如何に愚地独歩と言えど3人相手では辛かろう……
そう考えていた時期が俺にはありませんでした。
一対多の戦いが始まろうとしている。
演武とは違って筋書きなしのガチの一対多である。
それも大会上位入賞の常連が集まった。
普通なら勝てない。普通なら。
アイアン・マイケルなら負ける。
独歩の実力がアイアン・マイケルと同格ならな……
まずは「速射砲」長谷川である。
きっと連打力がスゴいのだろう。多分。
髪型は蹴速に似ている気がする。
次は「超強打」三島である。
褐色が数少ない特徴の一つだ。
今回のやられ役の中で一番チャラそうな見た目だが、その名の通り、打撃力は一番なのだろうか。
打撃のインパクトと裏腹に本人のインパクトはあまりない。
最後に「重戦車」竹だ。
突進力が自慢なのだろうか。
やられ役なら勢いだけでも大事にしていただきたいところだ。
「どう捌く? 「武神」愚地独歩!?」
「日本空手道史上初………………筋書きのない1対3「組手」!」
克巳はこの状況下で独歩にある種の期待をしていた。
いや、あなたもどうにでもできると思うのですが……
競技ではない武術としての空手でどう対処するかを学びたいのか?
勉強熱心ということだろう。多分。
3人の贄に囲まれている状態で始まりの合図がかかる。
同時に3人は目を疑う。
独歩の全身が透けて見えたのだ!
一応の実力者でも始めて見る異常事態に怖じ気付くしかなかった。
それでも親兄弟でも手加減するなが神心会である。
重戦車竹が蹴りを放ちかわされる。
ただかわすだけではなく目の前から独歩が消えて混乱していると後ろから蹴られる。
重戦車竹、撃沈である。
次に超強打三島が蹴りを放ちかわされる。
ただかわすだけではなく目の前から独歩が消えて混乱していると後ろから掴まれる。
通り抜けるような神がかり的な回避を見せているのだ!
ここで思い出されるのが刃牙VSピクルだ。(範馬刃牙第173話)
この戦いで刃牙は独歩と同じようにピクルを通り抜けるような神がかり的な回避を見せた。
この時、烈はこう語っている。
「武神の称号を冠する あの愚地独歩」
「歩く姿が武――とまで言われる渋川剛気」
「そして中国武術現役最強にして最高峰 我師―――郭 海皇」
「この3名にして あの真似ができるか!!?」
できたね! 独歩、同じ真似できたね!!
いや、進化したからできるようになったのか?
今の独歩は刃牙と同レベル! それどころかバキ道の相撲では勝利しているから刃牙よりも上!
疑るなぁ!
というわけで独歩は通り抜ける領域に達していたのだった。
うん、知ってた……
ともあれ、武の極地に独歩は達しているようだ。
武蔵に惨敗したり相撲といい勝負をしたりしたが何だかんだで成長している。
だから、蹴速を一蹴できたのか?
……で、この話、恐ろしいことにまだ続く。
わ、理解った! 理解ったから!
早くもっと別の話を進めてくれ!
加藤と末堂がいまいちなのも独歩が通り抜けられるのも知ってるから!
そして、次号休載!
ど、どうすれば!?