刃牙道感想 第41話「帰国」



独歩が完全敗北した。
また守護れなかった……
守護者は何のために決意したのか。何のために出てきたのか。
なお、ネタバレ。
今回も本部は出てこない。
敗北した独歩はみっちゃんとサシで話している。
室内は真っ暗だ。
電気くらい点けたまえ。陰鬱な雰囲気を維持したいのか、お前は。

独歩の顔には刀疵(押しただけだけど)が残っている。
押しただけならすぐに戻りそうなのだが……
心にも残る傷なのだろうか。
まぁ、刀を押しつけられればトラウマにもなるだろうな。

みっちゃんに武蔵復活の経緯を聞かされる。
クローンと聞かされたが納得や理解には至っていないようだ。
まぁ、あの理屈で納得する人はいませんわな。
特に肉体を蘇らせたら何とかなるだろうという科学者の甘い見積もりに納得できる人はいません。

それでも五体で武蔵の実感を感じた独歩だった。
格闘家だから肉体言語が一番ですな。
ボディランゲージならぬグラップランゲージだ。
独歩は言葉で、イメージで、肉体で、刀で武蔵の何たるかを味わった。
刃牙が引き出せなかった4種類目の武蔵を体感したのはさすがと言えよう。
「喧嘩で敗け試合で敗け」「そして武で敗けた」
「清々しいまでに完敗ですわ」

独歩は武蔵との戦いをこう振り返る。
幻影刀で斬られて動揺し(喧嘩で敗け)、その直後に打突が直撃し(試合で敗け)、最後に刀を持たれて一刀両断された(武で敗けた)。
怒濤の3連敗である。勇次郎が側にいたらなじられていたところだろう。
本部が側にいたら人食い愚地も錆び付いたものだなと言われる。 本部なら殴って黙らせられる。

連敗と言えば死刑囚である。
敗北を知りたいと言っておきながら怒濤の勢いで何度も負けた。
死刑囚が落ち目なこともあったが独歩も同じ立ち位置になるとは……

範馬刃牙では一切戦わなかっただけに久々の活躍に期待したのだが、どうやら旧型化してしまったようだ。
RX-78の初代ガンダムだって1年戦争なら英雄でもグリプス戦役ではちと厳しい。
独歩がガンダムなら本部は……ガンタンクがギリギリか。

「幹竹割りにされるならまだしも」
「当てて」「圧して」「なのに斬らず」「無傷で制するという気の遣い」
「徳川さん」「こいつァ敗北より遙かにタチが悪い」
「対戦者に気を遣われちまっちゃあ」「武人もしめぇだ」
「斬られるより…… ………痛ぇ…………」


独歩は武蔵の一撃をこう語る。
相手に気遣われた時のダメージが大きい。
武蔵は見事に心をへし折りに来た。
その意味でも巧みである。

しかし、幹竹割りにされるならって……
武道家は特攻隊じゃないって言ったのはアンタじゃないっすか。
うーむ、ちと落ち目と言わざるを得ないな。
滝浴びはあまり意味がなかったのか?
それでも徳川光成に感謝を述べる独歩であった。
暗記するほどに何度も見返した五輪の書……
それを理解していなかったという現実を叩き込まれた。
世界はまだ広く、自身はまだ未熟なのだ。

「暫くは引きこもりてぇ……」

が、武神の出した答えはちとネガティブなものだった。
人生を否定されたも同然だからダメージもまた大きいか。
もしや本部が守護するのは独歩の家なのか?
こうして独歩と武蔵の戦いは決着したのだった。
武神でさえ簡単にあしらった。
これは次に挑戦するであろう本部は難儀だな。
だが、守護者の二つ名にかけて引くことはできまい。
もう怒濤の勢いで持ち上げられているんだから、この期に及んで逃げることはできませんよ。
本部には戦って散るか解説して散るかの2つしか残されていない。

さて、成田空港。
そこである人物が記者たちに囲まれていた。
ま、まさか、本部は国内の山ではなく海外の山に篭もっていたのか……?
本部ならいきなり記者に囲まれていても何の不思議もない。不思議だけど。
そう、記者に囲まれていたのはこの男!
烈海王! その人だぁー!
って、アンタかよ!
メッチャ不意打ちだよ!?
本部はどうした! なお、冒頭でネタバレした通り、この後も本部は出てきません。

烈と言えばボクシング編である。暴挙である。
まさか、武蔵を差し置いてボクシング編の続きなのか?
まぁ、何だかんだで続きは気になっていましたからね。
武蔵には今のところ勝機を見いだせないし、まずはボクシング編だ!

「ボルト氏の上半身のみ」「正面のみの攻撃により―――――」
「その戦闘
(たたか)いを制した」

その間、2ページで決着ゥゥウウウウウウウウウウ!?
アンタ、いいのかよ!
まず、ボルト、アンタはそれでいいのかよ!
紹介に1話丸々使ったやん! (範馬刃牙第241話

そして、板垣先生、アンタもそれでいいのかよ!
インタビューで触れないわけにはいかないって言っていたじゃん!
いや、たしかに触れたけど!
これじゃ触れただけじゃねーか! 実質、なかったことにしてんじゃねーか!

ともあれ、怒濤の勢いで烈ボクシング編を畳んだ。
やっぱり、武蔵なんて蘇らせたら神話の住人(笑)なんてどうでもよくなるか。
まぁ、読者的にもどうでもよくなりますよね。
ボルトもJr.と同じくキャラを立てようとして失敗した部類らしい。
アイアン・マイケルといいやはりボクシングは呪われている。 思うに第2のムエタイにしてもいいのではないだろうか。

一応、ボルトの名誉のために述べておくと、烈にもそれなりのダメージはあったようだ。
アメリカにおける最大の敵であったことは間違いない。
……多分。
いつか外伝なんかで見られると嬉しいな。
でなければさすがにボルトが悲しすぎる……

「本業である中国拳法」「そのほんの一部を用いることにより」
「ボクシングルールで勝利した!!!」


烈はボルトとの試合と渡されたベルトが公式なのか非公式なのかは知らないと答える。
だが、中国拳法の一部で勝利したことは強調している。 これでこそ烈海王ですよ。
中国武術へのやたらめったらな自負心こそが烈海王らしさですよ。

烈はそう言い会見を切り上げる。
ボルトも結局は中国拳法の一部のみで倒せた相手なのだ。
ボクシングも越えてしまってはさほど価値のないものになってしまったようだ。
まぁ、ボクシングの価値はアイアン・マイケルがトドメを刺していた。 3人にボコボコにされた時点でお終いですよ。
千春に負けた時点で終わっていた気もするが。

「一部ではない」
「全て」
「拳」「腿
(蹴り)」「貫き手」「剣」「槍」「棍」「手裏剣に至るまで」
「その全てを使用
(つか)える相手がこの日本に現れた」

烈の狙いはやはり武蔵だった。
それも素手だけでなく武器まで使う気満々だ。
烈は素手でも強いがそれはあくまでも強さのひとつに過ぎない。 ドイルを圧倒したように武器を使っても強い男なのだ。

同じく武蔵も刀を使ってなお斬らないという神技を見せたほどの使い手だ。
ならば、烈の全てを遠慮なくぶつけられる。
そして、烈の性格的に武蔵の煽りに対し一瞬で沸点に到達することは間違いない。 もはや約束された激突とも言えよう。
ただでは済むまい。互いに武器を解放するとなればかなり血なまぐさいことにもなりそうだ。

某守護者を置いておいて予想外の烈が割り込んだ。
しかし、アンタ、7年前も同じことをやったような……(範馬刃牙第92話
ともあれ烈ボクシング終了と烈参戦の二重に予想外な方向に急展開を迎えた。
あと守護者にまた出番がないのはわりと予想内だった。
次回へ続く。


烈復活ッッ。
さすが人気キャラだけあってコンスタントに出番を得ていますな。
出番のないキャラにも日の目を浴びせて欲しいのが本音だが(守護者とか)、12年振りに武器使用解禁の烈を見られるとなると期待せざるを得ない。

しかし、武器を使うとなると血なまぐさい一戦になりそうである。
ほどほどのところで五体満足に済めばいいのですが。
何やかんやで片足や片腕を失ったのはデカいですよ。
本部はキャラ付けのために出番以外の何かを失っておいてもいいかもしれない。

こんなこともあろうかとみっちゃんは烈の脚をクローニングしていないものか。
丸々人間を作れたのだから一部分を作ることもそれを移植することも余裕だろう。
それはそれでピクルとの一戦の重みが薄くなるのが難点ですが、7年も経ったので許してやっても。

それにしても煽る武蔵に激おこぷんぷん丸になる烈が容易に想像できる。
キレてこその烈海王だ。
むしろ、それに期待したい。
守護者が武蔵に煽られたら……わりとあっさりと認めそうで怖い。
まぁ、本部を突き動かしているのはプライドという安いモノではなく、大切な人を守護りたいという一心だからな!

でも、烈の武器使用で格闘家たちに武器ブームが起きたら嫌だなー。
武蔵編は武器の使用についての辻褄合わせが課題ですな。
素手より武器を使った方が強いとなると連載20年以上の否定になりかねない。
そうなると本部の出番だな!
本部が武器を使って強いのはごく当たり前のことで何の違和感もないし!
武器を使って負けることにも違和感ないし……





「刃牙道感想 第41話「帰国」」への2件のフィードバック

  1. ピクルvs烈が7年前って嘘だよね・・・・?
    そんなに昔でしたっけ?

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