5本立てという無茶もこれにてフィナーレである。
感想を書く側の気持ちになってくれぇ……
「何故」「わたしをわたしだと」
野見さんと呼ぶ刃牙に対して、二代目宿禰は何とも哲学的な返答をする。
優しげな容貌、丁寧な物腰とワガママこそ強さのバキ世界ではいそうでいなかった人だ。
Jr.以来ですな。
Jr.か……何か嫌な予感がしてきたのう……
今のうちに睾丸を守っておけ!
刃牙は宿禰の動きが相撲だったと答える。
壁をよじ登ることのどこに相撲らしさを見出したのか……
それはホールドを掴んで一気に引き寄せるその動きと力にだった。
引き寄せる力こそが相撲だ!ってタクタロフの師匠も言っていましたしね。
あ、違った。サンボだった。
「力士だね君も」
「「神話」の領域にある………あの立ち合い」
「あの「死合い」をスモウと云うのなら―――」
「或いは俺も「力士」と呼べるかもね」
二人はまたも哲学的な会話をする。
つまりは宿禰もノールールの死合いに生きる人間ということになる。 一見好青年のJr.も初手から金玉を潰している。
宿禰も腰骨を粉砕するようなダーティな技の持ち主かもしれない。
宿禰はただ強い力士ではなく初代宿禰と蹶速が繰り広げた死闘としての相撲を継いでいる力士なのか。
しかし、刃牙さんや、自分を無理矢理力士にしたな。
アンタ、そんなに初代宿禰の神話に憧れていたのか?
それとも力士を名乗ることで宿禰を挑発したのか?
何にせよ当の宿禰は刃牙の力士説を認めてしまった。
である以上は外野はこれ以上突っ込めないというものだ。
「「神」を
げー!?
刃牙道を象徴するワード、守護る……
それを続編となるバキ道で言うのは必然か。
こりゃ本部の出番がありますな。
宿禰相手に挑め! 小指を捕れ! 四股で粉砕されろ!
宿禰の身体能力は見た。
今度は実際に戦う姿を見たいようだ。
いや、むしろ、今すぐ戦いたいのかも。
前述したけど話の出だしはやる気を出すのが刃牙である。
出だしだけな……
それに対して宿禰は相撲の立ち合い構えを取る。
そして、虚空に向けてぶちかます。
同時にぶちかましの音が聞こえた!
宿禰がやったのは相撲のリアルシャドーであった。
まさか、刃牙以外にもリアルシャドーをできる人間がいようとは……
やっぱり、勇一郎の子供で範馬の血を引いていたりするのか? これだとリアルシャドーできることが範馬の血の証明みたいで何か嫌だけど。
思えばリアルシャドーは久し振りだ。
刃牙道では(刃牙の出番が少なかったこともあって)一度もやらなかった。
武蔵にリアルシャドーを挑んで刀で斬られるのもキツいのだが。
代わりに新しいエア文化としてエア斬りが流行した。
宿禰のリアルシャドーと刃牙のリアルシャドーの相違点としては音が聞こえる点であった。
視覚だけでなく聴覚にも干渉している。
よほど真に迫った立ち合いということだろう。……多分。
何か違いがそこかよという感じもするけど。
ともあれ、音が聞こえたことには刃牙も冷や汗を流して驚いていることから相当なものなのだろう。
音が鳴ればスゴいというのも何かズレてるけど。
リアルシャドー相撲はまるで言葉通りの一人相撲のようだ。
だが、他者に立ち合っている相手の姿を見せるのがリアルシャドーである。
刃牙がムエタイ選手を見せたように、100kgのカマキリを見せたように、大銀杏を結った相手を宿禰は見せる。 これは、もしや……金竜山!?
大銀杏を結った相手を見せると同時に宿禰は一発で投げる。
宿禰が幻影の大銀杏を投げた方向にいた観客たちは皆が倒れ込む。
それほどの迫力、説得力であった。
そして、投げ飛ばした距離が相撲を超越している。 宿禰は相撲の使い手なれど相撲の範疇で戦う男でないことがわかる。
「
宿禰は横綱と戦い倒したのだった。
つまりは金竜山を倒したのである。
いや、今も金竜山が横綱やっているのかはわからないのですが。
グラップラー刃牙だけ見ても横綱は龍金剛から金竜山に変わっているし。
似たような名前だな、お前ら……
金竜山は侮れない実力者である。
何せあの本部を倒している。 あの本部ですよ、あの本部。
剛力の持ち主である本部の指取りを凌ぐだけの力を持っているのが金竜山なんですよ!
まぁ、本部の剛力は武蔵にはまったく通じませんでしたが。
そう考えると金竜山は武蔵クラスのパワーを持っている?
リアルシャドーとはいえ金竜山を子供扱いするパワーを宿禰は見せつけた。
もしかしたら同じく子供扱いした勇次郎並みのパワーを持っているのかもしれない。
フィジカルという点においてはピクル、武蔵に並ぶ強者だろうか。
そんな宿禰相手に刃牙はどうするのか。
とりあえず、負けるのか。
新しいライバルが出てきたらまず負けるのが刃牙の仕事なんですよね……
刃牙の普通の見せ場にも期待したい気持ちはあるんですけどね。
次回へ続く!
One thought to “バキ道感想 第5話「力士」”
コメントは受け付けていません。