新設されるスタジアムなのでシンフォギア第5期の門出にピッタリ!
というわけで、見晴らしのいい土地に一人暮らしを始めた響の行く末や如何に……
「台無しだぁ……僕の千年計画が……」
「それでも、神の力をこの手に……ッ!!」
ミレニアムな計画が崩れてしょんぼりなアダム。
現代に至るまで潜伏してきたのはやっぱりフィーネが怖いからか。
それでも諦めない。
神の力を諦めるな!
あ、帰った。
すぐ帰った。
錬金術士御用達のテレポートオーブを使っていない。
また魔力任せの無理矢理なワープ?
(立花響……お前は一体……ッ!!)
超常の解説なら任せろ!
解説無理! サンジェルマンもちっともさっぱりな異常事態であった。
人間に宿るはずのないとされている神の力が響に宿った理由は今回でも説明されない。
神に触れてきたワケダし第5期ネタだろうか。
「立花響が神の力と称されるエネルギーに取り込まれてから48時間が超過」
ここでシンフォギア必殺の時間経過が行われる。
というわけで48時間が経過した。
その日は響の誕生日であった。
未来さん、壮絶に祝う気満々である。
やる気に満ち満ちている。ハートマークまで付けているとはさすがだ。
8月21日に始まったAXZの物語は9月13日に終わりを迎えようとしている。
相変わらずの過密スケジュールである。
タイムテーブルを考えてみるとけっこう面白いかも。
……装者のみんなはリディアンをけっこう休んでいそう。
「国連での協議は最終段階」
「間もなく日本への武力介入が決議される見込みだ」
「そうなるとお前たちS.O.N.G.は国連指示の元、先陣を切らねばならないだろう」
静かに燃える炎に喩えられる男、風鳴八紘は現状を報告する。
やはりというか、響は世界の敵となってしまったようだ。
それでも即時武力介入が行われていないのは大人たちの尽力があってのものか。
毎度のことではあるけれど、AXZでは大人たちの裏からのサポートが強調されている。
藤尭だって現場に出張ってヘマをやらかす。
「さらに状況が状況であるため、事態の収拾のために反応兵器の使用も考えられる」
「反応兵器ッ!? だが、あの中には響君がッ!!」
「無論、そんな暴挙を許すつもりはない」
「だが、世界規模の災害に発展しかねない異常事態に米国政府の鼻息は荒い」
「消し飛ばされた軍事衛星が口実を与えてしまったのか……ッ!!」
とはいえ、自体は相当に切迫しているようで反応兵器、つまりは核兵器の使用が検討されていた。
そばの人こと斯波田事務次官が必死に持ち応えてはいるようだが、米国は止まらない。
何というかシンフォギアにおける米国の立ち位置がわかる。
フィーネの指示があっただろうとはいえ要人を暗殺しているし相当な過激派である。
Gでもスカイタワーで無関係な民間人を殺害していたし。
それもこれも異端技術の研究が他国と比べると遅れているからか。
F.I.S.は重要人物であるウェル博士とナスターシャ教授がいなくなり、装者もS.O.N.G.入りな上にレセプターチルドレンは釈放。
自国の権威を主張できる絶好の機会とも言えよう。
反応兵器を使うのは異端技術の研究が進んでいる日本の国力を弱体化させる思惑があるかもしれない。
……そう考えると匿名Xがバルベルデドキュメンテを漏洩させた気持ちもわかる。
「あのサナギ状の物体内部に響さんの生体反応を確認しています」
「おそらくは神殺しの力が融合を食い止めていると思われますがそれもいつまで持つか……」
繭ではなくサナギである。
いや、これは繭だろぉー! だっろぉー!
ともあれ、神殺しの力で融合は避けられている。
武器としてだけでなく防具となっている。
神殺しの力、便利だなー。
XDでも神属性と神殺し属性を出してみる?
「時間が稼げているうちに対策をッ!」
「ああ、そのための彼女たちだッ!」
「彼女たち?」
響の窮地のための策の一つが未来であった。
未来は響の心を幾度も救ってきた。
しかし、GXでは洸に決戦での出番が奪われてしまった。
だが、今回は違う! 無事に現場入り!
これで井口が荒れることがありませんね(笑顔)
「これを使います」
「LiNKER? 違う、あれは……」
「Anti_LiNKERデスッ!」
とはいえ、未来さんがやってきただけで解決したら苦労しない。
なので、下準備の策はAnti_LiNKERである。
忘れた頃にやってくるとは産み親のウェル博士の言葉である。 というわけで忘れた頃にAnti_LiNKERがやってきた。
でも、Anti_LiNKERってウェル博士の珠玉の逸品ですよ?
「LiNKERとAnti_LiNKERは表裏一体」
「LiNKERを完成させた今、Anti_LiNKERもまた生成可能です」
エルフナイン、S.O.N.G.のジェバンニであることが発覚する。
エルフナインが一晩でやってくれました。
でも、表裏一体だからとあっさり作れたら苦労しない。
いや、ウェル博士がレシピを残していた可能性も全然あるのだけど……
ともあれ、エルフナイン、クッソ頼れる。
キャロルが残した命は世界を救うために大活躍しているのであった。
「ヨナルデパズトーリとディバインウェポン」
「どちらも依り代にエネルギーを纏って固着させたモノ」
「まるでシンフォギアと同じメカニズムだと思いませんか?」
な、なんだってー!
Anti_LiNKERが必要な理由としてキバヤシみたいな推理までし始める。
そいつら、シンフォギアちゃうやん。
ちょっとこじつけやん。
でも、エルフナインがありと言えばありだな!
今までもありで通してきたし!
「響君を取り込んだエネルギーとギアを形成する聖遺物のエネルギーの性質が近いものだとするならば――」
「Anti_LiNKERでポンポンスーにひん剥けるかもしれないんだなッ!?」
ともあれ、打開策は打開策である。
クリスが中の人みたいなことを言いながら希望を見出す。
未来も、装者も、S.O.N.G.の隊員も、八紘たちの裏方も、響のために尽力している。
かつて響が大多数に忌み嫌われたのとはまったく逆の状況である。
これは響が手を繋ぐ戦いを続けてきたから得たものなのだろう。
響の集大成とも言える場面である。何か凄いことになった意味でも集大成。
かつて装者たちを苦しめたAnti_LiNKERが打開策になるのも集大成か。
「反動汚染の除去は完了」
「いつでも作戦に導入可能です」
S.O.N.G.のジェバンニー!
反動汚染の除去も完了と抜かりがない。
流しソーメンを流し込みながら作業をしたことは想像に難くない。
5つあるということはイガリマもあるということ、サンジェルマン戦でも反動汚染は起きたようだ。
そのわりには直後に響は問題なくギアを運用している。
これは愚者の石が元々ガングニールであるため、ギアの異物とはならず反動汚染が軽減されていたトカ?
「あの……わたしにもできることがあれば」
「君はこの作戦のエースインザフォール、切り札だ」
「わたしが?」
未来さん、エースインザフォールとなる。
いつだって響の絶対危機を救うのは未来の仕事なのだ。
S.O.N.G.が未来さんを評価しているのはそういった理由によるものなのだろう。 故に水着を拝見しにTSUKUBAまで行くのはせめてもの褒美と言えよう。
さて、エースインザフォールはWA1に出てきたザックの最強オリジナルである。
HPが下がれば下がるほど攻撃力が上がるというまさに切り札という性能となっている。
一方で攻撃力を上げるハイパーを使った上で次点のマグナムファングを使えばカンストとなる9999ダメージが普通に狙える。
加えてエースインザフォールの威力自体、マグナムファングが攻撃力の3倍なのに対して、HPが100%で5倍、9%以下で10倍とマグナムファングを越える数値になるのだが、
99%~70%で3倍、69~40%で2倍、39~10%で1倍と多くの場面でマグナムファングの下位互換となる。 というか、1倍はあかんだろう。ザック、やる気なさすぎるだろう。
結果、エースインザフォールは効果のわりに安定せず使う理由が希薄な可哀想なオリジナルでもある。
もっとも、カンストさえなければ10倍ダメージで最大ダメージを狙えたかもしれない。
シンフォギアにはきっとカンストがないから使う意味があるさ、きっと……
「危険を承知でお願いします」
「わかりましたッ!」
響のためならガソリンぶっかけて火事場に特攻する覚悟が未来さんにはある!
これで未来さん、シリーズごとに命の危機に晒されている。
第1期でタコノイズに追い回され!
Gでスカイタワーに取り残され!
GXでアルカ・ノイズに分解されかけた!
それを考えると何かもう今更である。
安心して戦場に突っ込んでいいぞ。
いざとなれば陸上部の脚力で逃げ切るか槍投げで殺す。
「そして、もう一人……」
彼女たちということで協力者はもう一人いる。
それが保護されていたサンジェルマンであった。
アダムのようにドロンせずに大人しく捕虜となったようだ。
ところでハゲの黒服、この人の親族か何かですか?
「情報は役に立ったのかしら」
「賢者の石に関する技術なくしてこの短期間に汚染の除去はできませんでした」
「ありがとうございますッ!」
サンジェルマンはただ保護されるだけでなく、賢者の石の情報も与えていたのであった。
ジェバンニエルフナインの誕生もそれによるものであった。
賢者の石は頑張って作った秘中の秘であるはずなのに、その情報を与えるのはメッチャ大盤振る舞いである。 これが敵意がないことの何よりの証明となったのだろう。
ところでエルフナイン君ちゃん、本人の前だからラピスフィロソフィカスと言ってあげません?
この人たち、舌噛みそうな名前をちゃんと言っているんですよ?
ラピスと略されることも多いけどな!
「何よりだわ」
うわぁ、メッチャドヤ顔……
何この可愛い人。
序盤こそ可哀想な中間管理職、やがてはたやマの再来となったが、今ではすっかり頼れるいい人になったサンジェルマンである。
錬金術士たちは相互に魅力を高め合っていって、すっかり味のあるキャラになったのであった。
だから、カマホモの薄い本出していいぞ。出ない。
「それで我々への協力についてだが……」
「……それでも手は取り合えない」
貴重な情報を渡せど手を取り合えないとそこは強情なサンジェルマン。
断固辞退するのであった。
失った命の数を数えているだけあり、自分の罪の重さも重々承知。
それが手を取り合うことを避けさせるのか。
それでもあまり面倒臭いと感じさせないのは、根にある人柄の良さに起因するのかも。
苦労してそうとも言う。
「護国災害派遣法を適用した」
「………………ッ!?」
「護国?」
「まさか立花は、第二種特異災害と認定したのですかッ!?」
「聖遺物起因の災害に対し無制限に火器を投入可能だ」
「対象を速やかに殺処分せよッ!!」
そんな中で爆弾を投じるのが風鳴訃堂である。
響を救助しようとするS.O.N.G.に対して、武力を以て殺すことで禍根を断ち切ろうとするのが訃堂であった。
このための法案が護国災害派遣法であり、八紘に通すように言っていたものなのだろう。
つまり、このジジイが直接戦場に立つわけではなさそうである。
立ってもおかしくなかった。それはそれで強そうだし。
「ですが、現在、救助手段を講じており――」
「果敢無きかな」
「国連介入を許すつもりかッ!」
「その甲種は反応兵器ッ!!」
「……国が燃えるぞ」
訃堂は冷酷であるが国の危機なのだから手段は選んでいられないのが実情でもある。 響は無論として反応兵器なんて使われたら国土が汚染される。
それを考慮すると訃堂の行動にも理は通っている。
風鳴訃堂の外道だが決して悪ではない。
S.O.N.G.と形は異なれど国を守る防人であることは変わりない。
もっとも、強すぎる正義だからか、その反動で実子の翼も弦十郎も八紘も訃堂とは異なるやり方を選んでいるのは何とも皮肉……
「待ってくださいッ!」
「響は特異災害なんかじゃありませんッ!!」
「わたしの……わたしの友達ですッ!!」
「国を
それに対して未来が異を唱える。
日本一気難しいジジイ相手に何と道理な。
さらに翼も異を唱える。
落ち着け、防人は動詞じゃない。 防人は防人でも訃堂とは違うとはっきり言ってのけた。
ここに風鳴ではなく翼として戦うという意志が感じられる。
剣ではなく翼という言葉はここにも反映されているのだろう。
GX第9話は翼は自身の在り方を見つめ直し、大きく成長させたようだ。
胸は成長しなかった。
「翼ッ! その身に流れる血を知らぬかッ!?」
「――知るものかッ!!」
「私に流れているのは、天羽奏という一人の少女の生き様だけだッ!!!」
風鳴の血より濃い奏の生き様を翼を形作っている。
かつては定められた風鳴の生き方を、剣としての生き方を選んだものだが、幾多の戦いと友との出逢いを経て翼は命を守る奏の生き方に辿り着いた。
この叫びには胸どころか目頭が熱い。 すっかりエア奏が出てこなくなったのは翼自身が奏の域に達したからなのだ。
今の私は奏翼!(語呂最悪)
「司令ッ! 響ちゃんの周辺に攻撃部隊の展開を確認ッ!!」
「作戦開始は2時間後、我が選択した正義は覆さぬ」
「あれもまた、支配を強いる者……」
うるせえ!と訃堂は護国災害派遣法の強制執行する。
お爺ちゃん、拗ねちゃった。
可愛い娘に反旗を翻されればこうもなるか。
この姿に支配者アンチのサンジェルマンが反応する。 でも、言うほど支配者感はしないような。
この人、何かと戦う時は支配に関係する要素を見つけてそれを動機に変えていたり?
さて、戦車たちが繭……あいや、サナギに攻撃開始。
第1話のバルベルデの戦車と違って近代的というか近未来的なフォルムである。
さすが訃堂の懐刀であり最新の装備のようだ。
バルベルデのマスコットキャラ混ざりのオモシロ軍隊と一緒にしてもらっては困る。
「彼らは報されていないのかッ!」
「あの中には人が取り込まれているんだぞッ!!」
その攻撃に命を守るS.O.N.G.の隊員である藤尭は憤慨するより他ない。
あ、格好いい。
理不尽に怒りを覚えてこそ正義の味方よ。
第1話で最大級のボケとドジをやったからか、以降の藤尭は格好いい場面が多い、と思う。思いたい。
しかし、当然、こんなことをすれば孵化が早まるのがお約束である。
早すぎたこともなく、見事なウルトラマンとなってゴッド響が誕生する。
ウルトラマンやん! ウルトラマンやん!?
これは金子彰史のやらかしたことか、それとも金子彰史リスペクトに溢るるスタッフが金子彰史のやりたいことを見事にやってのけたのか。
いずれにせよ金子彰史の大好きなモノが込められているのであった。
いやはや、本当に脚本分業制とは思えないくらい金子成分に溢れたAXZのシナリオであった。
ウルトラマン響、ゲロビで周囲をなぎ払う。
響が暴走するのはいつものこと。
暴走しなかったのなんてGXくらいですよ。
「まさか、さっきの砲撃が目覚めを早めてしまったのかッ!?」
この人たちは映画をちゃんと見てればこんなミスはしなかったと思う。
戦車たちがゲロビでなぎ払われようとした時、マリアがアガートラームバリアでかばうのだった。
かろうじてとはいえ神の力を防ぐとは……攻撃だけでなく防御も一流のさすがの実力者である。
これだと絶唱で防いだ切ちゃんの立つ瀬がないのだが、反動汚染でギアの出力が下がっていた、明確な殺意が込められたティキのゲロビの方が威力が上だったという理由が考えられる。
いちいちに理由が込められているのがシンフォギアだからいくらでも深読みできるのが怖い。
「大丈夫、マリアッ!?」
「あのデタラメな強さは何だかとっても響さんデスよッ!!」
お前は響を何だと思っているんだ……
いや、単騎での爆発力は装者一番ではあるのだが。
とはいえ、AXZの響は爆発力よりも神殺しの力の特異性にスポットが当てられている感はする。
GXでも爆発力でどうにかしたのは
響は融合症例を止めてから強さが設定面で裏付けされるようになった感がする。
「この戦場いくさばはこちらで預かるッ! 撤退されよッ!!」
「国連直轄の先遣隊かッ!」
「我らは日本政府の指揮下にある」
「撤退命令は受けていないッ!!」
もぅまぢむり……な状況でも戦車隊は退かぬ媚びぬ省みぬ。
敵前逃亡は銃殺刑を地で行くような強情な人間であった。
さすが訃堂の部下(と思われる)か。
国の礎となる気満々だ。
「理由が必要ならばくれてあげる」
ここで実力行使というわかりやすい方法でサンジェルマンは撤退に持ち込ませるのであった。
装者たちが同じことをやれば重大な反逆行為だが、サンジェルマンがやるのは逆に問題ない。 悪人が悪いことをやるのは当たり前なのだ。
サンジェルマンは装者たちがやりにくいことを率先してやってくれた。
つまり、サンジェルマンは凄い気が利くいい人。
そりゃ部下に好かれるわ! 好かれすぎて上司に嫌われるわ!
「力を貸してくれるのか……」
「これは共闘ではない」
「……私の戦いだ」
ワガママで共闘した次は、共闘ではなく自分の戦いだと言う。
ええい、ベジータめ。
とはいえ、今回は支配に抗うために選ばざるを得なくなった共闘ではなく、自分の意志で選んだ戦いなのでより意味は重い。 敵とも手を取ろうとするのがシンフォギアであるが、サンジェルマンは同じ目線でありながらもあくまでも手を取り合わない路線を貫いている。
意外といなかったタイプである。
その上でこじらせているんじゃなく信念があるように感じさせるから、サンジェルマンはかなり得な人だ。
幸せになれよ(フラグ)
「特殊車両隊現着ッ!!」
「司令ッ! いつでも行けますッ!!」
「ようしッ! 響君のバースデーパーティーを始めるぞッ!!」
戦車に入れ替わり飛騨忍群……じゃなくて特殊車両隊が到着する。
ヒャッハー! バースデーパーティーの始まりだぁ!
誕生日設定を話に絡めてきたのは作った以上はあらゆる設定を拾うという金子彰史の決意めいたものを感じるような感じないような。
「まずは動きを封じるッ!!」
装者たちとサンジェルマンの共同戦線開始!
というわけで翼は千ノ落涙を応用した影縫いというバランスブレイカーにもほどがある技を放つ。 何やこのハメ技! ズルい!
また、これにて影縫い、全作にして登場完了。
まぁ、GとGXは緒川=サンが使ったんですけどね。
「やはり対人戦技では効果を望めぬかッ!!」
が、あっさり振り解かれる。
影縫いは極めて効果的な一方で飛騨忍群が対人用に生み出した技。
ウェル博士の頑張りとか超常には敵わないようだ。
……ウェル博士、すげえな。
「だけど、この隙を無駄にはしないッ!!」
ここでマリアさん、ダガーからエネルギーをケープ状に生成。
それを手に持って走り出す。
お、いきなり面白いことをやり出したぞ、この人。
「神殺しを当てにできない以上、このやり方でしかッ!!」
ゲスト枠のサンジェルマンは射撃で足止めを行う。
何やかんやでイグナイト2人相手に互角以上に渡り合っている。
であることから攻撃力はかなりのものらしくけっこうのけぞらせている。
クリスとのキャラ被りが心配されたが、助かったと言うべきか、クリスは最初にちょっと弾撃ったくらいであまり働かない。
だから、ポンポンスーで無駄に面白くなったのか……
「止まれェッ!!」
マリアはウルトラマン響を縛り付けて拘束する。
しかも、けっこうな効果がある。
アガートラーム、こんなことまでできるのか……
前々から思っていたけど万能にもほどがある。
なお、力を押さえ付ける点でWA2でロードブレイザーを抑制していた設定を想起させる。 なので、アガートラームらしい描写と言えよう。
「マリアッ! わたしたちの力を」「束ねるデスッ!!」
「一人ではないッ!」
「みんなであいつを助けるんだッ!!」
マリアだけでなく全員の力を合わせる。
装者間での力の譲渡はGXで行っていたけど、あれは響の束ねる力によるものかと思っていた。
けど、響がいなくてもできる模様。
アガートラームのエネルギーベクトルの制御の性質で似たようなことをやっているのかも。
ともあれ、全員の力を束ねて戦って来た響を、今度は全員の力を束ねて助けようとする。
今までとは逆であり故に集大成とも言える描写である。 このアニメ、信じられないことに第5期があるんですよ。
むしろ、第5期でやるネタじゃないっすか。
終わらせるために完全燃焼するスタイルは健在である。
AXZの凄まじいことは今までこのスタイルを貫いた上でキャラも設定もさらなる掘り下げが行われていることか……
「今ですッ! 緒川さんッ!!」
「心得てますッ!!」
忍術か!?
違いました。Anti_LiNKERを乗せた弾頭の射出でした。
って、山盛りというか、とんでもない量のAnti_LiNKERである。
とはいえ、桁違いの大物が相手だから桁違いのAnti_LiNKERは致し方なし。
毎回、桁を間違えている気がするけど。
凄い量なのでさすがに効果があるようだ。
エルフナインの推測は当たっていたことになる。
これだけの薬物をブチ込まれるとシンフォギアの性質関係なしに大ダメージになりそうだけど。
何でケツに撃つんだよ!?
ぶるんと増える無駄なエロス。
目論見は成功して適合係数は低下する。
が、すぐに復活してしまった上に先ほどまで押さえ付けていたのにそれを破られてしまう。
つまり、むしろ力が上がっているのであった。 この無茶苦茶さ加減は響に通じるものがある。
融合症例の時は命がヤバくなるほどパワーアップしてたし。
「繋いだ手を振り払うのがお前のやりたかったことかッ!」
「立花響ッ!!」
追撃のゲロビをサンジェルマンが防ぐ。
まるで切歌に命を救われた借りを返すようだ。 切歌の顔がアップになっているからその演出意図があることは確定的に明らか。
サンジェルマンの心は響によって動いたように思われるが、切歌の命がけも影響を与えたのは間違いない。
こうして切ちゃんを立てていくスタイル……素晴らしい……
そして、サンジェルマンの激も胸が熱い。
怒りに握った拳だけが明日を拓くと豪語したサンジェルマンが心で救おうとしているのだ。 この言葉はウルトラマン響にも届いたのか、動きが止まる。
装者だけでなくサンジェルマンも尽力している証拠である。
「ここに来て低下していた適合係数の上昇を確認ッ!!」
「神の力に備わる防御機構がAnti_LiNKERの理をリアルタイムに書き換えてッ!?」
裏返ったァ! 裏返ったぞ、響さん!
適合係数を下げるAnti_LiNKERを逆に適合係数を上げる要因に変えている。
ウルトラマン響が凄いのか、神の力が凄いのか。
いずれにせよとんでもないデタラメっぷりである。
「ああッ! そこまでの予測は付いているッ!!」
「だから――」
Anti_LiNKERを書き換えているだとォ!なんてことを言わず、弦十郎はこの事態を予見していた。
ユニゾンといいレイライン遮断作戦といいAXZの弦十郎は読みの鋭さを見せている。 もうだとォ芸人ではないのだ。
今思えばGの頃は振り回されすぎましたね。
Gで流行っていた天丼ネタによるものかもしれないけど。
「響ィイィイイイイイイッ!!!」
「響ちゃんの活動、止まりましたッ!」
「適合係数の上昇によって融合深度が増している今ならば、電気信号化された未来さんの声は依り代となっている響さんにねじ込まれるはずですッ!!」
適合係数の上昇で響成分が増したからこそ、未来の声が届く!
Anti_LiNKERが破られた先を用意していたのだ。
次策を用意しているとはやはりAXZのS.O.N.G.は一味違う。
今までは(致し方ないとはいえ)その場凌ぎのスタイルが目立って、それが破られた時はだとォ!と叫ぶしかなかったのに……
それもエルフナインという強力な専門家が仲間となったからか。
超常に対する策を練られるようになったことで、裏方の大人たちの力が正しく発揮されるようになったのだろう。
電気信号化ということは第5話で使ったイメージフィードバックシステムの応用だろうか。
だとするとAnti_LiNKERといい今までの積み重ねが爆発している。
第4期という長期シリーズの持ち味を活かしている……
「今日は響の誕生日なんだよ……なのに……」
「なのに、響がいないなんて、おかしいよ……ッ!!」
(呼んでいる……この声……)
あの気合いの入った誕生会ですからね。
未来は響以上に誕生日を楽しみにしていたに違いない。
それほどまでに響を祝いたかった。
思えば響は生きていることそのものが奇跡的な状況である。 ライブの時に死んでもおかしくなかったし、融合症例の末期症状で死んでもおかしくなかった。
そんな危険を潜り抜けて誕生日を迎えていることから、未来にとっては特別な意味が込められるのだ。
「響……お誕生日おめでとう……」
「ううん、このきっとこの気持ちは『ありがとう』かな……」
「響が同じ世界に生まれてきてくれたから、わたしは誰と並んで走れるようになったんだよ……」
「未来……」
「誰かとなら、一人では越えられないゴールに届くかもって気付かせてくれた」
まるでプロポーズだな、未来さん!
いや、それほどの気持ちが込められていても当然か。
未来にとって響は特別なのだ。
愛よ!
さて、陸上部エピソードは未来の響への愛の根底にあることがわかる。 人生を共に歩きたい人を見つけた瞬間なのだ。
第4期になるまで封印されてきた理由もわかる。
とっておきたいとっておきだったのだ。
あとやっぱりプロポーズっすね。
まさか、未来さんから牙城に攻め入るとは思わなんだ。
「未来……わたしの陽だまりッ!!」
「響ッ! わたしのお日様ッ!!」
ああー! 尊い! 尊い!
陽だまりがあるのもお日様があってこそ。
互いに暖め合う2人の関係を物語る台詞である。
拙僧、尊いの意味がわかった気がしますよ。
陽だまりに対するお日様という返しの尊さ……
AXZで未来の出番はちょっと減ったけど、それは少ない出番で穿てるという自信からか。
今までのシリーズの積み重ねによって、未来の一言一言の重さが凄まじい。 何か今回の服装も未亡人、あいや妻っぽいし!
こうして未来の最後の一押しによって、ウルトラマン響は崩壊、響が解放されるのであった。
お互いに手を伸ばし合ったからこそ、響は助かった。
実にシンフォギア的な救助方法である。
「響ッ! 信じてたッ!!」
で、未来さん、相変わらずの超ダッシュ。
やっぱすげェよ、ミクは。
ところで車両とウルトラマン響、すげえ近い。
未来さん、耐えかねてアクセルを床まで踏み込んだな……
「こちらでも状況を確認している」
「国連による武力介入は先ほど否決されたッ!!」
「八紘兄貴……」
「これまでお前たちが築いてきたS.O.N.G.の功績の大きさに加え、斯波田事務次官がそばにならった腰の強さで交渉を続けてくれたおかげだ」
そばの強さというよくわからん形容だが、斯波田事務次官の必死の交渉によって武力介入を留めることができた。
八紘も相当な尽力をしたことは想像に難くない。
まさに全員の力が一丸になって響を救うことができた窮地である。
力を貸さなかったのは訃堂くらいだ。
繰り返すが集大成と呼ぶに相応しい救出劇である。
なお、そばの強さという表現から八紘が弦十郎の兄であるのがわかった気がする。 映画を強さと変える弟とそばの強さを知る兄……どうしようもなく兄弟だ。
「人は繋がる」
「ひとつになれる」
弦十郎は笑う。
だとォ!芸人になることなく、皆が手を繋いで命を救えた。
その脳裏にはすれ違ってしまった了子の姿がありそうだ……
涙腺が……
「太平洋沖より発射された高速の飛翔体を確認ッ!!」
「これは――」
「撃ったのかッ!?」
だが、突然のミサイル!?
事態は収拾したはずなのにミサイル発射である。
どうしてそういうことするの!
「そも我が国の成り立ちは人が神秘に満ちた時代からの独立に端を発している」
「この鉄槌は人類の人類による人類のための新世界秩序の構築のために」
トラ○プゥ!? 貴様かァ!!
しっかり大統領が変わっていますな。Gの時はオ○マでした。
そこには異端技術の使い手ばかりが集まっている。
米国としては一網打尽にする絶好のチャンスである。 しかし、同盟国に反応弾をブチ込むとは……
シンフォギア世界の米国はバルベルデ並みにヤバい。
こうなると第5期の敵は米国か……
「ぬう……ッ!!」
訃堂、気迫だけでモニターを割るくらいにキレる。
やっぱり、アンタ、生身でもやれそうじゃねーか!
ともあれ、反応弾は自国である沖縄から放たれたのだから、訃堂の怒りはなおさらだろう。
まぁ、幸いなのは怒りがトラ○プに向いていそうなことか……
S.O.N.G.は最大限の尽力によって護国災害派遣法では覆せない窮地を覆したわけだし……
「だったらこっちで斬り飛ばすデスッ!!」
「ダメッ! 下手に爆発させたら辺り一面が焦土にッ!!」
「無辜を永遠に穢されてしまうッ!!」
XDで只今、調をパーティに組み込むことで石を30もらえるミッションが追加中!
それは置いておいてシンフォギアがあれば反応弾なんて怖くないじゃん。
とちょっとは思っていたけど、反応弾の迎撃はできても無効化はシンフォギアにおいてもできないようだ。
そして、起爆させれば……
現代兵器など異端技術の前ではゴミ同然と思いきや、危険性の一点では上回るかもしれない。
「……私はこの瞬間のために、生き長らえてきたのかもしれないな」
「何を言って……ッ!?」
サンジェルマン、装者たちには基本的にできない飛行能力で舞い上がる。
空飛べたんかい!
そして、これから死にますよと言わんばかりの宣言をする。
せっかく好感度を上がってきたのに……!
シンフォギアで上司にしたい人ベスト3に入るのに……!
あ、ワーストワンはアダム。まだウェル博士の方がマシ。
「一人でやれるか――」
「いや――『だとしても』だったわね」
道理を無視してだとしてものを貫き通す響の生き様は、サンジェルマンにすっかり染みついたようだ。
一人で反応弾に挑むという無謀もサンジェルマンはだとしてもでやり通す気らしい。
いけない! WA4屈指の感動イベントにして爆笑イベントのミサイルパンチが炸裂しちゃう!
……ミサイルに挑むというのがWA4らしい。
WA2とGの英雄、WA3とGXの想い出みたいな直接的なキーワードを絡めることはない一方で、各部のパーツにWA4を感じさせるのであった。
「解放の歌が生命を燃やす――」
ここで歌うのは死灯-エイヴィヒカイト-!
第1話で披露した独語verではなく原住民に優しい日本語ver。
何故、錬金術士が歌を……原点が同じとはいえファウストローブは歌でパワーアップしないやん……
が、第1話では歌をキーにかゆいけどちょっと気持ち良くなっていた。 そして、命をエネルギーに変えていた。
……あの、凄く不吉なのですが……
「漆黒の闇に炎を穿つために」
「カリオストロッ!?」
カマホモォー!?
エアか!? エアカリオストロか!?
いや、ちゃんと歌ってるし! エアになった人が歌うことってないし!
あ、セレナがAppleを歌ってた! 歌うことあるし!(混乱)
突然のカマホモの復活。
サンジェルマンだけでなく小生もビックリ。
「解放の鐘が終焉を奏でる」
「プレラーティッ!?」
金子ォー!?
エアか!? エアプレラーティか!?
まさかのプレラーティも復活。
サンジェルマンだけでなく小生もビックリ。
「「「自由に勝ち鬨を上げよ」」」
「「「煌々たる未来を死で灯せ」」」
カマホモ2人完全復活!
みんなに愛された(わりと誇張なし)カマホモたちが戻ってきた。
ライトアップして演出効果も抜群。
……野暮だけど誰がライト担当したんだろ。
「独りでなんて」「寂しいことを言ってくれるワケダ」
「2人共……ッ!!」
第5話で「独りになんてさせないワケダ」とプレラーティは言った。
その言葉の通りにサンジェルマンを独りにさせないために2人で駆け付けた。
熱い友情を土壇場でも見せるとは……!
サンジェルマンの落涙は適合者の落涙でもあった。
ぼっちのサンジェルマンの妄想の類でなくて本当に良かった……
「この歌声……」
響は歌で目覚める。
ただし、装者たちの歌と違って死を灯す歌なのだが……
ともあれ、響は無事のようだ。
1週間寝たきりで目覚めてすぐに戦う化け物である。
無事なのが当たり前なワケダ。
「女の勘で局長を疑ったあーしは死んだ振りなんかで搦め手で姿を隠していたの」
さて、カリオストロが第8話で言った搦め手は死んだ振りのことだった。
見事に期待に応えた死んだ振りである。
詐欺師の面目躍如である。
……迫真の演技としか言いようがない。
「そんなカリオストロに救われたわたしは一矢報いるための錬成をこっそり進めてきたワケダ」
プレラーティはカリオストロに助けられて、そこから逆転の準備をしていた。
これはもう装者たちを狙いにしているのではなく、明らかにアダム狙いか。
こちらも錬金術士の面目躍如です。
2人共、雄時代の職業を活用している。 カマホモであることを活かしているのだ!
カマホモであることを!
お前ら、アカデミー賞を受賞できるよ。
「否定せよ」(否定せよ)
「真理こそ」「絶対なのだ」
「ピリオドの杭を」「虚偽に貫け――」
プレラーティはお手製の傑作弾をサンジェルマンに手渡す。
さらにカットイン付きで格好付けやがって……
だが、許そう。
カマホモ2人もサンジェルマンも格好付ける資格がある。
「神よ知れ、天のLibertyのために――」
「全理こそ誇ろう――」
「日の出より輝け、最期の歌よ――ッ!!」
みんなでいい顔してとっておき弾の発射!
この一撃で反応弾は起爆に至るのであった。
やられたか!
「反応兵器、起爆ッ!!」
「衝撃の到達予測――これは……ッ!?」
「これもラピス・フィロソフィカス――……」
やられてない!
爆発が押し留められるのであった。
賢者の石の力を目の当たりにして、エルフナインはちゃんと正式名称で驚く。
同じ錬金術士としては偉業と立ち合っている感覚があるのかも。
あるいは賢者の石なんて言ったから怒られたトカ。
「「もしも」など言う」
「不完全なWord」
「似合うはずもない」
「「「夢の言の葉」」」
さらにいい顔しながら格好いいポーズでダメ押し!
爆発させただけでは終わらせないのが錬金術士たちであった。
面倒見がよろしい。
(現時点で最高純度の輝きッ!)
(つまりはわたしの最高傑作なワケダッ!!)
うだつの上がらない錬金術士と言っていたプレラーティだったが、何やかんやで地道な研究者となった。
その地道が功を奏して最高純度と言えるほどのモノを完成させたワケダ。
となると、とっておき弾は賢者の石由来のものか。
今回のエピソードは積み重ねが描かれている。
これも積み重ねのひとつだろうか。
(咒詛の解除に始まったラピスの研究開発がやっと誰かのために)
そして、誰かのために力を振るえたことにサンジェルマンは感じ入るものがあるのだった。
金子作品では世界のためでなく誰かのためにこそ力を出せると繰り返されている。 これもそういうことだろうか。
人類を解放するという理想ではなく、装者たちを救うワガママがサンジェルマンの力となっているのだ。
(本音言うと局長にブチ込みたい未練はあるけどね)
(でも、驚いた)
(いつの間にあの子たちと手を取り合ったの?)
(……取り合ってなどいないわ)
ラピス弾、元々は対局長用武器のようだ。
反応弾を押し留めるほどの力は当然対黄金錬成を意識したものだろう。
それが装者を救うために使われている。
だが、これこそがサンジェルマンが本当に望んだ用途だろうか。
そして、カリオストロのこの問いかけがいい。
殺し合った相手の与するなんてとんでもない、なんて野暮は言わない。
カリオストロはサンジェルマンを信じているから、敵と共闘したことも理解しているのだ。 錬金術士たちの信頼関係がどれほどのものかがわかる。
薔薇色の百合の花である。
「エネルギー内圧さらに増大ッ!?」
「このままでは持ち応えられませんッ!!」
でも、反応弾の威力も凄まじい。
ファウストローブにラピス弾でも抑えきれない。
散々、異端技術にボコボコにされてきた近代兵器の面目躍如である。
やっぱり、反応弾は核が違った。
大抵のロボットアニメでも別核だし。
(完全なる生命の焼却はッ!!!)
(ラピスに通じる輝きなワケダッ!!!)
この土壇場に生命の焼却を始める。
当然、その先にあるのは直接的な死であろう。
そして、死灯-エイヴィヒカイト-は命をエネルギーに変えた時に唄っていた。
つまり、錬金術士たちは最初から命を捨てる気だった。 あ……ああ……歌にはこんな意味が……こんな悲しい歌がシンフォギアにあるなんて……
(あの子たちと手を取り合ってなどいない)
(取り合えるものか)
(死を灯すでしか明日を描けなかった私にはァァアアッ!!!)
この点においてサンジェルマンは自分の命を燃やした装者とは真逆である。
サンジェルマンは誰かの命を燃やす道を選んだのだ。
だからこそ、お互いの違いを、手を取り合えないことを明確に知ったのだろう。
故に馴れ合いではなくワガママ、共闘ではなく自分の戦いと言ったのか。
ただのベジータではない。
だからこそ、弦十郎に手を取り合えないと言ったのか。 それでも今は装者たちと同じく自分の命を燃やして反応弾を無力化、誰かを守り抜くのだった。
なお、この点に気付かせたのは自分を犠牲に守り抜いた切ちゃんだったのかもしれない。
やっぱり、切ちゃんすげー……
響と同じくらい濃厚に、それでいてさりげなくサンジェルマンと交わっている。
「付き合わせてしまったわね」
「いいものが見られたから気にしていないワケダ」
「サンジェルマン、笑ってる」
「……ああ」
「死にたくないと思ったのはいつ以来だろう……」
錬金術士たちは命を燃やした。
(多分)かゆく、それでいてちょっと気持ち良くなっている。
しかし、笑っていた。アヘ顔ではなく爽やかに笑っていた。
だが、サンジェルマンは死にたくないと感じていた。
理想のためなら自分の命も投げ捨てようとしていた人とは思えない。
思えないからこそ、その僅かな悔いと笑顔が悲しく儚く美しいのであった。
そして、シュトラルゲヴェイア、じゃなくて錬金銃を落とす。
明日を拓くのは怒りに握った拳のみ。
そう断じたサンジェルマンの拳が解かれたのは、力尽きたからか。
それともそうではない方法で明日を拓けることを知ったからか……
カマホモ2人は光となって消えていく。
最初は面白いポーズ面白い台詞面白い表情面白い語尾とイロモノと思っていたけど、いつしか熱い友情いい顔で心に残るいい奴となっていた。
ありがとう、カマホモ……お前たちのことは忘れない……
冬コミでどうせ薄い本が出ないのは忘れたからじゃなく、そもそも薄い本にしにくいからだから許しておくれ……
「ねえ、お母さん――……」
母を想いながらサンジェルマンも散っていったのだった。
悔いはあるが悔いなし。
曲がらぬ生き様を貫いて散っていった。
サンジェルマンは理想のためでなく、母のような身近な誰かのためにこそ力を尽くしたかったのかもしれない……
「錬金術士……理想を追い求める者……」
錬金術士たちの生き様は翼の心にも突き刺さるものがあった。
最後の最後で装者たちと同じく命を燃やして誰かを守る存在になったのだ。
錬金術士はもはやただの敵ではない。
他人事とは思えないのだろう。
「あとは分離した神の力を――」
「しなければね、君たちに感謝を」
アダムぅ! 出てきやがったぁ!!
空気の読めなさは相変わらずである。
いいところ取りをしようとして見事にいいとこ取りに成功し、今度こそ左腕に神の力を集めるのだった。
言うまでもないが空を割って出てくるところがWAチック。
「止めるぞッ!!」
「もうさせないよ、邪魔立てはッ!!」
制止しようと動き出す装者たちを水属性攻撃と氷属性攻撃を組み合わせて瞬く間に無力化する。
インチキ臭い強さは相変わらずである。
こういう属性の組み合わせは無能らしからぬ。
とはいえ、自分で考えた連携じゃなく、他の錬金術士が開発したものなんだろうけど。
「『だとしても』ッ!!」
「近付けないよ、君だけはッ!!」
響復活! 相変わらず早い!
神殺しの力以上にこういうところが化け物じみている。
しかし、アダムにとっても響は脅威。念入りに始末しようとしてたし。
だからこそ、ちゃんと警戒もしている。
さながらソニックブームを撃った後に下方向に溜めるように!
「アダムノイケズ、抱イテクレナイナラアタシガ抱イチャウ」
ここでティキの蒙昧な悪意がピンポイントでアダムに突き刺さった。 なるほど……ティキの悪意は誰にでも、アダムにも降りかかるワケダ……
文字通り、足下をすくわれてアダムは転ぶ。
アダムはサンジェルマンに、カリプレに、ティキに、バルベルデドキュメントに、自分が不要と捨てた存在に足下をすくわれている。
ワガママで何も切り捨てようとしなかった結果、勝利を掴む装者たちとの対比か……
しかし、Gでネフィリムを暴走響がブッ殺した後にウェル博士と心臓を発見できなかったことといい、現場の事後調査はガバいな!
伝統だよ、伝統!
「うおおぉおおおぉおおおおおおッ!!!」
「――止めろォッ!!」
「都合の良い神殺しなものか、その力はァッ!!」
「うおぉおおおぉおおぉおぉぉぉおおおおおおおおッ!!!」
「2000年の想いが呪いと積層した哲学兵装をッ!!」
「使えば背負うッ!!!」
「呪いをその身にッ!!!」
響、アダムの制止をまるで聞かない。
2000年分の呪いと凄いヤバいことを言っているが聞く耳持たず。
ライブが当選しなかったような壮絶な表情を浮かべているが知るもんかと言わんばかりだ。
あいつは話を聞かないからな。
アダムも話を聞かないし別にいいか。
「わたしは歌で――」
「ブン殴るッッ!!!」
歌でブン殴って神の力を完全破壊!
歌はブン殴るモノ。
想いがあれば概念をねじ曲げるのがシンフォギアだから何の不自然もない。
そして、最終回直前のお約束の黒バックエンドロールに流れるのは『TESTAMENT』である。
TESTAMENTには遺言という意味がある。
……サンジェルマン……
次回へ続く。