刃牙道感想 第103話「夢」



戦国の侍と白亜紀の原人が現代に蘇り雌雄を決する!
はいはい、エイプリルフールだからって適当な嘘を付くのはどうかと思いますよ。
そう考えていた時期が俺にもありました。
どっちもマジなのが恐ろしい。
一応言っておくと嘘記事ではありません。


一同はチームリーダーの野々村仁に案内されて研究所内の実験場へ辿りつく。
ジュラルミンの壁にラバーの床と多少暴れても大丈夫な強固な設計がされている。
それにしてもピクルはあれだけ攻撃を受けたのだから、闘争本能が収まらないかと思ったら大人しく付いてきたようだ。
こういうところは相変わらずというか、何というかいい子ですな。
ところでジョン・ホナーはどうしたのだろう。
あの人、武蔵復活プロジェクトの最重要人物なのに……

古代の戦士2人が戦うのに相応しい場は用意された。
先ほどまでの場所は余計な障害物が多すぎる。
そうした状況でも戦うのが武であり、また野性でもあるが、純粋な腕比べとは言い難い。
そう、本部がいてはいけないのだ。

「待ちたまえ」

そんな状況に口を挟む人間がいる。
ペイン博士だ。
武蔵はクローンによって生まれた奇跡の存在。
ピクルは白亜紀から現代に蘇った奇跡の存在。
互いに比肩するモノがない奇跡そのものだ。
要するにどちらも存在することそのものがおかしい。

そんな奇跡と奇跡を争わせ、どちらか片方を、最悪両方を失う。
それは避けなければならない悲劇だ。
だから、戦うなというのがペイン博士の主張だった。
本人たちの意志を無視している点を除けば真っ当な理由である。
みっちゃんだって同じようなことを考えていたからペイン博士の言葉には納得せざるをえまい。

「剣士は雌雄を決したく」「戦士は剣士を食したがる」
「その場に居合わせた我々は」「幸運と云うよりほかない」


「この「夢」を中断することだけは許さん」

ダメだ、このサイコジジイは常識では止まらない。
こんなんだから烈を生け贄と捧げるわけだよ。
というか、烈が死んで泣いたことを忘れたのか?
常識より悲しみより戦いが見たい。
この人はこの人で一切ブレないのであった。
この巨悪を討てば本部は英雄として賛美されるかもしれぬ……

というか、ピクルは食べることが前提だ。
地獄が描かれても知ったことかと言わんばかりである。
やはり、本部が守護るべきは武蔵の魔手からではなくみっちゃんの陰謀から……

だが、みっちゃんがサイコジジイならペイン博士はマッドジジイだ。
狂気に身を置いている人物だ。
そのため、拳銃を構えて戦うことを止めろと言い出す。 俺がピクルを守護らねばならぬ。
銃器の不法所持を躊躇なく行う辺り、この行動力はさすがと言わざるをえない。

だが、銃口を向ける先が武蔵なのはどうか。
銃を向けるべき相手はみっちゃんだ。
巨悪を討てば二次被害は収まるぞ。
これそのものが二次被害の気もするけど。

そんなわけで銃を向ける相手を間違えた。
一瞬で手首を外されて銃を落とす。
外されてから気付くほどの速さであり手練れだった。
さらに全身を素手斬撃で切り裂く!
実際には斬らなかったようだが動作を交えたからか、八つ裂きにされたペイン博士のイメージがその場にいる全員の脳裏に浮かんだ。 ジジイが相手でも容赦のない武蔵だ。
……その容赦のなさをみっちゃんに見せつけて欲しいのだが。

武蔵は興味深そうに拳銃を拾う。
武蔵が生きていた時代では既に火縄銃が存在していたし、合戦においても実用化されていた。
とはいえ、拳銃ほど小型化されたものはない。
戦国時代にはなかった現代ならではの武器である。

そんな拳銃を武蔵は乱射する。
武蔵の知る銃はただ引き金を引くだけだけでは連射ができない。
連射できるものではないという先入観があると思ったが……
試しに引き金を引いてみたら連射できたから撃ちまくってみたのだろうか。

そんな未知の武器であったが武蔵は反動に振り回されることなく撃っていく。
壁に残った4つの弾痕はさほど距離が離れておらず、人にも当てていないからけっこうな精度だ。
武蔵が武芸百般に優れるのは未知の武器でもすぐに扱えるからだろうか。 飲み込みの速さも武蔵の武器かもしれない。

「手裏剣よりは容易いが」「よく当たる」
「怖いな」
「「道」にはならんがな」


武蔵は銃の強さを認めつつも、道にはならないと言う。
習得が簡単な分、それを磨くための鍛錬を行う必要性が薄れ、それ故に発展性のない武器ということだろうか。
剣を中心に習得に労力と時間を要するものを手にしてきた武蔵らしい言葉だ。
だからこそ、同じく武術を磨き上げてきた本部に注目しているのだろうか。
そんな本部が機関銃を持ってきたらどうするものか。
奪って蜂の巣にするか?

「ぴくるとやら…」「もう誰も邪魔せんぞ」
「旨いぞ俺は」


武蔵はピクルが敗者を食うことを知っていた。
知った上で戦いを選んだ。
さすが闘争と言えば死合いの男だ。
命は投げ捨てるもの。

ここなら誰も邪魔に入らない。
本部だってやってこない。……多分。
本部がやってきたら奴はプレデターか何かだと思う。
人類の手で絶滅させよう。

「いざ」

武蔵は改めて構える。
両手に刀を持ったような構えだ。
それを前にピクルは噴火する火山を連想する。
武蔵の危険度は恐竜を飛び越え、いつの間にか天災にまで達した。
それに対して武蔵はピクルに何を連想しているのだろうか。
やっぱり、その価値から黄金の山か?

戦うのに十分な場所が用意されていよいよ2人が戦おうとしている。
二大巨頭の世紀の戦いが始まろうとしている。
だから、せっかくなら地下闘技場とかでやればいいのに。
恐怖で食人を見せることにもなりかねないが、まぁ烈が死んだ場面を見せたし今更だろう。
そして、そういう場所で戦わないと刃牙の出番がない。 次回へ続く。


武蔵、銃を評価する!
バキ世界では銃の強さは曖昧だ。
ちっとも通じないかと思えば、花山にダメージを与えたり勇次郎を倒すことがあったりとまちまちだ。
いざとなればこの銃を取り出してピクルに致命傷を与える!
……という展開は勘弁願いたい。

それにしても疑問なのはピクルが大人しく実験場までやってきたことだ。
よくぞ闘争の熱を冷ましたものだ。
ディノニクスに似ているからビビったか?
蛮勇丸出しの烈よりずっと大人しいぞ。

実験場の周囲は壁だ。
ピクルとしては白亜紀闘法をやる格好のチャンスかも。
実は本当の本気を出せるチャンスかもしれない。
刃牙を相手にした時は本気を流されたというか、妖術で無効化された感もする。
武蔵を相手に全力を見せつけろ!
そして、これが最後の活躍とかにならなければいいのだが。

オチにもしたけどまた刃牙の出番がなさそうな場所で戦っている。
戦わずとも観戦をするのが刃牙の流儀もとい処世術だったのだが……
なお、最後に出たのは第70話、去年の7月末となっている。
つまり、半年以上は出番が与えられていないことになる。
まぁ、本部に負ければ半年は引きこもりたくなるな。

最近は扉絵での出番も減ったし、すっかり刃牙を見なくなってる。
もしかして、これこそが刃牙道……?
有り余る遺産を持って引き籠もるニート生活こそが見出した道……?