お前がグズグズしている間に独歩は引きこもりたくなるダメージを受け、ボルトは回想で死んだ。
お前が守護らなかったからだ!
そんなわけで連載開始から今日までの本部の行動を見ていきたい。
・本部初登場
記念すべき本部初登場は神心会のトーナメントに観戦だ!
この人、何のために来たんだろうね。
座って見ていないから座席は既に埋まっているようだ。
刃牙が来ると知って大急ぎでやってきたのかもしれぬ。
情報が遅いな!
この時の本部のポイントは弟子を連れてきていたことだろうか。
その弟子は刃牙の正拳破壊を見切っていたようだった。
が、実力の方は加藤以下である。雑魚そのものである。
知識があるのはいいが実力が付いてきていないのは師匠も弟子も一緒だ。 それが本部流の伝統なのだろうか。
この時の本部の代表的な発言は独歩に対して言った「今の貴様なら1分以内に殺せる」だろう。
この時点での本部の底知れぬ実力と今後の不甲斐なさとのギャップがとんでもない名言である。
一体何を勘違いしたのかと思うと同時に本部の主成分は勘違いなのでこの発言も妥当である。
この時は弟子を軽々と投げ飛ばし、加藤を恐れさせ、神心会の門下生をいとも簡単に倒した。
当時の時点では実力者の風格十分だった。
当時の時点では。 ここが間違いなく本部の全盛期である。
以後は零落を続けるのみである。
・刃牙に稽古を付ける
ちょっと間を置いての再登場だ。
ここでも「君が格闘技の申し子なら花田は格闘技の大天才と言っていいだろう」「君の父親範馬勇次郎がそう呼ばれているようにね」と名言を残す。
あの花田を刃牙と並べるのならまだしも、勇次郎と匹敵する存在まで持ち上げた。
押忍、持ち上げすぎじゃないでしょうか。
この人、何も考えずに適当なことばかり言っているんじゃなかろうか。
さて、この時の本部は稽古とはいえ刃牙を何度も投げる。
あの本部が刃牙を圧倒しているのだ。 いや、刃牙が圧倒されることは幾度もあるが、あの本部に圧倒されるとなると話は別だ。
実にシュールな絵である。
本部の全盛期はギリギリここでもあると言えよう。
なお、範馬勇次郎と匹敵する才能の持ち主、花田は刃牙を1分以内に倒せると言った類の発言をしている。
奇しくも師匠と同じような発言だ。
無論、それは勘違いなのだが。
やはり、本部流柔術の極意は勘違いなのか?
・斗羽戦でのセコンド 花田の仇討ちとなった斗羽戦では刃牙のセコンドとして登場だ。
実力はないが知識は一流なのが本部である。
ならばこれほどセコンドに優れた男はいないのではないか?
結論から言うとそうでもなかった。
まず、開幕直後の助言が「スピードでかきまわせ 絶対イケるッ」である。
うん……ダメだね……何か万馬券に賭けるような人の発言だよ……
無論、この発言は裏目に出て刃牙は斗羽の奇襲を受けてしまう。
スピードでかきまわされてしまったのだ。
この試合の本部は驚いてばかりでこれっぽっちも役に立たなかった。
解説役は独歩がやっていたし、リアクション役としても加藤の方が上手だった。
かつてのライバルが仲間になると弱体化する法則をやってのけた本部であった。 いや、別にライバルってわけじゃないけどね……
余談ながらこの試合の直後に花田は「今更師匠から学ぶことなんてないね」と本部に言っている。
まぁ、ないわな。
うん……ないよね……
・勇次郎戦
強者の代表格が勇次郎なら弱者の代表格は本部である。
その本部が勇次郎に挑む!
……まぁ、若気の至りですよね。
50歳だけど。
ここでまた名言「いくらキサマでも人喰い愚地では相手が悪すぎるわ……」を残すのが本部である。
本部的には勇次郎は独歩に劣る存在だったらしい。
この時点では勇次郎と独歩の実力は拮抗していたから、両者の戦力分析に突っ込むのは止めておこう。
問題なのは独歩を1分で殺せると言った男の発言とは思えないことだ。
何かメッチャ独歩を持ち上げているというか……
本部の中では独歩>本部>勇次郎の構図が出来上がっていたのか?
正しくは勇次郎>独歩>>>(越えられない壁)>>>本部だがな!
また、勇次郎の思い上がりを弱点だと本部は得意げに言っている。
なら、アンタの弱点は勘違いだな。
結果として本部は敗北するわけだが鬼の貌を解放している。
発言と行動はとんちんかんだが実力そのものは低く描写されているわけではない。 この時点での本部は紛れもなく実力者なのだ。
この時点ではな……
・独歩VS勇次郎の観戦
解説役本部の覚醒である。 数々の絶技を解説する本部のその実力は観客に何でも知っとるわと称賛されるほどである。
そして、これっぽっちも戦況を読めていないことが明らかになる。 5段突きで独歩が勝ったと勘違いしちゃうし楽観的すぎませんかね……
なお、この時の本部は独歩をやたらと応援している。
どんだけ独歩が好きなんですか。
いや、まぁ、大好きなんだろうな。
1分以内に殺せる発言も大好きの裏返しかもしれない。
なお、伝統の驚き台詞「人間じゃねえ」の初出はこの試合の本部だ。
そんな相手に勝算があると言った大物っぷりが凄いよ。
・刃牙VS紅葉戦の観戦
独歩戦であれだけはしゃいだ本部だが、直後の試合である今回はちとおとなしめだ。
いや、驚いてはいるけど独歩戦ほど積極的な解説や応援はしていない。
やっぱり、独歩大好きなんやな。
その大好きな独歩を守護れなかった。
その事実が本部を突き動かすに違いあるまい……
とりあえず、この試合の本部の見所は「このアホウッウォームアップもせんで」はスポーツマン丸出しの名言だな。
この人、武道家として卑怯なことも躊躇わずやらんと勝てん人なのだが……
・金竜山戦
格闘家としての本部はここで終わったと言っても過言ではない。
何せ連載初期からいる実力者がぽっと出の横綱に負けたのだ。
最大トーナメント第1回戦における旧キャラVS新キャラの試合で負けたのは本部だけだ。 これはもう失態と言わざるを得ない。
まぁ、そこは見方によると加藤と夜叉猿も該当するのだが。
ただ負けただけならまだしも、力士の小指の強さを知らずに不覚を取ったのが不味い。
そこは貴様の領域だろう……
前述通り、格闘家としての本部はここで終わった。
以後、本部は解説役として最大トーナメントに花を添えることとなる。
解説役としては開花したのだ。 本部の第二の全盛期はここから始まると言えよう。
・渋川先生VSロジャー・ハーロン戦の観戦
本部流あれば渋川流あり。柔術の二大巨頭である。
まぁ、片方は零落を極めているのだが……
さて、この時の名言は「結果がどうなるにしろ見て絶対損はないワ……」である。
こやつは渋川先生が負ける可能性を考慮していたのだ。
恐ろしい男である。
そして、相変わらずの戦力分析の甘さである。
知識はあるがそれを生かす術を持たないのが本部なのだ。
あとこの頃から加藤が本部の弟子的な立ち位置になってきた。 解説の本部、驚きの加藤の構図の完成である。
驚き役には末堂や花田が加わることもある。
この組み合わせはまた見てみたいところですな。
・独歩VS天内戦の観戦
本部の解説術が唸った一戦である。 何しろ完璧だ。
解説も完璧なら出てくるタイミングが完璧だ。
ちょうど独歩が反撃開始するタイミングで登場したし、その直後に独歩が絶技を披露しそれを解説に繋げた。 文句なしの仕事である。
多分、タイミングを計っていたな。
独歩大好きの本部らしい。
・渋川先生VS昂昇戦の観戦
渋川先生の関節外しを見切ったりと地味ながらもいい味を出す解説をした一戦だ。
眼底砕きの後の「彼の言う通り兄弟には使用えぬ技だ」も珍しくいい味出している台詞である。
思うに独歩が関わる試合の本部ははしゃぎすぎなんですよね。
まぁ、そこが本部の魅力でもあるのですが。
・渋川先生VS独歩の観戦
渋川先輩と大好きな独歩の試合である。
こりゃ本部にとってはご馳走ですな。
というわけで解説が唸る、かと思ったら驚愕多めだ。
解説役としてはもちろん驚き役にもなれるのが本部の強みですな。
ただ菩薩拳の原理については解説して欲しかった気もするが。
この試合のポイントは渋川先生の卓越した技術を見て、「誰も勝てる道理がねえ」と言った後に攻めない独歩を見て「考えやがったなあの野郎」から渋川先生が菩薩拳で吹っ飛ぶところだな。
発言が空振り過ぎである。
やっぱり戦力や戦局の分析力がないな、この人……
・刃牙VS烈戦の観戦
まず、ここのポイントは行方不明の刃牙を探すシーンだ。
加藤と末堂に捜索させておいて本部本人は観客席に居座るのみである。
いや、アンタも探せよ。
ともあれ、刃牙が来ないことにメチャクチャ焦っている。
何というか、こういうところが憎めないのが本部さんですよ。
だが、解説という点ではあまり役に立たなかった。
中国4000年の歴史と範馬一族の変態っぷりは本部の許容範囲外らしい。
だとするとこれからの本部に求められるのは国際化か?
・ジャックVS渋川先生戦の観戦
今までジジイと言っていた渋川先生に見事におもねった。 何て野郎だ。最初は1回戦負けもおかしくないみたいなことを言っていたのに。
こういう俗なところは嫌いじゃないよ。
わりと一般人に近いところがあるのが本部ですな。
だが、解説は最初の水鉄砲くらいだ。
試合のレベルが高くなると途端に余裕がなくなるんだよな、この人。
素の実力が及んでいないとこうなるのか……
・刃牙VSジャック戦の観戦
大一番なのだが……上腕動脈の解説くらいしかしていない。
刃牙は本部にわりと優しかったと思うのですが……
少なくとも金竜山に負けるまでは優しかった。
以後は知らん!
でも、試合後にいい笑顔で刃牙を祝福した辺り、この人はやっぱりいい人なんじゃないだろうか。
拍手した時はさりげなく前列を位置取っている辺りもさすがだ。
実力さえあれば知識とわりと親しみやすい性格もあって、第二の烈になれたのではないだろうか。
……多分。
・本部VS柳戦
本部の存在をすっかり忘れていた時にサプライズ出演だ!
登場したことで読者を爆笑させ、さらに柳を圧倒することで混乱させた。
これにより本部は何でもありなら意外と強いという説が生まれた。
大番狂わせ以外の何でもないのだが、本部の立ち回りそのものは見事だった。
予想外な武器の運用を行い柳のペースを乱し、柳の武器を封じる立ち回りを行い、話術で柳の動揺を誘い、躊躇のない一撃で毒手を切り落とし決定打をものにした。
やっていることは見事そのものなのだ。
やっているのが本部なのが問題だが。
ともあれ、何でもありなら本部は強い。
豊富な知識と実戦的な立ち回りは実戦でこそ活かされるのだ。
あと今回も勘違いしていたんだろうけど、柳が落ち目だったこともあって上手く作用したのも大きい。
これだけなら本部の復権と言えるが勇次郎にメッチャビビって本部であることを認識させた。
やっぱり本部はこうでないとな!
・バキ最終回付近
「オーガの首を狙うにはワシじゃ無力すぎる」とちと弱気な発言をしている。
だが、これは別の見方をすれば的確な戦力分析をしているとも言える。 本部とていつまでも誤るばかりではないのだ。
弱点であった分析面は成長しているッッッ。
……多分な、多分。
・そして、刃牙道 守護らねばならぬ。
……さっさと守護ってください、頼みます……