迫るけど、大丈夫っすかね。
反応するだけなら稲城文之信にも出来た。
武蔵なら楽勝だろう。
うーん、ピクルもそうだけどタフネスで受けるタイプは日本刀を使う武蔵とは相性が悪そう……
「この若者の背後――――」
「何故白い」
花山が武蔵に闇を感じていたのに対し、武蔵は花山に白さを、輝きを感じていた。
これはかつて見た刃牙、ピクル、勇次郎、渋川先生とのどれとも違う光景だった。
あ、渋川先生の花畑って比喩とかじゃなく本当に見えていたんだ……
渋川先生の護身が花畑として現れているのだろうか。
「「構え」…………?」「これが……??」
「これでは……なにも
花山の構えを見て武蔵は率直な感想を漏らす。
この何も防げない構えからタフネス勝負を挑むのが花山の戦い方である。 でも、今回は相手が悪い。刀は怖いし痛い。
斬りかかったら、毒針を使ったら、爆薬を使ったらどうする気なのかと、刀を使う武蔵の方が困惑するくらいのノーガードである。
「無垢な……」
「なんと
「そしてあまりに雄々しいッッ!!!」
さらに花山は背中を見せるくらいに振りかぶる。
隙だらけである。
この隙だらけの構えに武蔵は綺麗ささえ感じていた。
ぶっちゃけると武蔵の戦い方は汚い。
素手の相手や殺し合いに慣れていない相手に斬りかかるのはちょっと引く。
それに対して素手で技を使わずフンドシ一丁と花山の戦い方は堂々過ぎるほどだ。
この差が輝きとなって武蔵を責めているのだろうか。
しかし、それなら同じく素手で技を使わず短パン一丁のピクルにも感じていいのに。
ピクルにとって闘争は食事のための手段だから純度が若干下がってしまったのだろうか。
あまりの眩しさに武蔵は目を閉じてしまう。
そして、花山の拳が顔面に当たった!
まさかのクリーンヒットである。
とりあえず、一発は無事に当てられたようなので良かった。
次回へ続く。
花山のパンチが当たった!
しかし、花山のパンチは通じるのだろうか。
克巳を苦しませる時があれば、ガーレンに通じない時もあるし、スペックに大ダメージを与えることもあるし、勇次郎には鼻血を流させるのが精一杯だった。
うーん、どうにも信用ならん。
特にガーレンに通じなかったのがデカい。 本部に負けるようなものですよ。
対して武蔵のタフネスはどうなのか。
こっちもこっちで安定しない。
烈のカウンター浴びせ蹴りを擬態で済ますことがあれば、勇次郎の平手で気絶することがあると思えば、ピクルのパンチを受けても顔面が砕けなかったこともある。
花山よりもフィジカルに優れているピクルのパンチを受けても平気だったというのは大きい。
あれは斬りかかったことでピクルの勢いを殺したというのもあるかもしれないけど。
ともあれ、互いに攻撃力と防御力がどうにも信用できない。
胡散臭いもの同士でぶつければどうなるのか、どうなるんだろう。
少なくとも吹っ飛ばすことはできるだろうし、花山はその隙に刀を折るとかできないだろうか。
そういうことを考えないからこその綺麗さなのか?
しかし、こういった印象を抱かせるのは本来主人公の、刃牙の役目ではなかろうか。
無垢さとか純粋さとか……
刃牙とはまるで無縁なものでもあるけど。
もしかして、刃牙も花山と対峙すれば同じ輝きを見たりして。
その上で眩しさに目を閉じるどころか、泥をかけるのが刃牙のスタイルなのである。覚えておこう。