バキ道感想 第122話「最大ノ弱点」



宿禰は無事忘れ去られた。
敗者にはとことん容赦ないのがバキ世界である。
勝ち続けなければ栄光は掴めないのだ。
その点、けっこう負けてるのにちやほやされている花山はスゴい。

刃牙とジャックが見合う。
明日を捨ててでも強くなろうとジャックと梢江とSAGAったら強くなってしまった刃牙である。
かつて負けたとか置いておいてブン殴りたくなっても誰がジャックを責められようか。

ジャックはみっちゃんに試合を組むことを願い出る。
それを刃牙はいつでもどこでも誰とでもと受けるのだった。
ずっとそのスタンスだけど、そのスタンスだからこそやる気あるのかないのかわからんな。
刃牙のやる気がよくわからんのはいつものことだが、最近は輪を掛けてよくわからない。

そんな刃牙をジャックは思い上がっていると評価する。
思い上がっている……のか?
それさえもよくわからないのが今の刃牙だ。
炎に妙な苦戦をしたのもよくわからない。

ジャックとしてはせっかく挑んだのにノーリアクションじゃ不満だろう。
文句の一つや二つ言いたくなる。
そう考えていた時期が俺にもありました。

「必ズシモ刃牙デアル必要ハナイ」

ないの!?
まさか刃牙に挑んだのかと思えば刃牙じゃなくてもいい発言だ。
いや、そこはあろうよ。
何のために刃牙に挑んだんだよ。
アレか?
気になるの子に振り向いてもらうためにあえて素っ気ない振りを装うアレか?
でも、刃牙相手にそんなことすれば普通に無視されるぞ。
Jr.に求婚されていた頃の梢江は無視されました。

ここでジャックは本部以蔵に指を指す。
え?
負けたこと、忘れてなかったのか?

「アンタノオ陰デ「嚙道」ガ生マレタ」
「オ礼ニ噛ミツイテサシアゲタイ」


負けたこと、忘れてなかった!
内心ではリベンジしたかったようだ。
この挑戦を受けて本部は笑う。
最大トーナメント1回戦負けの解説役が準優勝に挑まれたのだ。
実に名誉なことである。

次にジャックはガイアを指名する。
白兵戦における最終兵器は軍隊でも採用される徒手格闘術ではなく歯!
でも、勇次郎は噛み付きは軍隊格闘術においては基礎って言ってたんですけどね。
何かポジショントークを仕掛けようとして迷走しているような……?

さらに独歩を指名する。
いや、誰と戦いたいんだよ、ジャックさん。
空手は対人対武器対多人数の全方位を想定しているが噛みつきにはどうかと挑発する。
独歩は受ける気満々だ。
いや、受けるんかい!?

空手の流れで克巳にも喧嘩を売る。
ジャックVS克巳はコラボ読み切りでだけ実現していた夢のカードだ。
嘘喰いの作者、迫稔雄氏が描いた読み切りですね。
本編でも実現すれば熱い、のだが……?

最後に渋川先生にも喧嘩を売る。
かつてアキレス腱を噛み切ったが、今度は豚足を丸ごと行く、つまりは脚ごと噛み切ると残虐ファイト宣言だ。
勝った相手も狙うジャックであった。

この全方位挑戦を挑まれた者たち、全員がけっこう乗り気だ。
宿禰を倒した後だというのにジャックをまったく恐れていない。
闘争心が恐怖心を上回っているのか、そもそもジャックは警戒に値しないのか……
というか、ジャックは結局誰と戦いたいのか。

「君タチデハ」「無理ダ」

で、ここまで喧嘩を売って無理だと否定するのであった。
自分には勝てないってことか?
勝手に喧嘩を売って勝手に無理宣言されても困る。
このはぐらかし方、範馬刃牙流話術か?
あの弟あってこの兄ありというか。

「美シク」
「スマートニ――」
「堂々ト――」
「カッコ良ク――――」
「君達ノ持ツ」「最大ノ弱点ダ」


この場にいる格闘家たちの弱点をジャックは語る。
いや、本部以蔵は美しくもないしスマートでもないし堂々もしてないし格好良くもないぞ!
噛み付きが優しく感じるくらいには卑怯技のオンパレードだし、それで負けたのを忘れたのか、こやつめ。

というか、わりと卑怯寄りの人ばかり集まっていると思うんですけどね。
克巳はピンチになれば逃げるし、独歩は不意打ちするし、渋川先生は水鉄砲で溺れさせるし、ガイアは本部流だけあって言うまでもない。
刃牙に至ってはババアキスで武蔵を始末している。
ジャックが言うよりもロクでもねえ奴らが揃っている。
この中では克巳が一番マシですね。やさぐれるとガソリン燃やすけど。

「ケツノ穴ヲ晒シテデモ勝ツ!!!」
「アノ男トテソレハ出来マイ」


何が何でも勝つという執念をジャックは叫ぶ。
ん?
今ケツの穴を晒すって言ったよね?

ともあれ、勝利にはあの男、勇次郎以上の執念があると豪語するのだった。
勇次郎は生まれた時から最強だった故にか、常に勝利に満ちているし執念という概念そのものがなさそうだ。
だからか、味噌汁がしょっぱいと認めたらあっさりと刃牙に勝利を譲っているし。

そんな自分の勝利の執念を語るジャックだった。
で、結局誰と戦うのか。
刃牙か、他の格闘家たちか、勇次郎なのか。
丸々一話使って次の展開が見えてくるのではなくわからなくなってしまったよ。
一体何が起きたんだ……?

全方位に挑戦したことで、ジャックは逆に挑戦を受ける側になってしまったと言えよう。
一体誰がジャックに戦いを挑むのか。
とりあえず、刃牙は挑まないな。
チャンピオンだからな。
それが範馬刃牙である。

しかし、このままジャックが中心となって話が進むと宿禰は一体どうなるのか。
勇一郎以外の範馬一族全員と戦ったことがあるのは宿禰だけだ。
その貴重な個性を活かして欲しいところだけど、この個性、宿禰自身の個性じゃない。
うーむ……何か褒めるところがあまりないな、宿禰……

勝利への執念というのなら武器を使ってでも勝とうとした死刑囚たちのことも思い出して欲しい。
わざわざ書き下ろした死刑囚たちのリベンジもどうなったんでしょうね。
そろそろ回収してもいいと思うのですが。
そうなれば勝利を求めるジャックと死刑囚たちが激突する!
……前に守護者本部の活躍に期待してしまう。

次の展開がさっぱり見えない。
とりあえず、宿禰の出番はもうロクになさそうですね……
次回へ続く。
こんな状況なのに次週休載!
3月丸ごと休んだのにまた休載かよ!?
さては話をロクに考えていねえな、板垣先生!