バキ道感想 第128話「敵前逃亡」



蹴速が天井を貫いて難を逃れた。
何を書いてるか意味不明ですね。
とりあえず、面白い絵面ではあった。
勇次郎にケツ穴を狙われそうな容姿をしているし、ネタキャラとしての道を蹴速は歩むのか?


勇次郎から逃れた蹴速はみっちゃんと一緒に中華料理屋で食事をしていた。
みっちゃんと一緒なんかい!?
いきなりビックリだよ。
まさか逃げ出して即再開して一緒に飯を食うとは思わなかった。
厚顔にもほどがあるぞ!

さらに蹴速は遠慮なく中華料理を食べまくる。
まるで王侯貴族のようなムーブである。
逃げた上で食べ続けられると反応に困るし感想にも困る。

「「食」は「力」」
「力士はアスリートではありません」
「食事はコンディショニングではなく―――」
「飽くまで「強さ」へ向けるべきです」


そんなわけで蹴速は食いまくった。
食うのは強くなるため!
正論は正論だけどそれならちゃんと栄養を吟味するべきでは。
中華料理を雑多に食うだけではただのフードファイターですよ。

そんな蹴速にみっちゃんは逃げたことを問いかける。
天井に突っ込んだことをいいことに逃げている。
その上で食事となったのだからそりゃ突っ込みたくもなる。
何か珍しくみっちゃんがまともだ。
宿禰の醜足で武蔵編の時に纏っていた邪念が消えたか?

「古流角力すもう道第101代当麻蹶速」「代々の先祖も泣いておろうな」

みっちゃんの言葉は厳しい。
期待したら逃げ出しましたからな。
同じく勇次郎に挑んだ古代相撲使いの宿禰はワンパンでやられたとはいえしっかり挑んでいたから、それと比べるとやや不甲斐ない。

ここで蹴速が101代目と判明する。
当代にしてやっと2代目の宿禰と比べると、代替わりをかなりの頻度で行っているようだ。
何せ宿禰と蹴速の天覧試合が2000年前。
101代ということは大体20年に一人のペースで代替わりが行われている。

ハイペースではあるが格闘家が満足に活動できる年数から考えると20年で代替わりというのはさほど不自然ではない。
衰える前にに次の代に継ぐことで蹴速という存在が腐らないようにしようという意図が感じ取れる。
海皇なんか100年に一度ですよ。
郭海皇が妖怪だからいいものの普通なら衰えるしそもそも死ぬし、最強が存在しない時期が長くなると沽券にも関わる。
それよりなら20年に一度代替わりして新陳代謝を高める蹴速流はけっこう理に適っているか。

また、それからわかるように蹴速を継承することは宿禰よりもけっこう簡単らしい。
宿禰を継承する条件は石炭を握ってダイヤモンドを作り出すことだし難易度が高すぎる。
それに対して蹴速の継承条件は蹴りがスゴければオッケーか?

もっとも継承の難易度を高くするか低くするかはけっこう難しい。
宿禰のように厳しくすると対外的には箔は付くかもしれないが、肝心の後継者候補のモチベーションが高まるかは謎だ。
とんでもなく高いハードルを押し付けられているのだから、宿禰を目指して頑張ろうという気持ちが湧いてくるのかは怪しい。
宿禰流(と言っていいものかはわからない)はこうした環境だから後継者が育ちにくく、結果、古代相撲は途絶え大相撲の隆盛を見守る立場になったのだろうか。
二代目宿禰という突然変異が現れたから良かったものの、古代相撲の系譜が途絶えてもおかしくはなかった。

対して蹴速の後継はそこまで難しくないことが101代という歴史からもわかる。
これなら蹴速を継ごうと後継者たちのモチベーションも高まるかもしれない。
でも、ハードルの低下は質の低下にも繋がりかねない。
当代の蹴速は十分な実力者ではあるが、先代がどれほどのものかとなるとちょっと怪しい。
事実、ここまでの蹴速たちは表舞台には出ていない。
蹴速を継いだものの世界に通用するだけの実力がなかった可能性は否定できない。

宿禰流と蹴速流の共通の悩みは後継者の数だろう。
古代相撲という表舞台では途絶えた流派だけに人口が少ないのは間違いない。
人口が多ければ宿禰流のように基準が厳しくても宿禰に相応しい人材を見つけられる可能性は高くなる。
蹴速流にしても基準を甘くしても人口が多ければ競争が行われ寄りすぐりが見つかる可能性が高くなるだろう。
だが、人口が少ないのならそうもいかないわけで、互いに違う道を選ぶことになってしまった。
宿禰流も蹴速流も人口の少なさとどう向き合うかで苦心しているのが窺える。

もっともバキ世界では競技人口と強さはあまり比例しないんですけどね。
100万人の神心会は独歩と克巳に匹敵するだけの実力者はいない。
一方で明らかに人の少ない本部流は本部にガイアと人口の少なさからすれば実力者の比率はかなり高い。
結局は個の力が大事なのだ。

「当麻家は」「仕切り直しを恥じません」

蹴速はあの逃亡を仕切り直しと言い、なおかつ恥じないと堂々と言ってのける。
もっとも、みっちゃんは大層不満そうだ。
仕切り直しなら後々に勇次郎に挑んでくれるのか?
勇次郎に再戦を挑んだ格闘家は範馬刃牙と独歩くらいである。
独歩に関しては最初の1戦目を入れるかどうか悩んでしまうし、実質的には刃牙だけだろう。

蹴速は二人目になれるのか?
いや、挑んでも酷い目に遭う未来しか見えないんですけど。
あのジャックでさえ再戦を挑むかどうかよくわからない感じだ。
……ジャックさん、どうなったんですか?

「野見宿禰 対 当麻蹶速」「かの天覧相撲以来2000年を越えてさえ」
「今尚 無敗全勝なのです」


仕切り直しを恥じないから無敗全勝!
でも、初代蹴速は初代宿禰に殺されている。
それさえもなかったことにするのは、その、さすがに無理があるような……

とりあえず、蹴速は無茶なことを言っている。
無茶すぎて押し切られそうになるけど騙されんぞ。
詐欺で大事なことは言い切ることだしな!

とりあえず、口は達者というか面の皮が厚いのが蹴速のようだ。
これだけだと良い印象はないので結果を示して欲しいところである。
戦う相手は全方位にイキってるジャックか、2000年前の借りを返すために宿禰か。
宿禰は手負いだから楽に勝てるぞ!
いや、蹴速さんが宿禰に勝てるイメージはあまりないのですが。

ジャックの宣言以来、何を中心に話が進んでいるのかよくわからない。
そろそろ目的を決めて欲しいですね。
最近のゲームだと次の目的が表示されるし、あんな感じに画面左上に表示してください。
次回へ続く。