刃牙らへん感想 第5話「イイ風貌(かお)」



いつの間にか花田に強化パッチが当たった。
強くするの、そのキャラでいいんですか?
加藤どころか末堂の方が活躍を期待されているくらいだぞ。
そんな花田のこれからが見れるのは刃牙らへんだけ!

疑惑の花山へのカウンターの一本背負いだったが今回は入念にリプレイされる。
カスらせるレベルのギリギリの回避から腕を取って投げる!
少しでもミスっていたら直撃して勝負ありだったが、僅かな差を制したのは花田であった。
見事な見切りではあるが君、そういうキャラじゃないですよね?

顔面から地面に叩き付けられた花田は起き上がるものの状況を把握できていない。
もしかしたら僅かな時間とはいえ気を失っていたかもしれない。
花田に不覚を取れば気を失いたくもなる。

逃走にげました」

一方、花田さんは逃げました。
花山とどっちが強いか確かめるのではなく、今の自分の腕がどれほどのものかを試しただけのようだ。
そして、花山に一杯食わせるほどには強くなったことを確認できたのでヨシ!ということか?

そうなればやられるだけの花山の方が問題だ。
かつて刃牙にやられるだけやられて今日はなしになった時はキレて車を破壊した。
あれから数年が経過し成人になった花山は……どこか悲しげに地面を見つめるのみだった。
怒らないのはいいけどこれはこれで反応に困る。
花田に一本取られれば悲しくもなるが。

一方でジャックはもはやお家芸となった背骨の丸かじりをしていた。
わ、わかった! その芸はわかったからあまり繰り返さんでいい!
休載が多いから同じ内容をあまり繰り返さないでくれ!!

同席しているみっちゃんはジャックに昂昇のことをどれほど知っているかを訪ねる。
するとどうやらピクルを巡る同窓会で見かけたくらいの情報しかないらしい。
つまり、昂昇がどう戦うか、何を得意とするかをまったく知らない。

そして、戦うというのに特に気にかけてもいない。
ジャックにとって昂昇はその程度の相手ということか。
こうして相手を侮った結果、不覚を取ったのが本部戦である。
宿禰ではその学びがあったのか、試合前に小指を奪うという容赦のなさを見せたが、今回はその学びを忘れているような……?

それにしてもジャックさんや。
昂昇の仇としてドイルと戦うつもりだったことを忘れないで欲しい。
間接的とはいえ因縁があるはずだったんですけどね。
私人としてのジャックは作中でほとんど描かれていない。
だから、これが意図したものなのか、ただのボケなのか、どちらなのかわからないのであった。

さらに場面が切り替わり本部流道場。
そこでは本部と花田が向かい合っていた。
お互いに渦中の人物……いや、注目の人物だ。
師弟共に弱小のはずがいつの間にか大番狂わせの属性を手にしてしまった。
あまりにも唐突な進化に誰も追いつけていない二人である。

「本部先生…………」「ごぶさたしてました」

花田は本部の下から離れて久しいことが判明する。
そりゃ武蔵編で本部が大暴れしていた側にいなかったからな! そりゃそうだ!
あの時に側にいなかったのはもったいないにもほどがある。
「何で師匠がこんなに強いんだッッ」とか言っていれば伝説になれた。

「ふむ」「場数を踏んだのだな」
風貌かおがよくなった」

「稽古だけでは――」「その気は生まれん」
「踏んだ修羅場」「場数が風貌かおに「武」を宿す」


今では実力者の一人になってしまった本部は一目で花田の成長を見抜く。
いい風貌かおになったというか中身以上に見た目が別人になったというか……
ヒゲか? ヒゲなのか?
よく見ると二人共、ヒゲの形がそっくりだ。
ヒゲか? 本部流の秘伝はヒゲなのか?
まぁ、本部は初登場の時からヒゲを生やしていて、それでいていまいちでしたけどね……

気になる花田の強化であったが本部曰く場数を踏んだことが影響しているようだ。
これは実際のところ、馬鹿にならない。
古武術の弱点は競技人口の少なさから稽古相手が足りず、実戦経験も不足してしまう点だ。
如何に高度な技術や理論があっても経験が足りないと実戦で活かされることはない。
それを証明するように最大トーナメントの本部は完全な頭でっかちキャラで鳴かず飛ばずだった。

花田も同様に本部流の免許皆伝ほどの技術を持っていれど、その技術を同等以上の相手に試した経験は存在しなかったのだろう。
本部とだけ稽古するわけにもいくまい。
結果、斗羽や加藤のような相手にも遅れを取ることになってしまった。
斗羽はプロレスとはいえ試合経験は豊富だし、加藤もヤクザ相手の実戦は欠かさなかったと互いに積んできた実戦の数は花田よりも多いのだ。

そこで本部曰く勇次郎並みの才能を持つ眠れる天才花田は場数を踏み経験を重ねたことで才能を完全に開花させたのだ!
今の花田は勇次郎と同じ才能! あの時の本部の評価も開花した後のことを指していたのだ!
というわけで、花田の急激なパワーアップの理由がわかりましたね。
いや、やっぱあまり納得いかん。だって花田だもん。
なので、どのような経験を積んだのかも今後触れて欲しいところである。
変態的な経験を積まないとこれほどのパワーアップは無理でしょ……

本部は花田の風貌を評価するが、花田も本部を世界一の男前と軽口ながら評価する。
相手の戦力分析が甘いのが本部流の弱点だった。
本部も花田も相手の戦力を勘違いした結果、大恥をかいている。
本部は独歩を1分以内に殺せると言ってたし、花田だって刃牙を1分以内に倒せると値踏みしていた。
こいつら、どちらも格上を相手に1分以内に勝てる宣言をしている。あまりにも師弟過ぎる。

だが、今の本部は間違いなく一線級の実力者だ。
武器術は言うまでもなく素手でも烈と対等の戦いを演じて見せた。
その本部の戦力を今の花田は理解していることに成長が窺える。
花田は強くなったと言えどそこに慢心はないのだ。

ここで道場にもう一人の注目の人物、鎬昂昇がやってくる。本部に呼び出されたようだ。
昂昇は花田を古流柔術マスターでありプロレスラーでもあると言う。
あ、プロレスラーの設定を覚えていたんだ……
何でプロレスやってたんでしょうね、花田。
銭稼ぎか? 儲からなさそうだからなぁ、本部流……

この言葉を受けて花田は龍書文、宮本武蔵、ウィル・A・ツェペリと強者にのみ許された所作、座ったままジャンプを繰り出す。
道場に武術家二人……勝負でしょう。
本部が昂昇を呼んだのは花田と戦わせるためなのか。
ジャック前の練習とするためか? あるいは下克上か?

昂昇VS花田という令和とは思えない試合が組まれた。
実力はあるものの泣かず飛ばずの昂昇、どう評価すればいいのか困る花田と切り口に困る。
なんで君たち、戦うの?

しかし、予想外過ぎるだけに結果が見えず先も読めない。
順当に勝つのは昂昇かもしれないが花田が勝ってもおかしくない。
いや、今回は本当にわからない。
どちらが勝つのかわからない戦いがバトル漫画における盛り上がりの要とはいえ、この組み合わせは変な方向にわからない。
いや、マジどうなるんでしょ、これ。

ここまで勝敗が読めない試合は久し振りだ。
そういう戦いこそ求めていた……と言いたいけど昂昇と花田なんですよね。
昂昇は活躍を期待していた人はまぁまぁいそうだけど、花田の方は誰もいないでしょ、これ。
でも、ニコニコ大百科には鎬昂昇の記事はなくても花田純一の記事はあるんですよね。
実は求められている……のか……?
いや、ニコニコ大百科には船井零の記事があるので記事の有無だけでは何とも言い難いのですが。
混沌カオス軍団もあるぞ。

どう盛り上げればいいのか困る組み合わせだが、勝敗が読めなさすぎるのでそこは楽しみでもある。
昂昇は独歩に、花田は花山の一線級の実力者相手に一杯食わせた。
互いの実力は伯仲してしまっていると言えてしまうのが困りものである。
読めない勝敗のまま、次回へ続く。
次週は休載なしだ! もはや休載しない方が珍しい!