刃牙道感想 第107話「原人(ピクル)」



武蔵がマウントポジションを取った!
剣術ならばまずありえないシチュエーションだが、合戦ならいくつかあるかもしれない。
故に武蔵の戦いはマウントポジションにも対応している! ……のか?
本部は普通に対応できそうでちょっとムカついた。

「厚さ30センチのジュラルミンの壁が」「凹んでいる…………」

チームリーダーの野々村仁は凹んだ壁を指摘する。
武蔵には全然通用しなかったピクルタックルだが、その破壊力は健在のようだ。
これほどの威力ならば常人ならば即死は免れまい。
中国武術の雄、烈でさえ一撃で失神する破壊力なのだ。

これほど凹んでいるのならばピクルは本気で打ち込んだことだろう。
手加減していたのかと思ったら違ったわけだ。
ならば、何故、武蔵はピクルタックルを受け止められたのか。
当然、この疑問が持ち上がってくる。
これほどの破壊力ならば武蔵とてダメージを受けるだろう。
平気そうでどろどろになっているかもしれない。
その答えや如何に!

「これが古……………」「武士もののふの肉体というものなのでしょう」

武士の肉体だから、へいきへっちゃら!
科学者でさえ理屈を放棄してしまった。
ちょっと武士を神聖視しすぎじゃなイカ?
この辺、もうちょっと説明してもらわんとピクルタックルで片腕を失った克巳が報われんのですが。

ともあれ、マウントポジションである。
武蔵が絶対有利の状況だが相手はピクルだ。
昔の本部なら束になっても敵わないフィジカルモンスターである。
そんな破壊力の塊に密着している状況はヤバいが、握力比べで引かなかった。
もはやこれまでの理屈や経験が通じない世界だ。
何が起きてもおかしくはない!

「徳川」
「この勝負」「改めてもらえぬか」


何か変なことが起きた!
どうなるかと思いきやまさかのストップ宣言。
武蔵はエア斬りを幾度も繰り返したが筋肉に阻まれ、骨や内臓を断てなかったらしい。
ん? エア斬りなのか? 勇次郎の身体を切り裂いた素手斬撃じゃなくて?
読者目線だとエア斬りと素手斬撃の境目が微妙ですな。
素手斬撃は添えるだけでメインはエア斬りだったのか?

「本身を使用つかいたい」

無刀を経て真剣に至る!
あ、結局、真剣なのか?
うーむ、武蔵の戦いは難しすぎる。
そりゃあピクルを素手で倒しきるのは不可能に近い。
現代の戦士たち全員が決定打を与えられず、刃牙でさえ妖術でメンタルを攻めて何とかと言ったところだ。

だから、真剣を持ち出したい気持ちはわからんでもない。
これだけ素手斬撃を繰り返してノーダメージですからな。
ピクルはタフネスもおかしいが回復力もおかしい。 いざとなれば寝れば完全回復だ。
ならば、武器! 真剣!
……ちょっと格好悪いな、アンタ。

武蔵が今まで真剣を使ってきたのは相手に要求されたからだった。
自分から真剣を使うことはなかった。
それは武蔵の本気はそこではなく、あくまでも無刀にあるのだと思った。
でも、今は武蔵だって真剣を使いたい!
ピクルはそれほど規格外ということだろうか。

そんなピクルはこの騎乗位でピストンする。
すると武蔵は天井まで跳ね上げられた。
ピクルのフィジカルを前にマウントポジションなどまるで意味を為さない。
ジャックが本部を倒しきれなかったり、パワーバランスの変化が感じられる刃牙道だがピクルのパワーは健在のようだ。
と言いかけてピクルタックルが通用しなかった。
難しい世界だ、刃牙道……

このパワーに武蔵は驚く。
だが、この立ち合いが真剣ならばどうなったのか。
この力は残っていたのか。

「出血死………………!?」

如何に筋肉で受け止めようとも出血は止められない。
ならば待ち受けているのは出血死!
そうかもしれないがそれを承知の上で武蔵は素手で挑んだんじゃないのか?
たらればを持ち出すのは大人げないですぞ。
何か本部の霊が乗り移っていないか?
それとも本部が宮本武蔵の正体なのか?
本部はミヤモトマサシって感じだけど。

これを前に心が死んでいたペイン博士もキレる。
素手の戦いだけでも勘弁なのに真剣での殺し合いだ。
だが、武蔵は意に介さず、ちょっと技を使ってダウンさせる。
ペイン博士、アンタは間違っていませんよ。
ここにいる非常識人及びバトルジャンキーがいけないんですよ。

「決着を畏怖おそれるな」

お前が言うな大賞受賞ォオォォォオオオオ!!
け、決闘から逃げたくせに!
この辺のズルさも武ならば、これもまた武なのか?
武蔵の戦いは難しすぎる。
ピクルだって呆然として襲いかかっていませんよ。
いや、戦意を失った相手とは戦う価値を見出さないのかもしれないが。
素手相手に真剣を使いたいという人より大人かもしれない。

武蔵はみっちゃんに愛刀、金重が残されているかを聞く。
それはどうやら熊本に眠っているようだ。
みっちゃんや、それくらいは最初から用意してあげようよ。
國虎で満足したからわざわざ回収しなかったのかもしれないが。

「皆に見せたい」「その稀代の切れ味」

よし、本部で試し斬ろう!
いやいや、ここでこそ本部の出番ですよ。
守護るのはならそろそろ本気で守護ってもらわんと。
武蔵を放っておいて現代の戦士の足止めとか、やり方が回りくどいですよ。
だから、烈を守護ることはできなかったのだ。

ならば、今こそ本部、灼熱の時!
熊本へ飛べ、本部!
熊本は震災直後だしそこで守護れば好感度鰻登りですよ。
何か武蔵か本部のルポ漫画になりそうですな。
料理を初めとした日常描写が地味に上手いのが板垣先生だから少し期待してしまう。

ただ問題はピクルをどうやって納得させるかだ。
素直なのがピクルだから矛を収めればそのまま黙ってくれそうではあるが……
ティラノサウルス肉を差し出せばいいか?
みっちゃんの餌付け術が今試される!
次回へ続く。


まさかの勝負なし!
盛り上がるだろうからとやってみた古代の最強対決だが、終着点を見失った感じだ。
真剣を持ち出せばなおさら終着点がなくなってしまう。
まぁ、この辺のライブ感というか、後先考えない感じが板垣先生のスタイルでもありますな。

ともあれ、思わずやっちゃったこの一戦は無事?なかったことにされそうだ。
真剣で続き……となるのか?
やっぱり、本部の出番だな!

それにしても武蔵は勝負なし多めだ。
明確な形で決着したのは烈の時くらいではなかろうか。
勇次郎は言うまでもなく、独歩も渋川先生もほどほどのところで止めたって感じだし。
刃牙道が始まって2年なのにあまり戦っている気がしないのはそういうことなのかも。

それもこれも真剣という扱いが難しいものを使ったからか。
格闘家諸氏も戦えば死人が出るんじゃ気軽に戦うわけにもいかない。
ピクルは破壊力は異常だし身体のどこかが破壊されたものだが、素手だからみんなも積極的に挑んだわけだ。
そして、その真剣を再び使うとなると……

やはり、本部!
もう本部しかいない!
本部だけがこの世界を救える!
散々、バキ世界のパワーバランスを破壊した本部だが、今は最後の希望として輝いている!
よし、星となれ、本部!
要するに死ね!