バキ道感想 第46話「全身運動」



大相撲との決戦迫る!
でも、地下闘技場戦士にはあまり気負いが見られない。
まぁ、大相撲だからか。
準備をしているのは大手術を行った克巳だけだ。
この前振り通りにあっさりと終わってしまうのか、それとも苦戦するのか……

さて、徳川邸。
すっかり忘れられていた二代目宿禰が四股を踏んでいた。
それをみっちゃんと金竜山は見ていた。
元横綱の金竜山としては宿禰のトレーニングは興味深くあるだろう。
後進の育成の参考に……ならんな。
宿禰の強さは相撲の強さというより宿禰の強さだし。
宿禰は右足を上げたまま、1時間をキープしていた。
金竜山は相撲もまた近代トレーニングが組み込まれていることを語る。
ウェイトトレーニングが組み込まれている一方で、四股や鉄砲、すり足などの伝統的な稽古もなくなっていないようだ。
最新と伝統の折衷型ですな。

新しいものを取り入れるだけじゃなく伝統の価値を認め守っているのは真に正しい。
伝統が続く理由は惰性があるかもしれないが実益もあるからだ。
近代トレーニングのいいところを取り入れつつも伝統のいいところをしっかり守っていくのが理想だろう。
どちらかに傾く必要はないのだ。
古代相撲の怒りを買っている現代大相撲って存外まともなのか? 実際、表の格闘家は圧倒しているし、伝統を蔑ろにしているというのは喧嘩をふっかけるための建前なのでは……

四股を踏んだ後に宿禰は腰を落とし静止する。
それが何なのかをみっちゃんは金竜山に問いかける。
おい! ジジイ! 第24話でやってただろ! ボケてんじゃねえ!
今更、表の格闘家たちを持ち出したりとこの人、ついに痴呆症になっているんじゃないか……?

「中国武術の站椿に近い」
「通常の筋トレでは得られぬ」
「武的な力を手にするための」「”静的”な訓練です」


金竜山は横綱となり本部を倒した男。
宿禰の鍛錬が何であるのかを見切る。
さすがの実力者……と言いたいところだが、武的な力って何ぞ?
いや、そうとしか説明できない謎の力がバキ世界の武術には存在するのだけど。
モブ格闘家たちが大相撲に一掃されたのは武的な力がなかったからか?
その謎の力、武的な力を手にするための鍛錬が宿禰流站椿、蹲踞のようだ。
そのために全ての筋肉を全力で使っている!
さすがは金竜山、宿禰の蹲踞の極意を見切っていた。
でも、読者としては前にやった内容なので反応にちょっと困る。

こうして宿禰は鍛錬を終える。
明日は本番なので調整程度で済ますのだった。
それでも全身から汗を流している。
けっこうな負荷をかけていたようだ。
調整と言えど軽く済ませる気はなく、宿禰の大相撲との決戦への意気込みがわかる。

「我 ひたぶるに力比べせん!!!」

宿禰の意気込みはオリバの時と何一つ変わらない。
結局、大相撲が古代相撲を蔑ろにしているというのは周囲の事情であり、宿禰本人としては強者と戦いたいだけか。
大相撲との戦いは当事者の意志よりも周囲の思惑が大きい。 それ故に着地点がいまいち見えにくい戦いでもある。
ともあれ、次回から大相撲との戦いが始まる!
次週、休載!
……次回へ続く。