刃牙道感想 第147話「非日常(ファンタジー)」



武蔵がまた人を殺めた!
ちょっとやりすぎですよ、武蔵さん。
もうちょっと平和な解決はできないのだろうか。
無刀とか……

岩間が首を斬られて斬殺された。
人が首を斬られて死ぬという異常事態に加え、相手が宮本武蔵という歴史上というよりも伝説上の人物という異常事態……
結果、機動隊は身動きが取れなくなっていた。
動いていたら死体が増えていたところだから、これが正解かもしれない。

「こう月が冴えわたると――」
「斬りたくもなるわ……」


武蔵は邪悪な笑みを浮かべる。
やっぱり斬りたがり屋のようだ。
晩年に無刀に目覚めたけど、現在の肉体年齢、31歳の頃は斬りたがり屋で今は精神が肉体に引っ張られているということだろうか。
相手が武器を持っていると斬りたがるのかもしれない。
ピクルは素手だったけど。

「「頭」を失った軍勢……」「もはや「軍」とは呼べぬ」
「統率の取れぬ百人に」「「数」の威力ちからはない」
「「一人」が百あるだけ」


岩間の死によって機動隊は統率を完全に失っていた。
元より岩間だけが動いていた状況だ。
こうなるのも道理であろうか。

そんな中で武蔵は機動隊の一人に例の身体が溶ける歩法で一気に近寄る。
そして、盾を短冊切りにした。
徳川邸でやった演舞でも盾は斬っている。
これくらいは朝飯前ということだろうか。
グラップラーでも素手で余裕で破壊できるだろうし、紙切れ同然である。

機動隊にとって盾は防具だけではなく武器としても用いる。
その盾が破壊されたとなると機動隊は武器と防具の双方を同時に失ったも同然だ。
最新の装備がまるで役に立たない現実に機動隊は驚愕するのだった。

ここで武蔵は岩間を運ぶように機動隊に言う。
殺した上で気遣いする余裕があるのだった。
あるいは気絶させた岩間への敬意だろうか。
この言葉に従って機動隊は担架で岩間を運ぶ。
武蔵の捕縛するためにまったく動かない。
隊長が斬られ盾も斬られ、完全に心が折れたのだった。
「別れいッッ!!!」

武蔵の一喝に従い機動隊は道を開け、その真ん中を武蔵は歩き出す。
国家完敗!!
いや、完敗なのか? 負けちゃったのか?
ともあれ、機動隊との戦いは犠牲者が2人も出た惨敗に終わった。
武蔵の暴走を止められる人間は現れるのか。
次回へ続く。


機動隊、敗北!
負けるのは当然ではあるが、痛ましい犠牲者が2人も出てしまった。
これでもう殺人者として追われることになる。
もっとも止められる人間が警察関係者にはいなそうなのだが。
渋川先生も今の武蔵とはやりたくあるまい。
マグマってレベルじゃない幻覚が見えるぞ。

もう手段を選ばないと狙撃と言った手を使うのだろうか。
これなら武蔵に通じるかもしれない。
わりと攻撃が受けるのが武蔵だし、狙撃も喰らってしまいそうだ。
そして、致命傷になるのは間違いない。

が、狙撃はバキ世界においてタブーとも言える行為である。
勇次郎だって銃弾を受ければ倒れてしまう。
強さの概念を揺るがしてしまうのだ。 武蔵なら何とかなるかもしれないが、このタブーに触れると収拾が付かなくなる。
刃牙道になって素手よりも武器が強いとわりとタブーに触れている感もしますが。

やっぱり、刃牙しかいない。
刃牙に未来を託さざるを得ない。
刃牙くらいしかこの危機を救える気がしない。
刃牙には強引にオチを付ける能力があるとも言える。
今、連載史上、もっとも刃牙に期待が集まっているかもしれない。 こういう時に限って働かないのも刃牙なのだが。
出番が遅いのは主人公らしいけど、出番がないのは主人公らしくないな……