バキ道感想 第88話「初速(ダッシュ)」



やべえぞ、リプレイだ!
というわけで、今回はゴキブリダッシュのリプレイ!
何か近年のバキ感想においてトップクラスに感想が難しい話ですね。
まだ侠客立ちとか第1話リメイクの方が感想を書きやすいよ!

刃牙がゴキブリダッシュの準備をしたということで、ゴキブリダッシュの再解説が行われる。
作中でも「以前にも描いたが」と注釈されるほどである。
わかってるのかよ!?
無自覚でリプレイするよりもタチ悪いよ!!
正直かつ率直な感想を申し上げると、昨今のバキで行われている過度のリプレイは描写の面白さ以上に展開を遅くしているので減らして欲しいのですが……
そんな中で超弩級のリプレイが行われたのが今回である。
どうしろと。

というわけで、ゴキブリの凄さが解説される。
最高速でスタートダッシュできる全生物で唯一の存在!
マジレスすると瞬発力が一番優れているのはノミだと思う。 その跳躍力のとんでもなさはよく言われてますからね。
こうした微々たるツッコミが精一杯ですね。

ゴキブリの瞬発力を生み出しているのはゴキブリの中身は液体だからである。
いや、ゴキブリにも筋肉あるで。
でも、液体と思い込めば液体! 大事なのはイマジネーション! 視神経は首に通っている!
ゴキブリの中身は液体自体はガセなのですが、バキ世界においては柔らかくなるほど瞬発力を生み出せる理論が実証されている。 その点ではゴキブリダッシュは理に適った必殺技と言えよう。

「ある日――」
「偶然目にした蜚蠊の亡骸に」
「衝撃を受ける」


刃牙とゴキブリ師匠の出逢いまでもリプレイするのかよ!?
ちゃんと路上で出逢ったシーンをリプレイしてるし!
死に際の集中力を身に付けたシーンみたいに脚色もない完全なリプレイだし!
俺が悪かった! 勘弁してくれ!
そんな微に入り細に入りのリプレイである。

ともあれ、こうして刃牙はウマ娘ならぬゴキ息子になるのであった。
この脱力の重要性は宮本武蔵の肖像画でも描かれている。
ここもリプレイする。
連載を通して描かれてきた脱力の究極系と考えると、刃牙の最終奥義に相応しいと言えなくもないんですよね、ゴキブリダッシュ。
名前とモチーフが最悪だけど。

勇次郎は力みに力みを重ねる主義である。
対して刃牙は対極の脱力に脱力したゴキブリダッシュで対抗しようとした。
そう考えるとテーマ性もあるように思える。
でも、勇次郎相手には最終的に力みまくって殴り合った。
あとゴキブリよりも範馬脳の貢献の方が大きかった。
……最終奥義に相応しい設定はあるんだけど、何か微妙に扱いが悪いというか、決め手にはならないんですよね、ゴキブリダッシュ。
かめはめ波みたいな技だな。大ボスを倒すのは結局元気玉みたいな。

さて、ここまで扉絵含めて15ページ。
長いわ! ゆうえんち2話分だぞ!
ともあれ、炎には刃牙がゴキブリに見えた。
ゴキブリに見える主人公という絵面は最悪だが、この異常事態に炎は困惑しつつも覚悟を固める。
覚悟した結果、ゴキブリダッシュに押されるものの刃牙のマワシを、トランクスを掴むことには成功する。

ゴキブリダッシュは速度そのものは凄まじいけど、ダメージそのものはあまりない。 勇次郎はもちろん、独歩にも受け止められている。
如何に速度が速くとも刃牙の体重の軽さから必殺になりにくいのだろう。
それは刃牙も承知しているのか、ゴキブリダッシュは接近手段や打撃の強化に用いていた。
炎に見せたゴキブリジャブは正しい運用法と言えよう。

そんなわけでゴキブリダッシュでの体当たりは本領を発揮できるわけではない。
炎に受け止められるのは必然だろうか。
ここから刃牙と炎はどうするのか。
刃牙ならいくらでもどうとでもできるだろうから、何か面白いことをして欲しいものである。
とりあえず、次回こそはリプレイで始まることだけは避けてもらいたい。 今回は3ヶ月分くらいのリプレイはあったと思う。
次回へ続く。