バキ道感想 第7話「世界(ジャンル)」



加藤雑魚!
というわけで2本目!

「「相撲」って領域を」「考えないようにしてきたんだ」

独歩の第一声は意外にも弱気な言葉だった。
独歩自身は相撲をわりと評価していた。 初の力士、龍金剛のえげつない立ち合いを知っていたし、彼の有名な金竜山の強さも知っていた。
だからこそ、刃牙は独歩に相撲について聞きに来たのかも。

「空手家ってやつは因果なものでな」
「世の中全てを敵視すべき立場にある」


まずは空手観について語る。
多くの格闘技のみならず、スポーツや町中の喧嘩も敵。
日常生活に発生しうる闘争こそが空手家の本番だと語る。
この辺は「バキ」で語られた通りですな。
武術家の原点は競技ではなく実戦にあるのだ。

かつて本部が守護らねばならぬと張り切ったのも、現代の格闘家が競技慣れしてこうした武術としての何でもありの闘争に慣れていないと見てのことだろう。
武蔵は日本刀による殺人をまったく辞さない規格外の実戦派だったわけだし。
こうした本部の教えを刃牙は学んだのか、試合に見せかけて寒子をけしかけるという不意打ちで勝利を掴み取った。
最悪だ!

「一方 相撲だ」
「「世界ジャンル」が見事に完成している」


一方で相撲はこうした実戦を考慮に入れていない。
あくまで土俵の中での立ち合いのみを目指して鍛錬を積んでいる。
厳格な神事の世界だし他流試合はそもそも厳禁だ。
相撲は閉ざされた世界で完結している。 宿禰が台頭してこなかったのも閉ざされた世界故にかも。

同時に独歩は相撲の強さを語る。
全国から人材を集めたらふく食わせて昼寝までさせて鍛える。
神心会でさえ何らかの仕事をしながら鍛錬している人間が大半だ。 相撲に専念できる環境はある意味では恵まれた環境である。

「強いったって相撲スよね」

加藤ォ! お前そういうところがダメなんだよ!
お前、初の地下闘技場で相撲の強さを見たじゃん!
それに最大トーナメントで君の師匠が相撲に惨敗したじゃん!
何で侮れるわけ! こんなんだからそんなんなんだよ!

この学習のなさ、見事に噛ませ犬である。
そして、本日二度目の組手が行われる。
今度は空手家独歩ではなく相撲を使う独歩が相手だ。
加藤は空手の技は何でもありだ。
本業の空手を使わないのだから折れた人差し指を抱えていたとしてもハンデマッチと言える。

「おきゃッッ」

加藤はきゃおらッに続く奇声をあげながら初手より金的で仕掛ける。
だが、それを諸手突きで返されてしまう。 加藤清澄、気絶する。
本職ではない相撲に負けてしまう。
久し振りの出番かと思われたのだが、屈辱の歴史がより濃くなってしまった。
つい最近、アニメ版「バキ」でドリアン相手に健闘した姿がリプレイされて扱いが良くなるかと思いきやそんなことはまったくなかった。

独歩は相撲を得意としていないはずである。
だが、そのハンデを以てしても加藤を仕留めることができた。
相撲の技は侮れないのだ。
そして、独歩も相撲を勉強したことが窺えるし、だからこそ、相撲を評価しているだろうし加藤から一本取れたのだろう。
いきなり相撲を使って加藤が負けたのならさすがに報われない。
独歩は刃牙にも相撲で挑む。
加藤には勝ったが刃牙が相手ならばどうなのか。
3本目に続く。