爆球連発スーパービーダマン-スパビー編感想-




[まとめ買い] 爆球連発!!スーパービーダマン

ビーダマン漫画の元祖、「爆球連発!!スーパービーダマン」の電子版が1冊11円という血涙価格で発売中!
希少価値の高い漫画だけに電子版というだけで嬉しいのに、さらには1冊11円!
安い! 安さが爆発しすぎている!
なお、小生、セール前に買ったので全部で2215円払いました。
ま、まぁ、作者さんに少しでもお布施しないとね……
というわけで、何回かにかけてちまちま感想を書いていきます。
(なお、リアルビーダマンの評価に関しては独断と偏見に基づくものです)

・記念すべき第1話 160215_001

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お前ら、一体何やってるん?
指の骨が軋めばなんちゅう奴や呼ばわりされますわな……

そんな真っ当なツッコミは置いておいて、当時のビーダマン事情について。
連載当時に発売されていたビーダマンは初期型も初期型で「装填できるビー玉は1発だけ」「パーツの装備が不可能」と性能もカスタマイズ性も低く、玩具として面白さがさほど高いわけではなかった。
後者に関しては鎧などのドレスアップパーツはあったけれど、性能そのものを向上させるものはなかった。

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そんな寂しい中で画期的だったのがこの強化パーツの示唆である。
前述したように初期型ビーダマンはパーツの装備が不可能で、その結果、強化パーツの発売もされていなかった。
当時、同じく流行っていたミニ四駆は強化パーツ(正式名称G.U.P.)で大きな収益を上げていたというのにもったいないばかりである。
ひとつがミニ四駆本体と同じ価格のワンウェイホイールとかみんな買いましたよね?
別にコースを走らせるわけでもないのにさ。
なお、ワンウェイホイールは実際の効果はほぼないとされている。

ミニ四駆は置いておいて、ビーダマンに強化パーツがない。
そんな中で「強化ホールドパーツ」なんてものを出されたらそりゃもうときめかざるをえないわけで。
子供心にドキドキしたものだ。
スナイパー装備よりもドキドキした。
そっちは笑いのネタにしかならなかった。

なお、初期型ビーダマン用強化ホールドパーツなんて出せば間違いなく売れるだろうに、結局は発売されなかった。
それは強化パーツがそもそもなかったというのもあるのだが、それが出るようになっても強化ホールドパーツは僅かな数だった。
ビーダマンはホールドパーツ単体の発売に関しては最後まで大分消極的であった。
ビーダマンの心臓部なわけだから本体の商品価値を下げないためだったのだろうか。
何ともMOTTAINAI。

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そんな強化ホールドパーツに対抗するための策がこの締め撃ちである。
これも大分画期的だ。
何せ誰にでもできるテクニックそのものの紹介である。
当然、真似する。小生だって真似した。
なお、締め撃ちそのものの効果は極めて大きいのだが、脚で締め撃ちしても別に威力が上がるわけではない。

そんなわけでパーツとテクニックの両面でビーダマンの可能性を伝えた第1話だった。
実際、掲載当時は盛り上がった。
漫画的にはここからどんどんインフレしていくのだが。
ネットで有名なヤバいシーンもどんどん出てくる。

なお、初期型ビーダマンはボンバーマン型ビーダマンなのだが、電子版の際に版権問題からデザインが改められている。
電子版の発売が難航したのもその辺のようで。
それでもボンバーマン型ビーダマンは全て書き下ろされたが、途中から出てくるオリジナルビーダマンのデザインは据え置きだ。
序盤しか出番のないボンバーマン型ビーダマンならまだしも、主役となるビーダマンのデザインが変わっていると興ざめにもほどがあるから嬉しいばかりだ。
版権がかかっていないからこそのこの価格らしいので、タカラトミーの寛大な処置に感謝しよう。
あとコナミは爆発しろ。


・おばちゃんスクーター 160215_004

ネット上で有名なこのシーンは第2話で炸裂する。
いや、ビーダマンの心配よりおばちゃんの心配しろよ。
事故るぞ。
まぁ、おばちゃんよりビーダマンの方が大事だよな!

さて、このシーンはビーダマンを道路上に落としてしまったため、それをビー玉で弾き飛ばすという実に玩具漫画的なシーンである。
その最中におばちゃんスクーターが来たのだ。
仕方ないね。

それ故にこのシーンは貴重な「ビーダマンをビー玉で撃つシーン」となっている。
これ以降にそんなことをすればパワーの強化からビーダマンが砕けてしまう。 まさに最序盤だからこそ許された荒技である。
なお、序盤の段階でビーダマンをビー玉で破壊できるようになる。

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この話で主人公、タマゴのビーダマンが頭部にビー玉を装填できる2連射型に改造される。
(改造したのは主人公の叔父。何か実力者っぽい空気を漂わせたが、以後にこれといった出番ゼロ
これは当時発売されようとしていたスーパービーダマンのギミックである。
スーパービーダマンは初期型ビーダマンと比較すると「ビー玉を2発装填可能」「トリガーパーツにバネが付き自動で連射可能」「各パーツの取り外しが自由になりカスタマイズ性が大幅に向上」「強化パーツの発売」とかなり競技性が上がっている。
このプロモーションとしてのおばちゃんスクーターであった。

なお、そのスーパービーダマン、たしかに初期型ビーダマンと比べて圧倒的にカスタマイズ性が上がり楽しかった。
楽しかったが、……ホールドパーツがメチャクチャ緩かった。
なので、肝心要のパワーが初期型以下である。
他にも頭部パーツに余分なスペースがあるせいで5連射可能のマガジンを装備するとビー玉が引っかかり連射できないとけっこう難点もあった。
でも、様々なギミックが搭載されていて非常に楽しかった。
もちろん、漫画みたいなことはできなかったけど。


・ビー玉でビー玉を止める 第3話では後の主役キャラ、サラーが出てくる。
学校でイジメられた鬱憤をビーダマンで晴らす石油王の息子という無駄に属性が錯綜しているキャラである。
そして、そのためならアンフェアなルールで挑んでくる。
これが俗に言う黒歴史というものデース。

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サラーは重りを入れて重心をズラすことで不規則な動きをするビー玉を撃ってくる。
言うまでもなくイカサマである。
不規則すぎて狙いが付けられないだろうというごく普通のツッコミが浮かんでくるがまぁそれはそれとして。

このスネークショットを防ぐためにビー玉をビー玉で撃つという技術が出てくる。
以後、作中では当たり前のように行われることだが、これが初出である。
無論、こんなことはリアルでは到底無理である。
まして岩を破壊し人間を気絶させるほどの威力を孕んでいるのがこの世界のビーダマンである。
飛来する銃弾を銃弾で撃ち落とすほどに心許ない行為である。 まぁ、作中ではごくごく当たり前のようにやるんですけどね。

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このバトルでの販促はロングバレルである。
ビー玉をビー玉で狙い撃てるんだから、こんなものは不要だろう。
そう考えていた時期が俺にもありました。
実際、後半になるとまったく見なくなる。
ロングバレル自体は強化パーツとして毎回販売されていたというのに……
まぁ、そこに関しては絵面の問題か。

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また、サラーとの2戦目では当時最新型ビーダマンであるゴールデンビーダマンが登場。
これはビー玉に回転をかけることでカーブショットを可能にするビーダマンである。
構造上連射はできないのだが、金メッキで見栄えのいいことに加えビー玉が曲がるというオンリーワンの特性でけっこうワクワクした。
小生が初めて買ったビーダマンでもある。
だが、作中においては冷遇に次ぐ冷遇。
活躍しないだけならまだしも脚を引っ張る有様である。

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なお、このバトルは崖から飛び降りるという奇策で制するのだった。
この頃からじょじょにバトルに命を賭け始める。 ビーダマンだからね。仕方ないね。


・インフレの始まり ここまではやっていることは、まぁ、何かおかしいけど、わかる。
何かできなくもない。
できないけど。
だが、そんな安寧もすぐに過ぎ去る。
ビーダマンの表現は過激になっていきさらに盛り上がっていくのだ。

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そのインフレを助長したライバルがこの円(まどか)である。
このRX-78ドムみたいなビーダマンだが(紙媒体版ではゴーレムボンバー)、特徴はそのデカいビー玉。
明らかにレギュレーション違反だし、後の全国大会編では普通に反則。
そのことを円本人が言及していた。グレーって自覚があったのかよ。

だが、そんなこと知るかと使ってくる。
その破壊力足るや中身を入れたペットボトルを1発で倒すほどである。
何かそれくらい普通にできそうな気もするが、リアルビーダマン基準で言えば絶対無理な芸当である。

このジャイアントボム仕様のビーダマン、普通に発売しても良さそうなのだが出なかった。
一応出るには出たのだが、それは巨大なホールドパーツをビーダマン外部に外付け、プラ製ボールを撃ち出すという何かコレジャナイものだった。
この頃は販促との連携があまり取れていなかったというか取らなくて良かったのか、オリジナルパーツがけっこう多い。
後半ほど減っていくのがちょっと寂しい。

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ともあれ、強敵として現れた円との戦いは長編になっていく。
(ここまであまり見せ場のない)ガンマも敗れるほどだ。
そこで出てくるのがこのメタルウィング。
この段階での最強の破壊力を誇る序盤の象徴とも言えるパーツだ。

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その破壊力足るや、魚を気絶させる、仮想敵として選んだボーリングの球を弾き飛ばすと作中屈指のトンデモ描写である。
ジャイアントボムとメタルウィングの登場によってビーダマンが玩具ではなく兵器としての風格を持ち始めてくる。 ビーダマンは遊びじゃねえんだよ!

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さすがにこの特訓は無理があったのか、突っ込まれる。
いや、待て。
突っ込む部分はそこじゃない。

なお、このメタルウィング、兵器クラスのパワーは置いておいても、メカニカルかつ機能性のあるデザイン、発射強度のコントロールが可能と魅力的な要素がいくつも詰まっている。
兵器クラスのパワーは置いておいても(2回目)、商品化すれば売れることは間違いなしだろう。
兵器クラスのパワーは置いておいても(3回目)、形にできるアイディアで作られているわけだし。

が、結局は発売されなかった。
商品化しても良かったというか、するべきだったと思うのだが……
なお、発射強度のコントロールに関しては後のパーツに盛り込まれるのだった。
あとメタルウィングという名前自体はまったく別のパーツに採用された。
メタルウィングはこの漫画を象徴するパーツのひとつだけに、商品化はできずとも何らかの形で意志を継ぎたいという気持ちがあったのだろうか。

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ビー玉でボーリング球を止めるという特訓を行った結果、タマゴはメタルウィングを使いこなし円を圧倒する。
そこで円が出した秘密兵器がこの鉛製ジャイアントボム、ヘビーボムだ。
釣り糸が広がりビー玉が落ちていく!
おう、そんなんで無効化できるのかよ、メタルウィング。

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もちろん、ビーダマンでビー玉以外を撃つのは反則。
そういうわけでタマゴはキレる。
タマゴが怒るのはここが初めて。
(実は作中通してあまり怒らない主人公だったりする)
どうでもいいけどビーダマンでスーパーボールを撃てるパーツが発売された。

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ヘビーボムで釣り糸が広がるなら零距離で撃てばいい!
というわけでビー玉が爆発する。
あ、鉛玉はダメだけどビー玉を爆発させるのはいいんだ……
その後、ヘビーボムを打ち返して円に激勝だ。
あ、鉛玉はダメだけど相手の鉛玉を使うのはいいんだ……

そんなわけでジャイアントボムとメタルウィングという大きな個性が争い初の長編エピソードは終わる。
どちらも商品化されなかったのが何とももったいない。
なお、この時にガンマが使った新型ビーダマンはちゃんと商品化された。
ついで扱いしたけど超連射でわりと普通に格好良かったです。
そして、あまりの連射キャラっぷりにスナイパーの異名はしばらく忘れ去られるのであった……

というわけでスパビー編はここまで。
(正確にはもうちょっとだけスパビーが主役の話は続く)
そのうち、全国大会地区予選編もといOSギア編に続く!