バキ道感想 第65話「技師の引き出し」



独歩の腕が折られた!
独歩は重傷を負うことが多いのでよくあることで。
骨が折られたくらいで良かったと考えよう。
タマピンされるよりは平気平気。

地下闘技場に独歩の腕が折られた音が響く。
初めて耳にする、聞いたこともないと形容される。
地下闘技場ではそれくらい日常茶飯事じゃないか? 今回の観衆は相撲ファンを集めたのかもしれない。

「関節がちぎられた音だ」

折られたと思った独歩の腕だったが実際は違った。
折られたのではなく靱帯をちぎられたのだった。 これは痛い。むしろ、折られた方が軽傷だったくらいだ。
でも、バキ世界でよくある開放骨折よりはマシか?

猛剣は肘を壊した上でさらに投げる。
ダメージを与える投げというよりも間合いを離す投げであり、これ自体で独歩はダメージを負っていない。
すぐに起き上がるものの即反撃とは行かない。
利き腕を折られたダメージは大きいようだ。

「技師 猛剣」「「引き出し」を開けたァッッ」

この一連の攻防は猛剣の技が炸裂したようだ。
技というよりも力士フィジカルで耐えきったのが大きい気がするのですが……
この辺も解説が欲しいところですな。
ここで本部がいたら「あれは古武術で言う○○じゃ。やるのう、あの力士」くらいはエラそうに言ってくれる。
加藤と末堂がいたら「館長がこの程度で負けるかよッッ」「人食い愚地だぜッッ」と盛り上げてくれる。

独歩の腕を破壊して好機到来……なのだが、猛剣は膝に手を当てて動かない。
ダメージが蓄積のこっている!
独歩も上げ突きと鉤打ちのダメージは絶大だった。
特に上げ突きなんて真っ向勝負かと思いきやの不意打ちだけあってより強力だ。

絶大なダメージを受けた。
それでも猛剣は倒れず、あまつさえ反撃をしてのけた。
この事実に刃牙と克巳は驚愕するのだった。
たしかにバキまでの独歩なら信じられない出来事である。
範馬刃牙でちょっと怪しくなって、刃牙道ならそりゃそうっすよねと諦めの視点で見られる。
弱った猛剣に独歩はゆっくりと近付く。
さすが受けてきたダメージならグラップラーの中でもトップクラスだけのことはある。
腕を壊された程度では闘争心に翳りなし。
そんな独歩を一閃で心を折った武蔵はさすがか。
まぁ、日本刀怖いですよね。

「どすこいッッ」

それに対して力士っぽいかけ声をあげながら猛剣は張り手を振り回す。
ダメージが残っているからか、鋭さはまったくなく独歩に簡単にかわされる。
それだけに独歩は当たらないことをわかって張り手を繰り出していることに気付く。
お互いにダメージがあるからこそ、万全のフィジカルのぶつけ合いではなく読み合いの勝負になっている。 お互いのキャリアと技術の見せどころだ!



「それがあったかァ……ッッ」

破壊された右腕を蹴られた! それもアッサリと!
ここまで見せなかった足技に独歩は驚く。
相手の狙いが突っ張りではないと見切りつつも、モロに本命を受けてしまった。
これはいくら何でも独歩が不甲斐ない。 無防備に余裕を持って近付いたのは何だったのか。
相手の反撃に気を付けましょうよ。

相手の弱点を攻めるのは戦いの常套手段。独歩はむしろ得意とする側だ。
だが、あっさりと受けてしまったのは、力士の蹴りが想定外だったからか。
縛りの多い力士が相手でなければ自然に反応できたのかもしれない。
渋川先生もそうだけど相手が力士であることを意識しすぎている感がある。 だからこそ、本来は圧倒的格上の地下闘技場戦士たちが試合の形に持ち込まれているのだろうか。

「どすこい!!!」

この蹴りで固まったところに猛剣の得意技、近距離でのぶちかまし……というよりも頭突きを顔面にモロに受ける。
大量の鼻血を流し涙を流す。
相変わらず頭突きには涙腺を刺激する効果がありますな。
それほど「痛い」攻撃ということか。
バキ史上もっとも印象深い頭突き、オリバの頭突きがバキアニメで見たばかりなのでタイムリーだ。

「とどめの四股踏みィィィッッ」

頭突きでダウンした独歩に対して猛剣は四股で踏み付けようとする。
倒れた相手に攻撃する手段を持たないんじゃなかったか?
壊した腕への蹴りといい、ダメージを受けて猛剣には余裕がないのかも。 余裕を失った結果、大相撲の教科書にない攻撃を行っているのだろうか。
巨鯨と違って追い詰められて折れるのではなく、追い詰められたことで古代相撲に目覚めた。
猛剣のメンタルはけっこう地下闘技場戦士に近そうだ。
「関取……」
「助かるわァ……」


このなりふり構わず勝ちに行く姿勢、何でもありに対して独歩は助かると言う。
本来なら大ピンチだが何でもありは独歩の土俵だ。 そこに猛剣が踏み込んだ以上は独歩には反撃の手立てがあるのか。
相撲では惨敗しているけど古代相撲なら勝ち目があるぞ!
となれば決着は近いのだろうか。
次回決着ならわりとサクサク進みそうで嬉しいんですけどね。

この辺の猛剣が古代相撲に踏み込んだ辺りを解説してくれれば助かるんですけどね。
本部、お前の出番だ!
本部は相撲に負けた実力者という特異点であると同時に、貴重な解説役ですからね。
刃牙と克巳では驚き役も解説役も務まらんのですよ。深味とコクが足りん。
本部か烈を添えたいところだ。
やっぱり、今のバキに足りないのは魅力的な解説役と驚き役なんですよね……
次回へ続く。