刃牙らへん感想 第15話「噛み合い」



昂昇が上腕が噛み切られた。
頸動脈・首の骨・上腕動脈とどれか一つでも致命傷なのに3つも重なれば即死レベルだ。
これで勝てるのは範馬刃牙くらいですよ。
範馬刃牙なら何とかしそうだな……


「再び切り裂いたァーッッ!!!」
「頸動脈に続き――」「上腕の付け根を噛み切ったァーーーーッッ!!!」


昂昇はごく普通に上腕動脈を噛み切られていた。
前回の引きから波乱も何もないオチである。
さすがにあそこから反撃は無理だった。
何か本当に普通にやられたって感じですな……

噛み切られた昂昇が思わず立ち上がってしまっている。
立てるんかい!?
君、打たれ強いのか弱いのか、よくわからんな……

「動脈2か所は致命的すぎる」

ここで動脈をやられることの危険性を克巳が語る
そう、克巳が語る。
花田さんは1コマも出てきません。
お前の師匠は刃牙が上腕動脈をやられた時には即座に解説したというのに……!!

四肢の付け根の動脈、上腕や太ももには太い血管があり、そこをやられるのは致命的だと克巳は語る。
特にナイフにおいては重要な攻撃目標らしい。
事実としてガイアの部隊のナイフ使い(本名不明)はそこを切っている。
昂昇も素手で切り裂けるなら狙う部分はそこだった気はする。
紐切りで神経を切れるのなら動脈を切り裂くことも十分できそうなのですが。

この動脈への攻撃は徒手の武術ではさほど重視されないと前置きしつつも、こうした知識はちゃんと備えている克巳だった。
今の克巳の空手は対武器を考慮に入れているからか。
スポーツ選手ではなく武術家としての姿勢の表れと言える。

ジャックの視力は二度の紐切りで完全に失われていた。
昂昇はここから反撃できれば勝利できたかもしれないが……ついにダウンしてしまう。
二か所の大量出血には敵わなかったのだった。
なお、首の骨の骨折は忘れた。

「勝負ありッッ」

刃牙が冷や汗と共に視線を落とす中、ついに勝負ありとなるのだった。
え? 刃牙さん、その反応は何?
知り合いが致命傷を受けて倒れるのは心苦しいのはわかるけれど、そういうので心を動かす男ではあるまい。
梢江を遠慮なくやり捨てる人間だろうに。
せめてその反応は花田がするべきだったでは……?

倒れて負けた昂昇だが幸いにして重傷止まりで済んだ。
急所3つやられて死ぬんじゃないかとそこそこ心配していただけに無事に済んだのは重畳である。
むしろ、急所3つやられて何で死んでいないんだという気持ちもある。
頸動脈と上腕動脈はまだしも、首の骨は何で平気なんだ……? ダメージに判定されていないよね……?

「視力はじきに繋がる」
「1週間ほど不自由ではあるが」


担架で運ばれる身とはいえ喋る余裕まである。
いや、ホント平気ですな。負けはしたものの奇妙なタフネスを見せつける。
あと切られた視神経って1週間で繋がるものなのか?

紐切りは最古の必殺技であるが、刃牙と紅葉しか喰らった人間がいない。
刃牙の視力はいつの間にかに回復したし、紅葉はその場でオペをして治した。
後者は例外、何なら前者も例外な気はするけど、治療手段は放置でOKらしい。
ええんか……それで……

「嚙道…」
「天下一だ」
「史上最高の武術だ……」


昂昇はジャックの手を握る。
握手代わりだろうか、ジャックは試合中は冷静かつ冷徹に徹していたのに困惑するのだった。
そして、嚙道を褒め称える。
嚙道が強かったというよりも昂昇の見積もりが甘すぎたって感じはしますが。
噛み付き対策ゼロはあかんでしょ。
というか、頸動脈なんて噛み付く必要さえなかった。裸締めでそのまま勝てたような。

この絶賛にジャックはむしろ困惑する。
いや、そりゃ困惑しますよな……
さらに耳を近付けるように昂昇は言い、ジャックは言われるがままに耳を口元へと近付ける。
目が見えないからそれだけでも大変そうだ。



「オワッ」

こうして無防備に耳を近付けた昂昇は耳に噛み付く。
あくまでアマガミもとい甘噛みレベルの噛み付きであったが、ジャックは耳を押さえ過剰な反応でたじろぐ。
噛み付きを武器とするだけに敏感な反応をしてしまったのだろうか。
勝利して気が抜けていたのもあるかもしれないが情けない反応をしてしまったのだった。

昂昇は敗れたものの噛み付きでせめてもの仕返しをした。
敗れたものの心は折れていない……のか?
とりあえず、柔軟性はまったく活かされませんでしたね。
昂昇は毎回やれると思い込んでやれないパターンが多く、今回もその例に漏れなかった。
おそらく最後となるであろう出番だっただけにもうちょっとまともな活躍をしてほしかったけど、一応無事に生還できただけでもよしとしよう。

完勝したはずが情けなさを見せてしまったことにジャックは赤面する。
だが、闇に明るさを感じていた。
何だかんだで嚙道を褒められて嬉しかったってことか?
あるいは勝利を改めて実感したのか?

そして、勝負が終わるまで花田はまったく出番がなかった。
クソも役に立たなかったな、この人……
ただ昂昇の戦友ポジションとしてはなかなかにいい味が(何故か)出ていたので、仇討ちとばかりに襲いかかるくらいはしてほしい。
盲目のジャックになら花田でもワンチャンある……かも。

ひとまずの一大イベントのジャックVS昂昇はジャックの圧勝で終わった。
驚くくらいに普通に勝ってしまった。
もうちょっと昂昇の活躍に期待したかったが相手が悪すぎた。
けっこうノープランなところがありますね、昂昇。

となれば次の相手は誰となるのか。
ジャックはちょっと強すぎて勝ち目が見えないからジャック以外の格闘家同士で戦った方が盛り上がりそうだ。
紅葉が仇討ちとばかりに花田と戦ってみたら勝敗が見えなくて盛り上がるかも。
よくも私の弟を八つ裂きにしてくれたな……殺してやる……殺してやるぞ、花田……

昂昇という人選そのものはけっこう面白かったと思うんですけどね。
花田の復活というスパイスも試合前のテンションを高めてくれた。
まぁ、試合が開始してからは昂昇はいまいちだったし、花田なんて1コマも顔を見せなかった。
というか、何で本部は昂昇と花田を引き合わせたんだ?
花田程度に苦戦するようではジャックに勝てぬとでも言いたかったのか?
まぁ、実際に勝てなかったな……

音沙汰がなさすぎる花田だけにこれからの出番に期待したい。
いや、本命は花田ですよ、きっと。
本編での試合の描写や戦い方の個性が薄いから好きに描ける。
実質、オリキャラだ!
褒め方としては微妙の極みだな、これ。
次回へ続く。