中学生かな?
昨今のジャックはイマイチなだけに先行きが不安なのが正直なところだ。
何かオチ担当になりつつあるんですよね、この血の薄い範馬……
「卑怯な行為の代名詞」「女子供の緊急避難」
「何ゆえそんな「技」とも呼べん低級な行為を磨く―――?」
みっちゃんは噛み付きなんて本部に破られる程度の技と煽る。
いや、さすがにそこまでは言っていないけど。
ともあれ嚙道に対するみっちゃんの期待度はけっこう低めのようだ。
ジャックにとって噛み付きは個性ではあれど武器にはなりにくくなっている。
刃牙にはカウンターを取られたし、ピクルには噛み合いで負けたし、本部にも破られている。
もはやジャックにとって噛み付きは不良債権みたいなものだ。
それよりもせっかく伸ばしたリーチを活かした戦いをした方が……
本部にも身体能力は褒められていたじゃん?
こうした噛み付きの是非の問答はガーレンにも問われている。
その時は品格によって牙を失った闘争に牙を取り戻すと精神面からの反論を行っていた。
対して今回はどう返すのか。
というか、あの引きで力士と戦わないのにはビックリですよ。
「力弱キ者デサエ逃ゲ込メル安全地帯」
「ソレガ「噛ミツキ」デス」
それに対して噛み付きは女子供でも使える武器だと語る。
鍛え抜かれたファイターを小学生に5分間の間、好き放題殴らせる。
苦痛はあっても耐えられる。
だが、噛み付きを使えば耐えられない! 頸動脈を狙えば絶命も狙える!
理屈としてはその通りかもしれないけど、受ける側が無抵抗という条件が問題だ。
実戦では急所である顔面を相手に接近させるというのはなかなかリスクがある。
破壊力は証明されているが万能の一手ではない。
今までのジャックは噛み付きはあくまで補助だったし、それが実際正しい運用だろう。
その噛み付きをメインウェポンにするのが嚙道なら、うーむ……
本来ハイリスクな噛み付きまでスムーズに繋げていくのが嚙道なら納得なのだけど、ジャックは脳筋力押し主義だ。
なので、そうした器用な立ち回りにはあまり期待できない。
この人、技術を備えているけど基本的には力任せである。
それで勝てるのならいいのだけど、勇次郎と違って勝てないんだよなぁ……
「オワカリデスカ徳川サン」
「「噛ミツキ」トハ人類最大ノ武器ナノデス」
ともあれ、女子供でも大の男を殺傷しうる武器。
それが噛み付き!
というわけで、今回は技術的な理由から噛み付きを推すジャックであった。
でも、この言い分だと自分を弱き者と認めているようだ。 弱き者……
いや、慢心がないのは良きことですが。
本部に敗北したのは圧倒的に侮っていたからだし、そうした弱点が多少補われただけでも敗北の意味があったか?
みっちゃんは嚙道を見せて欲しいとせがむ。
まずはデモンストレーションとして500円玉を咬筋力で四つ折にする!
……ショボい!
いや、スゴいにはスゴいけど、500円玉折り曲げは花山でもできていたので、ちょっと……
人間の咬筋力は大体70kgらしい。握力よりも高めだ。
ハンデをもらって花山と同じことができることが嚙道の強さの証明になるのか……?
みっちゃんはジャックのこの500円玉の折り曲げに驚きつつ、嚙道の本質はわからないと言う。
結局は試し割りであり、試し割りは勇次郎が否定している。
その試し割りがけっこう好きなのがジャックなんですけどね。
もしかして範馬の血が薄いから試し割りが好きなのか?
その証明のためにみっちゃんは徳川邸の番犬、ノロを連れてくる。
品種は超大型犬のチベタン・マスティフ!
その犬との戦いが嚙道の試験だった。
犬かよ! この人、北極熊を倒しているんだぞ!?
まさかの変化球である。
変化球過ぎて斜め上の方向に飛んでいきやがった。
いや、言葉通りの噛ませ犬だからむしろ直球か?
力士を噛むのはどうした?
「虎をも斃すと云われる地上唯一の
押忍、虎は大分狩られているし、繰り返すけどジャックは北極熊を倒しているのですが……
今どころか昔のジャックとしても低いハードルだ。
余裕で飛び越せるどころか踏み越えられるだろう。
これで万が一にでもジャックがワンちゃんに負けたら伝説になる。
サムワン海王を余裕で超えることができるだろう。
みんなの想い出に残るためにもここはいっちょ負けてみっか?
ともあれ、みっちゃんは相変わらず無茶振りをする。
武術とは対人を前提に考案されている。
嚙道も間違いなくそうだろうし、獣との戦いは想定外。
むしろ、雑菌の塊の獣に噛み付きに行くのは明らかにリスキーであり適切な戦い方とは言い難い。
雑菌の塊の500円玉を加えて折り曲げたのだから野暮と言えば野暮なツッコミですが。
試し割りでは本質はわからないが、対獣でも本質はわからない。
何かみっちゃんの享楽のために戦うことになった感じがする。
こいつ、やはり血を求めているな……
力士は面白いやられ方を見れなかったとフラストレーションが溜まっていそうだ。
零鵬は君の見ていないところで面白いやられ方をしたぞ。
もっとも、バキ世界において獣も倒せない格闘技に意味はない。
獣に負ける格闘家はいずれも二流、いや三流ばかりだ。
これくらいの犬を楽勝で倒せと言うのならそれなりに筋は通っているんですよね。
こうしてジャックVS超大型犬ノロの戦いが始まろうとしている。
いや、戦いになるのか?
ただの動物虐待になりかねないので穏便に済ませて欲しいのですが。
今回出てきた巨大犬、チベタン・マスティフは花山外伝に登場している。
当然、花山と対峙するのだけど戦わないことに定評のある外伝花山は戦わずにその迫力でチベタン・マスティフを従えた。
いや、ちっとも戦わないんですよね、外伝花山……
始まりから終わりまでちゃんと完走したまともなバトルは一度もなかった。
雑魚をワンパンで倒したり、決着をなぁなぁで済ませたり、代打にボスキャラを倒してもらったり、花山の活躍する姿をロクに見ることがなかった。
グランドマスター戦のオチはいくら何でも酷いと思うの……
ジャックは花山と同じように戦わずに制するのか。
それともきっちりとボコボコにするのか。
ジャックは逃げ出した北極熊を遠慮なくボコボコにしたし、犬だからと手加減はしないだろう。
いや、何か妙に丁寧な今のジャックなら見逃すとかありそうだけど。
うーん、君のことはさっぱり読めん!
なお、花山外伝では花山の迫力に圧倒されたチベタン・マスティフは本来の主人に反旗を翻すに至っている。
今回もそれをやってみたらどうだ?
ノロが主人であり巨悪の徳川光成に襲い掛かる!
ジャックは格を保つ。ノロはダメージを負わない。みっちゃんは討たれる。
完璧なハッピーエンドなのでは……?
次回へ続く。