クラファンしたゲームが発売延期したような衝撃だ。
ちゃんと発売されるんか、これ?
流儀にこだわらないジャックVS流儀にこだわる花山。
そんな勝負だと刃牙は言うのだが、花山としては違うらしい。
というか、この会話、まだ続くんかーい。
てっきり切って次の場面へ行くとばかり。
「”流儀にこだわらない”」
「バキよ」「それ――「こだわり」だろ」
流儀にこだわらないのがジャックのモットーだがそこにこだわっている感もあるのがジャックの抱えている矛盾だ。
こだわらず勝利のみに固執したからこそ行き着いたはずの嚙道だが、昂昇相手に裸締めをわざわざ解いて噛み付くような遠回りをしている。
そこに花山はツッコむのだった。
ならばガチガチの美意識の対決!
となるはずだが、花山としてはその辺にこだわりはないのか、よくわからないらしい。
こうして二人の会話は終わるのだった。
……会話も戦いもどこに行き着くのかよくわからないな。
後日、徳川邸。
みっちゃんとスーパードクター鎬紅葉が話していた。
内容はジャックの武器、噛み付きについてだった。
「だって――」「カッコわるいんですもン」
紅葉は噛み付きができない。
その理由は至極シンプルに格好悪いからだった。
紅葉はイケメンキャラだけあって格好良さにこだわる……のか?
紅葉はもう全然戦う気を見せないから格闘家としての評価に困る。
武蔵編の時はやる気を一瞬だけ見せていたのに……
紅葉は噛み付きは人間が最初に手にする武器、幼児でさえ大の大人にダメージを与えられるとどこかで聞いたような話をする。
多分、前に1度、あるいは2度くらいはしている気がする。
侠客立ちみたいなものですね。
紅葉はジャックと花山は正反対に見えて流儀や思想の徹底の仕方が似ていると語る。
徹底して鍛えるジャックと徹底して鍛えない花山……やっていることは正反対でも徹底している点はたしかに同じだ。
もっとも、そこが勝負にどう反映されるのかはわからない。
とりあえず、ジャックVSピクルは純度勝負だったはずが純度があまり反映されなかった。
ピクルが文明を覚えて不純になった結果、弱くなったのならそうなのかもしれないが……
さて、ジャック宅。
刃牙VS勇次郎の時にちらりと映った相変わらずのオンボロアパートである。
よく見るとあの時とまったく同じ造形かつ部屋の位置も同じだ。
こういうところの設定は妙に細かい板垣先生である。
みっちゃんに気に入られてファイトマネーが増えただろうが引っ越してはいないらしい。
住む場所に金を使うくらいなら鍛錬に回す方がジャックらしいか。
ジャックは炙ったレバ刺し2kgと向き合っていた。
差出人は花山組の木崎、つまりは花山からの差し入れである。
つまりは失った血を補給しろという花山の気遣いであった。
対戦相手に匕首を渡す花山らしいプレゼントである。
いや、あの時はむしろ相手を舐めていた感もあるか……
そのレバ刺しをジャックは食す。
いや、食すんかい!?
喧嘩稼業なら下剤が入っているところだぞ!
なお、焼き肉のタレ、コショウ、ごま油と調味料が用意されている。
ジャックが調味料を持っているなんて意外過ぎる。
てっきり食にこだわりなどなく、調味料も持っていないとばかり……
勇次郎との食事で味に目覚めたのか?
でも、スーパーで売っているようなレベルの調味料だとあのレストランの味には到達できないぞ?
「~~~~~~ッッ」
「イ~~~~イレバーダァッッ」
「噛ム
レバーの柔らかな味わいにジャックは陶酔とする。
この人、相変わらず柔らかい物を食べている時が面白い。
骨みたいな硬い物を食べている時はそんなに面白くないのに。

だが、レバーの合間にドーピングするのがジャックのオリジナリティである。
レバーと違って噛み砕いている。
レバーは薬よりも柔らかいらしい。というか、薬って噛み砕くものではないような……?
薬を挟んで残ったレバーをジャックは飲み込む。
その柔らかさに冷や汗を流すばかりだ。
でも、柔らかいばかりで美味しいとは言っていない。味はいまいちかも。
ジャックだって美味ければ味に驚くことがあるんだよ。
ともあれ、花山の粋なプレゼントであった。
でも、焼いたレバーだけをドアノブにかけておくというのはむしろぶしつけか?
焼いているとはいえ腐ったらどうするんだ。
粋ではあっても丁寧とは言い難く雑なプレゼントではあるな……
ジャックは決戦へ向けて準備をしている。
花山は何かあるのか? 相手に準備だけさせて自分は準備がないのか?
花山の流儀的には準備しないのだけど、最近は戦いの最中にサラシを巻いたりしているし主義変わっていたりして。
花山外伝みたいに代理を立ててそいつに戦わせるか?
あれは本当にどうかと思った。
あるいはレバーは策略だったりして。
柔らかい物ばかり食べさせて咬筋力を失わせる作戦だ!
明日からレバーだけじゃなく豆腐やスフレオムレツのような柔らかい料理ばかりがドアノブに立てかけられる。
それをノー警戒でジャックは食していくのだった。
……ドアノブに立てかけられた食べ物はいきなり食べないようにしましょうね。
休載を挟んでの次回へ続く。