刃牙道感想 第158話「純粋(きれ)い」



回想もして花山の準備は万端だ!
先に回想をした方が負けるのは最大トーナメントのお約束である。
なので、ちょっと厄い。
まぁ、死なないでください……

話は出陣前に遡る。
花山はサラシを巻いている。
サラシを巻くのは内臓が腹を斬られた時に内臓が飛び出さないようにするためだ。
一応の斬撃対策はしている。 ……一応すぎて本部の助力が欲しくなるところだ。

そんな準備中の花山に対して木崎は宮本武蔵を知っているかどうかを聞く。
花山には2つのタイプがある。
物静かだが情に厚く熱い一面も持っているバキ本編の花山とどこか抜けている天然ボケタイプの花山外伝の花山だ。
創面なんて後者の花山が出ずっぱりだ。
外伝ではその一面が強すぎて主人公のくせに格好良い場面があまりなかった。
で、今回の木崎の問いは明らかに外伝花山に対するものだ。
今回の花山はそっち方面で行くのだろうか。
外伝花山で行くなら戦わない。 歌舞伎町へ向かっている途中に猥褻物陳列罪で捕まってオチが着く可能性もあるぞ。

花山は宮本武蔵を知っているのか。
侍の中では絶大なる知名度だが、実際のところはどうなのか。
古今東西の有名人が集まるFateだって最近になってやっと出たばかりですよ。
最近の若者なら知らなくても不思議ではあるまい。
花山、一応20歳で最近の若者なわけだし。

花山の答えは「時代劇」「侍」「ササキ」と要点を突いた解答をする。
あ、佐々木小次郎についてはあやふやなんだ……
それを木崎は滅茶苦茶驚く。とにかく驚く。
どうやら木崎は花山をアホだと思っていたらしい。
この花山は間違いなく外伝花山だ。
本編花山はこんなこと言わない。飛影並みに言わない。

しかし、そんな武蔵と命のやりとりをする。
なのに、この情報は少なすぎる。
そもそも警察に教えてもらった情報が少なすぎる。 刀を使うとくらいしか教えていないんじゃないだろうか。
さすがにSTATが全滅くらいは教えただろうけど……

「勝ちてぇから鍛える」「勝ちてぇから調査しらべる」
純粋きれいじゃねぇ」
「烈 海王をブッた斬った」「警視庁を怖気づかせた」
「強ぇえんだろうな」
「それで十分だ」


鍛えることは女々しいが花山の持論である。
正確には花山自身が言ったわけではないが、ピクル戦において強く生まれた人間は小細工する権利はないと言っているので、花山の主義主張と相違ないのだろう。
冷静に考えるとグラップラーの中では強さの立ち位置が大分下がった花山がこんなことを言えばピエロだが、まぁそれも花山らしさであろう。

それは相手のことを調べないという点でも貫いているのだった。
幼年編で刃牙のことを北沢に聞いたのは忘れておこう。 強者故に自分に有利な条件を得ないようにする。
正々堂々……なのかもしれない。
でも、相手は刀持ってますぜ。

「「キレイ事」じゃなくなる」

烈と警視総監の仇討ちの時点でもはや綺麗事ではないのだが、それをあえて綺麗事として押し通そうとするのに花山の主義が感じられる。
武蔵を殺すだけならいくらでも策がある。……あるよね? 狙撃とかやれるよね?
だが、それをやらずにあえて裸単騎で望む。
それが花山らしさであった。
本当に裸なのはどうかと思うけど。
木崎としては気が気ではないが、そんな花山だからこそ付いてきたのも事実である。
ならば、何も言わずに付いていくしかない。
しかし、アンタ、悪いこと言わないからちゃんとスーツを着たらどうか。
大将の大一番にジャージはどうかと思うぞ。
どうやら木崎も木崎で外伝木崎らしい。
歌舞伎町に花山が着くとそこには警官2人が待っていた。
警官は敬礼をする。ヤクザに警察が敬礼とは一大事だ。
武蔵の件はそれほどの一大事らしい。
これなら裸になっても逮捕されることはあるまい。 まぁ、裸を見せるくらいなら大丈夫だけど、内臓を見せることになるとヤバい。
ちゃんと救急車用意しておけよ。

武蔵は花山の70m先、ほぼ目と鼻の先にいた。
ベストタイミングと言うべきか、心の準備をする暇もないと言うべきか。
刃牙の横槍が入る暇もなさそうだ。
あの人、何やってんですかね? 守護る気じゃないんですかね?

「―――にしてもだ」
「面白いな現世ここは」


武蔵は笑う。
現代では初めてのタイプの強者……とは言い切れないか。
同じく技を使わずフィジカルのみで戦う相手はピクルで経験している。
でも、花山は刀の脅威を知っている。
そこがピクルと大きな差になるかも?

夜の歌舞伎町でヤクザVS侍という異質な戦いが始まろうとしている。
そして、間違いなく花山は脱ぐ。
最悪、グロ画像が出てくるわけですし、もうちょっとこう場所を選んでいただけないのでしょうか。
次回へ続く。


花山、相変わらず策なし!
本当に策がねえのかよ!
それがこだわりとはいえ、裏目が出れば死ぬぞ。
烈が死んだ以上、花山も死ぬ可能性があるわけだし、もうちょっと慎重になられても。

だが、花山は刀相手に戦い慣れている。
だから、何らかの対刀用の戦法が……あるのかなぁ……
何か普通に斬られていたし……
いや、アレで斬られるとヤバいと学んで何か身に付けているかも。
身に付けているのかなぁ……

今回の花山は本編花山というより外伝花山だ。
つまり、戦わないという選択肢があるかもしれない。
千春が割り込んでなかったことになるとか。

花山は実績はちょっといまいちだけど、グラップラー一同は皆が花山の強さを認めている。
実績はちょっといまいちだけど。
アレはやっぱりちゃんと鍛えていればという期待があるのかも。
稀代の逸材にして稀代の逸失……

今回、珍しくと言うべきか木崎が出張っている。
花山の側近と言えば木崎だが、昨今はすっかり千春にその座を奪われている。
ピクルに右腕を潰されてからその安否がわかるまでけっこう気を揉んだものだ。

なので、今回の鍵を握るのは木崎かも。
一見適当そうに見えるジャージだが、その正体はアラミド繊維!
これで花山の盾となるのだ!
やる気のないジャージには意味があると思いたいところだ。
これじゃただの国立大学の兄ちゃんだよ。ヤクザでも何でもないよ……