刃牙道感想 第55話「三寸」



烈が中国産武器で武蔵を翻弄する。
武蔵と戦うに当たって慣れている国産武器より不慣れな外国産武器の方が適しているだろう。
烈の選択は正しい。
そして、純国産の本部は本当に守護れるのか。
まぁ、解説ってください。話はそれからだ。

武蔵の額を九節鞭が撃ち抜き出血する。
この出血に観客も驚きだ。
出血自体は砂かけの時点でしていたのだが、打撃による出血となればまた意味合いが異なるだろう。
武蔵には確実にダメージが刻まれている。

烈は九節鞭を高速で回し武蔵に打ち込む。
だが、座ったままの姿勢でかわす。
観客たちが当たったのかと見間違うほどのギリギリかつ無駄のない動きの回避だった。
現代の格闘家たちに本物と言わせるだけの身のこなしだけのことはある。

「退いた…ッッ 三寸だけ!」

本部は武蔵の回避を見切った。
そして、間髪入れずに冷や汗混じりに驚愕!
これですよ、これこそが本部ですよ。
偉そうなことを言ってビックリするのが本部ですよ。 この調子でじゃんじゃん働きたまえ。

しかし、三寸って君は本当に現代人か?
本部の豹変は戦国時代の武士が憑依したとかじゃないよな?
今の武蔵に取り憑いているのは実は佐々木小次郎で、本当の武蔵は本部に宿っているとか……
本部ラスボス説。

「速いのは――」
「尖端のみ!!!」
「操作する」
「腕
(かいな)の軌道(うご)き自体は―――」
「いたってなだらかなり!」


郭海皇でさえ尖端の動きは目では捉えられないと評する。
だが、武蔵は焦らずに烈の攻撃が如何なるものなのかを見切る。
尖端の速度は速いがそれを操作する腕の動きは見切れる!
15年前に柳の風神鎌を見切った時と同じ理屈だ!
手裏剣に砂弾といいクラシックな駆け引きが相次ぐ戦いだ。
本部が蘇っているのもクラシック要素なのだろうか。
九節鞭を振り回す烈に対して武蔵は刀を手放す。
そんな武蔵に対し烈は九節鞭を振り回すのを1度止めてから叩き付けようとする。
九節鞭二刀流の連撃を武蔵はいとも簡単にかわす。
構わず烈は九節鞭を叩き付けようとするが腕で防がれて掴み取られ、挙げ句九節鞭を奪われてしまう。

僅か数度で超高速の九節鞭を見切った。
本部でさえ余裕で冷や汗を流せる事態だ。
これで烈は徒手になってしまったのか、素手で構える。
烈は武器をどうするのか。
隠し持っているのか、拾うのか、やっぱり素手でお願いしますとなるのか。
次回へ続く。


本部が解説した!
やっぱりそこである。これだけでこの試合が組まれた意味があると言えよう。
まぁ、解説というよりも驚愕だったけど本部が試合を見て何らかのリアクションを取ってくれるだけで十分だよ。

武蔵戦は今までに使われたネタが再利用されている。
新しい駆け引きがされないというのは若干寂しいというのが本音だが、これは古い技術は武蔵に通用しないことの表れだろうか。
そうなると旧型も旧型な本部じゃちょっと……

手裏剣はかわされ、砂弾は我慢され、九節鞭はあっさりと奪われた。
武蔵に武器攻撃はあまり効果を為していない。
なので、素手でも武蔵には想像もできない攻撃の方が有効ではなかろうか。
攻めの消力なんてこれっぽっちも意味がわからない。

と言うわけで攻めの消力はどうでしょうか。
攻めの消力の破壊力はクレーターを作るほどだった。
並みの武器を遙かに上回る破壊力である。
武器を持つよりもずっと有効だ!
あれは郭海皇だからこその破壊力の気もするけど、烈も黒曜石を打岩した時の勢いでやれば何とか。

ここで本部の出番にも期待したい。
本部の解説力なら攻めの消力を解明できるかもしれないのだ。
10年越しに明らかになる攻めの消力の謎!
でも、本部ってあまりの超常現象にはすぐに匙を投げる傾向にもあるからなぁ……
攻めの消力を見ると人間じゃねえとか言っちゃいそう。
烈の、本部の明日はどっちだ!



刃牙道(5): 少年チャンピオン・コミックス