バキ道感想 第106話「輪郭の変化」



ジャック範馬が参戦しようとしている。
かつては強キャラだけど株の下落も激しいのがジャックだ。
やっぱ背を高くしたのがダメだったか……?


さて、台湾の桃園国際空港、そこにジャックがいた。
おそらくは台湾から日本へと向かう途中なのだろう。
そこの金属探知機に引っかかる。
その理由は歯! フルメタルの歯が理由だった!
何かイロモノ要素を身に付けつつあるな、この人。

で、ジャックは徳川邸を訪れるのだった。
最近のジャックは徳川邸に足を運びがちだ。
そのジャックにみっちゃんは驚くのだった。

「何でそんなにデカいンじゃ!!?」

「「範馬」ノ血ノセイデショウ」


何で敬語使っているンじゃ!?
この人、敬語のイメージがゼロなのに今回は妙に敬語を使っている。正確には丁寧語。
よくわからん人だ。

ジャックは範馬の血の効能を語るが、むしろ、範馬の血の恩恵を受けていない側の人間だ。
オーバーワークに身体がついて行けなかったからこそ、強くなるためにはドーピングや骨延長手術が必要だった。
真に範馬の血の恩恵を受けているのなら、後天的なドーピングは不必要なのでは?
現にジャックは血が薄いと勇次郎にダメ出しされている。 何かこの時点でジャックの先行きが不安なんですけど……

で、ジャックは客間に招かれ正座で座っている。
正座!? ジャックが正座!?
敬語といいジャックらしさがかなり低い。
いや、実は礼儀正しい奴だったのか?
でも、人生を変えてくれたジョン博士には高圧的な態度だった。
うーん、君のことがどんどんとわからなくなってくる……

みっちゃんは気軽に話しかけるほど距離を近付けたくない相手なのか?
それなら敬語も何となくわかる気がする。
実はジャック・範馬ではなくジャック・範くらいになっているのかもしれない。
範海王くらいの範馬度。

ジャックは上半身の長さは変わっていないと語る。
って、今までさりげなく避けられていた話題だ。
ジャックは本来の身長である193cmから刃牙道で243cmまでデカくなった。
その50cmの分、不自然に腕と脚が長いはず……なのだけど、そこまでの違和感はない。現在もない。
改めて触れられたことでむしろ謎が深まってしまった。
ともあれ、みっちゃんはジャックの背丈に驚いている。
ジャックは刃牙道でさらなる骨延長手術を敢行して243cmになった。
みっちゃんの反応を見るとさらにデカくなったのか?
243cmは本人曰く運動能力をギリギリ保てるラインなのに、そのバランスを崩してまでデカくなってしまったのか?
それはヒロインの属性に幼馴染みとメイドと巨乳とツインテールと眼鏡と関西弁と暗殺者と許嫁とお姫様とロリババアを足すような暴挙だぞ!
アンタはむしろ縮め!

「2メートル43センチ ニナリマス」

変わってねえ! デカくなってねえよジャック範馬!
単純にみっちゃんがちっとも覚えていないだけでしたね。
何か久し振りに孫を見たお爺ちゃんみたいなことを言いやがって。
いや、刃牙道のジャックは覚える価値がないということかもしれない。
というか、ジャックもジャックで伸びていないのなら範馬の血のせいとか言うなよ。

でも、ジャックのこの対応はみっちゃん本人としては自分の驚きが否定されないから嬉しいかも。
相手を傷付けないための言葉だったのだ。
いつの間にかジャックは社会性を得たのかも知れない。
社会性が強さに結びつくかとなれば微妙ですが。

「弟 刃牙に一敗 地にまみれ―――」
「古武術本部に不覚を取った」
「その「事実」をどう捉えとる……?」


ここでみっちゃんはジャックの敗北について触れる。
特にデカい本部の敗北にも触れた!
でも、ピクルに負けたことは忘れられている。 みっちゃんとしてはアレはしょうがない負けという扱いなのか?
本部に負けたことは、まぁ、やらかし以外の何でもないな。

「遠イ過去デアリ」「ソシテ―――」
「事実デアリ現実デス」


ジャックは神頼みしたり号泣したりとメンタルが弱い部分があるのだが、この二つの敗北をあっさりと流した。
過去の敗北にこだわる気はないようだ。
でも、ジャックの弱点は警戒心と学習能力のなさだからそこは気にした方がいいと思うのですが。
特に本部にはそこをメチャクチャに突かれた。 まぁ、事実と認めているからわきまえていると思いたい。

「「咬合力」ヲ飛躍サセマシタ」

そんなジャックは自分の個性である噛み付きに磨きをかけた。
輪郭が変わるほどに噛みまくったのだ!
今のジャックは何となくこれまでのジャックよりも顔が横に広がった気がする。
何となく。

ジャックの歯は本部に奥歯に至るまで全て抜かれてしまった。
だから、今のジャックはチタン製の歯に変えたようだ。
それが空港の金属探知機に引っかかったのであった。
とりあえず、今までの歯よりも強度は上がっただろう。
刃牙に負けた時みたいに自身の咬合力で歯が砕けることはなくなりそうである。

でも、歯そのものの強度は上がっても、歯茎との接続には限界がある。 なので、本部に噛めば同じように抜かれてしまうのではなかろうか。
それを踏まえて今度は衣服の上から噛まないようにするのか?
その辺も学んでくれるとありがたいのですが……

「ワタシノ―――」
「「道」デス故」


ジャックは噛み付きが武器であり個性だった。
が、勇次郎には噛み付きで負けて、ピクルには噛み合いで負けて、本部には噛んだ上で破られている。
悲しいが噛み付きが通じたのは最大トーナメントまでで、それ以降はロクに通じなくなってしまっている。
あと噛み付きではせっかく伸ばしたリーチをまったく活かせない。
だが、それでも噛み付きはワタシの道!
噛み付きに徹したのだった。
いや、そこはリーチを活かした戦い方に磨きをかけた方がいいと思うのですが……
チクショウ、いつの間にかあんたの人生はツッコミどころ盛りだくさんになってしまったよ。
そもそもオーバーワークで激やせの時点でツッコミどころ盛りだくさんか?
今のジャックはオリジナリティを求める余りに足元が疎かになっている気がする。 ラーメンに独創的なトッピングを加える前に、基本となるスープと麺の味を高めるべきという話だ。

「世界中ヲ巡リ」「台湾ニテ完成ヲ見マシタ」
「「嚙道ごうどう」ト名付ケマシタ」


ジャック、オリジナル流派の嚙道ごうどうに目覚めた!
いや、形ではなく中身に磨きをかけて欲しいのですが……
極めて恵まれたフィジカルを持ちながらも戦法がお粗末で裏をかかれることが多いのがジャックだ。
ピクルに真っ向勝負を挑んだり、本部相手に迂闊な攻撃を幾度も仕掛けては痛い目見たり。
嚙道はそこを補ってくれるのか? どうなんだ?

そもそも何故台湾で覚醒したのか。 台湾はバキシリーズでまったく出てこなかった地だ。
そこで何があったんだ?
そっちの方が気になるぞ?

ともあれ、中学二年生のような感性の元にジャックは生まれ変わったのだ!
でも、刃牙と戦った時に見せた噛み付きを組み込んだオリジナルの構えは一発で破られている。 大丈夫っスかねぇ……
いや、嚙道は研鑽を重ねた素晴らしい流派に違いない! ……かも。

「サシアタリ」「角力すもうヲ嚙ンデミヨウカト」

嚙道に目覚めたジャックの標的は相撲だ!
これで宿禰ではなく言葉通りに大相撲力士を狙い始めたら困るが、宿禰さんと戦ってくれる……のか?
とりあえず、先行き不透明な中でジャックが場を荒らしてくれるようだ。
元ラスボスなだけにそろそろまともに活躍して欲しいけどどうなる……?

ジャックはせっかく再登場したのに既に残念感が強い。 オリジナル流派に目覚めたのは、何かこう、陰謀論に目覚めた人みたいで不安を覚えてしまう。
とりあえず、長身と噛み付きの相性は悪い。
弱点の頭部を自ら相手に晒すことになりかねない。
でも、嚙道と言い出した以上はそこも克服済みなのか?
台湾拳法(仮)のエッセンスを組み込んでいるのか?
あとすっかり薬のことは忘れられている。
実はもう止めていたりして。

今回、タイトルにもなっている道という言葉が出てきた。 刃牙道もバキ道も道を扱っている……のだが、イマイチよくわからない。
特に範馬刃牙の戦っている最中に背後からババアにキスさせるは格闘家として最悪な部類だと思う。
いや、目的のためには卑劣に徹する道と言えばそれはそれでそうなのかもしれないけど……
ジャックが迷子になりながら次回へ続く。
でも、次週休載だ!