こういう伝統に味わいを感じさせるのが金子彰史。
第5期は手紙とかにして自爆しようそうしよう。
「――ごめんなさいッ!」
「対消滅の際に生じる反動のせいでギアのメンテナンスになってしまって……」
早速、用語集で触れられた愚者の石はシンフォギアにとって遺物であるという設定が回収される。
対消滅バリアの反動によってイチイバルとアガートラームは使用できなくなるのであった。
数時間で搭載したシステムには問題があるのは当たり前か……
シンフォギアはノーリスクで強化できるわけではなく、押っ取り刀には押っ取り刀なりのリスクが伴うのであった。
この辺、リスクリターンの相互関係に気を遣うのが金子彰史。
融合症例に死の危険を伴わせたりとか。
クリスがナニかを大きいと謎の自己主張をしながら今回も戦姫絶唱シンフォギアXDU(訓練の意)。
この訓練装置、原理が非常に謎い。
明らかにトレーニングルームの面積以上の場所で戦っていたりとホログラムだけでは説明が付かない。
用語集! 用語集で説明しろ!
「呼吸を合わせろッ!」
「――月読ッ!!」
今回は翼と調のコンビで訓練している。
ユニゾンの訓練は継続中のようだ。
というわけで、防人、クロールアルカ・ノイズ(XDの名称)を調にシュゥゥゥーッ!!
超! エキサイティン!!
「――速いッ!?」
超……エキサイティン……?
タイミングが合わず連携失敗である。
今のが実戦でなくて良かったな、実戦だったらお前死んでるぞ。
切歌との連携はジャイアントキリングを果たすほどに見事である一方で、切歌以外との連携はいまいちであった。
前回のラストで表情に曇りがあったのはそういうことだろうか。
「切ちゃんとなら……合わせられるのに……」
【助かりました】【助かりました】【助かりました】【助かりました】
こんな薄い本がロクにない色気ゼロ劣情ゼロの防人となんかやってられるか!
薄い本でけっこう人気の切ちゃんとやらせてもらう!
そんな魂の愚痴が聞こえてくるようである。
というわけで、防人、お断り。
チクショウ、お互いに壁なのに……
防人は作画の都合でボインボインになることがたまにあるのが不味かったか?
「調君は翼のリードでも合わせられずか……」
調は切歌以外と連携が取れなかった。
翼でも無理である。
翼でもぉ? あのブチギレ防人がぁ?
まぁ、技量経験共に装者最強クラスなので、未熟な調のフォロー役としてはいいかもしれない。
もっとも、フォローしきれないようだ。
真っ当な美少女かつ汎用性の高いギアだが、いざ戦闘となるとそうもいかないのだった。
むしろ、汎用性の高さがスタンドプレーを助長しているのかも。
「こんな課題、続けていても――」
防人なんかやっていられるか! 俺は一人でやらせてもらう!
とアルカ・ノイズを一人で倒していく。
一見静かのようで実は激情の人が調なので周りと合わせるのは苦手なのであった。
相方の防人は一見クールのようで実は防人なので似た者同士だが、だからといって合わせられるわけではないようだ。
そんな時、つむじ風が巻き起こる。
お、忍者かな?
「緒川さん……?」
「微力ながらお手伝いいたしますよ」
忍者だー!
弦十郎だけでなく緒川さんも訓練の場に立つ。
OTONAたちが大暴れである。
調が緒川さんと呼ぶのは新鮮だ。
命を救ってもらった恩があるし一定の敬意はありそうだ。
XDの和装ギアでは調は忍者になっていたし、見えないところで繋がりがあるかも?
「そのワザマエは飛騨忍軍の流れを汲んでいる」
「力を合わせねば影さえ捉えられないぞッ!」
シンフォギアを以てしても協力なしでは影さえ捉えられないと言われた。
緒川さんの弟子という側面もある翼が言うのだから決して誇張表現ではないのだろう。
緒川さんの実力は適合者一同が存じているところだが、シンフォギアを以てしても手こずる相手なのは驚きだ。 というか、第1話でシンフォギアと作戦行動を共にした以上は納得だ。
さて、飛騨忍軍って某漫画ですか。
Gで忍者設定が浮き彫りになった時点で飛騨と判明していたので、改めて設定を固めた形である。
甲賀や伊賀のメジャーどころでないので、さすがに忍者全盛期でも緒川さんほどの尋常ならざる使い手は少なかったようだ。
というか、多いと困る。ヤバい。
「調ッ! 無限軌道で市中引き回しデスよッ!!」
「うんッ!」
市中引き回しとは常識人、過激である。
多分、意味わかってない。
この言葉で曇っていた調の顔にも笑顔は戻る。
多分、意味は考えず切ちゃんに声をかけてもらったことが嬉しいだけ。
「――隙だらけッ!!」
さて、緒川さんとの訓練が開始される。
何発かかわされてしまうが隙をノコギリキックで突こうとする。
遠慮がまるで感じられないのは弦十郎に何もせず倒された影響だろうか。 あの一件からOTONAには手加減無用と
「――嘘ッ!?」
「――僕はここに」
しかし、それもかわされた上に後ろに回り込まれてしまう。
これが実戦ならここからの当て身で勝負ありである。
緒川さんは相手がシンフォギアでも防戦なら渡り合えることが判明した。 弦十郎はシンフォギア相手に勝てる人間なのに対し、緒川さんはシンフォギア相手に負けない人間なのである。
どっちもおかしい。そりゃアルカ・ノイズが必要になるわけだ。
そんな緒川さんも第1期ではフィーネさんには完敗したが、あれは未来という防衛対象がいたからか。
緒川さんだけのタイマンなら勝てずとも時間稼ぎはできそうだ。
この人、どうしてこうなっちゃったんだろう……
イケメンな良識人でもけっこうキャラが立ちそうなのに、忍者でトドメを刺しおって……
で、ヨーヨーで攻撃するとまたかわされる。
何ですかね、この人。
いや、本当。
「追いかけてばかりでは追いつけませんよ」
追いかけてばかりでは追いつけない。
矛盾した言葉であるが、装者を上回る技術を持つ緒川さんが言うと深い。
先ほどから調の攻撃は如何に速くても直線的な物ばかりである。
第7話でやったようなヨーヨーを引き戻して攻撃するような変化球がない。
それでは忍者に通じないのも道理か。
……うん、おかしくない。忍者に並みのシンフォギアは通じない!
ところで面白い動きは止めてください。
面白いから。
(切ちゃんはやれてる……誰と組んでも……)
(でも、わたしは、切ちゃんでなきゃ……ッ!!)
(独りでも戦えなきゃッ!!)
焦りだらけの調の攻撃は緒川さんを捉えられない。
切歌と共に戦えればいいのだが、敵の作戦上、それを封じられる可能性は高い。
というか、実際に封じられた。
ここで切歌に固執せず、狭量とはいえそれ以外の答えを探そうとする姿勢に調の成長が見られる。 調も成長しているのだ。胸以外は。
「連携だ、月読ッ! 動きを封じるためにッ!!」
「だったら面で制圧ッ! 逃がさないッ!!」
「ダメです、調ッ!」
「むしろ、逃がさないと――」
しかし、狭量には変わりなく訓練の目的、協力して緒川さんを捉えることを忘れてしまう。
相手はこれで生身。これで生身。これで生身。
大事なことなので3回言ってみたけど全然実感が湧かない。
ともあれ、生身が相手なのだから常識人の常識的なツッコミのように逃げ道を用意しないといけない。
さすがに直撃すれば死ぬ。弦十郎なら直撃しても耐えそうだけど緒川さんは無理だろう。
忍者は防御力が低いのがお約束。
「ドエライ事故です……ッ!!」
鏖鋸
-KO-
一発一発が軽そうなα式・百輪廻だったが人間一人を真っ二つにするほどの威力があるのだった。
あーん! オガ様が死んだ!
くすん……忍者殺すべし慈悲はない……
「――思わず空蝉を使ってしまいました」
「力はあります。後はその使い方です」
だが、空蝉!
緒川さんは回避に成功していたのだった。
しかし、心臓に悪い。
だからこそ、熱くなった調をCOOL!COOL!COOL!にできたわけだけど、心臓に本当に悪い。
15歳の少女にとってはトラウマ物だよ。
(あれはいつかの私だ……)
狭量になって、手を取り合うことを忘れ、自分一人で戦い、結果、傷付いてしまう。
それは言うまでもなく第1期の頃の翼の姿である。
翼と調は意外な組み合わせのようで強力な共通点が存在していたのだ。
クールのようで直情的だとか、相方とイチャイチャするとか、そういった部分も似ている。
だからこそ、頭越しに責めることはせず、とりあえずは見守っているのか。
第1期の頃はクリスに対してうるせえ!協力しろ!とムキになっていたのが嘘のようだ。
風鳴翼、マリアに負けないほどの装者たちのまとめ役となっている。
まぁ、ムキになって無茶をやっている防人も面白いんですけどね……防人語の比率が上がるし。
「これで各装者のユニゾンパターンを全て試したことになりますが……」
「調さんだけが、連携によるフォニックゲインの引き上げに失敗しています」
そんなわけでユニゾンは調だけが失敗しているのだった。
他の組み合わせでは成功、つまり、OPにない響+翼や響+クリス、響+マリアなどと言った組み合わせにも成功しているということか。
それはそれで見てみたいが、エレガと声優が死ぬので第5期に期待する方向で。
調だけがユニゾンに失敗しているとなると、調だけが戦力的に落ち込むことになる。
ただでさえ適合係数が一番低い調としてはたまったものではないし、だからこそ焦っているのだろう。
前回のラストで表情が曇っていたのもユニゾンが失敗したことが影響しているのか。
安易に切歌に頼らない姿勢はいいのだが……
「曰く『神いずる門』の伝承――」
「『神』……パヴァリア光明結社の求める力……」
八紘は神社本庁、レイラインの観測について関係する機関から伝承についての情報寄与があったと連絡する。
メッチャ土着感。パヴァリア光明結社、日本に神の力の秘訣がありました。
これに関しては日本人はシュメール人の血を引くという俗説がある。
オカルト大好きなシンフォギアでもこの俗説が反映されているのか、フィーネ因子の持ち主は日本人が多いとされている。
というわけで、その辺の繋がりで日本に錬金術のあれやこれやがあるという設定が成り立つのであった。
なかなか難度が高い設定だな! ムーをもっと読まないと……
「気分転換も必要かもしれんな……」
弦十郎の気がかりは調であった。
弦十郎は一騎当千シンフォギア世界最強のOTONAでありつつも、子供を気遣う大人でもある。
激戦激闘続きで心の整理が着かないのも調の迷走に影響しているだろう。
というわけで、お母さんの運転によって旅行開始ィ!
マリアさんの運転なら絶対安心。安心の旅行が約束される。
ただし、堂々の黒塗りの車だけど。
まぁ、防弾処理とかしているだろうし、装者の安全を考えると若干重苦しい車になっても致し方ないか。
そして、切ちゃん、アホ面。
何でこんなにアホになってしまったん?
「埼玉県の、『つき神社』?」
「そこに何かあるの?」
「多くの神社はレイライン上にあり、その神社も例外ではありません」
「さらに『神いずる門』の伝承があるとすれば――」
「つまり、差し手の筋を探ることで逆転の一手を打とうとしているわけね」
とはいえ、これは任務。
埼玉県のつき神社へと向かうのだった。
つき神社はレイライン上にあり、なおかつ神いずる門の伝承がある。
そこからパヴァリア光明結社の目的が探れると踏むのだった。
キャロルの時は敵の真意を探れないまま、とんでもないことになった。 その反省から目的を探ることに重点を置いているのだろう。
そして、マリアの将棋好き設定が反映された台詞である。
つまりと言っているがむしろわかりにくい。
アホに徹する切歌と物思いに耽る調である。
バランスが取れているな!
今まで2人の悩みや葛藤はセットとなっていたのだが、AXZにおいては違う葛藤を抱えていることがわかる。
調には調の悩みが、切歌には切歌の悩みがあるのだ。
……ん? 切ちゃん、悩みあるんか、コイツ。
LiNKER問題が解決してからは脳味噌がぽろりと抜け落ちたようなアホ面ばかりになったような……
「これ、何て読むのデスか?」
「つくよみ、しらべだって」
F.I.S.における切歌との出逢いを思い起こす。
切歌、この時点で既に語尾がデス。
F.I.S.で訓練していたからって語尾がデスになる常識人はいないよ。
というわけで、名前の読み方から2人の出逢いは始まったのだった。
まぁ、調は子供には慣れ親しみのない言葉か。
暁に切歌もなかなかだとは思うけど。
「調……」
「ヤジロベーみたいでイカすデスッ!!」
切歌、この時点でセンスが常識人。
な、何がイカすんだ……?
逃げろ、調ェ! これは常識人攻撃だァー!
「本当の名前は思い出せなくて……」
「ここの人たちが持ってた物から付けてくれた」
調がF.I.S.に拉致された事故が描かれる。
事故によって記憶を失ったのか、あるいは物心着く前に事故に遭いそれでF.I.S.に拉致、この時点の調はそれから数年後の姿なのか。
いずれにせよこの事故で両親の命は失われたのはカバンにこびりついた鮮血が物語る。
そのカバンに付けられたお守りに書かれた『調』という言葉から、月読調という名が与えられたようだ。
調だけでここまで広げられるとはオシャレである。センスがある。
F.I.S.って本当に米国なんデスか?
マリアが将棋好きの時点でちょっと疑わしい。
国籍不明のF.I.S.装者だがマリアは東欧人、調が日本人だと判明した。
そして、切歌は常識人。
常識の国からやってきたデース()
「アタシの誕生日もここに来た日にされたデスッ!」
「似た者同士仲良くするデスッ!!」
切歌の誕生日、4月13日はF.I.S.に来た日から決められたようだ。
これも失念していたからだろうか。
切ちゃん……もしや誕生日を覚えていない子……
もっとも、孤児だったとか何か仕込んでいるものがあるかもしれないので油断できない。
これが2人の出逢いだった。
劇的な出逢いではなかったが、切歌の底抜けのアホ……いや、明るさが孤独な調の救いになっていたことは間違いない。
そりゃ惚れますよ。デデデース。
「――調ッ!」
「どうしたデスか、調」
「ノコギリじゃないから車酔いデスか?」
「ううん、何でもない」
そんな暁切歌の奇妙な常識は時を経ても健在。
ノコギリじゃないから車酔いって言いたいことはわかるけど言っていることはおかしい。
というか、ノコギリは乗り物じゃ……いや、言うまい。
一方、調は自分の迷いを切歌には伝えない。
切歌に話してどうにかなるものでもなさそうではあるけれど。
そんな調の苦笑いを見てぼっちバイカーの翼は何か思うものがあるようだ。
これで繊細なのが翼だし調の態度にも思うものがあるのだろう。
仲間を気遣えるようになったのは成長した証拠である。
胸は成長していないけど。
「およー……ここ、狛犬じゃなくてウサギがいるのデスッ!」
さて、つき神社に到着。
うさぎ推し神社であった。
切歌、早速奇声を上げる。
常識を焼却する力量は年々向上している!
アホな切ちゃんと比較すると調は相変わらず暗い。
切歌はそれが気がかりなれど、あまり干渉しない。
お互いにお互いの悩みに触れていない。
この2人は仲が良い一方で昔からそういう部分がある。 だから、Gでこじれたり、GXですれ違いが起きた。
ただ今回の悩みにはお互いがあまり関係ないのが、今までの悩みとはやや異なる。
無理に触れないのは互いにそうした認識があるからだろうか。
「ウサギさんがあちこちに……可愛い」
つき神社にはマリアさんもご満悦。
こういう人並みの感性があることにちょっと驚く。
シンフォギア世界の住民は美少女を見ても「わりと可愛い」で済ますし。
そうか、可愛いという感情があったのか……
何だろう、この猛烈な違和感は……
「話には窺ってましたが……いやぁ、皆さん、お若くていらっしゃる」
ここで優しそうな容姿の宮司さんが現れる。
そう! 装者は若いのだ!
マリアさんだけ22歳! マリアさんだけ22歳! マリアさんだけ22歳!
装者たちの事情をある程度把握しているだろうけど、柔らかく向き合うのに人柄が窺える。
子供を子供と向き合うことに大人らしさがあるのだ。
マリアさんは22歳だけど! マリアさんは22歳だけど! マリアさんは22歳だけど!
「皆さんを見ていると娘夫婦の孫を思い出しますよ」
「生きていればちょうど皆さんくらいの年頃でしてなぁ」
「おいおい、あたしら上から下までわりとバラけた年齢差だぞッ!」
「いい加減なこと抜かしやがってッ!!」
「冗談ですとも、単なる小粋な神社ジョーク」
「円滑な人付き合いに不可欠な作法です」
「初対面ではありますがこれですっかり打ち解けたのではないかと」
「むしろ、不信感が万里の長城を築くってどういうこった……」
神社ジョーク、けっこう重いな!
宮司はお茶目な部分も持っているのだった。
……ジョークの使い手ということはアウグストかな?
ともあれ、打ち解けたのは事実のようだ。
クリスがわりとサクサクと付き合っているし。
コイツ、第1期では暗黒聖闘士としてツンケンしていたんだぜ……嘘みたいだろ……
「ところで皆さんは氷川神社群というのをご存じですかな?」
「これは……オリオン座?」
氷川神社群とは実際にあるもので、いろいろと諸説があるようだけど神社の配列がオリオン座に似ているというものである。
マニアックな知識なのは疑いようもなく、こういうのを平然と組み込んでくるのが金子彰史の恐ろしいところ。
星図は音譜でもあるのだから地脈とも関わりがありそうで、全然わかりません!
「正しくはここつき神社を含む周辺7つの氷川神社により描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうか」
「受け継がれる伝承において
「この門より神の力がいずるとされています」
氷川神社群にはアラハバキが関わっているという説がある。
その辺りからネタを引っ張って神の力が氷川神社群に隠されているとしたのだろう。
欧州の秘密結社が東洋の神話を追い求めるという妙にワクワクする濃密な設定をぶちまけやがって……
というわけで、この付近に神の力がある! ……かもしれないと相成る。
こういうところまで調べないといけないS.O.N.G.とその関係組織の大変さが窺える。
月刊ムーを読んでいそう。
「憶測と推論に過ぎないが……それでもパヴァリア光明結社の狙いと合致する部分は多く無視はできない」
「神いずる門……」
オカルトにもほどがあるが、神の力という記述にレイラインとパヴァリア光明結社の影が見えるのも事実。
関連性が薄いと見て気分転換が第一だったのかもしれないが、符号の一致からそうも言っていられない状況になってきた。
これで設定オタクを否定する金子彰史という人が怖い。
いや、あれは不必要な設定のための設定を作らないという意味なんだろうけど……
「わたしの中に獣がいましてですね……」
今回のWAネタ、WA4のユウリィの台詞である。
やはり、WA4が……
WA4以外のネタがあるのでWAネタが出たからと元ネタWAがわかるわけではない。
「では、晩ご飯の支度をしましょうか」
「私の焼いたキッシュは絶品ですぞ」
「そこは和食だろッ! 神社らしく」
宮司は神社ジョークで装者たちを翻弄していく。
しかし、キッシュ……ちゃんと作ろうとすれば手がかかる……
それを初老の男が作る……料理に慣れている……
娘夫婦が事故で亡くなったという話に真実味が出てきた。
神社ジョークは重い。
クリス、脳天気に突っ込んでいる場合じゃないぞ……
「あのおたんちん……」
「元詐欺師が一人で格好付けるからこうなったワケダ」
一方、復活したプレラーティは理想に倒れた友に乾杯する。
静かな、けれど熱い友情を感じる。
カマホモたちはサンジェルマンへの想いだけなく、カマホモ同士の友情で繋がっていたのだ。
紙パックの牛乳だけど。
静かで熱い友情を物語るシーンなのに紙パックの牛乳でオチを付けるのは止めろぉ!
せめて低温殺菌の瓶の牛乳にしろぉ!
「大祭壇の設置に足りない生命エネルギーはあーしたちから錬成する」
「仲間に犠牲を強いるアダムのやり方は受け入れられない」
「きっとアイツは他にも何か隠してる」
「ま、女の勘だけどね」
前回、燃え尽きたカリオストロはアダムの思惑を知る限りではあるが伝えていた。
カマホモは有能であった。
横の繋がりが強い3人であった。
縦の繋がりが最悪かつ横も横でサンジェルマンが放置気味だけど。
しかし、テメエ、カマホモだろうがぁ!
「女の勘ね……」
「生物学的に完全な肉体を得るため、後から女となったくせにいっちょ前なことを吠えるワケダ」
「だけど、確かめる価値はあるワケダ」
あ、突っ込んでくれたワケダ。
ともあれ、仲間であり友の死を無駄にする気はないのだ。
たやマったサンジェルマンを救えるのはプレラーティだけなのだ。
間違って本家たやマは救うなよ、あの人、最近はそこまでたやマっていないし。
「門よりいずる神の力か……」
「皆の協力もあって神社所蔵の古文書よりいくつかの情報が得られました」
「敵がレイラインの利用した計画を進めているとすれば、対抗手段となるのはやはり要石かと」
夜になり翼は弦十郎の調べたことを報告する。
GXでボコボコ壊された要石が必要と推測する。
AXZは旧作のキーワードが再登場することが多い。
決め手がイグナイトなのはGXと変わらないし、実は前作との繋がりが一番濃いかも。
AXZは新しいことをやる以上に旧作の要素の味わい方を変えている印象があるのであった。
一方で装者たちの寝相はこちら。
クリスぅ! 食べ方だけじゃなくも寝相も汚えぞ!
胸の谷間を堂々と披露。
もうちょっと、こう、自分のボディのことを知ってくだしあ。
一方、響はちょっと乱れているけど常識の範囲内。
常識人は抱き布団。いつもは調と……いや、言うまい。
マリアさんは寝落ちしたのだろうか、地図を手にしたまま寝ている。
あ、頭の謎の†、取り外してる。
外している姿は見たことあるけど、外した†を置いているのは始めてだ。
そうか、あれは概念存在とかじゃなくて普通の髪飾りか……
「要石――キャロルとの戦いでいくつかが失われてしまいましたが……」
「それでもレイラインの安全弁として機能するはずです」
要石が失われたものの未だに効果に期待はできる。
残った要石を防衛する?
しかし、風鳴邸の散りようを思い出すとあれは守ってもすぐ破壊されそうな……
FF5のクリスタル並みに壊れやすい。
破片でも拾ってジョブチェンジしておこう。
オススメはストライダー! 弱い!
さて、布団にいなかった調はゲロを吐くうさぎの像を静かに見つめていた。
なかなか悩みが持続するタイプである。
シンフォギア装者は皆が皆、そういうタイプであるのだけど。
その点、表面上だけとはいえ迷いを吹っ切っていたクリスは頑張ったと言えよう。
めんどくさい子代表から無事卒業だ。
「おやおや、こんな夜更けに散歩とは」
そこに宮司がやってくる。
調、顔を背ける。
態度、悪!
調はあまり面識のない人には厳しかった。昔の響とか。
「一人で何とかできます」
「それでも口に出すと楽になりますぞ」
「誰も独りでは生きられませんからな」
「そんなのわかってるッ!」
「でも、わたしは……」
宮司は悩みごとがあるのかと聞くとわりと全力で突っぱねる。
宮司に対して厳しい。
この人見知りめ……
見知らぬ人に対して壁を作る傾向にあるのだった。
まして大人となるとF.I.S.で嫌な経験からなおさら避ける傾向があるのかもしれない。
いけない! 調にクリス菌が! AXZのクリスは思ったより発症しなかったから調に伝染した!
「若い方には馴染のない作法ですかな」
「何か……めんどくさい」
「これはこれは」
「しきたりや決まり事、誰かや何かに合わせないといけないって、よくわからない」
それでも調は宮司と話すことにした。
この辺、上手く包み込むのは年の功によるものか。
調は参拝の作法、二礼二拍手一礼をめんどくさいと言うと態度が悪い。
DQNになりおって……最近の切ちゃんがそういう属性を抑えめにした結果、調に伝染してしまった。
でも、それを真似て二礼二拍手一礼をちゃんとやる調はいい子。
許そう……
「合わせたくっても上手く行かない」
「狭い世界での関係性しかわたしにはわからない」
「引け目が築いた心の壁が大切な人たちを遠ざけている」
「いつかきっと……親友までも――」
調は壁を作りがちな自分を語る。
本心ではみんなのことが大好きだが、なかなかそうはいかない。
激情の人だけに他の装者と自分をどうしても比較しがちでそれが壁を作る要員となっているのか。
また、オンリーワンだったユニゾンが自分だけのものでなくなった上に、番いの切歌が他の装者とのユニゾンを成功させた結果、劣等感がより強いものとなり壁が大きくなってしまった感がある。
調もまた多感なわりと可愛い少女なのだ。
なお、その親友はアホ面を晒している模様。
わりと可愛い。
「あなたはいい人だ」
「いい人?」
「だったらどうしてわたしの中に壁があるのッ!?」
「壁を崩して打ち解けることは大切なことかもしれません」
「ですが壁とは、拒絶のためだけにあるものではない」
「私はそう思いますよ」
ここで宮司は調の壁を拒絶のためのものではないとむしろ肯定する。
初対面ながら宮司は調の皆への気持ちを理解していた。
ミサイルを素手でキャッチしたり空蝉の術を使ったりはしないが、誰かの気持ちを静かに汲み取るいい大人である。
洸よ、これが大人だ。
そういえば、洸は何しているんですかね……
「ねえ、アタシ人間になりたいッ!」
「藪から棒だね、いつにもまして」
「神の力が手に入ったらアダムと同じ人間になりたいって言ってるのッ!」
「人形のままだとアダムのお嫁さんになれないでしょッ!」
「子供を産んで、ポコポコ産んで、野球チームを作りたいのよッ!!」
さて、アダムとティキはイチャイチャしていました。
全裸の筋肉ダルマに孕みてえと言い出すロリ人形……
絵面が犯罪だ! もとい最悪だ!
そりゃ2人揃って嫌われますよ。何このHENTAI。
ティキの夢は人間になることだった。
錬金術があればわりとワンタッチに見えて、そうもいかないのが現実のようだ。
この人間になりたいという夢には何らかの意味がありそうだが、アダムの股間並みに真意は見えない。
ついでに野球チームという下りはWAでも使われている。
大人数を例える時に野球チームを使うのが野球好きの金子彰史。
「だからぁ、さっさと三級錬金術士共を生命エネルギーに変えちゃってさぁッ!!」
「その話、詳しく聞きたいワケダ」
性格、悪!
かわいげもクソもない性格の悪さを爆発させていたらプレラーティが割り込む。
確かめようとしたら初手から地雷を踏んでしまった。
さすがに動揺するプレラーティだった。
もぅマジ無理……退職しょ……
「繰り返してきたはずだよ、君たちだって」
「言わせないよ、知らないなんて」
「計画遂行の勘定に入っていたのさ、最初から」
「君の命も、サンジェルマンの命も」
わりと可愛い少女にチ○ンポを見せるなァー!
カマホモ2人が生け贄候補なのは既出だが、サンジェルマンまで候補に入っていた。
むしろ、仲間を贄と捧げようとする人間がサンジェルマンだけ省く方が違和感がある。
アダムはシンフォギア世界には珍しいストレートな外道であった。
このド外道が~~~~~~!
「そんなの聞いてないワケダッ!!」
サンジェルマンへの忠義がプレラーティの原動力である。
そんなサンジェルマンの命を奪うともなれば敵対する以外にない。
パヴァリア光明結社、ついに内部崩壊!
テメエの金玉むしり取るぞと氷柱を投げつける。
風呂で暖まった身体に氷属性は効果大だ!
ち~ん(笑)
氷柱攻撃は指先ひとつの錬金術で一瞬で破られた。
アダムの戦闘力は幹部3人を圧倒している。 まるで装者に対する弦十郎のような立ち位置だ。
その点、S.O.N.G.とパヴァリア光明結社は組織として対比されている。
特に上司。装者たちの気遣いを忘れない弦十郎と幹部を贄と捧げようとするアダム……
これはマッパでの決戦が待ち望まれる。
「他に何を隠しているッ!」
「何を目的としているワケダッ!!」
「人形の見た夢にこそ、神の力は……」
「人形――……」
アダムの計画遂行に当たってティキの比重が大きいことが明かされる。
今のところ、性格の悪いジャリガキ(not誇張表現)だが第3話では何か不穏なことも言っていた。
意外にも超重要人物だった……?
舞台装置だったオートスコアラーが主役になる時が来るのだろうか。
ガリィちゃんのこと、思い出せ(強制)
金子ォオォオオオオオオオオオオオオオ!!?
激闘の中を生き延び続けた金子彰史のぬいぐるみ、ついに死す。
プレラーティのシンボルだったぬいぐるみが死んだことは不吉の予兆としか思えない。
そ、それでも持ち歩いて、金子彰史のぬいぐるみがあったから一命を取り留めることに……
金子ォォォオオオォォォオオォオォオォオオオオオオ!!?
金子彰史、胴体が両断された上にポイ捨て。
涙を禁じ得ない。
金子彰史を贄と捧げてプレラーティはファウストローブを身に纏う。
下にある車に哀悼の意を。
「逃げたぁッ! きっとサンジェルマンにチクるつもりだよぉッ! どうしようッ!!」
「駆り立てるのは任せるとしよう、シンフォギアに」
このことをサンジェルマンに告げ口されると計画を瓦解させる要因になりかねない。
というか、生け贄が生け贄とバレた時点でけっこう困る。
しかし、アダムは余裕である。
パヴァリア光明結社としては不確定の戦力であるシンフォギアに始末を任せる。
サンジェルマンに刻み込んだ肉奴隷の証……じゃなくて、聖痕らしきモノに仕掛けがあるのか。
ともあれ、戦力の目減りさせることを狙っているようにさえ思える。
アダム、元老院説。
何ともWA4らしい内部崩壊であった。
WA4ではそうしたことを狙ったジジイは爺即斬されたが、アダムは圧倒的に強くて始末されなかった。
もしかして、元老院が生きていた時のWA4みたいなシナリオになる……?
(サンジェルマンッ! サンジェルマンッ!!)
(くっ……妨害されているワケダ……ッ!!)
プレラーティは高速道路をケンダマシンで爆走しながら念話を試みるが妨害されているので繋がらない。
派手な黄金錬成だけでなく地味なテレパスも使えるアダムらしい。
こういうところに無能でくくれない有能さを感じさせる。
なので、無能ネタで弄りにくい。裸ネタでは弄り放題だけど。
ところでケンダマシン、絵面超面白ェ。
緊迫する状況のはずなのにケンダマシンが面白すぎて困る。
あと支持する部分が玉だけで実質一輪車だから走行性能低そうなのですが……
「錬金術士が……ッ!?」
「新川越バイパスを猛スピードで北上中ッ!!」
「付近への被害甚大ッ! このまま住宅地に差し掛かることがあれば――」
「了解ですッ! 対応しますッ!!」
当然の如く、ケンダマシンは即発見される。
質量の大きさからか、道路を破壊しながら進んでいるから被害が大きいようだ。
パヴァリア光明結社アダム派と敵対する身となったプレラーティだが、周囲に被害を及ぼしている以上は激突する理由が生まれている。
……乗用車で高速道路を爆走したら意外と見つからなかったかも?
いや、牛乳を飲むロリだから免許を持っていないか。
「調……?」
(シュルシャガナでなら追いつけるッ!)
装者たちが出撃準備に取りかかる中、調が先走るのを切歌は見つける。
機動力に優れるシュルシャガナなら追いつけるという狙いだった。
気持ちが優先されるタイプなので独断による出撃である。
まして今の状況なら自分にしかできないことがあれば飛びつくのも必然か。
AXZは調の激情家でブレーキの利かない性格が強調されている。
切ちゃんはあれでブレーキ役なんやなって……
ところで高速道路にインする絵面がクッソ面白いので勘弁して欲しい。
「高機動を誇るのはお前一人ではないぞッ!!」
だが、高機動の装者は調だけに非ず。
マシンサキモリーを駆って防人が戦場に現れた!
この2人、一見静かそうで激情家な一面以外でもスピード自慢という共通点があったのだ!
胸が小さいからとは言わないが空気抵抗が少なそうで、最高速が伸びそうだな!
胸が小さいからとは言わないが!
冗談じゃねえ……SAITAMAを舞台にBATTLEが始まりやがった……
…醒めちまったこの街に……
……熱いのは……俺たちのDRIVING……
聖遺物という鋼のWEAPONで武装したSTREET WARRIOR……
New KAWAGOEは、戦場のHOTLINE……SPEEDに飢えたオレたちの最前線なのさ……
というわけで高速道路を舞台としたハイスピードバトルが始まってしまった。
マシンサキモリー+ゲドラフ+ケンダマシンというイロモノマシン勢揃いだ。
幾度も適合者たちの腹筋を割ってきたマシンサキモリーでさえこの中でまだマシな方という異常な状況である。
そういえば、翼のモデルはゲッターロボのゲッター2だった。
陸のスピード勝負になるのは必然か。
クリスはゲッター1なので空中戦。
つまり、ゲッター3の響は海中戦……?
はは、まさかな……
「何を企み、どこに向かうッ!!」
「お呼びでないワケダッ!!」
……冗談じゃねえ……来やがった……
弾丸のようなSPEED……PASSINGの閃光……BATTLEの合図……
STREETを流してるとRELIC目当ての歌女がPASSINGしかけてくる。
腹を空かしたハイエナども……売られたBATTLEから逃げるわけにはいかねえんだ。
そんなわけで立場的にはアダムを敵とする両者であったが、敵の敵は味方ではなくBATTLEは避けられないのであった。
アダムはこの事態も計算済みだったのか。
意外と策士というか、やっぱり有能そうな……
「お構いなしと来たか……ッ!!」
プレラーティのケンダマシンは重量級らしく壁を破る。
誰も彼もが立ち止まる気がない。
激情家なのは装者だけでなくプレラーティもだったのだ。 RULEに縛られねえWARRIOR……
誰かがそう教えてくれた……
「ユニゾンだ、月読ッ!!」
「イグナイトとのダブルブーストマニューバでまくり上げるぞッ!!」
「ユニゾンは……できません」
「月読ッ!?」
「切ちゃんはやれてる……誰と組んでも……」
「でも、わたしは切ちゃんとでなきゃ……」
「人との接し方を知らないわたしは独りで強くなるしかないんです」
「独りで……ッ!!」
状況を打開するには現状最高戦力であるイグナイト+ユニゾン……
なのだが、調はそれを断る。
調に芽生えた壁が手を取り合うことを拒絶させるのだった。
切歌が自分抜きでも上手くやっているのを見たのが焦燥感に影響していた。 そりゃ焦る。何とかしないとと思う。寝取られてアヘ顔ダブルデースするんじゃないかと思ってしまう。
切ちゃん大好きが加速した結果、その反動が調を意固地にさせるのだった。
冗談じゃねえ……俺たちの走り……
交わらないまま、終わっちまうのか……?
「私もかつて亡き友を想い、これ以上、失うものかと誓った心が壁となり、目を塞いだことがある」
「天羽、奏さんとの……」
「月読の壁もただ相手を隔てる壁ではない」
「相手を想ってこその距離感だッ!!」
ここで防人、自分の黒歴史を語り始める。
第1期の頃の翼は全方位に壁を作って大変なことになっていた。
キレて後輩に天ノ逆鱗をぶちかましたのはシンフォギア最大級の不祥事である。 何やってんだ先輩……冗談じゃねえ……
「想ってこその、距離感……」
「それはきっと――月読の優しさなのだろうな」
「優しさ……」
同じ過去を持つからこそ、翼には調の気持ちを理解できていた。
壁は狭量さだけではなく相手を想うからこそ作るものであることも知っている。
奏の死後だけの孤独な戦いだけでなく、Gで響がガングニールとの融合が進んだ時に突き放した経験や、クリスが周りを思うからこそ周りから離れようとする姿を見てきたからこそ、理解できた壁なのだろう。 トラブルがけっこう起きているから、是非はまぁ、置いておいて、優しさで生まれる壁もある。
調の想いを翼は汲み取った。
なお、壁を作らなすぎると響みたいに地雷を踏みそれで一悶着を起こしてしまう。 距離感があるからこそ得られる理解もまたあるのだ。
こうした距離感への理解ができるようになったのは翼が大人になったからか。
いや、この人、マジ大人で困るんデスけど……
「優しいのはわたしじゃなく、周りのみんなですッ!」
「だから、こうして気遣ってくれて――」
「わたしはみんなの優しさに応えたいッ!!」
そして、これによって調は自分の気持ちと改めて向き合い、本当の気持ちを見つける。
芽生えた焦燥感は置いて行かれることの恐怖ではなく、優しさに応えたい純真から生まれたモノなのだ。 翼は苦い過去を持つからこそ奏のように後輩を導く先輩になろうとした。
そして、今、先輩としてついに完成の域に達したのだった。
「ごちゃつくなッ!!」
「いい加減つけ回すのは止めるワケダッ!!!」
「ぐうの音も――」
うるせえ! 黙れ! とプレラーティはトンネルを炎で燃やす。
やったか!
「ワケ、ダ――……」
やってない! イグナイトモジュール抜剣! そして、壁を越えて手を取り合ったユニゾン『風月ノ疾双』!
OPで見た時は異色の組み合わせかと思ったが胸だけでなく多くの部分が噛み合っている2人である。
このコンビが生まれるのは必然だったのだ。
それにしてもワケダは便利なワケダ。
「いざ、尋常にッ!!」
「邪魔立てを――」
イグナイトマシンサキモリーで翼は仕掛ける。
イグナイトでギアは強化されてもバイクはバイクのままだと思うのだが、積極的に接近戦を挑む。
バイクが壊れることを恐れない心意気が防人!
というか、壊してばかり。
GXなんて何回壊したんだよ……(OPで)
「動きに合わせてきたワケダ……ッ!!」
プレラーティの意識が翼に剥いた瞬間に調が素早く挟み撃ちを仕掛ける。
ユニゾンで合わさるのは歌だけでなく心であり、連携も進化するのだ!
俺が! 俺たちが! 貧乳だ!
「神の力ッ! そんなモノは作らせないッ!!」
「それはこちらも同じなワケダッ!!」
ここで堂々とプレラーティは本心を漏らしている。
相争う身ながら壮絶なニアミスが起きている。
このことを翼は一瞬訝しむ。
が、STREET BATTLE中なのでこのことで迷う暇はなかったのだった。
かつてなら戦場で何を莫迦なことをの一言で流していた。 この点においても翼は成長しているのだ。本当に胸以外は。
さて、ここで唐突にプレラーティは仁王立ちする。
高速道路を舞台とした超高速バトルの中で唐突な仁王立ちからの数秒の間……
よくわからんが妙な迫力があるワケダ。
何かこういう演出の方にシンフォギアの天然を感じるワケダ。
「歌女共には激流がお似合いなワケダッ!!」
超絶美少女になりながらプレラーティは両手から水流を出す。
水の壁を作ることはもちろん、路面をウェットにしてグリップ力を下げることは極めて有効!
仁王立ちから繰り出される二重の策である。
仁王立ちの間に多分いい手を考えてた。
「往く道を閉ざすかッ!!」
「そんなのは切り拓けばいいッ!!」
水の壁に対して調はノコギリを連射する。
イグナイトの出力を活かして貫くのだが、プレラーティにはガードされてしまう。
やってない!
しかし、それは囮。
壁を撃ちその破片を撃ちジャンプ台を作って空から攻めた。
水の壁を回避した上でグリップ力の低下も避ける見事な選択であった。
イグナイトは判断力が落ちないため、こうしたクレバーな選択ができるのだ。
前回の防御力の向上と合わせて、イグナイトの目立ちにくい利点が描写されている。
「なんとォォオオッ!!」
しかし、このプレラーティ、これで肉体派である。
全力のスウィングで2人に対抗するのであった。
カリオストロ同様にプレラーティも激情をぶつけている。 絵面は面白いけど。
あとこの状況、玉の部分に器用に立っている。
「――駆け抜けるぞッ!!」
先ほどの一手で向かい合うこととなり、そこにチャンスを見出したのだろう。
2つのギアとバイクを合体させる必殺技「風月ノ疾双」!
「Change †he Future」同様にユニゾン曲のタイトルを冠した必殺技である。
そして、こう、大変言いにくいのですが、凄いイロモノマシンです……
「サンジェルマンに告げなくてはいけないワケダッ!!」
「こんなところでェッ!!!」
対してケンダマシン最終形態で対峙する!
カリオストロ同様にサンジェルマンへの激情を武器に2人に立ち向かうのだった。
それにしても剣玉とは何だったのか。
いや、ノコギリとは何だったのかの人が目の前にいるからいいのか。
「アダムは危険だとサンジェルマンに伝えなければならないワケダッ!!!」
両者共に黄金色に発光しついに激突する。
小細工抜きの正面衝突!
カリオストロ同様に引けない想いが強調されているのが熱い。
それにしてもサンジェルマン、メッチャ愛されてる……
たやマってる場合やない……
「教えてくれた――」
「私も教わった――」
「「調べないこの絆」」 「「爆ぜよォォオオォオオオッ!!」」
「サンジェルマンッ!!」
「サンジェルマン――……」
壁を越えて翼調、激勝!
プレラーティも灰になるのだった。
カリオストロ同様に裡に秘めた熱さを見せつけた。
激情のぶつけ合いは絵になるのう……
絵としての面白さも凄かった。
一方でプレラーティの断末魔が重い。
カリオストロは男らしさを見せて散ったが、プレラーティは空しさを残して散った。 やってきた悪事の報いと言えば報いではあるが……
それでも2人共、全てを出し尽くした。
2人共、いい奴だったよ……
じゃあ、第11話でまた逢おうな!
「勝てたの……?」
「ああ、2人で掴んだ勝利だッ!!」
【朗報】マシンサキモリー生存確認
あんな無茶な走りをしたから壊れるかと思いきや無事に生存した。
防人……バイクを守護ったか……
どうやらGXで壊しすぎて反省したらしい。
さて、サンジェルマンは通常業務に戻っていた。
たやマっている場合ではなく自分にできることはしていた。
だから、お前は地味なんだよ……!
冥府の2人がもうちょっと面白いことしろって言ってる!
たやマチョップとか!
「プレラーティはカエルのように轢き殺されたよ」
「お似合いだよッ!」
「え……?」
「生け贄にもならないなんて無駄死にだよね」
「ざまあないよね」
このクソガキィ! ○すぞ!
カリオストロに続いてプレラーティの死まで笑いやがって!
それに対して怒る前に呆気に取られるサンジェルマン。
この人、とことん中間管理職。
中途半端に激情に任せられない悲しみよ……
「報告に間違いはない、残念ながら」
「一人で……飛び出したの……」
まぁ、一人で飛び出さざるをえない状況に持って行かれたんですけどね。
幹部たちはアダムの手に踊らされている。
貴重なはずの生け贄を容赦なく捨て駒としているのも奇妙である。
命を安いと言い切れる男だし、とんでもないことを仕込んでもいそうだ。
日本がまた危ない!
「カリオストロに続きプレラーティまでが……ッ!!」
無念の表情に染まる。
順番からすれば次はサンジェルマンが出撃することとなる。
たやマチョップを見る限り、何か落ち目なのだが……
本物のチョップを見せてやろう! と響に全力でチョップ食らったら泣け。
ガード不能を見せてやろう! と切歌に絶唱食らっても泣け。
……やべえ、コイツら、意外とモーストデンジャラスコンビなんじゃ……
「では、あの錬金術士の向かう先には――」
「鏡写しのオリオン座を形成する神社、レイポイントの一角が存在している」
「ますます絵空事とは言えないわけね」
「対策の打ち所かもしれないな」
さて、エンディング後のCパート。
かつて弦十郎と八紘が欧州の胎動について語った時と同じ構図でリーダー格の2人は弦十郎に報告する。
プレラーティはサンジェルマンにアダムの危険性を伝えられなかったが、その疾走によってその位置が間接的に悟られることとなる。
それに伴いS.O.N.G.としても本格的に動き出すことになるのか。
ここで訃堂が八紘に命じていた法案の出番だろうか。
……訃堂の出番があれからちっともないのが奇妙だ。
今のところ、風鳴一族のわりには思ったより強烈なキャラを見せていないだけに、その動向が気に掛かる。
「良かったらつき神社にまたいらっしゃい」
「この老いぼれが生きている間に」
「神社ジョーク……笑えない……」
神社ジョーク、相変わらずキツい。
これには調もジト目。
それでもこんな返しをできるだけ余裕ができたのかもしれない。
顔を背けるだけだった時から大きく前進だ。
それにしてもわりと可愛い。今回はプレラーティといいわりと可愛い揃い。
調は宮司からお守りを渡される。
交通安全のお守りである。
どこか調の名前の元となった持ち物がお守りであることから奇縁である。
あの時に持っていたお守りも交通安全だったから、調は一人生き残ることができたトカ……?
そして、宮司にみんなで礼。
あ、クリスが頭下げている。丸くなったなぁ……
調は2回礼をしている。
最初は宮司に厳しかったが今では恩を感じているようだ。
素直に自分の気持ちを表せるのも壁を越えた証左だろうか。
「んー……やっぱり、不思議デス」
「こんなの『つき』なんて絶対読めないデスよ」
「切ちゃん、置いてっちゃうよ」
切歌はつき神社の「つき」の漢字の読みに疑問を感じる。
その疑問の答えを出す前に調に呼ばれる。
何があったのかはわからないが調は明るい笑顔を浮かべている。
切ちゃん、金子彰史のぬいぐるみの如く疑問を投げ捨ててすぐに向かうのだった。
というわけで、実在の神社、
狛犬の代わりにウサギがいたり、ウサギがゲロを吐いていたり、大分現実準拠。
ついにシンフォギアで聖地巡礼ができる!
さて、調神社は調と同じ名前である。
もし、宮司の神社ジョークが事実だとしたら……
調が調神社に縁のある人間だとF.I.S.の誰かが知って、名前を
神社ジョークの真偽は定かではない。真相は謎のままである。
WAXFでもこうした思わせぶりな疑問に対する答えをハッキリと描写しなかったことから、答えは金子彰史の脳内の中だけか。
この調の名前に関わる設定、間違いなく金子彰史が初期段階から作り上げ、今に至るまで秘蔵していた物だろう。
ここまで練り込まれた設定は後付けでできるものではない。
金子彰史、恐ろしい子……!
もっとも、神社ジョークの真偽が明らかでない以上は何も言えないんデスけどね……
次回へ続く。
それに対する登場人物の心象描写も必要でなおかつ調の現状の問題に直結しないから
金子のおっさん的にはカットしたんだろうな。
調神社の設定と今回の氷川神社群が埼玉にあることを考えると1年アニメやれそうな初期のプロットにも
含まれていた案件の可能性もあるな。