その前に加藤のフォローだ!
もうコイツ、放っておいていいんじゃないかな(無慈悲)
「永い歴史に淘汰され」「有効な技術だけが残った」
気絶した加藤に独歩は相撲の技を説明する。
相撲の四十八手、裏表合わせて九十六手。
歴史のわりには少ない。
だが、それは長い歴史の中で洗練されたと見るのが独歩の見方だった。
同じく長い歴史を持つ中国武術は技術が複雑化、学問と呼ばれるようになっており、相撲とは真反対なのが興味深い。
相撲はルールが極めてシンプルかつ厳格化されており、余分が入り込む隙間がない。
だからこそ、複雑化ではなく単純化の道を辿ったのかも。
この歴史の中でかつて武蔵が卑下した蹴りが淘汰されたと考えると面白い。
相撲は蹴りを禁じているのではなく、不安定になる蹴りは相撲には不必要なのだ。多分。
もっとも、この洗練化はあくまで相撲に勝つためでありノールールの何でもありでどこまで通用するかは未知数だ。
こうしたルールでの相撲はバキシリーズにおいては決定的な敗北は喫していない。
そのため、未だに限界が描かれていない格闘技と言えなくもない。
ともあれ、刃牙と独歩は相撲を取ることになる。
さすがに刃牙を相手に何でもありで来いとは言えないらしい。
逆に言えば加藤はその程度の相手とも言える。 ……何で今になって加藤にこんなに追い打ちするんですかね。
刃牙は腰を落とす。
そして、十八番中の十八番、ゴキブリダッシュ!
バキシリーズにおいて必殺技が再度使われることは存外少ない。
必殺技として有名なマッハ突きも再使用には10年くらいの時を隔てている。
まして刃牙の剛体術もそうだ。
その一方でゴキブリダッシュはかなりの頻度で使っている。 まぁ、高速で移動するという単純にして応用の範囲が広い技ですからな。
さすがは対勇次郎戦を想定して生み出された技だけのことはある。
というわけで独歩に使われた。
一気に壁まで追い詰められるが姿勢を崩さず耐えきる! 近頃はコラ画像の材料となった感のある独歩だが、さすがは最古の実力者。
引きこもって鍛えたのは伊達ではなかった。
通常のルールでは寄り切りか押し出しで勝負あり。
だが、その状態から腕を極める閂を独歩は決める。
刃牙は解けないようで冷や汗を流す。
相撲なら刃牙の勝ちだが実戦なら腕を折れる独歩の勝ち。
痛み分けか?
「どすこいッッ」
と思ったらダメ押しの突き出し!
刃牙は壁から壁まで吹っ飛ぶ。
油断していたとはいえあの刃牙から一本取った。
独歩はパワーアップしている!
まぁ、油断した時の刃牙の弱さは何度も証明されているんですけどね……
刃牙の強さは実に不安定だ。
相撲の強さが独歩によって証明されながら4本目に続く!