アーマードコア6の対戦の感想





世間で妙な盛り上がりを見せるAC6! そのエンドコンテンツ対戦!
何だかんだで毎日やっているので何かその辺の感想でも。
ぶっちゃければバランスどうなの?って内容ですね。
ついでに基本野試合で稀にガチるって感じなので話半分でどうぞ。


さて、バランスについて語る前にいい対戦バランスの定義について。
いろいろとあるのですが、まずは攻防の駆け引きに使える選択肢が多いがあるのではないでしょうか。
○○をされれば何をしても詰み、という状況があるようだと○○だけ使えば良くなり健全ではないわけで。
○○に対して△△、あるいは□□。○○側もそれらを読んで◇◇……とお互いに複数の選択肢を出し合って駆け引きできるのが良好なバランスと呼べるかと。

次に多くのプレイスタイルで戦える。
胴着キャラみたいに均整の取れた性能で多くの場面に対応する、ザンギみたいに寄って投げの読み合いを仕掛ける、ダルシムみたいにリーチの長い攻撃で寄らせず削りきる……
プレイヤーやキャラに応じて複数のプレイスタイルを許容できるゲームはバランスが良いと呼べると思います。
これがザンギだけがやたら強くて寄って投げをどう狙うか、どう対処するかだけに終始するようだとゲーム全体がワンパターンになるのでバランスが良くないかと。

最後にキャラのバランスが取れている……なんだけど、個人的にはこちらの優先度はけっこう低くて。
上と下のキャラパワーに大きな差があるとキャラバランスが悪いのは事実なのですが、本当に大事なのは突き詰めたプレイをした時にどれだけバランスの取れたゲームになるかなわけで。
上と下の差がどれだけ離れていようが上澄みの上位キャラがぶつかり合った時に面白いゲームになればそれでいいと思うんですよね。

ただ世間的にはこの上下の差はけっこう気になるポイントのようで。
そこで単純な調整としては上を下げるなのですが、これ、実際のところ、安易ではあるけど危険な調整で。
前述の攻防のバランスや多くのプレイスタイルが保証されている、つまり元より土台となるシステム面でのバランスが取れている状態で弱体化で調整するのはあまり問題はありません。
一方で土台のバランスが取れていない状態で安易に上を下げるとキャラバランスは良くなっても対戦全体のバランスは悪化してつまらなくなることが起こりうるわけで。

私の経験からすればフロムはこうした土台のバランスが劣悪な中で安易に弱体化調整を行った結果、ゲームがつまらなくなる結果に至ることが多く感じます。
それが露骨に表れたのはダクソ3とエルデン。
ダクソ3はただでさえ攻めが弱くて決定打に欠けるバランスだったのに、その状態で上を下げた結果、どんどん攻め手がなくなる退屈な対戦になっていきました。
エルデンはその反省からか、土台のバランスが悪いままなれど初期verでは尖った攻めができてテンションは上がったのですが、そこも上を下げて結局はダクソ3化。
最初に書くとAC6もそうしたシステムバランスを改善せずキャラバランスに固執した結果、つまらないゲームになる可能性がけっこうあって、過去の失敗の数々からそこは危惧しています。
つまり、今のAC6はシステムバランスはあまり良くない。

一方でキャラバランスというか武器バランスは上位武器に限れば存外に悪くなく、意外と楽しめてしまう対戦になっています。
ACの対戦は旧シリーズの知識しかないのですが、旧シリーズで対戦の評価が悪いものはいずれも武器が弱い=攻めが弱く削り合いに終始するメリハリのない退屈な対戦になることが多かったです。
それに対してAC6の上位武器はどれも強い。ハマれば試合を一気に終わらせるポテンシャルがある。
なので、対戦がダレる展開にならず上位武器を積んだ環境機体同士の対戦はけっこう楽しい。
強みの押し付けが主体となるので2分もあれば十分決着が付くバランスなのも個人的には高評価。
旧シリーズみたいな5分間の削り合いの果てにタイムアップ勝利を考慮に入れた立ち回りをするのは令和のこの時代にはちょっと辛い……

この武器バランス、あくまでも上位武器に限った話で。
上位武器ならメタが回っている印象でこれ一択という武器はないと思います。
プレイスタイルによって好きな武器を選べるので、その点で言えば存外バランスは取れているかなと。
一方で下位武器で上位武器に勝てるかとなれば無理。
プレイングや工夫で補える範囲を飛び越している。
この上と下の差で考えるとバランスは悪い。まぁ、いつものことと言えばいつものことなのですが。

そこで上の方を安易に下げるのは止めて欲しいなーと。
現状のやるかやられるかみたいなスピード感のあるゲーム性が損なわれることになりますし、何よりも一番危惧すべきはガン逃げへの対策。
現状でさえ(マップによるけれど)一発削ってからのガン逃げが成立してしまうのに安易に武器を弱くすればなおさら止められなくなる。
強すぎる武器でやられるのはまだ笑えるけど、ガン逃げ相手に何もできないのはただ冷めるだけで何も楽しめる部分がない。
上を下げるのなら土台を弄ってから、土台を弄らないならアッパー調整だけして欲しいのが個人的な意見。
ただ前述したのですがフロムって土台を弄らず上を下げる調整ばかりしているんですよね……
この社風がAC6になって突然直る気はしないので今後の調整はちょっと怖い。

上位に限れば武器バランスは悪くないのですが、一方でキャラの方向性に大きく関わる脚部バランスは至極シンプルに悪いと思います。
AC6の強すぎる武装をフル活用できる上に防御面にも優れているタンクと四脚に対して、二脚は武装面で不利を背負う上に柔らかい。
どうしろと?
実際、タンクを使ってまともな二脚に負けたことがないんですよね。
一応、機動力というメリットはあるのでガン逃げとか高飛びとか、そういった極端なプレイスタイルを選択した二脚には負けたのですが、このために二脚を選べというのも酷というか不健全。

あと不味いのが見た目が格好良くて選びがちな二脚が弱くて、見た目がイロモノっぽくて使用者が少ないタンクと四脚が強いということなんですよね。
野試合での使用率は二脚とタンク四脚で体感8:2。
これは二脚を選ぶ人が弱キャラマニアというわけではなく、単純に見栄えがいいから選択しているかなと。
そして、両者にはPSでは埋めがたい圧倒的なキャラパワーの差がある……
そこまでガチらないライト層からすればタンク四脚に何もできずに負けることになって、どうしてもバランスが悪いと思えてしまうんですよね。
武器バランスは悪くないのでタンク四脚同士で対戦する分にはけっこう楽しいんですけどね。
ここは単純に二脚を強化してバランスを取って欲しいところ。

さて、駆け引きとプレイスタイルに関しては良くも悪くもないという感じですね。
駆け引きに関してはどの機体も格闘ができることになったので、引き撃ち機でもガン攻め機に差し込むという概念が生まれてけっこうそこの読み合いが楽しい。
一方で武装が強すぎてただ撃つだけでOKという展開が増えたのは功罪ありけり。
お互いのキャラパが匹儔していればただ撃つだけでは勝てないのですが、半端な機体相手なら駆け引きが入り込む隙間がない。
その点では悪いと言えてしまう。

プレイスタイルに関してはきっちり前に出てハメ殺す機体が環境にいるのは好印象。
攻めが弱い対戦はつまらないですからね。
その上で引いて勝つ機体にも見せ場あったりして、いろいろな勝ち方を狙えるようにはなっていると思います。
一方で相性差が出すぎる感もあって極端なじゃんけんになっているのはあまり印象が良くない。
武装が強すぎるから相性差が出やすくなっているとも言えるけど、かといって弱くすれば前述のダラダラとした試合になる危惧があって……
やっぱ土台の悪さを何とかしないとダメなのでは?

そんなわけでまとめとしては楽しい部分もあるけど割を食っている機体が多すぎる。ガチったらガチったらで相性差が露骨に出るのが不毛。
ただ相性差以前の単純なキャラパで試合前に決着が着くのは不健全なところがある。
それでも現状ではクソ武装で押し潰す色合いが濃いので冷めるよりも笑えるのは救いなのですが、そこから路線変更した時にどうなるのかは不安の方が強いですね。
フロム、対戦の調整は本当へたっぴなので……
とりあえず、調整で二脚の復権、あるいはみんなタンクと四脚を使って欲しいと思いマース。
いや、何でタンクと四脚をみんなは使わないの……?
家族を人質に取られているの……?