バキ道感想 第116話「あの構え」



ジャックVS宿禰は初めて宿禰が自分と互角以上の相手とのバトルだ。(除く範馬勇次郎)
久し振りにまともにバトルしている!
大相撲力士編は負ける要素がないバトルが続いていたし、宿禰VS零鵬は悲惨なくらいだった。
だが、このバトルは先が読めない。
本部さん、解説頼む。


さて、恒例となった前回のリプレイ、宿禰の蹴りから始まる。
ジャックが噛み付こうとしたところを蹴ったのか、蹴ろうとしたところを噛み付いたのか。
いずれにせよジャックの上前歯に蹴りが直撃するのだった。
宿禰の剛力で蹴れば歯が折れる。
最悪、歯茎が根こそぎ吹き飛びそうなくらいの危険な被弾である。

だが、ジャックの歯は折れない。
それどころか噛んでカカトに傷を残す。
何という噛み付き!
何という歯の強さ! 何という歯茎の強さ!

いや、いくら何でも強すぎませんかね、ジャック兄さん。
これがチタンの歯の恩恵なのだろうか。
歯が砕けないのはまだわかるけど、歯茎が千切れ飛びそうなのですが……
もしかして香港へ行ったのは歯茎を強化する手術のためか?

ジャックが負ける時は必ず歯が砕けていた。
刃牙に負けた時も、ピクルに負けた時も、本部に負けた時も歯が破壊されている。
ジャックに取って噛み付き、歯は最大の武器であるが故に、それが折れた時は負けてしまう。
その弱点を克服した!……のか?
いくら何でもハチャメチャに歯が強すぎるが、血が薄いと揶揄されながらも範馬一族。
不自然はない!……のか?

ジャックから3度目の噛み付きを受けて宿禰の表情が敵意に満ちた憤怒の表情に変わる。
そして、構えも変わる。
オリバが見せた金剛力士像の構えだ!
重心が高い上いn拳を握っていると相撲らしからぬ構えだが、宿禰が取ったのならそれは相撲!

金剛力士像の構えは実は古代相撲だったのか?
オリバは偶然にも古代相撲の構えを取り、だからこそ、宿禰は全力で迎え撃った……のか?
そこのところを本部に解説して欲しいのだが、今回も台詞なしだ。
お前は何のために地下闘技場に来ているんだ。解説しろ。

この金剛力士像の構えから宿禰はジャックに突っ込む。
しゃがみ込まんばかりに姿勢を低くしている。
ここまで姿勢を低くすれば超長身のジャックは対応しにくい。
これで柔軟性に優れている宿禰だからこその超低空ダッシュである。
さすがに3度も噛まれて宿禰も無策ではないのだ。

でも、金剛力士像の構えの意味はあったのか?
完全に構えを崩している。
いや、重心の高い金剛力士像の構えから一気に重心を下げれば、それはそれで意表を突くかもしれないけど……
派手で力任せの構えに見せてやっていることはけっこう技巧派というか。

この低空ダッシュから宿禰の取った選択肢はこれ!
顔面に渾身の右フック! メチャクチャに拳だ!
蹴りといい相撲にない攻撃を矢継ぎ早に繰り出している。
初代宿禰と蹴速もかつては拳で殴り合っていたように完全に古代相撲丸出しだ。

握力×体重×スピード=破壊力がバキ世界の物理法則である。
異常なレベルの宿禰の握力をもっとも活かせるのは拳を握ること、即ちパンチ!
シンプルだけど予想外な答えだ。
その辺、もうちょっと解説してやれよ、本部。
金竜山も拳を握っていたらワシも負けていたわいくらいは言って欲しい。
拳を握らずとも負けたけどな。

ジャックは噛み付こうとして口を開けたところを殴られた。
噛み締めていないところを殴られると耐えられない!
蹴りに耐えたジャックもこれには首が泳ぐのだった。

さらに宿禰は左の張り手で追撃する。
左手は小指を食われたため、握るよりも張り手の方がいいと判断したのか。
この二連撃はジャックも効いたらしく腰を大きく落とす。
噛み付きで先手を取られた宿禰だが、そのフィジカルはジャックに負けていないことがわかる。

ジャックはどうやら側面からの攻撃には噛み付きカウンターはできないらしい。
ここまで宿禰は全て正面から攻撃して噛み付かれていた。
なので、対策をして無事に成功した。

それにしてもジャックは噛み付きにこだわりすぎだ。
かつてのジャックは初手から噛み付こうとした結果、痛い目を見ることが多かった。
なので、みっちゃんのペットにやったように噛み付きまでのプロセスを考え直したのが嚙道……
と思いきやいつも通りに噛み付こうとして、最初は良かったが結局対策されてしまった。

最大の武器であるリーチをまったく活かせていない。
もうちょっと蹴ったり殴ったりしてもいいと思うのだが。
この人は本当に何で身長を伸ばしたんだ……?
むしろ、身長が伸びた分、噛み付きにくくなっているんじゃないか……?

チャンスと見たのか、宿禰は一気に近付く。
必殺の肋骨掴みだ!
だが、ジャックもやられるばかりではない。
宿禰の肩に噛み付いて対抗する。
いや、だから殴りなさいよ。
リーチが長いのにインファイトばかりしやがって……!

「双方が共にッッ」
「イイとこ取りだァーーッッ!!!」


ともあれ、噛み付きVS掴みの互いに必殺の形になった。
互いに出し惜しみ一切なしだ。
いや、ジャック兄さんはもうちょっと牽制とかそういうことを覚えて欲しい。
嚙道がスゴいのはわかったけど、噛み付き一点特化はさすがに戦術としてどうかと思うのですが。

この状態で有利なのは宿禰か。
肋骨を破壊すれば勝負ありだが、肩の肉を噛み千切っても即決着にはならない。
いや、本来なら致命傷だけど烈や武蔵は肩を食いちぎられても普通に戦っていた。
グラップラーなら肩の肉はダメージに入らない!

それにしてもジャックは進化したのか退化したのか、よくわからんな。
噛み付きの鋭さは上がった。歯も強くなった。
でも、だからこそ噛み付きにこだわりすぎるようになった気が……
いや、元から噛み付きにこだわって痛い目を見ることが多かったから変わってないとも言えるか?

ジャックは登場する度に身長が伸びたりして変化が著しい。
だけど、根の部分は脳筋体質でまったく変わっていないし、危なっかしい戦い方ばかりだ。
安心感があるのか、ないのか……
とりあえず、嚙道に目覚めて敬語を使うようになったからと言って精神年齢は1mmも成長していないのはたしかだ。
次回へ続く。