バキ道感想 第30話「力士の違和感」



ボスにとりあえず負けるのが刃牙の伝統である。
そんな刃牙が投げられたからには白目を剥いてやられるしかない!
今がチャンスだ!
まぁ、挑発の後に即気絶はダサいってレベルじゃないけど、刃牙はそういうところがあるから大丈夫でしょう。

宿禰は打たれる覚悟を持って突っ込んだので刃牙のハイキックに耐えることができた。
が、ダメージは相当なもので視界が歪んでいる。 刃牙は体格で上回る相手に大ダメージを与えてきただけあり、さすがの打撃力である。

また、宿禰は打たれ慣れていないのも大きそうだ。 トレーニングはリアルシャドーだったみたいだし、実戦経験は少なそうだ。
宿禰が本気を出せばアメリカ最強のオリバも破壊できるし、その覚悟を持っている。
だが、そんな相手と戦いたがる人間も少ないだろうし、試合をしたことはほとんどなさそうだ。
刃牙の強さは激戦を潜り抜けてきた経験によるものも大きいのだ。
そんな宿禰のダメージを見切った刃牙はキリ上げようかと挑発する。
さすがは範馬刃牙。相変わらず性格が悪い。
温厚な宿禰はこの煽りを前にどうするのか!

「ほざけ小僧ォ!!!」
「「力士」を哀れむという大罪―――――」
「闇で償え!!!」


宿禰、キレた!
オリバに不意打ちで殴られても平常心を保っていた宿禰がキレたことから、刃牙の煽りは相当に強力なようだ。
過去の事例を巡ると刃牙がピクルにキレたのも気遣われたからだし、戦士にとって気遣いは最大限の侮辱なのだろう。

しかし、闇で償えと来ましたか。
何か急に中二病みたいなことを言いましたな。
ソシャゲには一人いる中二病キャラ!
バキソシャゲに宿禰が出たらそういう立ち位置になるかもしれない。
サービス終了したけどな!

そんな闇属性の投げを宿禰は繰り出す。
だが、不発。刃牙は地面に叩き付けられることなく、ふわりと緩やかに着地する。
刃牙は自分から加速することで宿禰の投げのタイミングをズラしたのだった。 百戦錬磨の刃牙らしく的確かつ最小にして最大の効果を発揮する回避だった。
そして、刃牙が白目を剥かないことが確定した。 今回の刃牙は長生きだ!

「無抵抗な者と―――」
「ましてや“協力”する者と」「立ち合うことはできない」


そんな刃牙の見事な投げ封じに対する宿禰の評価は低い。
刃牙は体格で勝る宿禰に対し、無理に力で対抗せず技で切り抜けた。
実にベストな解答だ。
ここは刃牙の力量に感服しても失望される謂れはないのだが……
宿禰、実はけっこうワガママ?

宿禰は刃牙を力士と定めた。
力士であるのなら力と力をぶつけ合いたい。
その対象として認めたから兄弟子と言った。
なのに、刃牙は力ではなく技で切り抜けた。 宿禰としては期待を裏切られた心持ちなのかも。

「思いきりぶつかりたいと」

「君では無理なハナシだ」「あまりにも小さい」
「身体も そして精神こころも」


刃牙は身体だけでなく心が不足している!
ヒドい言いようだ。
刃牙は死線をいくつも潜り抜けてきたし精神力という点ではかなりのものがあるのではなかろうか。
性格は悪いけどメンタルは強いぞ。
性格は悪いけど。

これにはさすがの刃牙も不服のようだ。
自分の望む戦いができないからと、相手の精神が未熟というのはちょっとどうかと思う。
宿禰は人のことをあまり言えませんな。
それに繰り返すけど刃牙は性格は悪いがメンタルは強いぞ。性格は悪いけど。
どれくらい性格が悪いかとなると平然と武蔵に不意打ちでババアキスをさせる。

「ならば次こそ…」
「「胸を貸す」にふさわしい心根と身体を見せてください」


宿禰は今度こそ力と力による対決を望むのだった。
一見正々堂々としているようで自分の有利な条件で戦おうとしている。 これではむしろ得意分野で戦う宿禰を真っ向から対処している刃牙の方が正々堂々としている。
宿禰はただ力任せなだけではない。
力を最大限活かすための策を用いる曲者だ。
力を求める宿禰に対し刃牙は構えを取る。
その構えはトリケラトプス拳!
刃牙の持つ力の極地であり、ここに来ての妖術である。 そう、刃牙の強みはその技術や経験ではなく妖術を使うことなのだ!
それでいいのか、主人公。

トリケラトプス拳は勇次郎のお墨付きであり、本物を知るピクルも認めるほどだ。
恐竜VS力士!
ドリームマッチの開催が決定した。
……何だよ、恐竜VS力士って。
エイリアンVSアバター(クソ映画)かよ。
勝手に戦え!
次回へ続く。