気に入った獲物がいないと1ヶ月も何も食べない気難しいピクルだが、無事に狩猟生活をしているようだ。
でも、あんな大物は滅多にないぞ。
そこは妥協しているのかもしれないが。
ピクルがワニを捕え排水溝に引きずり込む。
この光景を前にリポーターたちは言葉を失うのだった。
話題性たっぷりなだけあってメディアと相性がいいピクルだった。
一方ですぐに思い出せないメディアの方々である。
思えばピクルそのものは有名でもその強大な戦闘力は知られていない。
なので、ワニを倒すというインパクトの方が上でピクルにイメージが結びつかないのかも。
そのニュースを武蔵も見ていた。
そして、TVを切る!
TVに直接ピクルがいると思っていたようで、相変わらず現代文明に馴染めていない。
その辺のことを学ぶ気はあまりないようだ。
「原人ピクル」「恐竜を主食とする白亜紀最強の雄じゃ」
「げんじん………?」「はくあき………?」「きよう流聞かぬ流派だ」
みっちゃんはピクルのことを説明するが全然通じない。
武蔵のボケが炸裂である。
まぁ、現代用語ばっかりですからな。
まるで日常漫画のような光景である。
むさしん!
「―――で」「何処にいるその者は」
「気になるのか…ピクルが」
ピクルは戦国以上の修羅場を生き残ってきた。
それだけに武蔵にとっても目を離せない存在なのだろう。
烈くらいしかまともに戦った相手はいないのに、いつの間にやら最強格を目の前にしているのであった。
本部のおかげで挑戦者が脱落、もとい守護られましたからな……
そのピクルのニュースを見ていたのは本部もだった。
時系列がやや前後しているのだろうか、新聞で見ている。
新聞が出る頃にはピクルのことが思い出されていたらしく、ピクルの名前が記事に載っている。
「忘れとった」
「アイツだけ
ピクルまで守護る気か、本部!
いやいやいや、さすがにピクルは守護れんだろう。
澄まし顔で守護ったらそれこそバキ世界が完膚なきまでに破壊される。
ジャックが守護れるギリギリの範囲だ。
ピクルまで守護ったら現代の戦士たちが仇討ちに動き出しかねない。 烈だって墓から蘇りますよ。
だが、本部が負けてもやっぱりなで終わるのでピクル頑張ったとはならん辺り、ピクルとしては負けるリスクばかりが大きい何とも損な勝負だ。
いろいろな意味で卑怯だぞ、本部!
さて、武蔵はピクルの説明を受けたようでそれなりに理解はしたようだ。
その折りに何故かみっちゃんに幻影斬を決める。 意味はない。
意味はないがこの巨悪を斬ることを誰が責められようか。
「敵とするには未熟にすぎる―――が」
「ふむ」「面白い」
「磨かれざる者の強み」
ピクルは技術面では未熟そのものだ。
だが、刃牙を圧倒するほどのフィジカルに合気を即座に体得できる才能を持つ。
純粋なまでの逸材である。
鍛錬と経験を重ねた上で無双となった武蔵とは異なる。
「ある意味俺と通じる」
一方で共通のものも感じるようだ。
武蔵は死合いの中で現代の戦いを学ぼうとするほどには技術に対して貪欲だし、勇次郎との戦いで披露した素手斬撃はまだ完成していないようだ。
互いに発展途上故のシンパシーということだろうか。
「逢わせろ」
武蔵は刀を置きみっちゃんに手刀を当てながら脅す。
武蔵にとっての本気はあくまで素手だ。
つまり、落ち着いているようでピクルを見て相当昂ぶっていることがわかる。 現代の戦士たちと同じ反応ですな。
強者と強者は引かれ合う運命なのだ。
武蔵の興味はピクルに向いている。
当然、ピクルも武蔵を見れば一瞬で発火するだろう。
古代の強者同士が火花を散らそうとしている。
現代の戦士、主に刃牙は置いてけぼりだ。
刃牙、何やっているんだろね。本部流に入門して一からやり直しているのか?
それに割り込もうとしている男が本部である。
今度はどちらに挑むにしても地獄だ。
いっそのこと武蔵を斬って守護った方がマシなくらいまである。
というか、現代の戦士はもちろんピクルまで守護る対象になるのは武蔵は斬るのか? 本部の動機は相変わらずよくわからない。
わかることは武蔵やピクル以上に現代を陵辱していることだけだ。
次回へ続く。
本部、ピクルまで守護る気だ!
まぁ、天然文化遺産ですからな。
それを言えば武蔵も天然文化遺産なのですが。
前述したけど武蔵に対する本部の敵意はどこから来るのか。
真の武蔵が本部だったりするのか?
ピクルは範馬一族さえ凌駕するフィジカルが武器だ。
可哀想なことだがジャックとは桁が違う。
なので、本部に勝ち目はなさそうなのだが……
まだ武蔵の方がやり合えそうだ。
だが、本部もジャックには余力を残して勝っている。
そして、最後には武器術のみならず格闘術でもジャックを圧倒していた。
本部にはまだ可能性が残されている!
だからとピクルに勝たれたら皆がチャンピオンを引き裂きかねんがね。
そんなピクルですが下水道でワニを食べていた。
荒れる現世を放っておいてまずは食事。
相変わらずのマイペースであった。
とはいえ、ワニに襲いかかって食べたことから、今のピクルは攻めることもできるぞ!
とりあえず、場をかき回すバキ世界のソレスタルビーイング、本部に襲いかかったりして。
……うん、武蔵も、ピクルも、勇次郎も、ちゃんと戦うためにも全員が本部を倒すことを第一に考えるべきだな。