刃牙らへん感想 第26話「純度勝負」



ジャックVSピクルが戦いそうだ。
昂昇からのいきなりのボスキャラ戦である。
花田さん、忘れていませんか?
今更、ジャックVS花田をやられても困るけど。

ジャックVSピクルを前にみっちゃんはどういった勝負になるのかを範馬刃牙に問いかける。
刃牙は主人公を降りてプレミア感が出るかと思いきや、何か普通に出てきていてありがたみが大分減った感がある。
それにこういったことは本部さんに訊いた方がいいのでは。
刃牙だと基本はぐらかすだけだぞ?
本部は本部でマシンガンとか言ってくるけど。

「噛む力」
「咬筋力では五分」


咬筋力では五分ぅ?
かつて噛み合った時はピクルの圧勝で終わっていたし結構な差があったと思うのですが……
いや、あれは咬筋力の差ではなかったのか?
ピクルがジャックを持ち上げて体勢を崩したのが噛み合いに勝った要因だろうし、足腰とかそういった部分が影響した結果なのかも。

「基礎体力 耐久力タフネス」「闘争心」
「ピクルが圧倒していたが――」「それは過去のハナシ」


咬筋力は五分ということにしても、他の能力では劣っていたというのが刃牙の見立てだった。
それは実際に結果として表れている。
加えるなら圧倒的な開きがあった。

だが、刃牙としては過去のこと。
現在ではわからないらしい。
あれからおそらくは長くても1年程度。
1年で埋まる差とは思えないが、今のピクルはちょっと弱くなってそうなのでイケる……のか?

「ジャック兄は”甘さ”が消えた」

刃牙の評価としてはかつてのジャックは甘かったらしい。
対戦相手に消えない傷を残すことも致命傷を与えることも躊躇わないトップクラスに危険なファイターがジャックだと思うのだが、刃牙としてはあれでもまだ甘かったらしい。
おお、これですよ。
この上から目線が範馬刃牙って感じですよ。
ジャックは範馬刃牙の常套手段、金的を使っていないしな。

それはみっちゃんも同意らしくジャックは強さへの純度が増したらしい。
読者目線だとそこはいまいちわからない。
変わったところは嚙道へのこだわりと敬語を覚えたくらいか。
昂昇に勝ち確の裸締めを解いて噛み付きした辺り、純度はちょっと怪しい気はする。
あと美食を覚えてしまった。

二人は純度の対決になると読む。
白亜紀の純度に現代の純度が勝つ可能性もあると刃牙は語る。
正直、白亜紀の純度の方はちょっと濁っている感がある。
現代に蘇ってすぐの頃は強者だけ食う純度が高いというか無茶なライフスタイルだったが、今やカラスやゴミで満足してしまっている。
妥協の分だけ純度は下がりそうだ。

一方で純度が低いと勇次郎に断じられた武蔵は強者として君臨していた。
必要か? 純度はある意味では至言であろう。
でも、今のピクルを見ると純度の高さは大事にも思えてしまう。
その辺も二人の対決で触れられることになるのだろうか。

そのピクルさんはいつも通りに地下闘技場で体育座りをしていた。
待つ時は体育座りがピクル不動のスタイルである。
今までは寝る時も照明が全開だったが、今回は夜中なこともあってか、消灯している。
野生的には時間感覚が狂うのでけっこう厄介そうだから、時刻に合わせて消灯しているのはピクルとしてはありがたい、かも。

「そして遂には――――――」「”一つ”になる…ッッ」

ピクルは言葉を解さないが現代での経験からジャックと戦うことを理解していた。
そして、ジャックを噛みまくって最終的には骨だけになるまで食べることを想像していた。
文明に多少は目覚めたかと思いきやけっこう残酷な想像をしやがる。
この辺は日和ってはいないピクルだった。

ピクルにとって食べることは友との別れを意味しており、だからこそ、食べる時には泣いていた。
悲しみを伴う行為だったのだ。
だが、今は友との別れではなく一つになるという解釈に変化している。
それなら悲しむ必要はないと喜んで食べるようになって残虐性アップ……かも。
武蔵の時は泣いていなかったし、以前からこっちの考えにシフトしていたのだろうか。

もっとも、友との別れを悲しむのも友が貴重な存在だったからか。
カラスやタヌキなどのありふれた獲物で満足するようになった以上、餌=友という感覚が鈍っていてもおかしくはない。
狩猟生活をするようになった結果、友と一つになるという考えに切り替わってもおかしくはない。
日常的な狩りの度に悲しんで泣いていては身が持たないのだ。
この辺のピクルの心情はそれなりに筋が通っているのであった。

そんなピクルの前に刃牙が現れる。
武蔵の時と同じく戦う前のピクルと逢うようにしている刃牙だった。
一応は刃牙はピクルに負けている。
自分に勝ったことのある数少ないファイターであることから特別扱いしているのかも。
ユリーや柳も刃牙に勝っているけど二人は再戦で差を思い知らせたのに対し、ピクルには負けっぱなしである。
そこも特別視に繋がっていそうだ。

ピクルとしても刃牙は餌ではなく普通の友扱いなのか、両手を広げて歓迎する。
そして、二人は両手で握り合う。
言葉はなくとも二人は理解わかり合うのであった。



「ヤ…ル」

「はい?」

って、うわあ!? ピクルが喋った!?
言葉なき友情を示したかと思ったら二文字だけとはいえ普通に喋ったよ!!?
これには刃牙さんも普通に驚く。
いや、驚きますよ。誰だってそうですよ。
ハッピーセット以上の驚きですよ。

何でも澄ました顔をする刃牙だけど、こういう完全に想定外の事態には普通に驚くのであった。
まったく驚かせられなかった宿禰はその時点でダメだったんだろうな。
目の前でダイヤモンド作っても澄ました顔で流されそうだもの。

あのピクルが言葉を僅か二言だけとはいえついに覚えた。
喜ぶべきか否かはよくわからないけど、純度的にはどうなんでしょ。
文明に馴染むと落ちる気はする。
言葉だけならカタコトとはいえ二カ国語を話せるジャックは純度ダダ下がりかもしれないけど。

刃牙の言葉をオウム返ししただけかもしれないがピクルは言葉を覚えてしまった。
一番最初に覚えてしまった言葉がヤルというのもどうなんだろう。
でも、日本に来て一番にやったことがヤルだったな。
……ヤルから覚えるのは妥当か?

この調子でどんどん喋っていくのか?
メシ、クウ、ネル辺りを覚えておけばみっちゃんに養ってもらいやすくなるかも。
ニート化が加速してしまうけれど。
刃牙の名前をバカと間違えて覚えてしまうとかはやってほしい。

ペイン博士がこの事実を知れば狂喜乱舞しそうだ。
というか、ピクルを完全放置しているけどいいのか、ペイン博士。
ここまで表で活動していると監視は容易だろうし、それで満足しているのかもしれないが。

ジャックは嚙道を学び、ピクルは言葉を学んだ。
対決の表テーマが純度なら、裏テーマは学び……なのかも。
そういう意味ではジャックは花山の存在を完全に忘れていたし学びの点では不利かも。
……花山を忘れていたことが今後の伏線となったりして。
休載なしで次回へ続く。