三つ編みも解け大ピンチも大ピンチだ。
というか、ピンチしか続かなくなっている。
ボクシングは数ページで片付けたのに……
さて、武蔵と言えば幻影刀である。
幻影ながらせっかく本編に出られた佐部は致命傷を受けている。
刃牙や独歩と言った実力者でさえ幻影刀を受けてダメージを負っている。
つまり、幻影刀でも烈の心を折ることができるのではないか?
そう考えていた時期が俺にもありました。
対する武蔵のAnswerはこれ!
思いっきり本物刀だ! よ、容赦がねえ。本気で介錯する気だよ。
殺人を躊躇わないその精神性こそ武蔵の恐るべきところか。
「刀剣(ほんみ)の一太刀に……」
「回転(まわ)って見せい!!!」
無茶振りをしながらも幹竹割りである。
武蔵はこれで青竜刀にカウンターを取られたことを根に持っているのかも。 今度は國虎で一刀両断して名誉挽回という算段だろうか。
意外と執念深いのかも。
ともあれ、烈は大ピンチも大ピンチだ。
今の武蔵は引き斬る気満々だ。
そして、此の期に及んで本部は動かない。
守護る宣言は何だったのか。これっぽっちも守護る気を感じない。
「ここッッ!!!」
「こここそが……ッッ」
「消力本番!!!」
烈がまた消力をした!
青竜刀の時のように回転した。
しかし、絵を見る限り、メッチャ國虎がめり込んでいるのですが……
ともあれ、今度こそ消力本番である。
羽毛を切り裂く國虎への消力は成功するのか?
そんな心配をよそに烈は消力に加え胴廻し回転蹴りでのカウンターを狙う。
すっかり完成させた中国武術×範馬刃牙のコラボレーションだ。
今度は義足で蹴ろうとする。
義足で蹴ったり生身で蹴ったり、この辺の烈の基準がようわからんのですが。
体重が乗るからなるべく生身で蹴った方がいいと思うのだけど……
ワンパターンにならないようにしているのだろうか。
だが、國虎を持った武蔵は一味違う。
烈のカウンターの蹴りに斬撃を合わせた。 宮本武蔵に同じ技は2度通じなかった。
RPGにも装備すると攻撃力以外が上がる武器があるように、國虎もそうした補助効果があるようだ。
これで烈の義足が真っ二つだ。
生身の脚でカウンターしていたら両脚が吹っ飛んでいたところだ。
偶然ではあるが烈は九死に一生を得た。
武蔵の斬撃を消力でかわし、カウンターに対するカウンターも運良く致命傷には至らなかった。
だが、この消力は烈としても偶然の産物なのか。
ぼんやりとした様子だ。
あと三つ編みが解けた烈は勇次郎にそっくりだ。
もしや勇次郎の魂が入り込んじゃったか?
「よもや…」
「あれほどとは…」
「消力敗れたりッッ」
消力が成功したと思っていたが郭海皇の見立ては違った。
サングラスが割れるほどの勢いで消力の不発を断言する。
うーむ、克巳の時といい打開策を提示し一定の成果は残せど、勝利に直結しないのが郭海皇講習会の難点か。
郭海皇は自身の強さは超一流なれど指導力はいまいちなのだろうか。
息子とか。
刃牙でさえ成功していたと思っていたのか、郭海皇の発言に普通に困惑する。
うむ、やはり刃牙にはこの雑魚っぷりが似合う。 勇次郎との一戦であくびをするほど態度がデカくなったと思ったものだが、根は変わっていないようで安心した。
この調子で驚き役として頑張っていただきたい。
プッシャア
その直後に烈の顔面が真っ二つに裂け鮮血が飛び散った。
まさか、真っ二つになっていたのか?
よくある時間差で一刀両断か?
「思った通りの浅手」(消力成功!!!)
観客が絶叫するほどの光景であったが、切れたのは皮一枚らしく無事存命だ。
まぁ、そこまで消力成功を断言されれば成功なのだろう。
師匠の杞憂を強弁でねじ伏せたのが実に烈らしい。
烈としても切れない義足にするという約束を違えてしまった方が気がかりのようだ。
烈の精神性は絶対的な死を乗り越えたことで新たな境地に達したようだ。
今の烈はただの無鉄砲ではないぞ。
いや、無鉄砲かもしれんぞ。
だが、烈の義足は吹き飛んだ。
本当に片足になってしまってはどうにもならんだろう。
死なずに済んだものの勝負ありである。
そう考えていた時期が俺にもありました。
「今一度一太刀を」
「ふむ」「今一度一太刀だ」
ここで烈はクラウチングスタートのような構えを取る。 義足を失ってもなお続ける気満々だ。
そして、それは武蔵も同じでもう1度切り刻む気満々である。
死闘はまだ続く。なかなか終わりを見せない。
烈の未来に不安は尽きないのだった。
次回へ続く。
烈は負けそうでなかなか負けない。
人間素振りで負けたと思ったらまだ平気で、青竜刀を振り下ろされたと思ったらまだ平気で、梱包されたと思ったらまだ平気で、一刀両断されたと思ったらまだ平気だった。
まるで刃牙のように敗北を覆していく。
刃牙の構えの効能ってもしかしてそれなのか?
だが、敗北を覆していく度にどんどんと掛け金が増えていく。
武蔵は斬る気満々になってるし、義足が斬られるという穏便なオチで済ませる気もない。
烈は着々と死へ向かって歩いている。
やはり、本部が守護る必要があるな。
今の本部は解説すらまともにせずただの置物だよ。
それにしても結局は素手な烈であった。
ううむ、武器くらい持てばいいのに。
武蔵だってそれくらいは許すよ。
武器を探している隙に不意打ちするくらいには卑怯かもしれないが。
ともあれ、烈の構えは初めて見せるものだ。
中国武術にこんな技はなかろう。
ここで思い出されるのはピクルの必殺技、ピクルタックルだ。
成功率1/4を誇る必殺技である。
あれ? あまり通じていない?
刃牙に至っては片腕で防いでいたし……
そのピクルタックルで烈は敗れている。
幾度も破られているとはいえ烈にとっては最強の必殺技なのだ。
だから、刃牙の構えによってパクりに目覚めた烈はピクルに突破口を見出したのかも。
ただあれはピクルのフィジカルがあってこその技だから、烈がやってもあまり意味がなさそうな。
あるいは刃牙をまたパクるということで恐竜拳かも。
トリケラトプス拳復活!
恐竜VS侍という未知の対決が繰り広げられるのだ。
……すげえ字面だ、恐竜VS侍。
いつか実現していただきたいドリームマッチであり、それをできるのは間違いなくバキシリーズだけだ!
刃牙道(6) (少年チャンピオン・コミックス)