刃牙らへん感想 第27話「白亜」



ピクルが喋った!
いや、喋るだけで面白いのはちょっとズルいな。
喋らなかったという10年以上の蓄積が為せる技だ。
10年以上いまいちだった本部さんが急に強くなったら笑えるような感じですね。

「喋ってンじゃんッッ!!!」
「ピクル喋ってンじゃんッッ」


範馬刃牙、大事なことなので2回驚きました。
バキ道の時は達観した面だけ見せて感情移入できなかったので、こういうところを見せてくれるとちょっとありがたい。
宿禰も蹴速も刃牙の感情を動かすに値しなかったということか……

「ジャ……ク……」

さらにピクルは刃牙の言葉を反芻する。
ピクルはジャックという言葉が何を指すのか、理屈ではわからない。
だが、本能で戦う相手、餌と察したのか、満面の笑顔を浮かべるのであった。

こうしてピクルは喋った。
喋って、試合当日を迎えるのだった。
喋った意味は!?
今後に喋った意味がわかるかもしれないが、とりあえず現時点では面白いだけのようだ。
いや、面白いからいいのだけど……

ピクルは知識はないが剣持武の服を奪って擬態したように知能はけっこうある。
社会に馴染んでいるとは言い難いが、社会に反することはしていない。
事実として一番手頃な餌となるであろう人間を食べていない。
武蔵が社会と衝突した結果、葬られることになってしまったことを考えると上手く世渡りしていると言える。

それだけの知能があるのだから言葉をオウム返しではあるけど喋っても不思議ではない。
不思議ではないけど驚くし面白いのだけど。
これで「スピードでかきまわせッ! 絶対イケるッ!」とか言い出せば本部流に弟子入りしていた。

さて、試合当日。
最悪、食人が行われるので凄惨な試合になるからか、ピクルの試合は基本的に観客がいないのだが、今回は地下闘技場にたくさんの観客が来ている。
いや、グロいことになるのかもしれんのだぞ……
ピクルは全身骨にするまで食べるつもりだし……

烈の斬殺によってみっちゃんや観客の倫理観がズレてしまったのか?
とりあえず、今のみっちゃんは食人を止めなさそう。
むしろ、自然じゃ!と肯定しそうなくらいである。

一方でジャックは特に気負わず、いつも通りに大量のドーピングをして試合場へ入る。
タオルを肩に掛けていてかつて最大トーナメント決勝前に勇次郎と逢った時のような雰囲気だ。

ここで両者のパーソナルデータが表示される。
ジャックは身長2m43cm体重211kg。
相変わらずのとんでもない体躯であると同時に宿禰戦から変化がない。
対するピクルは身長2mあまり体重130kgあまりと正確な計量ができないからか、曖昧な表記になっている。
ピクルのデータがまた変わっている。

ピクルのデータが作中で初めて出てきたのは「範馬刃牙」第105話でその時は身長2m体重130kgだった。
それが「範馬刃牙」でのジャック戦では体重200kgになっている。
痩せたのか、初期の設定に戻ったのか。
体重が変動するのはまだわからなくもないが、身長は「範馬刃牙」のジャックと同程度かそれ以上、つまりは2m20cmくらいはある。
2mあまりはちょっとさばを読んでいると言わざるをえない。
この辺、ピクルはコロコロ変わる傾向にあるらしい。
野性だから……なのか?
70kg分の減量が響かなければいいのだけど。



ジャックが入場するとピクルは地を這うように突進し噛み付こうとする。
そこでジャックはタオルを噛ませて投げるのだった。
突進の勢いを利用したのかもしれないが、ピクルを片腕で投げるという凄まじいパワーを見せつける。
しかし、ピクルもピクルで身を翻して脚から着地、ノーダメージで済ます。
ジャックは鍛え上げたパワーを、ピクルは野性の運動神経を見せつけるのだった。

「タオルという武器使用ッッ」
「開始以前まえの白亜紀な襲撃ッッ」
「双方共に反則スタートだァッッ」


加えて二人同時に反則したのであった。
ピクルが反則なんてナンセンスな指摘であるのだが。
太古の人間が太鼓を叩くまで待ってくれるなんて悠長な考えでいたのか?

ピクルの試合では初めてのナレーター付きである。
大勢の普通の観客もいるし、ピクルが初めて経験する真っ当な形での試合である。
お互いが血生臭いことになりすぎるだけにどちらが勝つにせよ試合らしく穏便に済ませてくれればありがたいのですが。
でも、ピクルさん、骨になるまで食べる気でいるからなぁ……

今回で試合開始するとけっこう早い展開だ。
バキ道時代ならジャックがトレーニングとかいろいろやって試合開始まで時間がかかりそうだったんですけどね。
刃牙らへんは休載は多いけど展開は早めなので助かる。
休載は多いけど……

ジャックはタオルを使ってピクルを投げた。
嚙道的な視点からすれば迂闊な攻撃は噛み付きの的にされてしまう。
宿禰戦では受けながら噛み付くという戦法で宿禰にダメージを与えていた。
それもあってカウンターの噛み付きを警戒してタオルを噛ませたのかも。
今のジャックは力任せじゃなく慎重さも備えているぞ! ……多分。

一方でピクルは正直弱体化が不安ですね。
けっこう落ちぶれた生活をしているし言葉を喋っちゃったし。
負けるにしても評価を上げる形で頑張ってくれると嬉しいのですが。
昂昇みたいに何のいいところなく負けるのはさすがに……

個人的には最終形態を有効活用してほしいんですけどね。
刃牙相手にも武蔵相手にも最終形態になった意味があまりなかった。
バキシリーズでも特に異質な変化だけに最終形態のスゴさをちゃんと見せてほしいところだ。
最終形態VSマックシングなんかは盛り上がるぞ!多分!

ここで両者共に反則したということでノーゲームになったら笑う。
というか、反則の概念があったのか、地下闘技場。
一応、ルールがあるとはいえ、ルールで試合の流れが左右したことはないし。
強いて言えばアイアン・マイケルが反則負けしたくらいだけど、あの試合、千春は千春で反則のオンパレードだったし。

このタオルという武器を使ったことを伏線にジャックがいきなりマシンガンを持ち出したりして。
マシンガンは本部流のお墨付き! そして、今の俺は本部流に弟子入りしている!
タオルという武器を見逃したのだからマシンガンも見直せ!
それにしてもそろそろ本部さんの出番が欲しいですね。
舞台の本部の完成度がやたらと高いし、舞台の活躍に備えてここでちょっと解説役兼驚愕役として復帰してみては如何か?
合併号と休載を挟みながら次回へ続く。