本部の出番は武蔵編だけで終わって欲しくないな。
もしかしたら強者と認定され出番が増えるかも?
本部が第一線で戦うバキシリーズ……
うわ、まったく想像できない。
さて、前回に引き続き烈視点で話は進む。
神心会の門下生が見る中で寺田が烈の顔面を蹴る。
寺田? 誰それ? と思うかもしれないが、ドイルとピクルの時に出た人だ。
名実共に克巳の右腕である。
そのくせ、ピクル戦で戦闘で音頭を取っていたのは末堂だったけど。 ま、まぁ、あの時はピクルにやられた直後だったし……
ともあれ、そんな寺田に烈が蹴られているんですよ。
道場で武器の鍛錬をしていたのを怒られたか? 誰だって怒る。
ここは空手道場じゃよ。
蹴りを受けた烈はくるりと1回転する。
続いてアゴに膝蹴りをする寺田だがそれも1回転する。
2回も蹴りが直撃したのだが寺田の表情は暗い。
羽毛(はね)ほどの手応えしかなかったのだった。
疑問のままフックを繰り出すが、そこに烈の崩拳がカウンターで腹に決まる。
これで勝負ありだった。
克巳の右腕とはいえ実力はまだまだな寺田だった。
でも、現場での指揮力はけっこうあるしその点では有能な人材だ。
多分、年収は本部より多い。
「シャオリーと読む」
郭海皇はホワイトボードに消力と書きながら先ほどの烈の技術を解説する。
なるほど、烈が消力を使っていたから寺田の打撃が通じなかったのだ。
って、大サービスだな、アンタ。
大擂台賽当時の刃牙でさえ知らなかった技術を神心会の門下生に教えるとは……
大擂台賽編では過激な言動と行動が目立った郭海皇だが、克巳に真マッハの極意を教えたりと秘伝とも言えるレベルの技術を同門以外にも教えている辺りは非常に気前がいい。
今年で147歳といつ死ぬかわからない身だから技術を蓄積しても仕方がないと考えたのか。
大擂台賽や克巳を通して他流派の可能性を認めたのかもしれない。
大擂台賽の海皇海外流出を危惧する発言は、より強者と戦うための建前だったりして。
手首を切られた人たちは……まぁ、演出のための犠牲ということで。
ともあれ、郭海皇直々に消力講座!
現地の拳法家でさえ拝めぬであろう貴重な体験だ。
さすがは神心会。
格闘技界最大勢力だけありそのコネも強力だ。
本部流とか孤立無援って感じですよね。
郭海皇は消力について語る。
とにかく力を抜け!
そうすれば消力完成! 相変わらずの論調であった。
どれだけ脱力しても体重までは消せないんだから、殴られれば普通にダメージを受けると思うのですが……
まぁ、守りの消力の理屈はわからなくもない。
問題はむしろ攻めの消力の方ですな。
刃牙を超える妖術は攻めの消力くらいであろう。
烈の寺田への崩拳は攻めの消力ではないみたいだし、郭海皇クラスにならなければ使えない超高等技術なのだろうか。
文句は郭海皇になってから言えということか。
「完全なる消力」
「真なる羽毛化が成ったなら」
「刃物さえ通じない」
郭海皇は背中に隠し持っていた青竜刀で羽毛を斬る。
非常に軽快な動きだ。
相変わらずこういうところは恐ろしい御仁である。
だが、羽毛は斬れない。
真の消力は武器さえも克服するのだ! 郭海皇が武蔵対策を持ち出して次回へ続く。
さて、今回はここからが本番である。
まず烈が消力を使えたことが驚きだ。 消力を使えるならピクル戦やボクシング編で持ち出しても良かったのに。
でも、刃牙の鞭打を見て何故思いつかなかったのかと後悔する人だからなー。
今回も郭海皇に消力のことを言われて今まで使わなかったことをちょっと後悔しているかも。
烈は極めて高い技術を持つのだがベストな運用をできるかとなればまた別だ。
烈の消力は寺田の打撃を完全に無効化した。
だが、あくまでも寺田の打撃だ。
果たして武蔵の打撃――最悪、斬撃を無効化できるのか。
……凄く、不安です。
ここで烈の発言を思い出したい。
勇次郎VS郭海皇との戦いで、
「究極とさえ言える範馬氏の打撃を目の当たりにしてあの脱力ぶり」
「今のわたしが真似るには若すぎる」 ――と発言している。
これは勇次郎ほどの打撃を無効化するほどの消力は高難度、あるいは勇次郎の打撃を前に緊張しない精神力が求められることがわかる。
そして、そのレベルの消力は烈には無理なのだ。
あれから1年が経過したが1年経ったからと烈の消力が劇的に進化するほど、消力は安い技術ではないだろう。
まして相手が刃牙と独歩を圧倒するほどの力を持つ武蔵となると勇次郎クラスの打撃を持つことを想定しても損はない。
……大丈夫か?
まぁ、そこは郭海皇直々の手ほどきがあったのかも。
克巳だってアドバイスひとつで多重関節人間になれたんだ。
烈だって天才と幾度も評価されている。
ならばアドバイスひとつで羽毛人間になれる!
でも、最近は克巳の才能は烈を凌駕していることになってるからなー。
大丈夫か?
消力すれば斬撃も無効化できる、らしいが果たして。
郭海皇ならできそうだが烈にできるのか。
加えて日本刀は斬るだけじゃなく突くこともできる。
面でダメなら点で突けば消力も無効化できるのではないだろうか。
勇次郎は消力を破るためにいくつかの方法を取った。
代表的なのは髪の毛を抜くことで一瞬緊張させそこを殴る方法と、壁に叩き付けて衝撃の逃げ道を塞ぐ方法だ。
消力にも弱点があるのだ。
また、同じく脱力する鞭打も関節まではなくせないと、刃牙が関節技を仕掛けていた。
打撃には滅法強いが掴み技にはあまり効果を発揮しないかもしれない。
さらに忘れがちなこととして勇次郎は踵落としで郭海皇に鼻血を流させている。 力任せでも消力にダメージを与えられるのだ。
なので、武蔵としては消力の攻略法はいくつもあるような……
足首を掴んで投げられたらもう最悪だ。
何よりも大擂台賽における消力の解説のシーンで武蔵が出てきている。 武蔵もまた脱力の使い手であり、ならば消力あるいは同系列の技術だって……
ううむ、着眼点はいいと思うのだが生半可な消力は通用しそうにないぞ。
そんなわけで消力には不安が多い。
とはいえ、武蔵戦で一番怖いのは武器であり烈に求められるのは防御力だ。
それを上乗せできる消力は発想としては正解である。
であるが、こう、如何せん郭海皇を基準にしすぎではないかと……
しかし、刃牙道になってから新技術が出てきていないのは寂しい。
0.5秒に消力と今までの使い回しだ。
真マッハみたいに異形の進化を遂げれば面白いのだが、うーむ。
やっぱり、ここは馬術だろうか。 本部よ、馬に乗れい。ジョストれ。
前述通り、消力は発想はいいもののけっこう穴がある。
実力差を埋めうる要素になるかはわからない。
ならば、ここで本部ですよ。
4000年の歴史を持つ中国武術に51年の歴史を持つ本部が合わさる!
51/4000、つまり1/80くらいの実力は上乗せできるでしょう。
あるいは本部の卓越した知識と上から目線で消力の穴を指摘、さらに戦術を進化させるやもしれぬ。
いや、進化させた結果が機関銃かもしれないけど、それは置いておいて。
でも、本部は消力を見ると普通に驚きそうなんだよなー。
「ほうあの技を使いおるとは」「あれほど脱力されると武蔵も手出しできんわい」とか言いそう。
とりあえず、本部が身に付けた武芸全般の中のひとつ、解説術を解禁しようか……
刃牙道 4 (少年チャンピオン・コミックス)