バキ道感想 第28話「兄弟子」



宿禰が刃牙のハイキックを食らった!
豊穣な、それでいて厳かな一撃であった。かもしれない。そうしておこう。
この一撃を受けて宿禰はどうする! どうなる!

どうするかと、どうなるかと思ったら、とりあえず、今回はぶちかましから蹴られるまでのリプレイから開始だ。
今度は宿禰視点である。
こうしたリプレイを行うから展開がちょっと遅いような……いや、言うまい。

宿禰は構える刃牙を見て百戦錬磨の人物だと感じる。
体格だけで言えば大きな差があるが、刃牙の持つ経験と強さを宿禰は感じ取るのであった。
実力を認めているが、一方で不足も感じていた。

「惜しむらくはその体躯」

刃牙の弱点になっていない弱点、その小柄な体格に宿禰は不満を感じていた。
刃牙は身長も体重も格闘家たちの中では最下層に位置する。
刃牙より体格に劣るのは渋川先生、郭海皇、柳くらいのものだろう。

「「体術」の鉄則……」
「「技術わざ」が埋められる体重差は2倍が限度」
「3倍以上の体重差は「技術わざ」を断つ」


オメエ、今更それを言うのかよ!?
ここで宿禰はまさかアイアン・マイケルレベルの思考をするのだった。
宿禰は体重! パワー! 勝利! 体重! パワー! 勝利!の相撲の世界に生きてきたからか、体重万歳な思考の持ち主のようだ。
バキ世界において体重差による有利不利は幾度も言われてきたが、それがまともに機能したことはない。 まして刃牙は恵まれないその体格で体重で上回る強者を上回ってきた。

それも最初の頃はいろいろと技を使っていたが、途中から面倒になったのか力で勝つようになった。 オリバ、お前のことだよ。
まぁ、オリバの時は真っ向勝負に見せて技術を使っていたし、ピクルと殴り合いをした時はあっさり負けていますが。
でも、勇次郎とは殴り合えたし鬼の貌と範馬脳の覚醒具合でどうとでもなりそうだ。

幻想ファンタジーの余地を許容ゆるさぬ圧倒的現実」

オメーのダイヤモンド握力の方がよっぽどファンタジーだよ!
刃牙が体重差を上回って勝つ方がまだリアルなくらいのファンタジーである。
君の握力なんて体重差なんて無関係になる破壊力を誇るのですが。
やっぱり、あれは石炭をダイヤモンドに変えるスタンド能力なんですかね……

ともあれ、体重差という圧倒的な現実。
それを叩き付けるべく宿禰は刃牙にぶちかます。
こんなぶちかましをすれば手で逸らすだけで吹っ飛んだりするぞ、ピクルの時みたいに。
妖術使い刃牙相手にパワー勝負はむしろ危険と言えよう。

宿禰のぶちかましはオリバの拳を破壊する。
そんな危険物を前に刃牙は笑う!
刃牙はピクルタックルを余裕で捌いた男だ。
宿禰のぶちかましを前にしても心理的な余裕があるのかも。

ここで宿禰は兄弟子にでもなったのかと疑問を覚える。
と、同時に蹴られた! 観客席、天井と宿禰の視点が回転し、気が付いた時には尻餅をついてダウンしていた。
その目は泳いでいるし完全に意識が飛んでしまったようだ。
ボスキャラに瞬殺されるのが刃牙のお約束なのに今回は逆に瞬殺してしまったようだ。
尻餅をついてから宿禰は蹴られたことに気付く。
そして、ぶちかましのスピードと肉薄した間合いをものともしない刃牙に戦慄する。
それはまさに蹴速だった。蹴速なのか?
まぁ、曰く初代宿禰の生まれ変わりらしいし、蹴速の記憶くらいあるべ……

宿禰は刃牙の尊敬の意を示し頭を下げ、兄弟子と呼び名前を尋ねる。
なお、何故かこの問いにみっちゃんが答える。
いや、刃牙に言わせてあげろYO! 美味しいところを持っていくなYO!

「刃牙関」
「改めて「胸」を…」


宿禰は刃牙関と言い出す。
この人、思考が相撲に染まりすぎなような……
というか、古代相撲だから現代相撲の慣例に則らなくても……

ファーストコンタクトは油断した宿禰の敗北だった。
実戦ならダウンの後に追撃を受けていただろう。
普段は刃牙が油断する側なんですけどね。
武蔵相手に2対1で戦ったしあまり良くない方向に容赦しないようになったのかも。
だが、改めて宿禰は刃牙に勝負を挑む。
今度は油断はないだろう。
刃牙が瞬殺される側なのだろうか。
ダイヤモンドにされるのか?
次回へ続く。
次回はドイルのエピソードだ!