何か今更という感じもするが、守護者本部が動けない以上、警察が守護らねばならぬ。
警察が守護れたことはないのだが。
精々刃牙を100人の不良から守護ったくらいですかね……
「いいぞ」
「脚だ」
「外すなよ」
冷や汗をロクに流さない鋼鉄メンタルの男、捜査一課警部補の大塚平兵衛は部下に脚を撃つように命じる。
見事な冷静さ、そして、冷徹さだ。
だが、この命令に部下は冷や汗を流す。
平兵衛は覚悟完了していたのだが生憎部下はそうでもないようだ。
部下は拳銃を構える。
構えるものの動かぬ相手に撃つのは平時はやらないことだ。
そして、普段やらないことを緊急時に行えるかとなると否である。
平兵衛の精神は既に戦場であったが、部下はまだ日常にあるのだった。
その部下の躊躇いを武蔵はかんざしらしき物を投げて狙い撃つ。
顔面に軽く刺さる程度のダメージだが、緊張状態にこんなことをやられれば大混乱だ。
よろめく部下に平兵衛の視線は移動する。
その隙を狙って武蔵は前に出て人差し指一本拳で平兵衛の片目を奪う。 初手より急所狙いである。
武蔵の方が圧倒的に戦いに慣れているのであった。
そして、狙いは拳銃を持った部下ではなく大将である。
この一連の流れでここにいる警官は指示がなければロクに動かないと武蔵は悟ったのだろうか。
だとしたら実に有効な一打だ。
数々の戦場を潜り抜けてきただけあり、その行動は実に戦い慣れている。
ともあれ、ついに武蔵が暴行を働いた。
公務執行妨害の現行犯である。
これに対して警察が取った行動はこれ!
囲んで掴みかかる!
……まぁ、拳銃を撃つなんてことは普段はやりませんからな。
掴みかかることが犯罪者に対する精一杯だ。
これを見越して平兵衛を狙い撃ったとしたら見事だ。
相手の強みを受け止めるのではなくあらかじめ潰すのが武蔵の戦い方である。
本部に負けてもそれは健在なのであった。
本部の時は練習試合だからと好き勝手やらせすぎた。
襲いかかる6人の警官を武蔵は無刀で首を斬る。
実際に当てたのか、あるいはエア斬りなのかはわからない。
ともあれ、全員が倒れて後に首が飛んだと語る。
もしかして、無刀は相手の思い込みを利用しているのか?
勇次郎の服が斬れたのも並外れた勇次郎の精神力もとい妄想力を逆に利用したとか……
「イヤ抜いちゃいねぇよ」「抜くのはもっと後のことだ」
片目を潰された平兵衛はこう語る。
今は刀を抜いてはいないが後に抜くことになると。 外出した以上は刀を使うような強敵と相まみえるらしい。
……花田か? 花田だな!
師匠の仇討ちだ!
「自分の前に
「味方が」「障害物と化していたと」
さらに残った6人で武蔵を取り囲むのだがまったく敵わない。
それは味方が障害物となり一斉に襲いかかれなかった武蔵の立ち回りによるものであった。
対多数と戦う合戦慣れしている武蔵ならではの立ち回りである。
本部ならこうはいくまい。
マウスがこの場にいてもまったく敵わないことが予想される。
アイアン・マイケルとは格が違うのだ!
当たり前なのだ!
こうして平兵衛は敗北する。
鋼のメンタルを見せたから少しは期待したが部下がダメだった。 覚悟完了している武蔵に対して普通の警官では分が悪すぎた。
スペックと戦った特殊部隊がいればもう少しだけ前線できたかもしれない。
もう少しだけ。
こうして敗れ去ったものの武蔵は尾行中であった。
まだまだ波乱はあるらしい。
警察の新たなる刺客か、それとも本部の後継者か。
いや、烈の仇を取るためにボクサーが動き出すかもしれない。
ほら、アイアン・マイケルが唐突に再登場して唐突に酷い目にあったみたいに……
次回へ続く。
警察、全然ダメ!
まぁ、機動隊でさえ役立たずなのだから、普通の装備の警察じゃ武蔵に敵うわけがない。
ではどうやって捕まえるのか。
警察関係者と言えばオリバだけど、フィジカル最強のピクルが敗走したわけだし分が悪い。
オリバだって斬られれば斬れますよ。
渋川先生もエア斬りとはいえ問答無用に一刀両断されている。
警察の秘密兵器はもうないのだ。
それにしても対複数の立ち回りとかは今じゃなく序盤でやって欲しいエピソードでしたな。
むしろ、刃牙道序盤で警察をなぎ倒したエピソードを今回のにしたらいい感じだ。
いや、ここで序盤のシーンと今回のシーンを繋げる!
間のエピソードの時を全て飛ばす!
これによって烈は生存するのだ。
タイムリープならぬタイムデリートで烈を救え!
なお、この案の欠点は本部が実は強いという事実が消え去ることだな。
いや、その方が自然かもしれない。
勇次郎を翻弄し、刃牙を手玉に取り、ジャックを打倒し、武蔵を守護る本部なんて本部じゃない。
勇次郎にビビって、刃牙にアドバイスして、ジャックを人間じゃねえと形容して、武蔵の解説をする方が本部らしい。
今こそタイムデリートの時だ!