バキ道感想 第115話「不可解な立ち合い」



新年初バキ道は出血で始まる。
新年早々血生臭い。
ついでにバキ道が始まって初めての新年は宿禰の髪を結う回だった。
……血生臭い方がマシだな。

ジャックと宿禰が対峙し、ジャックが間合いを詰め動き出す。
だが、ジャックの動きは緩い。
この緩い動きからどのような攻撃に繋げるのか、むしろ読みにくい。

だが、その動きに対して宿禰は全力のぶちかましで反応する!
ジャックの動きに危機を感じたのか、あるいは小指を食われた恨みをぶつけようとしたのか。
何にせよ初手全力である。

これに対してジャックも全力で踏み込みで相対、二人が交錯する。
どうやら突き出した拳は囮だったらしい。
そして、宿禰の首筋の肉が噛み千切られた!
鎖骨の上辺り、かつて烈がピクルに噛み千切られた部位と同じだ。
宿禰はマワシを濡らすほどの大出血をいきなりすることになってしまった。

一瞬の交錯だったが見事に噛み千切った。
張り手に対して小指を噛み千切れるのだから、ぶちかましに対して噛み付きカウンターも容易らしい。
凄まじい噛み付きの切れ味と反応である。
今のジャックはただデカいだけじゃなくスピードも備えている!

なお、噛んだ首筋の肉は飲み込まずに吐き出しました。
さすがに食人に目覚めたわけではないらしい。
小指も小指で実は噛み砕いていないとかならありがたいのですが。
くっつけてやれよ。

ファーストヒットを奪ったジャックは腰を大きく落とし腕を前方に構える。
これは刃牙との戦いで見せた二足歩行の食肉獣が採る構え!
あの時よりもさらに姿勢を低くしているが骨子は同じである。

20年の時を経てあの構えが蘇った。
実に感慨深いが刃牙に一瞬で破られた構えでもある。
大丈夫ッスか、ジャック兄さん……
本部にPONしまくって負けたことは忘れてないからな……

しかし、この構えに反応してやれよ、ナレーションの人。
アンタ、最大トーナメントを頭から尻尾まで実況したし、ちゃんと目撃しているじゃん。
本部もほうあの構えを進化させおったかくらいは言って欲しい。
なお、本部は今回は残念ながら解説どころか台詞さえ一言もなしだ。
次回以降に期待したい。

ジャックは即襲い掛かる。
それに対し宿禰はゼロ距離でジャックの顔面を垂直に蹴り上げて迎撃する。
ジャックは噛み付く以上は相手に肉薄しなければいけない。
対峙する相手としては間合いを詰めさせないように立ち回るのが王道だろう。

だが、宿禰は引き付けてのカウンターを選んだ。
既に小指と首筋を噛まれているというのに何という胆力か。
加えて凄まじい柔軟性である。
宿禰は巨躯なので自分よりも大きい相手はほとんど想定していないだろうし、ゼロ距離での蹴り上げを練習することはまずないだろう。
なのに、見事に対応してみせた。
醜足で脚を大きく上げているだけことはある。

「古代相撲には「蹴り」があるッッ」

この蹴りに観客は沸き上がりナレーションもすかさず触れていく。
宿禰が衆人環視の前で蹴りを見せたのはこれが初めてだ。
古代相撲が古代相撲たる所以を見せたのもこれが初めてである。
本部も解説してあげなよ。
読者が喜ぶぞ。

宿禰は噛み付きに対してカウンターした。
だが、宿禰のカカトが切り裂かれていた。
肉を噛み千切ったわけではないが皮は引き裂かれている。
噛み付きはしたらしい。
今のジャックに一瞬でも触れれば噛み付きでカウンターをするらしい。
噛み付きの破壊力だけでなくその反応そのものが脅威である。

「「嚙道」………………………恐るべし!!!」

本来は高難度のはずの噛み付きを幾度も成功させている。
嚙道と言い出した時は何言ってんだコイツ感があったが、どうやら伊達ではないらしい。
噛み付き自慢だけありピクル以上に噛んでいる。
ピクルはけっこう殴ったりするけど、今のジャックは噛み付き一本だ。
嚙道は伊達ではないがそれはそれで頭が悪い戦い方だな……

ピクルの噛み付きは武器というよりも食べるためものだ。
そのため、殴ったりで相手を弱らせた後に噛んでいることが多い。
対してジャックは噛み付きを武器として運用している。いきなり噛み付いている。
狙いが露骨すぎて対策は容易そうだが、一瞬でも触れれば噛み付いているから無茶も通せば道理となるらしい。
でも、顔面をモロに蹴られてノーダメージはやり過ぎだと思います、押忍。

宿禰の秘密兵器の蹴りは通じなかった。
掴もうにも必然ゼロ距離になるから噛み付きの的になってしまう。
先行きは不安だが、コイツ、生意気だからこれくらい痛い目を見るのがいいかも。
本部の解説にも期待しつつ次回へ続く。