刃牙らへん感想 第21話「ガラス」



ジャックが刃牙同様に勇次郎にケツを叩かれた。
かつての刃牙はガラスを突き破るほどの勢いで飛ばされた。
ジャックさんはどうなる? というか戦うのか?




勇次郎の平手によりホテルが地震が起きたように揺れる。
勇次郎の信頼を得ているマネージャーの野中が現場に踏み込むとジャックがガラスにめり込んでいた。
とりあえず、見た目が面白い!!
悲惨と言うよりも面白い。
折れ曲がった膝がいい味を出しているぞ。

「それより野中…」
「貴様ガラスを替えたな」


意外! 勇次郎が野中の名前を覚えている!
名前を覚えられている時点でストライダムに匹敵する側近レベルですよ。
ストライダムが捕鯨砲を供するのなら、野中は美色を供することで側近に成り上がったのだろうか。
あの勇次郎が食を任せているというのが異例だし、野中への信頼度は極めて高いことが窺える。

もしかして野中も年に1度、勇次郎を脅かそうとしているのか?
アレは側近として認められるための儀式ですからな。
ストライダムに並ぶためには必須だ!
あるいはストライダムだけがあんな無茶振りをされているのかも。
まぁ、それはそれでストライダムだしな……

というわけで、ホテルのマネージャーの野中は以前に刃牙が窓を壊し叩き出された反省からか、ガラスをより強固なものに替えたのだった。
先見の明があるというか、あの勇次郎ならまたやるだろうという信頼があったのだろうか。
こういう気配り、というかリスクケアができるから勇次郎の機嫌を取れているのかもしれない。
これがみっちゃんならむしろガラスを脆くする。そっちの方が面白いという理由で。

「40階程度で落ちて死ぬタマかッッ!!!」

勇次郎がガラスの変更に言及したのは刃牙の時のようにジャックを外に叩き出せなかったからだった。
野中としてはそうした事故というか事件を避けるためにガラスを強化したのだが、勇次郎は落とした方ではなく落とされた方が考えることだと無茶を言う。
同時にジャックが40階程度から落ちても死なないと信頼を見せる。
自分や刃牙が落ちて無事なら同じ範馬のジャックも無事!
かつて血が薄いと卑下した相手なのに……いや、本当に何があったんだ? 何でここまで評価を激変させたんだ?
負けた相手には厳しいけど勝っている相手には比較的優しい勇次郎だから、宿禰に勝って見直したりしたのか?

この勇次郎の評価を受けてジャックは笑う。
地上最強の父親に信頼されている!
今まではその信頼を全然受けていなかったジャックとしては嬉しいに決まっている。
まぁ、最大トーナメントの時はジャックの優勝が予想されてたんですけどね。
でも、その予想を裏切ったことで信頼を失ったのかも……以降、勇次郎はジャックに冷たくなったし……

「ソノママ落下シテイタラ――」
「地面ヲ割リ破壊サレルコトガワカル」


ジャックが思い浮かべるのは地面に出来るクレーターの光景だった。
いや、勇次郎でさえ車の上に着地したわけだし、さすがに地面に直撃は辛いような。
でも、範馬一族なら……いや、地下闘技場の地面に最上階から落下した刃牙は瀕死になったからダメかも……
バキ世界における高所からの落下で受けるダメージは議論が分かれるところですな。

「親父…」
「今夜ハゴチソウ様デシタ」「旨カッタデス」
「ソシテ…」
「報ワレマシタ」


満足したのか、ジャックは丁寧な謝礼と共に立ち去る。
そして、報われてしまった。
ジャックの苛烈なトレーニングは勇次郎に勝つためではなく認めてもらうためだったのか。

ジャックは一つの人生の目標を達してしまった。
ここからがジャックの新たな人生の始まり……なのか?
ひとまずゴールということにして花田に主役を譲るのはどうだ?
花田はどうなったんだ、本当に。タフみたいな消え方しやがってよ。

ジャックはもし落下していたらクレーターを作る、環境破壊をしていた述懐する。
そして、そういうのはダメだと考えるのだった。
不健康不摂生な刹那主義なジャックが環境を考えている。
これもまた成長の証……なのか?
不自然主義の極みが環境を語るとは異なことを……


勇次郎に認められたことでジャックの目標の一つは達せられた。
何か勇次郎に勝つのは目標じゃなくなった感じですね。
刃牙もそうだし勇次郎の作中の立ち位置は絶対不動の最強であり、越えるべき壁ではなくなったのだろうか。
長い連載によって勇次郎はあまりにも強く、それでいて巨大になりすぎてしまった。
紅葉にドアノブで負けそうになっていた勇次郎はもういないのだ。

で、そうした目標を見失ってよくわからなくなってしまったのが範馬刃牙さんです。
いや、武蔵の時はけっこう燃えてたけど、最終的には手段を選ばず葬るようになってしまった。
そして、宿禰にはやる気あるのかないのか、さっぱりだった。
宿禰自身もやる気あるのかないのかさっぱりで最悪の組み合わせだった。
ジャックも目標を見失ってよくわからないことにならなければいいのだけど。

ジャックは環境を気にかけていた。
アスファルトが環境なのかはちと怪しいけど、慈愛と博愛に目覚めた……のかも。
同じ感じに対戦相手に優しくなってもらえると助かる。あと華を持たせてほしい。
昂昇は昂昇自身が不甲斐なかったけどね……

次の対戦相手には独歩が名乗りを上げている。
けど、独歩ちゃん、蹴速と戦って勝ったばかりだし、他のキャラにスポットライトを浴びせてほしいところではある。
独歩の意志を継ぐ者、加藤参戦!とか。
加藤の親友、花田がセコンドとして支えるぞ!
そして、いつの間にかいなくなる。
次回へ続く。次週は休載!