刃牙らへん感想 第10話「キケン度高まる」



ジャックVS昂昇の試合が始まろうとしている。
何か変な方向に寄り道したけどやるぞ!
やるけどやるまでが長いぞ!!
試合が決まったのが第2話、8月31日ですよ。
そこから8話、4ヶ月かかってやがる……!


さて、いつの間にか試合当日になっていた。
地下闘技場の控え室でジャックはドーピングの真っ最中だった。
錠剤に飲み薬、注射とドーピングのオンパレードである。

このドーピングを見届け人は堂々としていると評する。
思えばグラップラー刃牙時代はトイレでコソコソとドーピングしていた。
それが今では堂々とドーピングするようになった。
堂々としていればいいというものでもないけど。

ともあれ、ジャックのドーピングはいつもは慌てているというか、急いでドーピングしている印象があった。
それが今では人前で堂々と、それもあぐらをかいて余裕の姿勢で行っている。
今のジャックは強くなったからか、メンタル面が安定している。
それが姿勢に表れているのか?

「今夜 持チコタエレバ良シ」

見届け人は肉体が蝕まれることについて問いかけるがジャックの答えはいつも通り。
今日さえ勝てれば明日はいらないのだ!
でも、昂昇との戦いは明日を捨てるに相応しい戦いなのか?
無駄に命を賭けている感もあるが、無駄に命を賭けてでも勝ちに行くのがジャックの主義であり強さなのだ。
まぁ、ジャックはあまりにもドーピングしすぎて健康サプリ程度にしか思えなくなってきているんですけどね……

「タダ「肉体」ガ弱カッタ」
「ソレダケノコトダ」


ドーピングに身体が持たなかったら身体が弱いだけのこと。
この不自然主義が常に全力投球スタイルに繋がっているのだった。
最悪、吐いて激やせすればいいのがジャックのスタイルですしね。
最大トーナメント以降、ああいった様子を見せないのはドーピングに肉体が耐えられるようになったからか?

一方、昂昇は汗まみれで前屈していた。
あぐらをかいてドーピングをする静のジャックとは真逆の動の昂昇である。
試合前に汗まみれになるほどアップする格闘家、特に武道家には珍しい。
宿禰がそれをやれば勝てると思い込むくらいには珍しい。
ともあれ、初手からエンジン全開で戦う気のようだ。



さらに昂昇は背が180度曲がるほどの凄まじいレベルの後屈を行う。
すげえ!
すげえけど一体闘争においてどんな役割を果たすんだ?
この異常な柔軟性を用いた新斬撃拳を見せてくれると嬉しいんですけどね。

この後屈を見て花田は感嘆するばかりだった。
そう、花田が。
何故か昂昇のセコンドを花田が務めているぞ!!
な、何故、セコンドを!?

お前、まさか「スピードでかきまわせ!絶対イケる!」とかアドバイスする気か?
とりあえず、「このアホウ!ウォームアップもせんで!」は言わなくて良さそうですね。
でも、いつの間にかセコンドを務めているあたりが最高に本部流って感じがする。
師匠の本部さんもいつの間にか刃牙や渋川先生のセコンドになっていたし、もしかしていつの間にかセコンドになるのが本部流の極意なのか?

「いきますか」

「応ッ」


自信と共に出陣する昂昇とそれを押し出す花田であった。
このやり取り、率直な感想を申し上げると格好いい。
万全で戦いに挑む選手と余計なことを言わず一言だけで送り出すセコンドの構図は格好いい。
でも、何で花田がセコンドに?という疑問が湧き出るんですけどね。
うーむ、この構図自体は格好いいのだが……

この試合は格闘家たちも見守っていた。
花山が、克巳が、独歩が、さりげなく刃牙らへん初登場の渋川先生が、主人公?範馬刃牙が。
範馬刃牙、第10話にしてついに登場だ!
刃牙らへんでどんな立ち位置になるのか、そこも注目だろうか。

だが、主人公の初登場に何らかの反応をするはずが、いつの間にかセコンドになっている花田の方がインパクトが強かった。
うーむ、こいつ、ずっとそうなんだが弄りがいがないな……
刃牙らへんの弄られ部門は花田に担当してもらうことになるのか?

正直、今の花田の立ち位置は美味しすぎる。
今までの冷遇を忘れてしまうくらいにいいポジションに就いたと言えよう。
昂昇共々、今までの扱いが悪かっただけに応援したくなる気持ちもある。
何やっても面白くなるから驚愕でも解説でも応援でも何でも頑張って欲しい。

昂昇&花田は前述通りに扱いが悪い。
花田は言うまでもなく昂昇もいまいちなんですよね。
紅葉に勝ったり烈海王に勝てると言い出したりと成長を感じさせた直後に負けている。
そして、負けたらしばらくは忘れ去られる。
刃牙にとって一番最初の本格的ライバルだというのに扱いが悪い。
ヤムチャみたいなものですな。

それだけに今回の試合は復権するための最大のチャンスだ。
グラップラー刃牙最初のライバルVS最後のライバル、ラスボスという構図もけっこう劇的だ。
刃牙らへんの緒戦ながらもただの消化試合に終わらなさそうで楽しみなバトルだ。
いや、これで宿禰VSオリバ第1戦みたいになったら困るけど……

気になるのは範馬刃牙の動向だ。
とりあえず、バキ道の刃牙は変態的な行動がなければ、王道の格好いい場面もないと、あまり面白くなかった。
特に刃牙VS宿禰は伝説的な塩試合だった。
あれを越える塩試合はなかなかあるまい。宿禰の存在を強調してきただけに郭春成戦よりも酷かった。

そんなわけで期待値が低い状態だが範馬刃牙の復権にも期待しておこう。
「刃牙は変」みたいな変態路線でもいいぞ。「刃牙らへん」なだけに。
ハッハー!!
再来週の次回へ続く。