バキ道感想 第74話「飲み会」



待望の烈海王異世界転生が掲載決定!作者Twitter
作家陣はチャンピオンでいきいきごんぼを掲載誌、Twitterでもバキネタを描いている陸井栄史先生が作画、彼の名(迷?)作の悪徒-ACT-の猪原賽先生が原作ですね。
作画だけ見ればギャグ調にしてお茶を濁しそうだけど、原作がガチの中のガチですよ、悪徒-ACT-ですよ。
八神庵異世界転生並みに濃密な中身に期待したい。
というわけで、力士がバキ世界に転生した件について。

鯱鉾降参によって決着が着いた。
花山としては起き上がった以上はまだやれると思っていたようだ。
が、鯱鉾としてはまず最初のダウンで敗北を感じていた。
何せ花山が追撃すれば勝負ありだった。 追撃しなかったことで試合続行となったが、烈海王理論なら既に決着だ。
それでも恥を忍んで立ち上がって続けようとしたら、花山は一服しようとしていた。
ここで続けたら恥さらしにもほどがある。

「髪を整え……」「眼鏡まで掛けてる」

そこ引っ張るのかよ!?
整髪+眼鏡は渾身のネタだったようですね。
たしかにここまでやっておいてまだやれると思っていたというのは通らない。
何か外伝の変にお茶目な花山を引きずっている感がありますな。

「次 会う時ゃチャンコで一杯だ」

鯱鉾は敗れたものの花山の圧倒的な才能を認め友情を感じていたのだった。
それに対して珍しく花山も笑みで返している。
でも、花山って本編だとあまり食べている印象がないんですよね。
ワイルドターキーばっかりだ。
160kgだから食の方も相当なはずなのだが……

こうして花山VS鯱鉾は完全決着するのだった。
妙にあっさりとした試合だったが、フィジカル自慢の花山に力士がフィジカルで挑めばあっさりと勝負がつくのも道理か。
そもそも地下闘技場戦士に食らいついた巨鯨と猛剣がおかしかった。 あれが正しいパワーバランスなら金竜山だって本部に勝つし猪狩にも勝ってますよ。
あ、本部には勝ってた。

こうして次の試合を務める選手がウォームアップを始める。
団体戦最大の注目株の克巳である。
その理由は言うまでもなく烈の右腕だ。
ただの右腕として機能するだけでなく、さらなる奇跡を見せてくれることは間違いない。
烈の腕を繋ぐエピソードはバキ道の中でもトップクラスのときめきがありましたからね。
これで克巳が負けでもしたら右腕を切除した後に割腹自殺しても足りないくらいの恥を晒すことになる。
克巳の前に刃牙はコンビニのビニール袋を投げる。
どうやら刃牙はコンビニでエコバッグを使わない派のようだ。
お坊ちゃまだし倹約とは無縁のようだ。
その点、克巳もお坊ちゃまなんだけどドイルと戦った時にはコンビニ弁当を美味しそうに食べたりけっこう庶民派だ。
克巳はエコバッグ、使ってたり?

克巳がやろうとしているのは「範馬刃牙」時代にやったコンビニ袋に拳足を叩き込むトレーニングだ。 不規則に動く標的に正確な一撃を叩き込むことを目的としているのだろうか。
コンビニ袋の軽さから拳足に負担がかからないし、けっこう理に適ったトレーニングなのかもしれない。

このトレーニングは隻腕となった時に行っていたものだ。
その頃の克巳は単純な筋力では未来はないと感じて、正確な一撃に可能性を見出そうとしてこのトレーニングをしていたのかも。 これを通して片腕という個性オリジナルを見つけようとしたのか。
その可能性は刃牙にも評価はされていたし、片腕という個性は一定の域にまで達していたのだろう。

逆に言えば烈の右腕で正確な動きができなければ、このコンビニ袋トレーニングを満足にこなせなければ隻腕時代の積み重ねは活用できない。 克巳は若い。若いだけに常に成長しているし成長し続けなければならない。
右腕を得たから隻腕時代のことは忘れようとはできない。
むしろ、隻腕時代の経験を積極的に活かして伸び代としなければならないのだ。

こうして試金石となるコンビニ袋トレーニングが開始される。
まずは右の正拳突きで迎え撃つ。
コンビニ袋は大きく吹っ飛ぶことなく緩やかに浮く。
さらにコンビニ袋を右アッパーで浮かせ右の手刀で一刀両断するのだった。
コンビニ袋トレーニングは問題なくこなせているようだ。
やはり、烈の右腕とのシンクロ率は極めて高い。
だが、以前との相違点がある。
コンビニ袋を手刀で一刀両断している点だ。
克巳は「範馬刃牙」時代に刃牙が宙に浮いたコンビニ袋を蹴りで一途両断したことに驚いていた。
消力理論では軽いものほど斬りにくい。 宙に浮いたコンビニ袋を一刀両断するのは地味ながらも一流の技術なのだ。
そして、克巳の驚き方を見るにその時点ではできなかった芸当なのだろう。

これと同じような技術に独歩の針金切りもある。
克巳は針金切りにも驚きを見せていたことから、体得していなかったことが窺える。
頭に載せたビール瓶を斬り土手っ腹をブチ抜く拳を持つ克巳だが、柔らかいものを斬る領域には達していなかった。 苦手分野なのだろう。

だが、それに似た絶技を克巳は移植したばかりの右腕でやってのけた。
隻腕時代の積み重ねが生きたのか、あるいは烈の右腕を得たことで化学反応が起きたのか。
いずれにせよかつてはできなかったコンビニ袋斬りを体得していたのだった。
烈の右腕のコンディションは完璧以上の仕上がりとなり克巳を進化させた。 これは絶対に力士に負けるわけにはいきませんよ。
負けたら全裸になって渋谷の交差点のど真ん中で割腹自殺するくらいの生き恥だ。



「………」「憑いてるわァ……」

そんな克巳の背後には烈の霊が映る。
烈さん!? 異世界転生したはずでは!?
刃牙の目にも映ったことから本物の烈のようだ。
刃牙は以前にも範馬勇一郎を見ていますからね。烈だって見えますよ。

今の克巳は一人ではない。烈の想いを継いでいる。
克巳自身、ピクルとの戦いを経て大きく成長した。
それに烈が組み合わさればどうなるのか。
期待せざるをえない。
これはマジで力士に負けるわけはいきませんよ。
負けたら徳川光成全攻めの薄い本に出てもらうくらいの生き恥だ。

でも、気がかりなのは烈の表情だ。
何だか険しい表情である。
これはどういうことなのか。
力士のいる場所は3000年前に通過している!なのか、相撲は中国武術でさえ戦うのを避けた強敵だから気を付けろ!なのか。
後者だとちょっと困るな……
次回へ続く。