バキ道感想 第146話「丁度よい」



刃牙のやる気がない!!
やる気がないのはいつものことだが今回はボスキャラとの試合を前にしてもやる気がない。
過去にボスキャラ相手にやる気がなかった時はJr.の時だ。
やる気がない時の刃牙はむしろヤバい一例ですね。
逃げろ、宿禰! 仕切り直せ!

さて、我らが主人公の範馬刃牙。1ページ丸ごとアクビに費やす。
こいつ、本気で寝てやがった……!
さすが丸々1年間に渡って紙面に出なかった男だ。格が違う。

起きた刃牙は僅かに柔軟をしてそれで準備完了だった。
アップはもちろん、着替えさえしていない。いつものトランクス一丁ではなくTシャツにジーパンだ。
やる気のない刃牙だがここまで準備をしていないことも珍しい。

「こっちの方が実戦かな…って」

着替えない理由を実戦と言う刃牙だった。
刃牙はこの普段着で最大の強者、勇次郎と戦っている。
なのでこのぐーたらっぷりにそこまで反論できない。
いや、勇次郎と戦った時は直前まで寝てるなんてことはなかったし、やっぱりぐーたらか……

こうして刃牙は試合場へ赴く。
当然、普段着に観客も解説も驚く。
観客の中には嘗めてると辛辣な感想を下す者もいる。
これにはさすがチャンピオンと絶賛する気はないようだ。

一方、宿禰はそんな刃牙を見ても調子を崩すことなくアップし続けている。
汗を流しまくって地面の色を変えているほどだ。
もはや試合開始前にガス欠を起こしそうな勢いである。
最初から全力を出すのはいいけど、もうちょっと、こう、ほどよいところを探ってみては……



審判に中央へ来るように言われ宿禰は無駄に軽やかに飛ぶ!
そして、音もなくふァと着地して刃牙の前に立つ。
ダイナミックな動きに思わず腕立て前方転回から月面宙返りを無駄にやったガーレンを思い出してしまう。
最初から全力を出すのはいいけど無駄な消耗は避けるべきでは……?
何か勝つために最初から全力を出すのが正しいのに、それが手段化しちゃって最初から全力を出すためにいちいち動いている感じですね。

アップをしまくり汗ダラダラで既にマックスの宿禰とアップせず汗をまったく流していない刃牙。
二人は実に対称的だ。
ここまでお膳立てされると宿禰が秒殺されることに期待できる。
いや、無理でしょ、これ……これで宿禰が勝ったら本部が刃牙に勝つ以上の大金星ですよ。

「調子良さそうだ」「大将」

「刃牙は達人だぜ」「いつだってベストだ」


そんな一見やる気なさげの刃牙を花山と独歩(あと克巳)は最高の評価を下す。
第一人者たちから見ても刃牙には隙がないらしい。
誰も宿禰を応援していないのが可哀想ですね。
金竜山くらい応援してあげればいいのに。
というか金竜山どこに行った?

10秒で勝つ気の宿禰。
2秒で勝った記録を持つ刃牙。
そして、刃牙と言えば塩試合の達人でもある。
郭春成の子とマホメド・アライの子という二大ブランドを瞬殺している。
宿禰も、まぁ、瞬殺されそうですね、これは……

なので、どう瞬殺するかがポイントだ。
お得意の金的でもやっておくか?
刃牙世界の基本技、金的はバキ道になってから控えめなんですよね。克巳が金玉掴んだくらいだ。
ここで伝統と実績の金的で宿禰の血を絶やすのも悪くない。

あるいは宿禰がその剛脚で金的しておくか?
だが、蹴った宿禰の足が砕ける。
刃牙は幾度金的を喰らおうと砕けないオリハルコンの金玉の持ち主!
古代相撲程度が砕こうとは浅はかさが愚かしい!
……ここまでアップしてやることが金的だったらそれはそれで面白いけど。

刃牙が本当に瞬殺されたら本部が勝つとかそんなレベルではない不祥事だ。
本部さんも解説してあげなよ。何で花山と克巳と独歩に観客役を譲ってんだよ。
いや、本部の人気ってそんなもんですけどね。
強くなることで逆に人気が下がった感さえある。

どっちが勝っても盛り上がりに困る感じはあるが一応ラスボス戦だ。
宿禰さんには燃え尽きてもらいたい。
次号は休載して次回へ続く。
続きは10秒とは行かないのであった……