刃牙らへん感想 第37話「血」



美意識を捨てたジャックと美意識にこだわる花山が戦う!
まぁ、花山さんも刃牙にゲーセンの筐体を叩き付けたり、窓の外に投げ飛ばしたり、戦っている最中にサラシを巻いたりするけど。
外伝まで含めればラスボスとの戦いを取り巻きに任せている。
……美意識にあまりこだわっていないような気がしてきたな。

「行き当たりバッタリで開始はじめる」「そんな小さな「立ち合い」ではない」

ジャックと花山の試合が成立!
なのだが、みっちゃんはご機嫌斜めだ。
ジャックは傷を負っているし、普通に考えたらそんな中で試合をしても名試合にはならなさそうだ。
お互いがベストを尽くせる環境でこそ試合は行われるべきである。
まして地下闘技場戦士の中でも屈指の実力者なのだから、半端な状態で試合をするのは損でさえある。
みっちゃんにしてはまともですね。みっちゃんにしては。

だが、手負いであるジャックがやると言ったらやってもいい。
宿禰は小指を食われながらもジャックと戦いを受け入れただし、それに習うとジャックも傷を負っていようがやる気があるのなら戦うのが筋というものだ。
花山もやる気があるようだしこのままジャックVS花山の開始だ!

「血が…」「苦手なもので」

だが、ここで花山は血が苦手だといきなり言い出した。
作中屈指のグロ技である握撃を使うくせに血が苦手……
いや、何を言っているんだ?
もしかしてこの花山、キャラ崩壊しまくった外伝の方の花山では?

「アンタ喧嘩屋ダロッッ!?」
「「街頭ルール」ノ専門家ダロッッ」


あまりの唐突な発言にジャックも普通にツッコむ。
本当に普通にツッコむ。
普通すぎてちょっと面白い。
勇次郎と食事をした時といい普通に振る舞うと面白くなるんだな、この人……

そのツッコみさえ花山は他人が勝手に言っていることだとあっさりと流す。
あまり喋らないはずの花山がけっこう喋ってると思ったら塩対応だ。
何か本編でも外伝でもない第三の花山を見ている気分だ。
実は丸山薫とかそういう人じゃないか?



「徳川サ~~ン 何カ言ッテヤッテクダサイヨ~~~~~~」

そして、ジャックはみっちゃんに泣き付くのだった。
戦おうとしない花山に本気で困っている。人生で一番困っていそうだ。
如何にジャックと言えど戦意のない相手と戦う気はないようだ。

こういう時に範馬刃牙だったら性格が悪いので相手を挑発してでも戦わせる。
ジャックも宿禰の時は小指を噛みちぎって火種としたものだが、今回はそうもいかないらしい。
花山もジャックが手負いだからやりたくないと言うのではなく、血が苦手、つまりは自分に非がある形に収めているのは紳士的と言えよう。

みっちゃんはジャックの傷が塞がる頃には出血嫌いも治っていると語る。
この言葉を受けて花山は背を向け去るのだった。
まさか試合が始まらなかった。
2週間の休載を挟んで戦わないのかよ!?
いやはや、まさかの展開にビックリですよ。
2025年の刃牙らへんもマイペースに進むことが確定した。

この展開に観客たちはむしろ盛り上がる。
今戦わない理由は何にせよジャックVS花山が確定したのだ。
大物同士の戦いに盛り上がるのは必然か。

いや、花山さん、やるとも言ってないんですけどね。
周りが勝手に盛り上がっているだけなんですけどね。
これで試合が決まってから戦う気がないと言い出しても誰が花山を責められようか。
いや、責めるが?

闘技場を後にした花山を迎えるのは我らが範馬刃牙だった。
ピクルのケアはしないらしい。
いや、少しくらい慰めてやれよ。ダチだろ。
弱体化しすぎてしまって興味をなくしてしまったか?

「流儀を問わないジャック兄と」「流儀にこだわる花山さん」
「他流試合」「異種格闘技戦」
「そんな次元じゃない」
「花山さん」
敗北まけられませんヨ」
「これは宗教戦争だ………!!!」


こいつ、出張ってきたと思ったらいきなり逃げ道を塞ぎ始めた。
花山本人はやるとも負けられないとも言っていないのに、妙にテンションを上げてきやがる。
自分がどう強くなるかよりも下々が争うのを見る方が好きになったのか?
勇次郎化というよりも徳川光成化が進んでいる気がする。

というわけでジャックVS花山はまさかのお流れになった。
いや、後で戦うんだろうけど、それでええんか……?
まさかの展開にジャックも読者も困惑ですわよ。
花山だけ俺なんかやっちゃいましたみたいな顔しやがって。
ただ血が嫌いなだけなんだが?

でも、花山じゃジャックは厳しいだろう。
ジャックは仮にでもフィジカル最強のピクルに勝っている。
同じくフィジカルゴリ押し族の花山が通じるとは思いにくい。

なので、久し振りに修行パートでもやっておくか?
バキシリーズで試合前に特訓をする人はほとんどいない。
正確には日常的に特訓はしていても、試合前に特別な特訓をする例は少ない。
昂昇戦前の刃牙、夜叉猿戦前の刃牙、幼少期の勇次郎戦前の刃牙、刃牙戦前のアライJr.、ピクル戦前の克巳、武蔵戦前の烈くらいだろうか。
こうして並べるとけっこういる気がしてくるが、比率で考えると少ない。
それにしても刃牙さんは途中から特訓とかしなくなったな……

花山に希望があるとすれば武蔵戦でいきなり付いたバフ、斬撃耐性である。
それがあれば噛み付きに耐えられる!
でも、何でいきなり斬撃耐性とか言い出したんだろう……

一方で気になるのはジャックの傷だ。
平気そうではあるがピクルはあれでも野性。
爪には雑菌まみれだと思われるしそれがダメージとして響くかもしれない。
破傷風にもなれば最悪だ。

花山がこの場での試合を断ったのはだからだったりして。
美意識にこだわるとか言われているけど、昔はけっこう卑怯なことやってたのが花山だ。
あの頃のけっこうなヴィランだった花山が現代に蘇る!……かも。
次回へ続く。
次週は一応休載なしの予定だ! 予定だ……