止まらぬ勢いこそシンフォギアシリーズの持ち味である。
スタッフはブレーキを忘れているというか壊している。意図的に。
「――オレが奇跡を殺すと言っているッッ!!」
前回同様の啖呵で俺っ娘のキャロルは吠え猛る。
第2期の頃はアバンタイトルの内容が前回の引きとほぼ同じだったのがやや物足りなかった。
アバンタイトルが変化に富んでいた第1期と比べると寂しい内容と言えよう。
GXもそうなのか?
いや、アングルが違う! そう、GXはアバンタイトルも新しく作り込んでいるのだった。
第2期の強烈な引きに加え、第1期の作り込まれたアバンタイトルが合わさりGXは最強に見える。
キャロルの錬金術が直撃しなかったとはいえ、響は重傷には至っていない。
相変わらずというか丈夫だった。
うーむ、さすが巴武蔵にしてゲッター3。
スパロボでもゲッターの中で一番装甲が厚いですからな。
設定で直接述べられてはいないのだが、生身でスーパージャンプする翼やノイズの攻撃をかわすクリスなど適合者の身体能力は高いように描写されている。
当の響も(融合症例ということもあるかもしれないが)アクロバチックジャンプやRIKUJOU部の未来を越えるスタミナを見せている。
頑丈さは適合者だからか?
「何故シンフォギアを纏わない」
「戦おうとしない」
「戦う、よりも、世界を壊したい理由を聞かせてよ……」
明らかに喧嘩をふっかけてきているキャロルに対して、響は今までと変わらず対話路線を崩さない。
ブレない主人公であった。
さすがに相手がロリっ娘だからか、マリアと初めて出逢った時のようにとりあえずパンチもしないのだった。
あの時の響は容赦がなかった。マリアの反応があと少し遅れていたらF.I.S.の計画がすかさず頓挫していたかも知れぬ。
とりあえず、飛び降りる。
落下の衝撃は風属性の錬金術でかき消した。
なお、気になるマントの下はワンピースだろうか。
エルフナインほど痴女をしていない。
多感なファザコン魔法少女だからか。
「理由を言えば受け入れるのか」
「私は――」
「戦いたくないッ!」
戦いたいキャロルと戦いたくない響。
これっぽっちも噛み合わず平行線だ。
第1期や第2期の頃は何やかんやで目的が似通っていたために噛み合う部分もあったのだが(こじれたのは誤解によるものが大きい)、今回は目的も違うのでもうダメだ。
響が積極的に戦う相手は言葉の通じない相手、ノイズだけだ。
人間が相手の場合、まずは対話から入っている。
ネフシュタンクリスやフィーネさんとはノイズなしでも戦ったが、これは相手の戦力が大きいことに起因するだろう。
ノイズを使わず見た目はただの魔法少女のキャロルには戦意が湧かなくても致し方ないか。 いや、魔法少女の時点で只者ではないんだけど。
「お前と違い戦ってでも欲しい真実が――オレにはあるッ!」
叫びキャロルは響を見下ろす。
金子彰史作品にはただ暴れるだけの敵はほとんどいない。
シンフォギアもそうだが、ボスクラスとなると何らかの目的を持っている場合が過半数を占める。
マザーやヴィンスフィルトみたいにボスクラスでも目的を持たない者もいたが、そういった輩は最終的に扱いが悪くなるのが恒例。
そんなわけでキャロルも求めるものがあるのだった。
だが、真実という言い回しが気になるところだ。
これも父のイザークの世界を知れという言葉が関連しているのだろうか。
ここでOP、「Exterminate」!
実にシンフォギアなハイスピードな歌である。
カラオケで血涙する人、多数。
OPのカットについては本編の後で!
一方で未来たちはお泊まり会の予定だったが中止となって帰宅だ。
前回、みんながパジャマになっていたのはそういうことだったのだ。
乱交……いや、薄い本が全然ないので止めておこう。
なお、アニメさんこと板場弓美の置き引きカマキリのぬいぐるみが光る。
前回も電光刑事バンのTシャツを着ていたし、どんだけ電光刑事バンが好きなんだ。
40年前のアニメだから今更グッズが発売されているなんて稀なことだろうし……
自作か? よもや自作か? 愛! デスよ!
「ヒナがキネクリ先輩の家の合い鍵を持ってたから良かったけど」
「でもどうして持ってたの?」
ゆ「きねクリ」ス。
即ちキネクリ先輩のようだ。
おう、無理矢理しやがる。
あだ名が浸透しているとのことだが、浸透させるには無理がないですか?
「どうしてだろう」
「前に響から預かってたんだったかな?」
ここで合い鍵のことを未来は誤魔化す。
響が合い鍵を持っているのには不自然はない。
何せ互いにS.O.N.G.所属だ。非常時に備える意味もあるだろう。
ともあれ、相変わらず自由もプライバシーもどこにもない生活をしているようだ。
が、未来が持っているとなると多少は不自然だ。
未来は響たちの事情を深く知るとはいえS.O.N.G.所属ではないだろうし、
ただの友達が合い鍵を持っているとなると怪しい。
なので、誤魔化すのだった。
その合い鍵は旧二課が勝手に用意したものなので未来にやましいところはないのだが。
ともあれ、しないフォギアの設定が本編に持ち込まれた形である。
しないフォギアは正史なのだ。
つまり、翼がバラエティ向き体質なことも、マリアさんが妙に可愛らしい性格をしていることも……
また、合い鍵の話が出たことは未来とクリスを巡るエピソードもあるのだろうか。
第1期で劇的な出逢いを果たしたのに第2期では音信不通だった。
なので、未来とクリスのエピソードには期待したいところである。
「じゃあじゃあ先輩方ッ!」
「あたしらはこっちなのデースッ!」
「誘ってくれてありがとう」
一足先に帰る調と切歌であった。
切歌はもちろん調まで普通に挨拶をしていることから、ぎこちない関係ではないようだ。
えがったえがった……
この日常は本編だけでなく(多分やるであろう)しないフォギアGXにも期待したい。
常識人ネタで弄られるだろうて。いいぞもっとやれ。
「さて、コンビニでおむすびでも買っておこうかな?」
「あらあら?」
「まぁまぁ?」
「てっきり心配してるのかと思ってたら」
戦場に立つ響だったが未来は心配していないようだ。
第1期と第2期を越えた小日向未来は今や山のフドウ。
響のやりたいことを応援する立場になり、よって不動の精神で響の帰りを待つ精神になったようだ。
これが正妻の構えである。
3人娘は響がシンフォギアを纏うことで生じた不和を知っている。
第1期はそれが顕著に表れていたし、第2期でも響の融合が末期になった頃にはお互いに相当に不安定になっていたことは想像に難くない。
それだけにこの不動の未来は驚愕に値するのだ。
「響の趣味の人助けだから平気だよ」
「むしろ、お腹すかせて帰る方が心配かもね」
その不動の姿勢の要因は現在の響の活動が救助に重きを置いているからか。
だが、響が不安定になる要因は(当然だが)戦闘によるものである。
で、今はその戦闘に巻き込まれている……
ここで未来はどうするのだろうか。
第2期までは響を理解しきれなかったが故に不和が生じたが、GXでは理解完了済みだ。
今までの夫婦喧嘩とは違って夫婦力を合わせて難事に挑むか。
なお、肉が食べたいとか言い出したらヤバい。
さて、クリスも響に遅れて戦場に立つ。
その直後に何だか投げ銭のようなものによってヘリが撃ち落とされた。
そういえば第1期でも撃ち落とされていた。第2期は無事。
国連管轄の組織になったことで改めてカプコン製ヘリを支給されたようだ。
「この仕業はお前かッ!?」
うわぁ、また出ましたよ、投げ銭の人……
相変わらずのオモシロポーズで視聴者のテンションを無理矢理高めてくれる。
こうして弓と銭が対峙した。
何だこの組み合わせ。まるで意味がわからんぞ!
クリスの台詞は「これはお前の仕業か」ではなく「この仕業はお前か」なのがミソ。 何かおかしいけど自然と意味が伝わる金子節。
日常生活で生かしたいところだ。
多分、月光の下で地味は似合わないとか言う人を見るような目で見られる。
(あれは……)
そんな弓と銭の対峙を物陰で見守るエルフナインだ。
何やかんやで1日中追い回されていたのに無事だ。
レイアの文字通り踊らされていたのか。
痴女ルックでも捕まらない辺りはシンフォギア世界の警察は大らかなのだろうか。
まぁ、シンフォギアの世界だから多少露出が高くてもおかしく思われないのかも。
シンフォギアシステムだってあれで半透明の部分が多くて肌色が見え放題の露出度が極めて高い。
なのに全然エロく見えないのは演出の妙か、A.Kanekoの仕業か。
「ロンドンからも翼さんが交戦しているとの報せですッ!」
(同時多発……)
(こちらの混乱を誘っているのか――だが、しかし……)
S.O.N.G.の司令室にも2箇所で同時に起きた事件が報告される。
弦十郎は何か感じるものがあるようだが、その答えには辿り着いてはいないようだ。
また、緒川さんはロンドンにいることがわかる。
翼のマネージャーだから当然か。
現在、装者もOTONAも戦力が分散されている形となっている。
「こちらの準備は出来ている」
「――抜いたな」
「だったら貸し借りなしでやらせてもらう」
「後で吠え面かくんじゃねえぞッ!」
わざと投げ銭を外して挑発だ。
本当に本気で投げ銭で戦うつもりらしい。
対するクリスは響と違って戦意剥き出しにしている。
翼同様に防人体質だ。バルベルデ生活の影響だろうか。
黒星多いので無理しないでも……
ここでGXなクリスの変身!
リボンやケープを意識したであろう柔らかなエネルギー体が硬質なギアに変化していくのは、クリスの根にあるお嬢様らしさの表れだろうか。
翼も家柄だけ見れば名家のお嬢様のはずだが……いや、言うまい。
なお、相変わらずバストは豊満であった。
新たなクリスの
「鉛玉の大バーゲン」と相変わらず歌詞のセンスがアレだ。
本当にお嬢様なのかな?
一方で「繋いだ手だけが紡いだ」と「限界突破 G-beat」同様に過去の楽曲の要素が入っている。
歌詞のセンスがアレだけど。
本当にお嬢様なのかな?
(この動き……ッ!?)
(人間離れどころじゃねえ――人外そのものッ!!)
アヴェリンでクソゲーにするぞと言わんばかりのボウガンの乱射をレイアはブレイクダンスでかわしていく。
さすが地味は似合わない人。回避も派手だ。
シンフォギアに対抗できるその動きをクリスは人外と称する。
つまりはオートスコアラーの身体能力はOTONA並みということか。
何かオートスコアラーの強さに説得力が持たされてきたぞ……
さらにかわすだけでなく矢を掴み取って見せた。
凄まじい身体能力である。
翼をしてバケモノ認定した強さは本物だ。
同じ人外でも力押し中心のフィーネさんとは違って技術面も完備していそうな難敵だ。
「つまり――やりやすいッ!!」
だが、クリスの戦意は絶えない。
さすが過去に幾度も強敵と戦ってきた百戦錬磨の装者である。
強敵ならばむしろよし!
なお、幾度も強敵と戦った結果、黒星だらけだったり負けずともすぐにピンチなったりしたのは忘れておく。 何で調子に乗っているんですかねぇ、このチビ巨乳は……
相変わらずの噛ませ犬体質。実に雪音クリス。
ボウガンの連射は勢いを増していく。
未来戦で用いた「QUEEN’s INFERNO」だろうか。
しかし、ここまでボウガンを使うのは珍しい。
いつもはすぐに「BILLION MAIDEN」を使うのに……
ボウガンの乱射に対し、レイアは投げ銭の連射で対抗する。
小指と親指で投げ銭をキープ、人差し指から薬指を使ってはじき出す!
今すぐにでも真似したい投げ銭アクションである。
この指使いがとんでもなく格好いい。 投げ銭は実に英断だ。本能的に格好良い絵面を実現するのが金子彰史。
なお、本能的に愉快な絵面を実現するのも金子彰史。
弓と投げ銭の激突だ!
非常に格好良い絵面なのだが弓と投げ銭の激突なんですよね。
熱くありつつもツッコミどころを残す感想に優しいアニメがシンフォギア!
尋常ではない絵面だ。
今までの敵キャラは旧二課の装者の苦手分野を突くことが多かった。
それが顕著だったのは第2期でF.I.S.の装者は相性のいい相手と戦うことで優勢を保ち強敵となっていた。
逆に言えば旧二課の装者はそうでもしなければ張り合えない相手である。
だが、レイアもファラも相手の得意分野で互角に渡り合っている。 シンフォギアとねじ伏せる強敵の売り文句は伊達ではないのだ。
「装者屈指の戦闘力とフォニックゲイン――それでもレイアに通じない……ッ!」
装者屈指の戦闘力ぅ?
えーと、それっておっぱいのことっすか?
屈指どころか最強です。
え? 比喩じゃなく本当の意味での戦闘力?
ヤメロー! ヤメロー! 黒星を思い出させるなぁ!
ま、まぁ、最終的には装者最強の翼を相手にタイマンで互角に渡り合った。
屈指の戦闘力に偽りはないかもしれぬ。
ともあれ、ノイズ撃墜数は文句なしの1位の戦闘力に加え(ただし、対装者戦の戦果は絶望的)、完全聖遺物を起動させるほどのフォニックゲインの持ち主(なお、ソロモンの杖の起動には半年かかった)であるクリスでさえ、押し切れない相手がオートスコアラーであった
「やはり、ドヴェルグ=ダインの遺産を届けないと……ッ!」
エルフナインの持つドヴェルグ=ダインの遺産はパワーアップアイテムのようだ。
しかし、伝説のアイテムを手にしたからと簡単に強くなれないのが金子彰史作品である。
むしろ、アガートラーム然りデュランダル然り、その力に翻弄されることが多い。
なかなかに危なそうだけど大丈夫だろうか。
大きな力とどう向き合うかは金子彰史作品で度々語られるテーマのひとつなので、ドヴェルグ=ダインの遺産もそうした要素なのだろうか。
ボウガンでは埒が明かないと判断したのか、ガトリングによる弾幕で圧倒する戦法に移る。
百発の弓矢で倒せぬ相手だからといって、一発の力に頼ってはならぬ。
一千発の弾丸を撃つのだ!
下手な鉄砲も数打ちゃ当たるを地で行くクリスの戦法をレイアは壁走りでかわす。 出た、壁走り!
このおバカなトンデモアクションがシンフォギアらしさ、もとい金子彰史らしさ!
壁走りから地走りへ移行しさらに飛び上がる。
ガトリングの弾幕を以てしても完全に振り回されている。
なお、ガトリングは対装者戦においては未来にしか命中していない。 切歌にさえ当たっていないのだ。
ならばバケモノのオートスコアラーに当たる由もなかった。
大丈夫か、装者屈指の戦闘力……
だが、ガトリングは誘い。
本命はミサイル連射の「MEGA DETH PARTY」だ!
ガトリングでレイアの動きを制限、誘導し追い込んだところを本命の打撃で撃ち落とす作戦だったのだ。
さすがのバトルセンスである。バトルセンス頼りで不覚を取ることも多いけど。
なお、第1期から使われている「MEGA DETH PARTY」だが、やっぱり対装者戦では未来にしか当たっていない。 ミサイルなこともあって威力はそれなりに高いようなのだが……
いや、まぁ、そんな低命中率の「MEGA DETH PARTY」を当てられるようになったのだ。
クリスの成長と見るべきか。
必中とか覚えたんでしょう。リアル系だから習得が遅いようだ。
なお、クリスの元ネタ第一候補、ガンダムヘビーアームズのパイロットであるトロワはスパロボのデビュー作であるスパロボFでは必中どころか集中さえ覚えなかった。
そして、スパロボFはニュータイプ至上主義社会なのでニュータイプ以外が精神なしで攻撃を当てることは難しかった。
あっ(察し)
「直撃ッ!?」
直撃と捉えるエルフナインだがクリスの表情は暗い。
何かいつも通りですな。
戦闘において華はあるが実りにくいのが雪音クリスである。 身に染みついた噛ませ犬体質はなかなか拭えないようだ。
「聞いていたより、ずっとショボイ歌ね」
「たしかにこんなのじゃやられてあげるわけにはいきませんわ」
一方、ロンドン。
前回の台詞を言って繋がりを強調するファラであった。
風輪火斬月煌をまともに受けても本当にノーダメージである。
それに対しPVで見せたカットで斬りかかる翼だ。
あと相変わらず構えているマリアさん可愛い。飼いたい。
だが、剣が弾かれてしまう。
タフネスはバケモノクラスならパワーもバケモノクラスか?
ここで弾かれた剣を巨大化、変則型「天ノ逆鱗」でファラの死角から攻める!
さすが装者において最高の技量を持つ翼である。
正面から厳しいなら搦め手である。
これにはファラも予想外だったのか、回避できずに直撃するのだった。
しかし、天ノ逆鱗は本来の使い方がされなくなって久しい。
第2期では盾だったし、GXではこんな感じだし……
「やったッ!?」
「この程度では下に叩き落としたに過ぎないッ!」
変則型とはいえ天ノ逆鱗が直撃しても下に叩き落とす程度……
ファラは見た目とは違って重装甲型なのだろうか。
大剣だし同じ剣でもスピード+テクニック型の翼とパワー+タフネス型のファラで得意分野が異なる。
これにはマリアも暗い表情だ。
しかし、前回といい敵の過小評価が目立つ。
いや、翼の技量を信頼しての発言かもしれないが。
「退くわよッ! 翼ッ!!」
「えっ? ええええぇっ?」
ここで翼の腕を引き撤退するマリアだった。
人が多い会場での戦いを避けることに加え、閉所のため、翼の持ち味である機動力を活かせないと見たのだろう。
攻めるための戦いより守るための戦いにこそ積極的なのがマリアなのだろうか。
なお、この時に妙に頬を赤らめる翼であった。
この剣、可愛い……?
GXのマリアは第2期以上にオフェンシブである。生意気にもタチだ。
「もったいぶらねえでさっさと出てきやがれッ!!」
クリスの方もレイアのバケモノっぷりは知ったのか。
「MEGA DETH PARTY」の直撃を以てしても油断していない。クリスらしくない。
事実、レイアは投げ銭バリアで無傷だ。
うーむ、投げ銭はバリアにもなるのか。
みんなで試してみよう!
「――危ないッ!?」
「何の冗談だぁッ!?」
と、敵の襲撃をS.O.N.G.に伝えながらレイアと応戦しているといきなりボートが降り注ぐ。
エルフナインの声がなければぺっしゃんこになるところだった。
(その光景が容易に想像できるのが雪音クリスが雪音クリス足る所以)
ミサイルと投げ銭が飛び交う戦場だが、ボートが沸いて出るとさすがに常識外のようだ。
投げ銭にはビビらなかったのに……
やっぱり、質量って大事ですね。
「ワタシに地味は似合わない――」
「しかし、これは少し派手すぎる」
「あとはワタシが地味にやる」
ボートは謎の巨人が投げたもののようだ。
「豊かに恵まれたボディの妹がいる」とはこういう意味だった。
まぁ、豊かに恵まれていますね。でも、そっちかよ。
大人って汚い……
なお、巨人は唐突に消える。ワープ機能持ち?
「考えてみれば当たり前のこと」
「ああ見えて底抜けにお人好し揃いデスからね」
帰路に就く2人が考えるのはクリスに手伝いを断られたことだ。
LiNKERなしでは戦えず、LiNKERなしで戦っても戦力になれないことは奏の件からも明らかだ。
なので納得しているし、クリスのある種厳しい言葉をむしろ嬉しく思ってさえいるようだった。
ところで童貞を殺す服ですね、調。
あと切歌は胸がぼーんでけっこう大きい。
「フロンティア事変の後、拘束されたわたしたちの身柄を引き取ってくれたのは敵として戦っていたはずの人たちデス」
(胸を強調する)囚人服に身を包んだF.I.S.組を迎えたのは旧二課の装者たちと未来だった。
春からは一緒の学校だNya。
ともあれ、女の子が大好きな甘味で歓迎だ。
F.I.S.生活で食べる物の自由がなかったF.I.S.組にとってはまさに暴力的なものだろう。
なお、戦国時代は砂糖が稀少だったがために甘味を異常なまでに求めたとか。
第2期でも切歌がメロンパンをやたら美味しそうに頬張ったり、298円のカップ麺をご馳走と称したり、食に対する執着心は相当のものだ。
「それが保護観察なのかもしれないけれど、学校にも通わせてくれて……」
囚われの生活ではなく学校生活を送れるようになったのも、S.O.N.G.の力添えが大きいのだろう。
たしかに保護観察かもしれないが、調と切歌にとって今まで縁がなかった貴重で大切な日常である。
恩義を感じるのも当然であろうか。
「おいッ! 何ビビってんだよッ!」
初登校に戸惑う調と切歌の背中を押すのはクリスであった。
うわぁ、こいつ、先輩だぁ……チビ巨乳のくせに先輩だぁ……
翼よりよっぽど先輩をしているやもしれぬ。
さらに響たちも調と切歌を笑って迎える。
背中を押され、目の前で微笑まれ、やっと調と切歌は前へと進んだのだった。
いい話じゃけんのう……
愉快な話にも期待したいがやっぱりそこはしないフォギアGXで。
「F.I.S.の研究施設にいた頃には想像もできないくらい、毎日笑って過ごせているデスよ」
この一言でF.I.S.での生活がどんなものなのか、リディアンでの生活がどんなものなのかが伺える。
そして、2人の幸せもだ。
リディアンはカップリングで登校する生徒も多いし、イチャイチャしても浮かない辺りも気楽ですね(最悪)
「何とか力になれないのかな」
「何とか力になりたいデスよ」
こんな大恩があるからか、響たちへのわだかまりは既になくなっているようだ。
むしろ、恩を返すべく力になりたいと願っているくらいだった。
F.I.S.という隔離された環境で育ったというのに、擦れていないいい子だ。
これはマリアさんの教育の賜物だな!
「力は間違いなくここにあるんデスけどね」
「でも、それだけじゃ何も変えられなかったのが昨日までのわたしたちだよ、切ちゃん……」
第2期においてF.I.S.は力だけでは何も変えられなかった。 月の落下を防いだのに多大な尽力をすれどそれは力によるものではなく、自分たちの生活を変えて平穏を与えてくれたのも力でもない。
かつては強硬派だったが今ではすっかりその考えを改めたようである。
それにしても聖遺物のペンダントは押収されていないんだ……
LiNKERがなければ纏うこともできず、持たせていても別に構わないという判断からだろうか。
「空中で爆発したデスッ!?」
「何か別の事件が起きているのかも――」
その時、ニュースの風景でヘリが爆発した瞬間を見た2人であった。
この時の空中で爆発したが実に切歌っぽい表現でたまらない。 舌っ足らずというか何というか、わかるけどもうちょっといい言い回しがあるだろう感がいいデスね。常識人デスよ。手紙デース。
ともあれ、火災よりも物騒な事態に何かを感じた2人であった。
また戦場に立つのか、立つにしてもLiNKERはどうするのか……
「ハチャメチャしやがる……」
相手の戦力の大きさを感じたのか、一時避難するクリスであった。
相変わらずどうも格好付かないクリスである。
まともに格好良く戦えたのは翼と先輩後輩喧嘩をした時くらいのような……
「おま……ッ!? その格好ッ!?」
と、ここでエルフナインがクリスに声をかける。
って、そこで驚いた! やっぱり、この痴女服はおかしいんだ!?
あと少しすれば乳首も見えてしまいますからね。
装者の中で一番女の子しているクリスとしては、なかなかどうして恥ずかしいものだろう。
なお、前述したようにシンフォギアシステムは半透明の部分が多い。
なので、シンフォギアを纏ったクリスもけっこうな痴女服のはずなのだが……
ここまで際どいと女の子では目に悪い。なので、エルフナイン男の娘説を推したい。
シンフォギアGXと同じ3作目のWA3では妙にショタキャラが多かった。 なので、エルフナインが男の娘でも不自然はない。むしろ、自然!
「あたしは怪傑歌頭巾ッ! 国連とも日本政府とも全然関係なく日夜無償で世直しを――」
あ……この人、S.O.N.G.に毒されている……完全に毒されている……
こりゃアクション映画だけでなく時代劇も見たな。
もしかして、投げ銭に驚かなかったのってそういうことか?
これ、知ってる! TVでやってた!
そんな心境だったのだろう。
なお、TVでやってたことを実際にやることには驚かない様子。
だってそんな人が司令だし。
なお、怪傑歌頭巾の正体はマッハでバレた。
仕方ないね。
クリスの名前も装者であることも知っていることから、当然ではあるがエルフナインはけっこうな事情通のようだ。
「ボクの名前はエルフナイン」
「キャロルの錬金術から世界を守るため、皆さんを探していました」
「錬金術……だと……」
○○だとノルマをクリスが果たした! 意外にも早くエルフナインと装者の邂逅を果たした。
世界を守ると言っていることから、キャロルはガチで世界を壊せるのか。
装者を世界を守る鍵としたのはその戦力を見込んでだろうか、あるいは。
あとはち○こ生えているかどうかを早めに確定させていただきたい。
小生としては、まぁ、あってもいいデス。
むしろ、ある方が……その、バリエーション的にも。
「新たな敵――錬金術師……」
錬金術とは科学と魔術が分化する前の技術と言いながら、新たな敵について本部も思索を巡らせる。
科学と魔術が分化したと言っているが、そもそもシンフォギア世界に魔術はあるのだろうか。
いや、あっても今更という感はするが。
今までの敵は何だかんだで聖遺物が、歌が絡んでいた。
それだけに錬金術はまったくの別方向からのアプローチとなる。
もっとも、聖遺物が絡んでいる可能性があり、そうなると歌も絡んでいることになるのだが。
大暴れするキャロルの姿を一般ピーポーがスマホで撮る。
あ、いけない。
こういう大変な時に野次馬根性を出す人は大抵ロクな目に遭わないのがフィクションのお約束なのに……
「断りもなく撮るなんて」
「躾の程度が伺えちゃうわね」
そんなフラグをホームランするかのようにオートスコアラーのガリィが登場だ。
わりとダミ声にギザギザ歯と公式のイメージとは異なる特徴を持ったキャラだった。
あとオートスコアラー全員に共通するのだが髪の色が外側と内側で異なる。夕雲型かな?
恒例のズキュゥウウン!でまた1人何かを吸われたのだった。
これが童貞を(物理的に)殺すオートスコアラー……
ちょうど童貞を(精神的に)殺す服っぽいですからな。
「だから、その歌で月の破壊を食い止めてみせた」
「その歌でッ! シンフォギアでッ! 戦ってみせたッ!!」
お前にも求める真実があるだろうとキャロルは響に問いかける。
ここで持ち出したのが月の破壊を食い止めたこと――ルナアタックのことであり第1期のことでもある。
たしかに響が直接的に世界を守ったのは第1期だ。
第2期では世界を守ることを前提に戦ってはいなかったし、月の落下を防いだのもF.I.S.の手柄だ。
だが、ここでルナアタックを持ち出すということはやっぱりカストディアンに近しい人物なのだろうか。
ルナアタックはモロにカストディアン絡みだし、第2期はカストディアン無関係だったし……
高い戦闘力もカストディアンが絡んでいるとなれば説明が付く。
まぁ、飯食って映画観て寝れば強くなれるので、戦闘力はいくらでも何とでもなる世界観なのですがね。
「違うッ!」
「そうするしかなかっただけで、そうしたかったわけじゃない……」
「わたしは戦いたかったんじゃないッ!」
「シンフォギアで――守りたかったんだッ!!」
響がやりたいのはあくまでも人助けである。
戦いは手段であって目的ではない。
なので、戦いを前面に出すキャロルの言葉を受け入れられないのだろう。
結果、怒濤の勢いで平行線である。 立花響は職業防人にはなれないのかもしれない。
それが弱さであり強さでもあるのだが。
「それでも、戦え」
「お前にできることをやってみせろッ!」
「人助けの力で戦うのは、嫌だよ……」
さすがに実力行使も止むなしと感じてきたのか、キャロルはハチミツを展開する。
対して響は相変わらず拒否る。
響にとってシンフォギアは戦うための力ではなく、あくまでも人助けの力なのだ。 第1話のシャトル救出も人助けだからこそ頑張れたし、限界以上の力を引き出せたのだろう。
シンフォギア世界で一番戦いを嫌うのは響かもしれない。
「お前も人助けして殺されるクチなのかッ!!」
ここで意味深なことを言い出す。
やはり、父イザークのことだろうか。
人助けのために錬金術を使った結果、人々に厭われる結果となり裁かれたのか?
例えそうでないとしても、一生懸命の結果、裏切られるという流れは響にも同じ経験がある。
必死にリハビリした結果、学校の皆に厭われ父親にさえ裏切られた過去だ。
キャロルが響に過剰に反応するのは似たような過去とそこからの惨劇を見たからだろうか。
キャロルの非日常の果てに起きたであろう惨劇と響の日常の果てに起きた惨劇が絶妙に被る。
響は生まれは平凡だがその悲惨な経験によって非常識人たちと共通点がいくつも生まれている。
「敵を前にしてどうして戦わないんだッ!」
「救援を回せッ!」
「いや――相手がノイズでないなら、俺が出張るッ!!」
早くも弦十郎の出番か!?
完全聖遺物を凌駕する圧倒的な力を持つのが弦十郎である。
何するものぞ、錬金術。
いきなりシンフォギアGXが終わってしまうぞ!
OTONAが幼女を殴るという最悪な絵面が展開されてしまうがな!
「いけませんッ!」
「司令がいないと指揮系統がマヒしますッ!」
あ……極めて常識的な理由から出撃停止……
OTONAと言えど大人の事情には敵わないのだ。
悔しいのう悔しいのうギギギ。
指揮系統を分割できないのは弦十郎を初めとしたS.O.N.G.の隊員の有能さ故にか。
有能故にその能力を活かすべく司令官も有能となければならず、その人材に代わりはいないのだろう。
機動力を重視した少数精鋭の構成としているのも災いしたか。
「だって、さっきのキャロルちゃん、泣いてた――」
「だったら、戦うよりもそのワケを聞かないとッ!」
戦うことを拒む響だったが理由もあった。
敵であっても理解しようとする姿勢を響は持っている。
だからこそ、フィーネやマリアとも心を通わせるに至っている。 幾多もの奇跡を起こせたのはこうした姿勢を持つからこそであり、だからこそ捨てられないものなのだ。
というか、メッチャ見られていたんですね。
あ、前回の涙を拭う仕草は可愛かったです。
小生、ロリコンになるやもしれぬ。
「見られた……」
「知られた……」
「踏み込まれた……ッ!」
出た! 金子彰史的三段活用!
この語感の良さも金子節の魅力だ。
明日からどこかで使いたいところである。
そんなわけで泣いているところは見られたくなかった。
宣戦布告した手前、弱みを見せたくはないし当然か。
「世界ごとッ!」
「ぶっ飛べェッ!!」
キャロルは印象的な謎文字を使って錬金術発動だ。
世界ごと吹っ飛べとの言葉通り、空間を歪ませる未確認エネルギーだ。
錬金術という今まで出てこなかった概念だけに初体験要素が多い。
あくまでも櫻井理論の延長線上であるF.I.S.よりもずっと手強いか。
それに耐える立花響の頑丈さである。
シンフォギアを纏わせることが目的のひとつらしいし、殺す気はなかったのかもしれないがさすがに頑丈さが桁を外れている。
ゲッター3というかマジンガーというか……
でも、キャロルもメッチャMPを消費していました。
世界ごと壊す錬金術だからね。仕方ないね。
オートスコアラーは第2話になっても弱みを見せるどころか脅威が大きくなるばかりだが、キャロルは弱い部分も見せている。
それはやはり泣くことを知っている人間だからか。
実に金子彰史的な見せ方である。敵だって悩むのだ。マリアさんとかな!
「どうして、世界を……」
「父親に託された命題だ……お前にだってあるはずだ――」
「え――……お父さんに……」
キャロルから出た父という言葉に響は絶句する。
今まで響の父親の話は不思議なくらいに出てこなかった。
第2期のライブの惨劇の回想でも出てくるのは母と祖母だけで、父親はそこには存在しなかった。
前回、父親の話を出した時も未来がすぐに話題を逸らしたし、響自身も泳ぐことで誤魔化そうとした。
響にとって父親はもっとも触れたくない過去であることが伺える。
「メンドクサイヤツですねぇ」
「……見ていたのか」
「性根の腐ってるガリィらしい」
ここでガリィがやってくる。
童貞殺しの服に清純そうな見た目とは裏腹に小悪魔的チックだ。
まぁ、ギザギザ歯だからね。そりゃ性格も悪くなる。
性根が腐っていると評するがそれはマスターのせいだとガリィは言う。
キャロルの性格の一部から作られたからそういうことになる。
あとオートスコアラーはキャロルをマスターと呼ぶようだ。
なお、着地する時に華麗ながに股を披露する。
お、おう。
ファラやレイアといいオートスコアラーは今までのキャラになかった独特の挙動を見せている。
ガリィの動きはバレエらしさがあるので、これらの挙動はバレエを元にしたものなのだろう。
ファラはフラメンコ、レイアはブレイクダンスだろうか。
歌をモチーフにしているのがシンフォギアの装者ならば、踊りをモチーフにしているのがオートスコアラーのようだ。 だから、がに股でも問題ないのよー。
「想い出の採集はどうなってる」
「順調ですよ」
「でも、ミカちゃん、大食らいなので足りてませ~ん」
出た! 想い出!
想い出はWA3のテーマである。前回も出てきた。
2回も使えば偶然も必然。
やはり、GXは第3期ということで3作目のWA3と共通するテーマが流れているようだ。
父というキーワードもWA3と共通しているし、往年のファンは興奮せざるを得ない。
これは一人称が小生の人も出てくるな!
オートスコアラーがキスをして吸収しているのは想い出なのだろうか。
また、大食らいということから想い出を原動力にしているようだ。
加えて燃費にも個体差があり、最強と言われているミカは特に悪いようだ。
このロータリー車め。
この時にガリィは嘘泣きしているのでなおさら童貞殺し。
腹黒全開で怖いわ……
「さよならー♪」
華麗なポーズを取りながらガリィはその場を去る。
この時にワープしている。
今までありそうでなかったワープ描写である。
いや、未来さんがノイズから逃げた時はワープとしか思えない機動力を見せたけど。
ワープにはアイテムを使っているのでテレポートジェムかな?
事故らないように願いましょう。
「次は戦え」
「でないとお前の何もかもをブチ砕けないからな」
キャロルの狙いはシンフォギアを纏わせることのようだ。
装者を下手に生かせば不味いことが起こるのは過去の事例から実証済みだ。
ウェル博士も幾度も面白い顔をすることになってしまった。
その上でただ倒さずシンフォギアを纏わせようとしていることには何か理由があるのか。
「託された……」
「わたしにも、お父さんからもらったモノなんて……何も――……」
身体は平気でも心は傷付いた響は倒れる。
身体の痛みより心の痛みで倒れる響は相変わらず歪んでいる。 立花響の歪みは未だに根強く残っているのだ。
響は父親からもらったモノは何もないと言っている。
響らしからぬ言葉だ。
響の父親の顛末は第2期の頃に用語集で触れられている。
「酒量が増え、家庭内でも大きな声や手をあげるようになっていく」に「何もかもを放り出したまま、二度と家に戻ることはなくなってしまう」と、学校の皆から疎まれ寄る辺を失った響を支えることもせず、むしろ追い詰めるようなことをしている。
響にとっては最悪に等しい存在だ。 明確に嫌いと言える唯一の人間かもしれない。
弦十郎を慕うのも失ってしまった父親らしさを求めてのものか……
なお、その時に中世の魔女狩りとキャロルとイザークを巡る悲劇を連想させる表現が使われている。
設定だけでいろいろと繋がる部分が見えてくる。
not設定マニアの本領発揮である。
(何だ……この拭えない違和感は――)
響を倒すだけでトドメを刺さないキャロルの行動に弦十郎は違和感を覚える。
相変わらず敵の目的が見えにくいのであった。
世界を壊すは月を壊す以上にわかりにくい目的であった。
山を壊すなら理解できたかも……
さて、翼とマリアは会場の外に出ようとする。
当然、マリアの行動には大きな制限がかかっているので黒服に遮られる。
マリアさんが運転手になれない! 起訴!
そこで緒川さんの影縫いだ!
第2話から忍術が炸裂した。
これはNINJAはGXでも自重する気がないな。
ニンジャスレイヤーと合わせて夏のアニメ忍者祭りだ、ワッショイ!
「悪いが翼は好きにさせてもらうッ!!」
男前なことを言いながら車に乗るのだった。
マリアさんが運転手になれた! 勝訴!
そんなわけでGXでも運転手マリアが炸裂した。
マリアは絶技と称されるほどのヘリの操縦技術を持つ。
ならば、車の運転もお手の物だしホイルスピンさせながら華麗にロケットスタートですよ。
そして、こういう役割が妙に似合っているのに悲哀を感じてしまう。 しかし、どうしてこんな技術を身に付けたのだろうか。
F.I.S.の訓練の過程で一通りの運転技術を身に付けたのかも知れないが。
「何だってッ!? あのバカがやられた? 襲撃者にッ!?」
「錬金術ってのはシンフォギアよりも強ェのか……ッ!!」
一方でクリスは響が倒れたことを聞いて驚愕する。
「シンフォギアを纏わずに無抵抗でやられた」という過程が省かれているのでやや誤解が生まれている。
とはいえ、人外の動きで圧倒されたので心当たりもあるのだった。
シンフォギアを上回るのが錬金術であった。
そりゃみんながみんな変なポーズとか表情をすれば……
装者たちも変なポーズとか表情をしてみるか?
変な言葉使いは実走済みだけどな!
そんなクリスに攻撃が行われる。
ちゃんとエルフナインをかばっている。
これで男の娘ならおねショタ完成なわけですよ。
あとクリスが唯一リードできる相手の完成だ。
よし、金子のおっさんの妙なショタ好きを発動させよう!
さて、攻撃の後を見てクリスは驚く。
ただの攻撃ではないのだった。
戦場に生きてきただけあって些細な変化にも敏感だ。
けど基本バトルセンス任せなので大雑把。
「思い返してみなさい」
「ヤツの狙いは他でもない翼自身と見て間違いない」
「この状況で被害を抑えるには翼を人混みから引き離すのが最善手よ」
マリアが運転手になったのはファラの狙いを読み、そこから被害を少なくするためだった。
たやマだけあり被害のことを考えている。
優しさ先行型だ。相手が新人の後輩だろうが天ノ逆鱗をぶっ放す防人先行型の翼とは異なる。
だが、それならそれで皆の協力を得ればいいと翼は反論する。
そりゃそうだ。単独行動を取ろうとしたから無駄にこじれた。
それは多大な行動の制限によるものが背景にあった。
また、自分を利用しようとする者ばかりの環境なので、翼以外を信頼していないのかもしれない。
S.O.N.G.とは異なりマリアの環境は明るいものではないのだ。
「歌姫マリアの正体は我ら国連所属のエージェント」
「聖遺物を悪用するアナキストの野望を食い止めるために潜入捜査を行っていた」
「大衆にはこれくらいわかりやすい英雄譚こそ都合がいい」
「再び偶像を演じなければならないのか……」
「偶像――そうだ、アイドルだよ」
「正義の味方にしてアイドルが世界各地でチャリティライブを行えばプロパガンダにもなる」
マリアが今の境遇になった理由がサクッと語られる。
無罪放免となったのは表向きはエージェント扱いされているためだった。
世界的な女スパイか。
そんな人がアイドルとして世界各地でライブ……
国連のこのキャラ付けには無理があるのだが、だからこそ話題性があり火消し効果も抜群かもしれない。
相変わらずきな臭い裏事情が流れるシンフォギアであった。
また、エシュロンを使ってフロンティア事変のデータは消されたようだ。
出ました、みんな大好きエシュロン。
陰謀論のお友達である。 エシュロンで消されたことで裸ディナーショーも消されたのだろうか。
このデータを消す、想い出を消すというのが何かの符号化と疑ってしまう。
WA3では何でもかんでも想い出にしていましたし(遺跡だって遺された想い出の跡だった)、同じく想い出をキーワードにしたシンフォギアGXならば……
「例えギアを失っても君は誰かを守るために戦えるということだよ」
さらに調と切歌を人質扱いされてしまった。
そこには響もいる。
マリアの注目度は極めて高いが、同じく裸ライブをした響も注目度も高いのだろう。
ご丁寧に自己紹介もしたことだし、響の情報の隠蔽を取り引きの材料にされてもおかしくはない。
マリアと響に親交はないのだが個人的な感情を抉るためだろうか。
だとしたらこの国連の人はやり手だ。風鳴訃堂かな?
(それでも……そんなことが私の戦いであるものか……ッ!)
なので、相変わらずくっ殺モードなマリアであった。
どう戦えばいいのかにまだ思い悩むようだ。
人命救助というわかりやすい目的を持った響と違って一筋縄にいかないのであった。
ガングニールの光と影は健在である。
戦うことに思い悩むのも共通しているのも光と影らしい。
もっともマリアはガングニールを引退したけど。
今やただの運転手……
と、ここでいつの間にかやってきたファラが立ち塞がる。
例のワープだろうか。
そんなファラを目の前にしてマリアはアクセルを踏み込む。 おう、ブレーキ踏む気ないのか。
延髄斬りといい、こういう時に攻撃的なマリアであった。
響と違って周りを信じられないので攻撃的な面があるのかも。
でも、一刀両断されますよ。
ここで巨乳回避と同時に貧乳回避!
ギリギリ回避するマリアと余裕で回避する翼で対比もバッチリだ。
う、うん。理屈はワカルよ。よくワカルヨー。
でも、この絵面は笑えるし悲惨だ。 ただ格差を見せつけたじゃないですか、ヤダー!
上半分が吹っ飛んだ。
ならば、ギアを纏うより他ない。
格差のショックを潜り抜けて変身だ!
そんなわけで本日2回目の変身である。
1話に2回も変身バンクを!
実に豪華である。
相変わらずシンフォギアGXは出し惜しみなしだ!
あとクリスの変身に巨乳回避の後だと、その、いや、言うまい。
ここでまたも新たな戦歌「Beyond the BLADE」! これまでの翼の戦闘曲とは打って変わった英字の名前だが、中身は相変わらずのサキモリズム炸裂だ。
そして、このお姫様だっこっぽいマリアさんがいいですね。
どちらがタチともネコとも言い切れない絶妙な関係がこの2人の味だろうか。 こりゃ薄い本に期待できますねー(棒読み)
「剣は剣でもワタシの剣は剣殺し――ソードブレイカー」
早速大剣にして挑むがファラの剣は剣殺し。
あっという間に砕けてしまうのだった。
待て、ソードブレイカーは触れただけで壊せるものじゃないぞ。
ともあれ、剣の翼にとって同じ剣と言えどファラは天敵であった。
こりゃ盾を構えるしかないか?
「そんな――ノイズッ!? どうしてッ!? 」
さらにここでノイズだとぉ!?
待て、金子のおっさん!
アンタ、ノイズはもう出ないって言ったじゃないか!
嘘つき! 騙された! 普通に出てきやがった!
でも、いつものノイズとはデザインがちょっと違う。
ノイズらしさがありつつもちょっとだけ禍々しい。
「わかってるって」
「こっちも旧友と鉢合わせ中だッ!」
全世界同時多発ノイズ復活祭の始まりだ。
ノイズと因縁があるクリスだがその表情はけっこう明るい。
ノイズは出てきたけどソロモンの杖はないから俺は悪くねえ状態だろうか。
……何かGXになって偏差値下がってませんか?
映画生活の影響ですか?
「ソロモンの杖も、バビロニアの宝物庫も、1000000000000℃の熱量に蒸発したのではなかったのかッ!」
それに金子のおっさんも出さないって言ってくれたのに!
この衝撃の展開にみんな驚く。視聴者も驚く。
金子のおっさんは嘘を付くような人では……
あ、嫌いなキャラ発言は照れ隠しだったっけ?
じゃあ、ノイズ出さないも照れ隠しだな!
そんな新ノイズだが倒した時のエフェクトが今までと異なる。
今までは炭化して崩れたのに対し、新ノイズは血のようなエフェクトを出して四散している。
ちょっと生々しい死に方だ。
緑色の血とか出した方が怪人っぽくないでしょうか。
「あなたの剣、大人しく殺されてもらえると助かります」
「そのような可愛げを未だ私に求めているとはッ!」
「防人の剣は可愛くないと、友が語って聞かせてくれた」
防人の剣は可愛くないのだ。
ノイズが蘇ろうと大人しくやられるわけにはいかない。
……って、たしかにマリアは可愛くないと言ったけど、別に語って聞かせてくれたわけではないような……
それとも日常でマリアが翼に生意気なことを言われて、防人の剣は可愛くないと拗ねたのだろうか。
……ちょっと見たいかも。しないフォギアGXで、どうぞ。
「こんなところで言うことかッ!?」
え、アンタ、頬を染めるの!?
けっこうな形相で言った台詞だったのに……
こうして、からかえる仲になっているのだ。
胸熱である。
何せマリアは翼以上に友達がいないし……
わりとマジでガチでマリアには調と切歌くらいしか友達がいなかったのではないだろうか。 翼はクラスメイトと友情を交わしていたので、第2期の時点でぼっちじゃなかったし。
復活したノイズたちも怪人ダッシュだ。
ウオオー!
ノイズさぁーん!?
そして、翼の裏の十八番、逆羅刹である。
私は第1期第1話でこの技を見た瞬間、シンフォギアの抱える闇と金子彰史を知った。
そんなわけで堂々のカポエラはGXでも健在!
ノイズ戦で多用していることから、ノイズ殲滅にはぴったりの必殺技なのだろうか。
「どんだけ出ようが今更ノイズッ! 負けるかよッ!!」
第1期第13話の台詞をなぞるクリスだった。
クリスがこんなことを言ったので敗北フラグが急速に高まった気がする。
パワーアップした状態で言うのならまだしも、追い詰められている状態でいうのはちょっと……
何だ、GXのクリスは噛ませ犬路線か?
そういえば、武器がガトリングだし、WA4の伝説的な噛ませ犬のジェレミィと被るぞ。
でも、クリスは一番噛ませ犬向きだからなー。弱点の多さが特に。
自傷行為なまでにその持ち味を生かしているクリスに幸あれ。
武士ノイズと防人が激突だ。
武士ノイズ……よもや採用されようとは……
武士ノイズについては後述するとして、ノイズに負けるような防人ではない。
何せノイズ戦のキャリアは全装者で一番だ。
だから、ノイズには――
「剣がッ!?」
ここで剣が砕けた!
防人の剣がノイズに屈するという緊急事態である。
経験豊富な翼でさえ想定外の大事件だ。
これは戦隊物の雑魚が変身後のブルーを倒すほどの衝撃である。
GXのノイズはただのやられ役の怪人ではないのか?
さらに聖遺物のコンバーターを破壊した!
コンバーターが壊れればギアを纏えない。
既にアガートラームが実証済みだ。
「何……だとッ!?」
「ノイズだと、括った高が――そうさせる」
さらにクリスも翼と同様に不覚を取っていた。
この時のレイアの5・7・5の川柳がまさに金子節。
詩的な美しさを持つのも金子節なのだ。
次回予告までやたらと詩的なのはどうかと思うけど、面白いのでもっとやれ。
「敗北で済まされるなんて――思わないでね」
コンバーターが破壊されたことで2人のギアは解除されていく。
シンフォギア史上初の大事件である。
今まではシンフォギアはノイズに強く、ノイズはOTONAに強く、OTONAはシンフォギアに強いことで、シンフォギア世界のバランスは取られていた。
(どこかおかしいけど真顔で書いています)
だが、今この瞬間、このバランスは壊れノイズがOTONAだけでなくシンフォギアにも強くなってしまった。
バケモノなのはオートスコアラーだけでなく新ノイズもだった。
「ノイズでは、ない……ッ!?」
これは弦十郎でさえ絶句する異常事態だ。
オートスコアラー共々、まったく未知の敵である。
そして、S.O.N.G.最大の戦力であるシンフォギアでも敵わない敵だ。 これは弦十郎がネフシュタンを鎧わねば……
「アルカノイズ――」
「何するものぞッ! シンフォギアアアァァーーッッ!!」
あ! ノイズじゃなくてアルカノイズか!
うん、たしかにノイズじゃないね!
金子のおっさんは嘘を付いていない!
大人は嫌いなキャラを照れ隠しで上げるけど、嘘は付かないんだ!
チクショウ、騙された……
ともあれ、ここで炸裂する何するものぞシンフォギア。
装者と真っ向勝負できるオートスコアラーもあれば、シンフォギアを砕けるアルカノイズもいる。
キャロルにとってシンフォギアは取るに足らない存在だ。 だからこその何するものぞ、シンフォギア。
生活に使いたい何するものぞ、シンフォギア。
視聴者としては何してくれんだ、シンフォギアという驚きである。
アルカノイズのアルカは箱船(Ark)のもじりだろうか。
錬金術(Alchemic)という意味かもしれない。
どちらにせよバビロニアの宝物庫とは別の出自なのは間違いなさそうだ。
オートスコアラー最強がまだ出張っていないのに既に大ピンチである。
加えてオートスコアラー最強のミカはまだ起動していない。
面白いポーズを取ったままで、キャロルサイドはまだ戦力を残している状況だ。
何とかしてくれよ、シンフォギア……
GXの敵は本当に強い。第2話にして二課装者全員が敗北するほどだ。
これじゃF.I.S.装者なんて賑やかしにしかならないのではないかと思えてしまう。
第1話の盛り上がりをそのままに急展開を迎える第2話であった。
シンフォギアGXのブレーキはやはり壊れている。
次回へ続く。
そんなわけでここからはOPだ!
まず、キャロルの錬金術の紋章?が浮かび上がる。
風や炎などの属性を象徴しているのだろうか。
5つだから五行だろうか。
それだと風の紋章が余り、五行的には金が余るけど。
謎の格好いいソード。
ドヴェルグ=ダインの遺産という単語が出ていることだしダーインスレイヴだろうか。
魔剣なのでなかなかに厄そうである。
タイトルロゴのバックはイザークの処刑だ。
だからなのか、今までより重々しい雰囲気が漂っている。
既にお通夜のような状況だ。
何とかしてください、シンフォギア……
響は未来とチョコバナナを食べながら、アルカノイズを発生させたカプセルに反応する。
相も変わらずノイズさんは日常を壊す存在のようだ。
今回は日常だけでなくシンフォギアも壊した。
クリスは響と違って最初から臨戦態勢だ。
戦場慣れか、それとも日常に馴染めていない証拠か。
で、OPから笑わせるのは止めてください。
バイク! そして、爆発!
防人にとってバイクは使い捨ての道具ですか、そうですか。
ここでアルカノイズ登場だ。
当然、視聴者としてはここがアルカノイズの初お見えである。
防人のバイクの後にこれだから開いた口が塞がらなかった。
3人揃ってアルカノイズに囲まれるF.I.S.装者だ。
F.I.S.装者が出てくるとやっぱり嬉しくなる。
GXでの活躍は二課装者以上に期待したい。
対となるキャロルとエルフナインである。
性別はよ。
ここからは戦闘シーンだ。
まずは響がアルカノイズを倒すぞ。
その時にバナナノイズが出ている。
ブドウに変わる新たなアイドルノイズだ!
先輩後輩コンビは2人でアルカノイズに立ち向かっている。
連携を練習していたほどだし、GXでは実戦での活用を期待したいところだ。
ここで全国70億人のマリアさんファン歓喜のマリアの戦闘シーンだ。
今回のマリアのアームドギアはガリアンソードこと蛇腹剣!
アガートラームだから剣か。それとも銀の左腕だから素手か。
そんな予想を嘲笑うかのような蛇腹剣である。
予想外だ。そして、ちゃんと戦っている! 今回のマリアはガチで戦う!
……よね? 頑張れ……頑張れ……
なお、蛇腹剣は実在しない武器なので、特定の固有名称を持たない。
なので、作品によって名前が変わる。
金子のおっさんには格好いい名前を考えていて欲しいところだ。
きりしらは得意の回転攻撃かつ連係攻撃だ。
お前ら、本当に回転が好きだな!
また、調は本当にヨーヨーで戦う気だ。
今までメインウェポン不在の形だったので、これで戦いやすくなるぞ。
キャロルサイドも勢揃いだ。
イカれた表情のミカ、小悪魔的なガリィが印象的だ。
気になるのは左右の瞳だ。
誰の瞳ぞ。
ここから装者VSオートスコアラーである。
水流を出して攻撃するガリィとそれをかわしながら接近するマリアである。
童貞殺し対決だ。
なお、ガリィが童貞を殺すのに対しマリアは童貞に殺される。
素晴らしくイカれた表情を見せるミカにきりしらは手を繋いで挑む。
OPでは一緒にいてばかりなので、本編でも連携して戦うのだろうか。
ともあれ、ザババコンビVS最強オートスコアラーは盛り上がりそうなカードだ。
ただでさえバケモノなオートスコアラーなので、きりしらは2人1組で挑むのか?
キャラソンは個別に発売なのでソロでの出番はありそうだが、第2期同様に大きな見せ場はタッグか。
本編でも激突した飛び道具対決だ。
どちらも素晴らしく格好いい。
投げ銭がここまで格好良くなろうとは……
金子彰史の判断は正しかったのだ。俺たちにはできないことを平然とやってのける!
属性丸出しの剣対決である。
やっぱり、ファラの目は光る。
キュピーン。
響とキャロルの激突はない。
OPが後で変わったりするのだろうか。
楽しみ。
最後は装者全員がアップになりながらフィニッシュ!
言うまでもないがきりしらのカットが最高デスね。
頬を染めている調が可愛いデス。
あ、手紙を読むのは止めるデス! デエエエエエエエス!
EDの最後のカットはちゃんと翼とマリアは私服。
マリアは21歳にして学校の制服を着るイメクラをせずに済んだようだ。
いや、まだわからない……
何か戦闘以外でも無体なことをやらせたい……飼いたい……
さて、OPや本編に出てきた武士ノイズとバナナノイズはライブで声優が(その場のノリで)書いたオリジナルノイズが採用された形となる。 まさかの変化球である。
武士ノイズは水樹奈々作、バナナノイズは井上喜久子作だ。
これがマムの残したモノ……
意外なところから採用されたので、これからどんなアルカノイズが出ることやら。
よし! それじゃあラクウェル金子の書いたノイズというかキャラも出そう!
防人からの提案だ。
・今回使用された楽曲
Exterminateより「Exterminate」
戦姫絶唱シンフォギアGXキャラクターソング4より「TRUST HEART」
戦姫絶唱シンフォギアGXキャラクターソング3より「Beyond the BLADE」
Rebirth-day【期間生産限定盤/初回仕様限定盤】より「Rebirth-day」