刃牙らへん感想 第52話「児戯」



加藤が刃牙の強さを疑っている!
いや、まぁ、君の実力は疑いようもないけれども。
何というか、弱い方に。
せめて「うぶろば」とか「ぶわあれぴ」みたいな面白い悲鳴と共に果ててほしい。

加藤は刃牙を尾行する。
加藤と言えば神心会のいまいちな人というイメージしかないが、神心会に復帰するまではヤクザの用心棒として実戦を重ねていた。
その中でヤクザに依頼されて誰かを襲うこともあっただろう。
つまり、尾行も十八番だ!
何で尾行を褒めないといけないんだよ。もっと強さを褒めさせろ。

そんな加藤の尾行だったがあっさりと刃牙にバレる。
まぁ、ドリアンに尾行が気付かれていたのが加藤のレベルだからな……
いや、存在感がありすぎるからかもしれない。
ほら、勇次郎が尾行できるかとなれば……いや、してたしできたな、あの人!
刃牙と梢江のデートを尾行してモロに気付かれていなかったよ!

「アンタそんなに強ぇえんだっけッッ!!?」

うげぇー! 相変わらず記憶障害を起こしている!?
あんたが刃牙と同じくらいの実力者でいられたのは第1巻くらいだ!
第2巻の頃にはもうダメ! 本部の弟子に手こずった挙げ句、本部にビビっていた時点でもうダメ!
今の本部にビビるのならわかるけど結局は本部にビビっていた時点でダメ!
アンタの全盛期はドリアンの耳をテグスで切ったところだ!

刃牙は積み重ね続けた強さの実績を一笑された。
が、刃牙さん。余裕ありげに笑みを浮かべるのみ。
ま、まぁ、名実共に地上最強の一角だからな……神心会最強でさえない男に煽られても心にはさざ波一つ立たないだろう。
ただし、白目だ。ちょっとはムカついているらしい。

刃牙は不意打ちすれば良かったと語る。
加藤と言えば卑怯技だ。
何かもうそれしか存在意義がないし、卑怯技の横綱として本部が現れてしまったからその方面でも立ち位置に困る。
だってこの人、テグスですよ。

「不意打ちを喰らわさなかった…」
「それはよォ―――その必要がなかったってことかもナ」


卑怯なことをせずとも勝てる。加藤清澄、自信満々だ。
有り金全部FXに入れるくらい自信満々ですよ。
入れる先はスイスフランあたり。

加藤の卑怯技を抜きにした実力はいまいちだ。
いまいちだが、加藤は花山を投げ飛ばした花田に勝っている。
つまり、花山以上の実力者が加藤!
疑るなぁ!
……本部流の関係者は強さのバランスをよく狂わせるから解釈に困るな。

こうして加藤は仕掛ける。
まるで大型トラックにショルダータックルを仕掛けるような勇ましさだ。
だが、拳を眼前で寸止めされる。反応さえできていない。
加藤清澄、これで1度死んだ。

刃牙の拳をはね除けると次の瞬間には目突きを寸止めされていた。
目突きと言えば加藤の得意技であり、困った時にすがる技でもある。
それ故にヤクザ時代の回想でしか決まっていない。不殺の必殺である。

というわけで、そんな目突きを寸止めして屈辱を与えた。
やっぱ刃牙さん、ちょっと怒ってるな……
刃牙は寸止めを高等技術と語っている。
それをあっさりと成功させたのは刃牙の高い実力と圧倒的な実力差を物語っていると言えよう。
加藤清澄、これで2度死んだ。

「キシュッ」

加藤はキシュッとキャオラ並みに変な声をあげながらハイキックで反撃しようとするが、開いた股間に刃牙の平手が打ち込まれる。
加藤も刃牙も十八番の金的である。
だが、加藤は花田の睾丸しか砕けなかったが、刃牙はズール・シコルスキー・Jr.・ピクル・果ては勇次郎と多くの実力者に打ち込んでいる。
数も質も圧倒的だ。
加藤清澄、これで3度死んだ。



「潰しちゃいないヨ」
「軽ゥくノックしただけ」


出たぁー。刃牙先生の潰そうと思えば潰せた宣言だぁー。
本当に刃牙は軽く打ち込んだだけなのだろう。
刃牙がその気になれば金玉を玉砕する。本当に潰す。
しかし、この軽いタッチで加藤は3色の悶絶顔を見せる。
軽く叩いて余裕を見せつつも痛みはしっかり与えるのが最高に範馬刃牙である。

金的の痛みに倒れる加藤に刃牙は手を差し出す。
対等な対戦相手に行う行為ではなく、圧倒的格下をあやすようだ。
事実、そうである。
加藤が刃牙のライバルキャラでいられた期間なんて本当にごく僅かだし、何ならその時期でさえ実力では及んでいない感がある。

「イキャッ」

だが、デンジャラスボーイ加藤。
またも面白い声をあげながらその手を掴んで蹴りを放つ。
相手の善意に付け込む不意打ちも暗黒街で鍛えられた実戦空手の札である。
暗黒街(笑)

もっとも、攻撃のレベルがテグスよりも低いこの蹴りが当たるはずもなく、刃牙は合気に類似した技術を用いて加藤を回転させ脚から着地、立たせる。
相手を不必要に傷付けることなく実力差を知らしめる……武として理想的な対処である。
それほどの差があるということでもある。
いや、わかっていましたが。

「お見それしました」

圧倒的な差を見せつけられ、加藤は感服するしかなかった。
本気でこの人はイケると思っていたのか?
次回、種明かしがされるのか。
いや、されなさそう。加藤さんだし。

予想通りに圧倒的な実力者を見せつけられて終わった。
刃牙はその気になれば3度は殺せたであろう。
というか、カンストするまで殺せそう。
ゴキブリダッシュを引き出すにまで至った千春は健闘した方だった。

加藤は刃牙をライバル視していた。
が、実力差は離れるばかりだった。
やっぱ斗羽戦で本気で応援した時点でダメでしたね。
本部にビビったりしたのも不味かったけど、アレが三下役を決定付けてしまった。
まぁ、本部さんは金竜山に負けるという大ポカを忘れさせる大躍進を遂げたから加藤も……と微粒子レベルで思ったけどダメだった。ダメですわな。

しかし、これだけなら加藤が大ボケをしただけで終わってしまう。
ここから加藤の復活劇が始まる!
……いや、無理だろう。軽トラをどれだけ改造してもF1には勝てませんよ。

これで加藤のエピソードを引っ張ったらどうしよう。
いや、それはそれで面白いかも。
少なくとも今回の金的を受けた加藤の表情は面白かった。
この調子で金玉を砕かれていこう。
……この人、やられ方でしか印象に残れないな。

ただ加藤の生け贄によって花田が復活した。
ここからは花田のターン!
いや、君たちへの期待度は同じなんだが。
でも、花田は何故か強くなってしまった。
であればその強化方法を加藤に伝授すれば……?
可能性はあるかもしれない。最長老に潜在能力を引き出してもらうとかそんなパワーアップ方法な気はするけど。

加藤を中心にエピソードがまだ続いてしまうのか。
ただのバカがバカなことをやってバカな結果に終わってしまっただけなのか。
休載を挟んで次回へ続く。
掲載ペースが落ちた中でこんなギャグ回を挟まれるとは思わなかったな……