REVENGE TOKYO No.4/シコルスキー



死刑囚のベストオブ無残シコルスキー!
噛まれに噛まれ金玉を二度も砕かれた男である。
世が世紀末なら無想転生を纏えたことは間違いないであろう。
そんなシコルスキーが蘇る!
蘇れるのかぁ?

かつてミサイル発射口というよくわからん場所に収容されていたのがシコルスキーだ。
登れるのは想定外だったのはわかるけど、天井が空いているのはあかんだろう。
だからか、再収容されたシコルスキーは孤島の刑務所に移されていた。 海で隔離すれば脱出不可! ……ということなのか?

そんなシコルスキーだが分厚い扉の独房に捕えられているようだった。
無残な目に遭ったとはいえ死刑囚。
しっかりと警戒されていることがわかる。
しかし、看守はその独房に何の警戒もなく近寄る。
看守たちからはシコルスキーは玉無しヘナチン野郎とでも思われているのかも。

看守はシコルスキーの独房へ近付くと扉の前でコインを落としてしまう。
落としたコインは転がっていきドアの隙間からシコルスキーの独房の中に入る。
看守は無警戒に扉の前に近付き返してくれと言う。
これはホラー映画だと悲惨な目に遭う流れだ! 孤島の刑務所に隔離するのはドリアンの、扉の前に迂闊に近付くのはスペックの失敗をリプレイしている感ですね。
これならシコルスキーでもやり返せるか……?

だが、看守は無事にコインを返してもらい受け取る。
しかし、コインは球体のように丸まっていた!
……今更スゴいのか、それは!?
OK、君のピンチ力がスゴいのはわかった。
でも、何か微妙なところでアピールしている気がしてならない。
コイン曲げエピソードとして他にあるのはゲバルが語ったオリバのコイン四つ折だ。
球体にぐしゃぐしゃにするのはそれよりは上……なのか?
上だとしてもオリバの株は暴落がヒドいからあまり自慢になりませんな。
何年か前ならあのオリバ以上のピンチ力!?と驚かれたかもしれないのに……
シコルスキーは時代にも見放されている気がしてきた。

そんなシコルスキーは新たな能力を身に付けていた。
何もない真っ平らな壁を掴む!
もはや摘まむという次元ではない。
敗北を経たことでシコルスキーは異次元のピンチ力を身に付けた! ……ピンチ力、なのか?

ともあれ、尋常ではない所作である。
そして、壁に捕まったまま、シコルスキーは夜から朝まで不動のようだ。
シコルスキーがかつて行ったミサイル発射口のクライミングを行うためには、天井に置かれたボルト1個分の支えに捕まったまま、小説を読む体力が必要とされると述べられていた。
意外にもシコルスキーは持久力にも優れているファイターなのだ。 その持久力がこの長時間壁捕まりを可能としているのだろう。

だが、バキ世界において持久力が勝因となることはない。 大事なのは燃費よりも馬力ですよ。
シコルスキーは敗北を経てパワーアップした! ……はずなのに、何か強くなった部分がいまいちだったりしてどうも堂々と褒められない。
やはり、ロシア人の呪いは根深い。
それもシコルスキーにやる気みたいなのが感じられないのも大きい。
久し振りの登場なのに壁に捕まって寝ているだけだ。 いや、壁に捕まるのはスゴいけど、寝ているだけなのはちょっと……
覚醒を迎えようとしているドリアン、激やせしたのに復活を目論むスペック、触覚という未知の武器を手にしたドイル、そして、今後大きな事件を起こす柳……
他の4人と比べると寝ているだけなのは……うん……
ドリアンには独歩、スペックには花山、ドイルには克巳、柳には渋川先生と因縁のあるライバルキャラがいるのに対して、シコルスキーはその辺いまいち思い浮かばないのもマイナスですな。
刃牙……? 刃牙なのかなぁ……

そんなわけで何かいろいろと突っ込んだシコルスキーだが新たな能力を手に入れたのは間違いない。
その指で壁を掴めるようになっただけでなく、足でも壁を掴み身体を支えている。
つまり、今のシコルスキーは手と足の両方を使った立体的な機動が可能になった! これでスプリンクラーに頼らず立体的な戦い方をできるぞ!
スプリンクラーだけならジャックに一蹴されたが、あらゆるものを足場にできればジャックにも勝てる!
……何か今のジャックならシコルスキーでも勝てる気がするなー。
次回へ続く。