襲いかかるがスペックの前例があるから、真面目に花山の心配をしにくい。
いや、鯱鉾がスペック以上の暴力性を秘めているのならば……あるいは……
「これって何なん…?」
「これって…」
「これって一体何なん!!?」
怒涛のラッシュを仕掛けながら鯱鉾の脳裏には疑問符が満ちていた。
「これって何なん」は相撲が妙に強くなっている現状に投げかけたい言葉だが、まぁ、もう何回も突っ込んだので止めておくとして。
一見すれば優勢だが鯱鉾には手応えがないようだ。
ラッシュ自慢の鯱鉾だけに、今までの対戦相手はこれほどのラッシュを仕掛ければ何らかの反応があったのだろう。
だが、花山は不動。それもノーガードで不動。
鯱鉾がこれって何なんになるのは道理だろうか。
「
「言わんばかりの「
何かスゴい褒められ方をされた!?
花山の構えは
何だかわからんがとにかくよし!
とりあえず、ガードできないではなくガードしない路線に舵を切ったようだ。
これでガードできなかった路線で倒れたら笑う。
疑問と共にラッシュを仕掛けた鯱鉾だったが、やがてその手が止まる。
疲労だろうか。
力士は体重と引き換えに持続力がないのが通例ですからな。
そして、そこが弱点となって異種格闘技戦で結果を残せていない。
まぁ、バキ道においてそこに触れられることはないのですが……
ノーガードで耐えた花山だが表情を見るとけっこう消耗しているようだ。
花山はタフだけどダメージを受けないわけではないのだ。
克巳VS花山はそのダメージの蓄積も描かれていたのが面白いところでしたね。
「いいぜ」
「アンタの番だ……」
「アンタが好きなだけ打つ番だッッ」
鯱鉾は花山の打撃を受けて立つ気でいた!
覚悟しても耐えきれない豪打をもう一度受ける。
普通ならありえない選択であり、無謀そのものだ。
だが、花山は一切ガードしないという普通ではありえない戦い方を選んだ。 フィジカルに絶対の信頼を寄せる力士としては引くことができないのだろう。
まさかの意地と意地の精神力の戦いになるのだった。
花山の一撃を望んだのは範馬一族以外では鯱鉾が初めてだ。
この初挑戦に対して花山は無言で振りかぶる。
そして、いつも通りに思い切り殴った!
アンタもアンタで容赦がないな、おい。
内心、けっこうイラッと来たのかも。
「どすこい!!!」
一度はダウンに至った一撃である。
だが、今度は鯱鉾自身が望んで放たせ受けた。
プライドに賭けて倒れるわけにはいかない。
だから、耐えた! 鯱鉾が耐えた!
花山の一撃をまともに受けて倒れずに耐えたのは範馬一族とガーレン以外では鯱鉾が初めてだ!
ベストの状態ではなかったとはいえガーレンは耐えているんですよね……
だが、無情にも耐えた直後に花山のアッパーが鯱鉾のアゴに入る。
一発を耐えることに専心した鯱鉾に対して、さらなるダメ押しであった。
まぁ、一発だけじゃなく好きなだけ言いましたからな……
それにしても花山らしからぬ腕を小さく畳んだアッパーであった。
普段はもっと大振りなのに……
もしかして、鍛えた?
鯱鉾は豪打を2連続で受けることになってしまった。
これはさすがに決着だろうか。
それとも鯱鉾が意地を見せつけるのか?
次回へ続く。
なお、次週は休載!
すっかり慣れたのでそろそろ喧嘩稼業の続きをお願いします。