刃牙道感想 第119話「ここ」



早く守護れ、本部!
悲惨としか言えない残酷ショーが続いている。
やっぱり、あかんよ、刀はあかんよ。
刀を持っていいのは本部だけ。本部だけなのだ……


ピクルは両方の肩、肘、膝の6箇所を斬られる。
如何に原始の肉体と言えど関節には筋肉の鎧はない。
だが、それでもピクルの身体は切断には至らない。
至らないが絶望的な光景だ。
みっちゃん、汗流していないでそろそろ止めてやれ。
もう何もかもがアンタが悪いんだ、アンタが。

「やはり捕ったか…ッッ 角……ッッ」

この危機にあの男が驚く。
そう、試合よりも死合いの方が強そうで、あっさりと零落して何か面白い位置に落ち着いたあの男だ。
ここぞという場面で佐部京一郎が驚く!
馬鹿野郎! そこで驚くのがお前の仕事だろうが、本部!

剣道には存在しない刃物だからこそ存在するのが、これらの部位破壊だと佐部は語る。
このえげつなさがそれが剣術であり武術なのだ。
そういえば、竹刀を持てば勝てるとか思っていた人がいましたね。
あの人、ホント何だったんでしょうね。

そして、佐部に呼応してかつて死線を交えた独歩も驚く。
いやらしくエゲツない技術こそが本物の剣術!
これにはいやらしくエゲツない技術ばかりの愚地流空手を用いる独歩も冷や汗を流すしかなかった。
武蔵が一番いやらしくエゲツないのはその剣術以上に試合を途中で切り上げて金重を用意したことなのだが。

「なんたることか」
「狙った角」
「ことごとく」
「切り落としたハズが」
「深手を与えたのみ」


武蔵の見立てでは完全に破壊したはずだったが、現実としてはピクルの関節はまだくっついているし動いてもいる。
ピクルを相手に武蔵の見立ては外れまくっている。
だが、それでも大ダメージを与えていることには変わりない。
いくら何でもピクルも刀で斬られたら両断はされずとも肉は切れるし、それによって出血多量の危機が迫っている。
なので、この辺でいいのではないでしょうか。
そう考えていた時期が俺にもありました。

「左右か」
「上下か」
「前後か」
「花の一刀両断だ」


ダメだ、この人。真っ二つにする気満々だ!
人を殺すことへの拒否感が強い今のご時世において、それはむしろ悪名に繋がるぞい。
素手でピクルを倒すのが一番人気が出ると思うのですが。
だが、戦国の人斬りは勝つだけでは済まさない。
殺さなければ気が済まないのだ。
相手に敬意を覚えたら食べない目の前の原始人よりも容赦がない……

「俺が云うのも変だけど」
「思い知ったらいい」
「原始の肉体だ!!!」


この絶対的な危機でも刃牙はピクルの肉体を信頼していた。
いや、アンタも守護ってやれよ。 思い知るも何も戦国の刀を思い知らされているのですがそれは。
このノープランっぷりが範馬刃牙ですな。
正直、今は刃牙の手でも借りたいのでちょっと真面目に頑張って欲しいところだ。
発見みつけたり」
「鋼の肉の宮を」
「豆腐の柔肌へ」


その時、武蔵がピクルの弱点を見つけた!?
何だか唐突ですな。
何回か斬ったら弱点が見えてきたのだろうか。

「時間がないぞ早くしろッッ」

そして、武蔵は両腕を広げ挑発する。
奇しくも勇次郎とピクルに共通する強者の構えである。 この言葉の意味は知らずとも意図は理解したのか、ピクルは突進する。
関節を切られても全然元気のあるピクルである。
さすがの身体能力だが今回は弱点属性すぎるのが辛いところだ。

「肉の宮が…」
「最大出力を発揮しようとする刹那…」
「する直前…」
筋肉にくは…… 鋼の直前 豆腐と化す…」
「ここっっ」


ピクルが武蔵の肩に噛み付く瞬間、金重がピクルの肉体に突き刺さった。
原始の肉体と言えどカウンターには弱い。
それは原始の肉体に絶大なる信頼を見せる刃牙自身が証明している。 チクショウ、本当に役に立たないな、こいつ。
あと刃牙道が始まってからまったくいいところがない。

問題となるのはピクルのどこに金重が突き刺さったかだ。
できれば、その、あまり生死に関わらない部位に……
ええと、例えば本部の身体とか……
ともあれ、ピクルのピンチが続くのであった。
反撃をしてもらいたいところである。
あと金重は何とか折れないものか。
次回へ続く。


九死に一生を得ているとはいえ、ピクルに可哀想な展開が続く。
これでは盛り上がるに盛り上がれない。
やっぱり、本部が対戦車ライフルで金重を……
いや、そうなると近代兵器だからガイアの仕事か?
本部が俺にもっと輝けと囁いている……

金重を以てしてもピクルの切断には至っていない。
刀は強いとはいえその使い方も大事なのだ。
例え佐部が金重を持ってもピクルにはロクなダメージは与えられなかっただろう。
とはいえ、それでも武蔵すげー!とはあまりならんのですが……
やっぱり、素手の半裸の男に刀で襲いかかるのは絵面として最悪ですな。

武蔵は技術と武器でピクルを追い詰めている。
技術なら現代の戦士でもアドバンテージを得られたから、そこに武器を組み合わせることでさらに戦力差を埋められるということか。
理屈はわかるけどにんともかんとも。
ピクルには旧来の価値観を守るためにも何とか死なない程度に頑張っていただきたい。

それにしても大ダメージを受けているとはいえピクルの硬さは異常だ。
本部なんてアラミド繊維越しに手刀を受けたら気絶したのに……
こうして見るとピクルの硬さと本部の脆さがわかる。
メタルスライムとおおなめくじくらいには防御力に差がありそうだ。

何はともあれ、本部の守護が待たれる中、佐部が本部のポジションを奪った。
これは本部としては由々しき事態ではなかろうか。
俺の立ち位置は俺が守護らねばならぬ!
次回、佐部の身体に本部の凶刃がめり込んでいるシーンから始まったりして……