昔から梶原さんが好きでした!
富田流を逆恨みするところなんて最高です!
梶原さんの金剛0式で工藤がダウンした。
過呼吸になれば工藤にも金剛が通じるのだ!
なお、指摘されたのですが、過呼吸状態の相手には腕力がなくとも金剛が通じることは喧嘩商売第8巻で触れられている。
つまり、過呼吸になれば金剛の耐性が落ちるからこそ、工藤にも金剛が通じたのだ。
その一方で金剛が工藤に通じない理由は謎のままだ。
金田に金剛が通じなかったのと同じ理由なのだろうか。
文学は梶原さんの勝利と見たのか。
屍を見つけてもその場で指摘するなと十兵衛たちに釘を打つ。
屍を使って梶原さんを貶める気であった。
おう、えげつない。さすがの汚さである。
一方、倒れた工藤は夢を見ていた。
この試合で何度か触れられた新雪の中での夢だ。
そこで考えることは十兵衛のことだ。
心を完全にへし折られても自分とまた戦うために立ち上がった。
なのに、死ぬからと倒れたままでいいのかと自問する。
うん、この人、十兵衛が本当に好きだよな! 大好きにもほどがあるな!
工藤の十兵衛への注目度は勝者とは思えないくらい高い。
金田との戦いで燃えるし、石橋と戦っている時にエールを送るし、本当に大好きだ。
敗者の十兵衛が工藤を恨むのならわかるが、勝者の工藤が十兵衛に注目しているという構図はなかなかない。
田島なんて文学とかにまったく興味なさそうなのにね。
梶原さんは勝利宣言されないことを疑問に感じる。
2人の審判のうちの1人は手を挙げて勝負ありと判定しているが、もう1人は手を挙げずに静観している。
審判が同時に勝負ありと判定しなければ決着にならないと以前触れられている。(第36話)
ちゃんと意味のある描写だったのだ。
審判が板垣組に買収されているのではないかと疑うが、買収は意味がないと結論づける。
自問自答しちゃう辺り、頭の回転が鈍っている梶原さんであった。
審判の1人が勝利を宣言しなかったのは田島に工藤は超タフだから、確実に死亡が確認された時以外は黙っていろと言われたからだろうか。
ともあれ、工藤のセコンド、吉田にタオルを投げるように命令する。
あ……この人、降参しろって言っちゃった……
対戦相手全員殺すと言いながら降参を要求しちゃった……
勝利の判定を自分ではなく審判に委ねてしまった……
殺し合いをする人の思考とは思えない……
頭の回転が鈍っているというより心構えが鈍っている……
その時、吉田は折れと叫ぶ。
梶原さんが気が付くと右足首が折れていた。
これには何でどうしてとヘタれ顔で困惑する梶原さんである。
あ、やっぱり梶原さんにはこういう顔が似合う!
屍だとか金剛0式とかのドヤ顔よりこっちの顔が似合う!
工藤は立ち上がる。
気絶からの覚醒も早いのだ!
金剛が通じない理由は未だ謎のままだけど、ビルから落ちても平気な人でしたね。
心臓を殴られてダウンする方がおかしい。
まぁ、金田と同じように脳内麻薬が脳への情報を鈍らせているのだろうか。
十兵衛大好き自問自答をやった時に脳内麻薬を出していたし。
この工藤の逆転に十兵衛は小さく、それでもたしかにガッツポーズをする。
そう、工藤は十兵衛大好きだが、十兵衛も工藤が大好きなのだ。
梶原さんと戦うことを考えたりと、工藤のことを少し忘れているかと思った十兵衛だったがちゃんと工藤のことは大好きなままだ。
こういう一面があるから十兵衛は嫌いになれない。
工藤は梶原さんの健在な右腕ごと抱き締める。
以前、抱き締めた時は両腕を自由にさせた結果、暗行で抜けられてしまった。(第42話)
今度は片腕は封じているので使えるのは欠けた左腕だけだ。
その左腕を使った雷はないと自分からバラしている。
梶原さん、詰みである。
さすがに逆転策はなかろうて。
梶原さんは見事に油断し詰めの甘さを披露した。
汚さが武器の忍者らしからぬ失態だ。
ダメージで頭の回転が鈍っていることに加え、最後の技を金剛と決めきったのが不味かったか。
最後と決めつけてしまったから最後以降を考えていなかったのだ。
梶原さんはそういうところがある。
文学に左腕を切られた時も自分と相手の手を決めつけてしまい予想外の反撃にやられている。
油断と慢心が梶原柳剛流の真髄である。
工藤と梶原さんの双方の持ち味が炸裂した逆転劇であった。
梶原さんは欠けた左腕で足掻いてみるか?
目を潰せないだろうしダメだろう。
それとも得意の忍術で足掻くか?
死を覚悟した工藤に何を言っても無駄だろう。
鍛えたくせにまだ威嚇にしかなっていない噛み付きが残されているか。
一番逆転の目はありそうだけどそれも何とかされてしまいそうな。
梶原さんが絶望的な状態で次回へ続く。
……まぁ、見苦しく足掻いてください。
喧嘩稼業(4) (ヤンマガKCスペシャル)