアの正念場……
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「Balwisyall nescellッ!!!」
叫び同然の壮絶な聖詠と共に神殺しは走る。
変身の時間が惜しいのか、もはや服を破り捨てる始末である。
女の子がやっちゃいけないことだが、ミスターシンフォギアなので問題なし。
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「――gungnir tronッ!!!」
そして、変身しながら拳を振りかぶる。
シンフォギアとか歌とかでブン殴るというよりも、立花響がブン殴る。 ずっと自分を殺してきたノーブルレッドとは対称的に、自分しか乗せていない立花響の拳そのものであった。
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「――おぉおおぉおおぉおおおおおおおッ!!!」
しかし、覚悟と共に振りかぶった拳も刹那間に合わなかった。
神殺しの拳よりも早くシェム・ハの手が端末に触れるのだった。
![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2019/09/xv12_214.jpg?resize=640%2C360)
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「くッ!? ウィルスプログラムッ!?」
「シェム・ハの断章を直接打ち込まれたかッ!!」
「恐ろしき哉、神殺しの拳……」
「だが、その躊躇がもたらす未来がこれだ――」
神殺しの拳はシェム・ハの断片を殺す。
神殺しはシェム・ハにも通じるのだ。
だが、断章を打ち込まれてしまう。
そして――
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メッチャ血を出した!
ロボットだけど血が流れている。
第11話以来の久方振りの大量出血である。
わりと最近に血ィ出してるな。
神殺しの拳でシェム・ハ成分の宿った細胞が死滅したか、あるいはただ単純にパワーで死にかけたか。
何にせよヴァネッサは神殺しの拳によって果てるのであった……
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「情けない顔しないの……」
「あなたは守ったのよ……呪われた拳で私たちの誇りを守ってくれた……」
生きてるんかい!?
死んだと思ったら生きてた。血涙流しているけど生きてる。
出血程度じゃシンフォギア世界の人たちは死なない。みんな死なない。
もっとも、余命幾ばくもないか。
身体に宿ったシェム・ハを殺したのだからダメージがスゴそう。実際スゴい。
だが、ヴァネッサが響にかけた言葉は呪いではなく感謝であった。
もう誰にも利用されたくないという誇りを守ったのだ……
道を誤り続けたノーブルレッドだが、最後の最後は弱さではなく誇りという強さに己を預けたのであった。
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「教えてッ! 何が起きてるのッ!!」
「このままではこのマルドゥークが新たなシェム・ハとして再生――……」
「このようにな」
突如、管制室が赤く染まる。
AIエンキに理由を問おうとするとシェム・ハに変貌してしまうのだった。
ハッキング能力すげえ!
先史文明期はこんな勢いでシェム・ハにありとあらゆるものがハッキングされ続けたのか。
シェム・ハのスペックの高さの一端が窺える。
そして、エンキ、しめやかに死亡する。
熱さと切なさを秘めた好漢だけに、フィーネと関われる可能性があったAIエンキが死んでしまったのは惜しい……
この二人の救いはどういう形でもたらされるのか……
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「万謝するぞ、ニンゲン」
「1年前のあの日、刹那にヒトが一つに繋がったことで我は蘇りメガラニカからの浮上を果たせた」
「1年前……」
「月の落下を止めるために世界中の人類がAppleに繋がれたからッ!?」
「じゃあ、父祖の地のあの歌は一体――」
「カタチを変えて現代に遺る統一言語の断片」
「その成れの果てだ」
シェム・ハの復活はGの最終局面が関わっていたことが発覚する。
シェム・ハ復活のためには人が繋がることが必要なのであった。
Gにおいて繋がらねば人類が滅ぶ状況だったとはいえ、繋がったことで今の特異災害を呼び寄せてしまった……
災厄と災厄が繋がっていくのだった。
あとあの感動的なのに笑える絵を再度使うのはちょっとズルい。
そして、アダムが動き出した理由がわかる。最終局面がアヌンナキの復活に直結することを知っていたのだ。
あれからバルベルデとの関係を持つことでティキの位置を探ったりと急ピ
ッチで計画を進めたようだ。
アダムはのんびりしているようでけっこう慌ただしかった。
もっとも、それは月の落下を防ぐのをF.I.S.任せにしたのが原因とも言えるけど。
F.I.S.に任せたのは米国の弱味を暴いてもらうためもあるとはいえ……
かといって結社に、サンジェルマンたち幹部に任せれば月遺跡の掌握されかねないとはいえ……
アダムもアダムでなかなか一筋縄にはいかなかったようだ。
最終決戦で見せた余裕のない姿はそうした事情の表れだったか……
そして、Appleの謎も断片的に判明する。
シェム・ハの腕輪からAppleのフレーズが聞こえてきたのも統一言語だからか……
歌詞は後付けなのだろう。
……歌詞の謎は劇場版?
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「人は一つに繋がれないのではなく――」
「繋がっては……いけなかったッ!?」
人と人が繋がることがシンフォギアにおけるテーマ……なのだが、それが禁忌という非業。
シェム・ハの存在はシンフォギアシリーズの中核に隣接している。 歌の力の根源にある言葉の力を使うのも合わせてシリーズラスボスにとことん相応しいワケダ。
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「だが、真実を知ったところでお前たちは月遺跡ごと吹き飛ばされる
「このままだと地球に帰還どころか宇宙の藻屑だッ!!」
「ギアをッ! ギアを纏うデスよッ!!」
「ギアを纏ったってどうしようも――」
そして、シェム・ハ、月遺跡を悪役得意の自爆。
容赦ねえ!
ノーブルレッドが装者たちに勝っていたらそれはそれで同じように自爆させたのだろう。
切歌の常識が通じない詰みの状況をあっさりと作り上げたのだった。
そして、この自爆は装者たちの始末に加え、バラルの咒詛の解除も兼ねている。 無理に無理を通して強引に状況を進めようとしたアダムと違ってやり方がスマート……
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「――爽快である」
「忌々しきは全て塵芥に」
「怪物共は実に役立ってくれた」
「後は月食に合わせて――」
「……ん?」
こうして地上ではキャロルがダウン。月では装者とノーブルレッドがドカン。
シェム・ハ、WIN!
満悦に至り月食なんて新しい要素も持ち出す。
フロンティア事変において月遺跡の稼働と同時に軌道変更も行っていることからわかるように、月全体が改造されていてもおかしくない。
なので、爆発した月遺跡は表面の一端に過ぎず、まだ何らかの効果を発揮していてもおかしくない。 月食はそんな月の力が弱まる時?
フィーネは月そのものの破壊で統一言語を取り戻そうとし、サンジェルマンは月遺跡の掌握でバラルの咒詛を解除しようとした(用語集)。
月の役割にはバラルの咒詛と統一言語の封印の二つの意図が込められているのかも。
バラルの咒詛は月遺跡だけで何とかできるが、統一言語は月の破壊が必要とか。
バラルの咒詛の謎は概ね明らかになったが、統一言語に関してはまだ謎に包まれている。
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「こ、これはッ!?」
「わたくしめら3人が形成する全長38万kmを越える哲学の迷宮は――」
「遺跡ボカンの衝撃を遮断するだけでなく空間をねじ曲げて地球への道を切り拓くんだゼッ!!」
「最速で最短……真っ直ぐに一直線に……」
そんな上機嫌なシェム・ハが怪訝に感じた。
それはノーブルレッドはダイダロスの迷宮で装者たちを救ったからだった。
全長38万kmというわかりやすい振りはこのためだった!
……それにしてもやっぱり絵面が面白いミラアルクであった。
恨みにくい姿形するのはちょっとズルいな!
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「だけど……」
平時でさえ消耗するダイダロスの迷宮である。
完全怪物になったとはいえ瀕死のノーブルレッドは命を焼却していく。 サンジェルマンたち同様に金色の粒子を発していることから、同質の錬金術を用いているのかもしれない。
一応、ノーブルレッドとサンジェルマンは同門だ。
なので生命力を用いてもおかしくはないのだ。
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「勘違いしないで……」
「これは怪物が苦し紛れにかける呪い……」
「鼻持ちならない正義の味方に手遅れとなった地球を見せつけたいだけのちっぽけな抵抗……」
「うん……でも、ありがとう」
「呪いはきっと祝福に変えられる」
「お父さんがそう言ってたしわたしも信じて疑わない」
装者たちを救ったとはいえ結局は自分たちのために生きるのがノーブルレッド。
今回の行為もあくまで自分たちのためと言い張るのだった。
誰かのために命を捧げたことで果てたサンジェルマンたちとは真逆で、どこまでも自分たちのためだけに命を使っている。 そこは一切ブレないノーブルレッドだった。
なので、この行為はあくまで呪い。
けれど、その呪いは装者たちにとっては間違いなく祝福であった。
だから、響は感謝を口にし、それを笑って受け止めるのだった。
……父親の話をしたことでかつては帰る場所があったことを思い出したのかもしれない。
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「どうやらわたくしめらは……」
「ここまでのようだゼ……」
「3人の想い、たしかに受け止めたッ!」
「そして、それを背負うのがお気楽者の使命なのデスッ!!」
「ああッ! たしかに届けてやるッ!」
「あたしたちの帰る場所にッ!!」
ノーブルレッドたちの死灯を装者たちは受け取るのだった。
怪物としてではなく人としての気持ちを……
クリスと調と切歌はそれを受け取るのだった。
一方、翼とマリアはノーコメント! 表情も険しい! ですよねー!
いくら命を救ってもらったとはいえ、二人はミラアルクのことを許せまい。
例え見た目が面白くなっても何発かブン殴りたいだろう。
だが、自分のことしか考えない故にノーブルレッドが人間らしいのならば、未だに清算できず赦せない翼とマリアもまた人間らしくある。 防人とたやマ、互いに年長者らしく成熟している(XV防人は防人りまくったけどな!)のだが、決して超人ではなくあくまでどこまでも人間なのであった。
金子のおっさん、こういう渋い味付け好きよね……
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「どいつもこいつも……大っ嫌いよ、シンフォギア装者……」
「私たちを、怪物にすらさせてくれないなんて……」
「……ありがとう――……」
こうしてノーブルレッドは怪物ではなく人間として逝く。
誰かのために生きることのできる装者たちとは対称的に自分のことしか考えられないノーブルレッドは、結局、人間らしく自分のことだけ考えて逝った。
ノーブルレッドにもたらされたのは救いでも贖罪でもなく、ただただ人間として生きただけだった。
結局はゴーイングマイウェイ。
それでも少しだけ、自分以外の誰かを、装者のことは思ったのかもしれない。
これじゃ翼もマリアも何も言えん。言っても仕方がない。
うるせ〜〜!!!!! 知らね〜〜〜〜!!!! NobleRed
利用され続けたノーブルレッドは最後の最後は自分の意志で生きた。 ノーブルレッドの生き様はこれが全てだろう。
その生き様には凜々しさや美しさはなく醜い部類に入るが、最期は潔くはあった……
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「誰かと手を繋ぐこと――こんなにも勇気が必要だったんだな」
「それを私は……ッ!!」
「翼さんッ!!」
ノーブルレッドの死から間もなくダイダロスの迷宮は崩壊していく。
あわや宇宙へ弾き出される響だ。
GX第1話に代表されるように響は姿勢制御があまり上手くない。
その響の手を握り締める翼だった。
かつて伸ばしてもらった手を、自分から伸ばし握り締める。
翼はやっと帰る場所に帰ってきたのだった。
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「こんなになった地球を見るとどこに帰還したらいいのかわからないわ……」
「この星に生きる命は――」
「みんなは……ッ!?」
地球に肉薄するのだが真っ赤っか。
状況は絶望的である。
装者たちは絶望に包まれる。
もぅマヂ無理。。。
てがみかこ。。。
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「こちら本部ッ!」
「応答願いますッ!!」
「ボロボロなれどこちらは無事ッ!」
「そして、無事なのは本部だけじゃないッ!!」
だが、大気圏突入と同時に通信が入る! 藤尭も生き生きしてる!
あ、アンタ、すぐにボヤくキャラだったはずだろ!?
何でこの状況でやる気に溢れているんだ!?
そういえば、この人、最近、あまりボヤいていない。
まさか、藤尭も成長している!? 童貞なのに!?
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「ネットワークシステムを利用した演算でユグドラシルを起動するならば、ネットワークから妨害することも可能ッ!!」
「まさか、エシュロンを応用して各所にファイアーウォールの設置をッ!?」
人類の力でシェム・ハに対抗、だとォ!?
これだけでエシュロンを持ち出すマリアさん、アンタの知識はどうなってんだ。
ともあれ、最終兵器キャロルが倒れシェム・ハに蹂躙されるだけかと思っていた人類だが全力で抗っていた。
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「米国大統領の名において非常事態宣言を発動するッ!」
「腕の覚えのある者及び各国機関は世界規模で発生しているハッキングに対抗せよッ!!」
「各端末の演算機能を死守することでこれ以上の侵食を阻止できるッ!」
「人類の総力で押し留めるんだッ!!」
そして、人類を引っ張るのがまさかの米国大統領であった。
「人が神秘に満ちた時代からの独立に端を発している」とはかつての大統領の言葉である。
XVでも第3話で研究者が言っていたことから米国のスローガンなのだろう。
その言葉の通りに異端技術に先端技術で堂々と殴り合った。 てっきり妄言の類かとばかり思っていたら、たしかに結実させるとは……!
そして、WA5のテーマにしてXVにおいても重要な意味を持つであろう『独立』を担ってみせた。
シリーズずっと厄介者だった米国がここまで気高き開花を見せようとは誰が予想したか……
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君、本当にAXZであったかい反応兵器どうぞした人と同一人物?
影武者じゃないかね?
というわけで見比べよう。
……同一人物だな。声優同じだし。AXZのクレジットでは何故か隊長だったけど。
反応兵器を撃ったのもただの暴挙ではなく、人類守護のための必要経費であったか。
大統領もまた真の防人であった。だが、スケールは人類規模であった。
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「それでもこの連携はッ!?」
人類の抵抗はシェム・ハとしても想定外にして痛手らしく表情が曇る。
異端技術の使い手を警戒、徹底的に潰したところにまさかの方向から反撃を食らった。
表情が曇るのも道理である。
だが、何故、ここまでの連携が生まれたのか。
かつての人類は、特に米国は月の落下という危機にも保身ばかり考えていたというのに……
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「生前の八紘殿の指示により事あらば協力を要請する書簡を各国指導者の元に届けるべく奔走していたのだ」
ついに緒川総司、本編で登場!
一族の長らしく美丈夫でありつつも精悍な顔つきである。
これ、絶対強い。ハッキリ言って緒川さんより強い。
そして、八紘の命に従って奔走する忠義の男であった。
この兄あって緒川さんありだ。
でも、ビルの屋上で忍者軍団を率いているのは笑う。
そしてこの連携を生み出した下地は八紘が作り上げていたのだった。 米国のやらかしを赦さず護国の鬼を目指した結果、災厄を招き日本どころか世界を追い詰めた訃堂……赦して対話を続けることで災厄を抗う下地を作り上げた八紘……
生き方の差がハッキリと表れたのだった。
八紘は天下という意味を持つ。その名の通りに天下を繋いでみせた。
しかし、生前とは……
もしか、死んだんですかねぇ?
お、俺は心臓で弾滑りしたと信じているから……
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「さすがにこの事態は想定外だけど、それでもうちの店にいるIT関連の太客たちに手伝ってもらったのさ」
さらに末弟の緒川捨犬まで登場!
緒川家を捨てた身なのだが、緒川家の生き様は染みついているのだろう。
ホスト生活で培った人脈を生かしこの窮地に当たったのだった。
金子彰史のホストに対する妙なこだわりと賛辞がついにやっと形を為した。 WA4でホストこだわりを見せてから10年以上……長かった……
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「兄上ッ! すてくんッ! 痛み入りますッ!!」
あっ、はい。
知ってる人も多いかと思いますが、緒川さんは捨犬をすてくんと呼ぶ。
何かこういう方向でシンフォギアXDと連携してくるとは思わなんだ……
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「繋がれぬ
「嗚呼……防人が人を守るのは弱いからではなく、その勇気、果てなき強さが尊いからなのですね……」
「お父様――……」
人は繋がってはならないなれど、それでも人は繋がっていく。
その姿に翼は防人が人を守る理由を見出す。 無印第13話で見出した理由とは別ではあるが、たしかに見つけるのだった。
一方であの時に見つけた理由もまた正しくもある。
かつて翼はこのような答えに至っている。
「命は、尽きて終わりじゃない」
「尽きた命が遺したものを受け止め、次代に託していくことこそが人の営み」
「だからこそ、剣が守る意味がある」
これは八紘の死すれど何かを遺し未来へと繋いで行く生き方と完全に合致する。
かつて翼が辿り着いた答えを八紘は歩んだのだった。
そう、まるで娘の夢を応援するように……
故に翼が見つけた2つの答えはどちらも正しくあると言えよう。
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「みんな――エクスドライブだッ!!」
「だけど、可能とするだけのフォニックゲインは――」
「信じようッ!!」
「わたしたちの胸の歌をッ!! シンフォギアをッ!!!」
装者たちだけでなく世界人類全員が一生懸命。
この軌跡に応えるのもまた軌跡、エクスドライブ!
しかし、エクスドライブには奇跡に等しきフォニックゲインが必要とされる。
ここは大気圏。
リディアンの装者候補たちもいない。Appleで繋がることもない。70億絶唱する人は死んだ。
エクスドライブに至ることはできない。
だとしても! 胸の歌がある!
そう言われたのなら唄うしかない。
![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2019/09/xv12_277.jpg?resize=640%2C360)
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![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2019/09/xv12_279.jpg?resize=640%2C360)
「Gatrandis babel ziggurat edenal――」
「Emustolronzen fine el baral zizzl――」
「Gatrandis babel ziggurat edenal――」
戦場の姫巫女、絶えず命を唱いあげる。
装者たちだけで生み出せる最大級のフォニックゲインが絶唱である。
だが、絶唱ではエクスドライブに至らないことは幾度も実証されている。 それでも戦場の姫巫女、絶えず命を唱いあげるのだった。
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「この突入角では……ッ!!」
この状況でも藤尭はしっかりと装者たちをモニタリングしている。
あと突入角の計算もしている。
今回の藤尭、正直格好いい……
でも、どこからモニターしているんだ? 衛星?
S.O.N.G.すげー……
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「Emustolronzen fine el zizzl――」
「やはり、エクスドライブを起動させるだけのフォニックゲインは……ッ!!」
「ぬぅう……ッ!!」
そして、絶唱を完了するのであった。
されど……明らかにフォニックゲインが足りない。
やがてアマルガム・コクーンも砕け、装者たちは大気圏の熱に晒される。
MSでさえ爆発する状況に装者たちの生存は絶望的だ。
でも、風鳴一族なら多分耐えられる。弦十郎と訃堂なら発勁でかき消して生身で大気圏突入できる。
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「月からの帰還とは驚嘆に値する」
「なれど、ここまでよ」
「流れ星、堕ちて――燃えて――尽きて――」
無印第13話のサブタイトルにして副題をシェム・ハは詠う。
想定外はあれど対抗できる装者がいなければ計画を遅延させるだけで終わる。
シェム・ハは勝利を確信するのだった。
にしても、流れ星を見つめるシェム・ハさんのカット、シンフォギアでもトップクラスに美しい絵でアリマス……
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「そしてェエエェエエェエエエエエエッッ!!!」
Meteoroid-falling, burning, and disappear, then… 流れ星は六花を繚乱し、墜ちて、燃えて、けれど尽きず……降り立つのだった。
死んでいたキャロルも蘇る。あ、蘇った。
……想い出コピペチャージ中でしたか?
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散りばめられし希望の欠片――神討つモノらが総力に集う。 エクスドライブにはフォニックゲインが足りないはずである。
だが、こうしてエクスドライブを纏った。
そして、ここまでのエクスドライブが証明することは間違いなくこのエクスドライブは奇跡ではなく軌跡である。
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天羽々斬!
燃えている。
流れ星となったエクスドライブ、燃えている……
そして、GX以来の新たなエクスドライブであり、エクスドライブ最終決戦仕様である。
XVでエクスヴァンガードとかじゃないですかねー(適当)
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イチイバル!
しっかりポーズを決めている。
右手はかつてのライバル、カリオストロを意識している……?
よし、蒼井翔太を呼べ! 10万の命が戻るぞ!
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アガートラーム!
左右対称になるのがアガートラームのエクスドライブの伝統であったが、今回はいつも通りに左右非対称。
アガートラームの原型となったエンキが強く反映されたのだろうか。
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シュルシャガナ!
普段はギアの中に隠される調のツインテールだが、今回は露わになり燃える髪を見せつけている。
今回はきっちりポーズを決めていてやる気満々だ。
初エクスドライブのGの時はポーズ決められなかったからね……
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イガリマ!
髪、伸びてる!?
いつもは珍生物もいいところなのに美しさをアピールしてくる……
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ガングニィイイイィイイイルッッッ!!!
殺すこの手には君を繋ぐ手がある。
ついにシェム・ハと、未来と対峙した。
そして、キャロルとも邂逅できる。
ひびキャロは歴史の転換点になりかねない。こっちにも期待したい。
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戦姫絶唱――
次回へ続く。
……で、締める前に問題のエクスドライブになった理由が問題だ。
そこにあるのは奇跡ではなく軌跡。
そして、とんでもない軌跡が既にある。
「人がその身に負荷なく絶唱を口にし、聖遺物に秘められた力を自在に使いこなすことができるのであれば、それは遙けき過去に施されしカストディアンの呪縛から解き放たれた証」
「真なる言の葉で語り合いルルアメルが自らの手で未来築く時代の到来」
「過去からの超越」
第1期第7話におけるフィーネの独白である。
……まさにこの状況そのもの。
逆に読めばバラルの咒詛さえ解除されれば負荷なく絶唱を口にし聖遺物に秘められた力を自在に使いこなせる……
そして、今は月遺跡の破壊によってバラルの咒詛が解除されている状況……
ならば絶唱6人のS2CAがあれば戦姫だけでのエクスドライブにも至る……! ……はず。
同じくバラルの咒詛が解除されたGでは聖遺物の力を自在に使いこなす軌跡、マリアのアガートラームとの適合を果たしている。
既に奇跡へと至る軌跡は作られているのだ。
あとは第13話「神様も知らないヒカリで歴史を作ろう」へ続くのみ――……